ペーパードールズという、その名前の通り、何ともメイドのようなそう若くもない御三方が、
ロリロリ衣装で映っているジャケットにはちょっと引いてしまいましたが、内容は素晴らしかったです。
英国PYEレーベルというと、ペチュラ・クラークやサンディー・ショウなどを筆頭に、ガールポップの宝庫なのですが、
その作風にはやはりモッズが狂喜乱舞するような強烈な英国臭を漂わせつつも、ソフトロックファンにも
アピールできる音楽としての懐の深さを感じさせてくれるアルバムがたくさんありました。
その中でも、このペーパードールズは、そのキワモノ的な出で立ちからは想像できないくらい、トニー・マコウレイによる
美しいメロディーと流麗なアレンジは本当に素敵ですし、ビーチボーイズやバカラックのカバーも出色の出来です。
それでいて、米国産の純粋ソフトロックにはない英国的なビートも確かに息づいていて、これぞPYEレーベルらしい音、
まさにレーベルの真骨頂と言えるようなグループです。
今までその存在は知ってはいたのですが、ジャケのなんとも言えないB級感から、購入を後回しにしてしまっていた事を
深く反省させられた一枚でもあります。