【概要】
(分野)地方行政、CSV
(頁数)本文302頁 + 後書13頁
(出版日)2015/10/2
本書は、地方の強みを活かせる自治体や企業の成功事例を多数紹介し、そこに共通する概念である「協創力」とは何なのかを明らかにすることで、政府のバラマキに終わらない主体的な「地方創生」について詳細に書かれています。
本書では、「協働のプラットフォーム」、「共有価値の創造」、「学びと発信力」、「三方よし」という数々のキーワードを、最新の事例を挙げながら具体的に説明されており、理論と実践の両立が図られています。
「地方創生」の事典としての活用も期待できそうです。
【内容】
本書で紹介される数々の事例からは、東日本大震災を経て国民感情が大きく変化した点を踏まえ、より多くの人が「共感」出来るかどうかが成功の秘訣である点が明らかになります。
そして、こうした「共感」が得られやすいような取組みには、日本人が昔ながら大事にして来た「三方よし(自分良し、相手良し、世間良し)」の要素が組み入れられている点を指摘し、著者はこれを「協創力」として新たに「協」、「創」、「力」の三つの視点から紹介しています。
著者の主張する「協」とは、「協働のプラットフォーム」を指します。これは地域に関わる全ての人が参加できる場を意味しています。
次に「創」は、「共有価値の創造(CSV)」である。この言葉は、ハーバード大学のマイケル・ポーター教授によって近年提唱された概念ですが、事業を通して生み出された「価値」が関係者全員にとって利益となることを意味します。
最後の「力」とは、人と人との「つながりの力」を指します。これは具体的に、他社と関わることで生まれる「気づき」に由来する学びの効果を指すものです。また、「つながり」という点から、「他者に発信する」という点も重視されています。
この様な、「協創力」を重視した「三方よし」を、筆者は「発信型三方よし」と述べています。「プラットフォーム」という視点が重視されている様に、積極的に発信することで参加者を増やし、新しい「つながり」を生み出すことで、様々な社会的課題を解決するイノベーションを起こす源泉を増やすのです。
本書で紹介される具体例は数十に及びます。ゆるキャラやご当地キャラ、産業クラスターと言った地域関連の事例や、トヨタ自動車の「アクア」、パナソニックの「GOPAN」、東武鉄道グループによる「東京スカイツリー」などの、企業と自治体・NPOとの連携まで多岐に渡ります。この事例と事例の繋がりを見るだけでも為になるでしょう。
【感想】
著者の笹谷氏は伊藤園のCSR推進部長であり、前職は農水省官僚として地域活性化に関わっていました。本書では、著者のこうした官僚時代の人脈や、事業部長としての経験が上手く融合しているように感じます。
どんなに良い事でも、ビジネスとしてペイしなければ長く続けることは出来ません。昨今話題のCSVも、一方的に企業が社会に利益を還元するCSRの反省から生まれたと考えられています。(筆者自体は、CSRの「企業社会的責任」と言う訳が誤解であり、本来「社会への反応力」とするのが妥当であるとしており、反応した結果、三方よしの価値を生み出すCSVとは両立できると述べています。)
こうした、地域とビジネスを上手く結びつける個性的な発想・事例が、どんどん生まれて来ることで、都市の劣化コピーにならない本当の「地方創生」を成し遂げられると信じたいです。
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ビジネス思考の日本創生・地方創生 協創力が稼ぐ時代 (Nanaブックス 128) 単行本(ソフトカバー) – 2015/10/2
笹谷秀光
(著)
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日本創生・地方創生はビジネスチャンスの宝庫!
企業人には、創生ビジネスで商機につなげるための「気づき」を!
自治体関係者には、民間の力を引き出し勝機につなげるための「気づき」を!
元官僚・現企業人の著者だからこその視点で、
「まち・ひと・しごと創生総合戦略」をはじめとする
日本創生・地方創生で「稼ぐ」秘訣をずばり解説。
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- 本の長さ320ページ
- 言語日本語
- 出版社ウィズワークス
- 発売日2015/10/2
- ISBN-104904899504
- ISBN-13978-4904899502
商品の説明
出版社からのコメント
地方が自立するためには、戦略が必要。
それには、企業の力が不可欠。
日本創生・地方創生には、ビジネスの芽がたくさんある。
我が友、笹谷氏の手によるこの書には、そんな芽を見つけ、
育むヒントがたくさんちりばめられている~石破茂(地方創生担当内閣府特命担当大臣)
それには、企業の力が不可欠。
日本創生・地方創生には、ビジネスの芽がたくさんある。
我が友、笹谷氏の手によるこの書には、そんな芽を見つけ、
育むヒントがたくさんちりばめられている~石破茂(地方創生担当内閣府特命担当大臣)
著者について
株式会社伊藤園 常務執行役員 CSR推進部長
特定非営利活動法人サステナビリティ日本フォーラム理事
日本経営倫理学会理事、グローバルビジネス学会理事
東京大学法学部卒業。1977年農林省(現農林水産)入省。
人事院研修で1981年ー1983年年フランス留学、外務省出向。
農林水産省にて中山間地域活性化推進室長、市場課長、国際経済課長等を歴任。
2003年環境省大臣官房政策評価広報課長、2005年環境省大臣官房審議官、
2006年農林水産省大臣官房審議官、2007年関東森林管理局長を経て、2008年退官。
同年伊藤園入社、知的財産部長、経営企画部長等を経て2010年ー2014年取締役。
2014年7月25日より現職。
特定非営利活動法人サステナビリティ日本フォーラム理事
日本経営倫理学会理事、グローバルビジネス学会理事
東京大学法学部卒業。1977年農林省(現農林水産)入省。
人事院研修で1981年ー1983年年フランス留学、外務省出向。
農林水産省にて中山間地域活性化推進室長、市場課長、国際経済課長等を歴任。
2003年環境省大臣官房政策評価広報課長、2005年環境省大臣官房審議官、
2006年農林水産省大臣官房審議官、2007年関東森林管理局長を経て、2008年退官。
同年伊藤園入社、知的財産部長、経営企画部長等を経て2010年ー2014年取締役。
2014年7月25日より現職。
登録情報
- 出版社 : ウィズワークス (2015/10/2)
- 発売日 : 2015/10/2
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 320ページ
- ISBN-10 : 4904899504
- ISBN-13 : 978-4904899502
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,153,592位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 18,431位ビジネス実用本
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年10月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2016年2月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本は20年間もデフレが続き、約1000兆円の国債を予算化したが、20年間GDP500兆円が増えなかった。このため3・11以降消滅可能性都市が全自治体の半数に上ることがわかり、地方自治およびその関係者間での危機感から、連携の場としてのプラットフォーム(共通基盤)をつくり、関係者間の「協創力」により、自治体の、持続可能性を求めて「稼ぐ」という活動が生まれた。この本は『稼ぐ』ための戦略(近江商人の経営理念である「三方よし」(自分よし、相手よし、世間よし)を採用し、国内だけでなく、海外に向けて「顔の見える日本」、「3・11によって生まれた『絆』、『安全・安心』、『エコ(環境・節約)』への信頼感」、「あなたの役に立つクールジャパン」等を強力に発信しはじめた。そしてこの戦略の中心は今、グローバル社会で希薄になり始めた「共有価値創造(Creating Shared Value(CSV)」と「企業の社会的責任(CSR)」から成り立っており、日本への信頼感を高める戦略でもある。
2017年2月12日に日本でレビュー済み
官僚出身で海外経験を有し、民間企業のCSRを担当する立場にいるが故に見えることがある、というのが本書の背景であろう。
特に地方を活性化する為に、自治体の観点からどのようなことを考え、地方創生に取り組んでいく必要があるのか、ということで全国各地域の事例が数多く取り上げられている。
CSV(共有価値創造)と「三方よし」とはほぼ同じ内容を指すと云われているが、筆者は「三方よし」の背後にある「陰徳善事」(人知れず社会に貢献しても、わかる人にはわかる、という意味)が、CSVとの違いであり、その違いを埋める為に「発信型三方よし」という云い方を使っている点は大変興味深いものがある。
特に地方を活性化する為に、自治体の観点からどのようなことを考え、地方創生に取り組んでいく必要があるのか、ということで全国各地域の事例が数多く取り上げられている。
CSV(共有価値創造)と「三方よし」とはほぼ同じ内容を指すと云われているが、筆者は「三方よし」の背後にある「陰徳善事」(人知れず社会に貢献しても、わかる人にはわかる、という意味)が、CSVとの違いであり、その違いを埋める為に「発信型三方よし」という云い方を使っている点は大変興味深いものがある。
2015年12月30日に日本でレビュー済み
行政と民間が協力することで地方創生を成し遂げる、という視点は間違っていない。
しかし、本書は「協創力」という著者が主張するキーワードに「合う」事例を、
行政その他の発表資料を表層的になぞるばかりで、分析も客観的な評価もできていない。
あとは自身の講演実績を紹介するばかり。ネットで聞きかじったことを話しているレベル。
地方創生のブームに当て込んだ、とても残念な本である。
しかし、こういう話は、講演にはもってこいなのでしょう。誰も傷つけず、何も生み出さない話。
しかし、本書は「協創力」という著者が主張するキーワードに「合う」事例を、
行政その他の発表資料を表層的になぞるばかりで、分析も客観的な評価もできていない。
あとは自身の講演実績を紹介するばかり。ネットで聞きかじったことを話しているレベル。
地方創生のブームに当て込んだ、とても残念な本である。
しかし、こういう話は、講演にはもってこいなのでしょう。誰も傷つけず、何も生み出さない話。