「 ※ 本書は、今日、
偽書や奇書と評価されている文書を批判ないしあげつらうのではなく、
『概略』と『解題』を通して、
それらが成立した背景と流布された過程を解説するものです 」 (目次より)
・
・
・・・そう、
だからこの本は、批判もしないし、あげつらいもしません。
一つの偽書や奇書にそれぞれ4ページを配し、
「概略」でその来歴を、「解題」で現在判明しているその偽書の正体を解説する。
これだけです。
ハッキリ言って本書は、良い本ですが、むっちゃ退屈な本です。
自分のように、過激な文言を期待していた人には、
ちょっとだけ残念な本です。
一つ一つの話が短い上に、物凄く淡々としているので、
2時間もあれば読み終わってしまいます。
しかも中には、
「 明らかな偽書ではなく平安時代成立の史書として一定の価値が有る、
とする意見も存在する( 『先代旧事本紀』 )」
という「解題」や、
「 単に荒唐無稽と片付けるには惜しいと言わざるを得ない ( 『史疑 徳川家康事蹟』 )」
という「解題」もけっこうあるので、
何から何まで完全な偽書・奇書を扱っているわけではないようです。
・
以下に目次を記すので、参考になれば。
・
・
はじめに・・・人はなぜ荒唐無稽な「歴史」を求めるのか
・
第1章 超古代史(古史古伝)
竹内文書・・・たけうちもんじょ 富士宮下文書・・・ふじみやしたもんじょ 上記・・・うえつふみ 秀真伝・・・ほつまつたえ
九鬼文書・・・くかみもんじょ 物部文書・・・もののべもんじょ 先代旧事本紀・・・せんだいくじほんぎ 契丹古伝・・・きったんこでん
東日流外三郡誌・・・つがるそとさんぐんし コラム・歴史教科書の改定を余儀なくされた、旧石器発掘ねつ造スキャンダル事件
・
第2章 飛鳥時代から平安時代
日本國未来記・・・にほんこくみらいき 南淵書・・・なんえんしょ 金剛峯寺建立修行縁起・・・こんごうぶじこんりゅうしゅぎょうえんぎ
玉造小町子壮衰書・・・たまつくりこまちしそうすいしょ 常盤御前鞍馬破・・・ときわごぜんくらまやぶり 浦島子伝・・・うらしまこでん
コラム・九州説と畿内説が有力視されているが、現在も解明できない邪馬台国の所在地
・
第3章 鎌倉時代から戦国時代
成吉思汗ハ源義経成・・・ジンギスカンはみなもとのよしつねなり 弁慶物語・・・べんけいものがたり 上嶋家文書・・・うえしまけもんじょ
椿井文書・・・つばいもんじょ 応仁記・・・おうにんき 甲陽軍艦・・・こうようぐんかん 越後軍記・・・えちごぐんき
武功夜話・・・ぶこうやわ コラム・最新の研究成果によって変更や削除が続く、教科書に掲載された偉人たちの肖像画
・
第4章 安土桃山時代から江戸時代
川角太閤記・・・かわすみたいこうき 史疑 徳川家康事蹟・・・しぎ とくがわいえやすしぎ 会津陣物語・・・あいづじんものがたり
真田三代記・・・さなださんだいき 山田仁左衛門渡唐録・・・やまだにざえもんととうろく 蝦夷一揆興廃記・・・えぞいっきこうはいき
元禄世間咄風聞集・・・げんろくせけんばなしふうぶんしゅう 中山夢物語・・・なかやまゆめものがたり 南方録・・・なんぽうろく
コラム・凧揚げ合戦の起源はどこから来たのか?「浜松城記」をめぐる真偽論争
・
第5章 まだまだある!社会に影響を与えた奇書
慶安御触書・・・けいあんのおふれがき 仙境異聞・・・せんきょういぶん 中山文庫・・・なかやまぶんこ 日月神示・・・ひつくしんじ
サンカ社会の研究 田中上奏文 江戸しぐさ 東方見聞録
コラム・「官製の歴史は必ずしも真実を伝えていない」。異端の歴史家・八切止夫が目指したもの
・
・
・・・以上。
目次を見て、気づいた人もいるかも知れないけど、
この本、終章である第5章だけはちょっとだけ「と学会」的な内容になっている。
個人的には、
三角寛の「サンカ社会の研究」と八切止夫はもっと掘り下げてほしかった。
「サンカ」も「八切止夫」も、
因縁のある塩見鮮一郎あたりにでもやらせれば、
乱離骨灰に叩き潰したであろうだけに、非常に残念。
とにかく淡々としているので、死ぬほど退屈な本。
良い本ではあるのだが、
良い本=面白いわけではないという見本のような本です。
このレビューが参考になれば幸いです。 ( `・ω・) ウーム…
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偽史と奇書が描くトンデモ日本史 (じっぴコンパクト新書) 新書 – 2017/1/20
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東北に王朝が!?
「東日流外三郡誌」、歴史小説に大活用された「武功夜話」など、
学術的に認められていない史料たち。
図らずもそうなってしまうものもあれば、意図的に作り出されたものもある。
その描かれた内容は、しかし、読む者を壮大なロマンへと誘う。
「偽史」「奇書」といわれる書物を「もう一つの日本史」として、それらが書かれた時代と、
それらがもたらした影響を交えながらブックガイドのスタイルで紹介する。
また、異説や仮説を展開した人びとなど歴史をめぐるできごとにもスポットをあてていく。
『江戸しぐさの正体』の原田実氏監修。
第一章 超古代史(古史古伝)
竹内文書/富士宮下文書/上記/秀真伝/九鬼文書/物部文書/先代旧事本紀/
天照大神本地/契丹古伝/東日流外三郡誌
・歴史教科書の改定を余儀なくされた、旧石器発掘ねつ造スキャンダル事件
第二章 飛鳥時代から平安時代
日本國未来記/南淵書/金剛峯寺建立修行縁起/玉造小町子壮衰書/
常盤御前鞍馬破/浦島子伝
・九州説と畿内説が有力視されているが、現在も解明できない邪馬台国の所在地
第三章 鎌倉時代から戦国時代
成吉思汗ハ源義経成/弁慶物語/上嶋家文書/椿井文書/応仁記/陽軍鑑/
越後軍記/武功夜話
・最新の研究成果によって変更や削除が続く、教科書に掲載された偉人たちの肖像画
第四章 安土桃山時代から江戸時代
川角太閤記/史疑 徳川家康事蹟/会津陣物語/真田三代記/山田仁左衛門渡唐録/
夷一揆興廃記/元禄世間咄風聞集/中山夢物語/南方録
・凧揚げ合戦の起源はどこから来たのか?『浜松城記』をめぐる真偽論争
第五章 まだまだある! 社会に影響を与えた奇書
慶安御触書/仙境異聞/中山文庫/霊界物語/日月神示/サンカ社会の研究/
田中上奏文/江戸しぐさ/東方見聞録(とうほうけんぶんろく)
・「官製の歴史は必ずしも真実を伝えていない」異端の歴史家・八切止夫が目指したもの
「東日流外三郡誌」、歴史小説に大活用された「武功夜話」など、
学術的に認められていない史料たち。
図らずもそうなってしまうものもあれば、意図的に作り出されたものもある。
その描かれた内容は、しかし、読む者を壮大なロマンへと誘う。
「偽史」「奇書」といわれる書物を「もう一つの日本史」として、それらが書かれた時代と、
それらがもたらした影響を交えながらブックガイドのスタイルで紹介する。
また、異説や仮説を展開した人びとなど歴史をめぐるできごとにもスポットをあてていく。
『江戸しぐさの正体』の原田実氏監修。
第一章 超古代史(古史古伝)
竹内文書/富士宮下文書/上記/秀真伝/九鬼文書/物部文書/先代旧事本紀/
天照大神本地/契丹古伝/東日流外三郡誌
・歴史教科書の改定を余儀なくされた、旧石器発掘ねつ造スキャンダル事件
第二章 飛鳥時代から平安時代
日本國未来記/南淵書/金剛峯寺建立修行縁起/玉造小町子壮衰書/
常盤御前鞍馬破/浦島子伝
・九州説と畿内説が有力視されているが、現在も解明できない邪馬台国の所在地
第三章 鎌倉時代から戦国時代
成吉思汗ハ源義経成/弁慶物語/上嶋家文書/椿井文書/応仁記/陽軍鑑/
越後軍記/武功夜話
・最新の研究成果によって変更や削除が続く、教科書に掲載された偉人たちの肖像画
第四章 安土桃山時代から江戸時代
川角太閤記/史疑 徳川家康事蹟/会津陣物語/真田三代記/山田仁左衛門渡唐録/
夷一揆興廃記/元禄世間咄風聞集/中山夢物語/南方録
・凧揚げ合戦の起源はどこから来たのか?『浜松城記』をめぐる真偽論争
第五章 まだまだある! 社会に影響を与えた奇書
慶安御触書/仙境異聞/中山文庫/霊界物語/日月神示/サンカ社会の研究/
田中上奏文/江戸しぐさ/東方見聞録(とうほうけんぶんろく)
・「官製の歴史は必ずしも真実を伝えていない」異端の歴史家・八切止夫が目指したもの
- 本の長さ208ページ
- 言語日本語
- 出版社実業之日本社
- 発売日2017/1/20
- ISBN-104408112054
- ISBN-13978-4408112053
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商品の説明
著者について
監修者:原田 実
1961年広島市生まれ。龍谷大学卒。歴史研究家として偽書・偽史の問題を中心に考察。『幻想の超古代史』『幻想の津軽王国』『幻想の荒覇吐秘史』(批評社)『「古史古伝」異端の神々』(BNP)『トンデモ日本史の真相』『トンデモニセ天皇の世界』(文芸社)『トンデモ偽史の世界』(楽工社)『つくられる古代史』(新人物往来社)『江戸しぐさの正体』『江戸しぐさの終焉』(星海社)他、著書・共著・論考多数。と学会会員。ASIOS会員。
著者:オフィステイクオー
2000年創業、2012年設立の大阪に拠点を置く編集プロダクション。歴史・ミリタリー・科学・オカルト・ドラマ・アイドルなど、執筆ジャンルは多岐にわたる。主な著書は『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』『時代小説・時代劇がよくわかる剣術・剣豪と刀』(ともに実業之日本社)『教科書に載っていない日本軍の謎』『封印された科学実験』(ともに彩図社)『本当に人に聞けないお金の話』(宝島社)他多数。
1961年広島市生まれ。龍谷大学卒。歴史研究家として偽書・偽史の問題を中心に考察。『幻想の超古代史』『幻想の津軽王国』『幻想の荒覇吐秘史』(批評社)『「古史古伝」異端の神々』(BNP)『トンデモ日本史の真相』『トンデモニセ天皇の世界』(文芸社)『トンデモ偽史の世界』(楽工社)『つくられる古代史』(新人物往来社)『江戸しぐさの正体』『江戸しぐさの終焉』(星海社)他、著書・共著・論考多数。と学会会員。ASIOS会員。
著者:オフィステイクオー
2000年創業、2012年設立の大阪に拠点を置く編集プロダクション。歴史・ミリタリー・科学・オカルト・ドラマ・アイドルなど、執筆ジャンルは多岐にわたる。主な著書は『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』『時代小説・時代劇がよくわかる剣術・剣豪と刀』(ともに実業之日本社)『教科書に載っていない日本軍の謎』『封印された科学実験』(ともに彩図社)『本当に人に聞けないお金の話』(宝島社)他多数。
登録情報
- 出版社 : 実業之日本社 (2017/1/20)
- 発売日 : 2017/1/20
- 言語 : 日本語
- 新書 : 208ページ
- ISBN-10 : 4408112054
- ISBN-13 : 978-4408112053
- Amazon 売れ筋ランキング: - 540,307位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 235位じっぴコンパクト新書
- - 10,340位日本史 (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2017年2月1日に日本でレビュー済み
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2018年10月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
思っていたものと違ったのでこの評価です。ほとんど奇書の部分が欲しがった。
2018年7月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
色んな神代文字関連の本を読みあさってきたけれど、
この本は内容が薄く、さらりとした紹介と、
信憑性(偽書だろう)についてコメントがあるだけで、ロマンを掻き立てられるような
内容はなく、むしろそういった気持ちが消えていく感じの本。
古代のロマンを感じたいのであれば別の本を買う事をすすめます。
この本は内容が薄く、さらりとした紹介と、
信憑性(偽書だろう)についてコメントがあるだけで、ロマンを掻き立てられるような
内容はなく、むしろそういった気持ちが消えていく感じの本。
古代のロマンを感じたいのであれば別の本を買う事をすすめます。
2017年2月1日に日本でレビュー済み
1項目が短く、もう少し掘り下げて欲しいところです。テーマが面白いだけに勿体ない。
項目ごとに多くのライターに原稿を依頼してまとめる、ネットまとめのような作り方をしたのかなと思います。
監修の方の江戸しぐさウォッチ本が面白かっただけに残念。
項目ごとに多くのライターに原稿を依頼してまとめる、ネットまとめのような作り方をしたのかなと思います。
監修の方の江戸しぐさウォッチ本が面白かっただけに残念。
2019年11月4日に日本でレビュー済み
真偽不明なお騒がせ文献大集合であります。
お約束の古史古伝をはじめ、小谷部全一郎・村岡素一郎・三角寛・出口王仁三郎らの著書に、はては『田中上奏文』まで紹介されているという賑やかさ。でも、中世の説話文学や江戸の風聞集・実録本までトンデモ枠でかまわないのでしょうか?
一番驚きなのは『慶安御触書』がトンデモ案件だってこと! 歴史家が文献を捏造して、正史にさらっと紛れ込ませてしまうのだから笑い話になりません。
全体に奇説を批判するよりもシンパシーを覚えている感じなので、偽史ウオッチャーには消化不良な一冊。
お約束の古史古伝をはじめ、小谷部全一郎・村岡素一郎・三角寛・出口王仁三郎らの著書に、はては『田中上奏文』まで紹介されているという賑やかさ。でも、中世の説話文学や江戸の風聞集・実録本までトンデモ枠でかまわないのでしょうか?
一番驚きなのは『慶安御触書』がトンデモ案件だってこと! 歴史家が文献を捏造して、正史にさらっと紛れ込ませてしまうのだから笑い話になりません。
全体に奇説を批判するよりもシンパシーを覚えている感じなので、偽史ウオッチャーには消化不良な一冊。
2017年2月13日に日本でレビュー済み
いわゆる偽書、奇書といわれる類の歴史上の書物を紹介していくブックガイド本です。
時代ごとに分けて成立が古い順に5章構成。
基本4ページ、有名どころには6ページを充てて「概略」「解題」の2項目で解説しています。
目次にも書かれている本書の特徴として、対象書物を批判するのではなく
成立背景や流布の過程を解説するという態度を取っています。
そのため良く言えば穏健ですが、悪く言えば淡々としています。
個人的には最後の章が一番楽しめました。
霊界物語や日月神示など、オカルト本の読者ならなじみのあるタイトルのはず。
微妙なのは完全にトンでもな偽書と、講談的な作り話、単純に奇妙な本などがごちゃ混ぜになっている点。
タイトルの「偽史と奇書」には沿っていますが、もっとテーマを絞り込んだ方が統一感が出たと思います。
時代ごとに分けて成立が古い順に5章構成。
基本4ページ、有名どころには6ページを充てて「概略」「解題」の2項目で解説しています。
目次にも書かれている本書の特徴として、対象書物を批判するのではなく
成立背景や流布の過程を解説するという態度を取っています。
そのため良く言えば穏健ですが、悪く言えば淡々としています。
個人的には最後の章が一番楽しめました。
霊界物語や日月神示など、オカルト本の読者ならなじみのあるタイトルのはず。
微妙なのは完全にトンでもな偽書と、講談的な作り話、単純に奇妙な本などがごちゃ混ぜになっている点。
タイトルの「偽史と奇書」には沿っていますが、もっとテーマを絞り込んだ方が統一感が出たと思います。
2017年2月11日に日本でレビュー済み
偽書、奇書をまとめて「紹介」している本です。
監修は原田実氏ですが、偽書であっても、と学会やASIOSのような「検証」「批判」は控えめです。あくまで「紹介」ですね。
原田氏が深く関わった東日流外三郡誌や、三角寛のサンカ、竹内文書、秀真伝、中山文庫など過去の書籍で検証を加えて「真相」も判明しているものも至極あっさり書かれているので、過去に氏の著作や『偽書「東日流外三郡誌」事件』などを読まれた方、懐疑派本のような検証を期待される方には物足りない内容だと思います。
あと個人的には、東日流外~や中山文庫などの偽書と、天照大神本地などの奇書がまじっているのも何だか収まりが悪く感じます。
しかし、はじめてこういった偽書、奇書に触れるという方には手軽に読める内容です。
ここから、本文や巻末で紹介されている参考文献へと進まれれば、より深く複雑で、時として人間臭い偽書の世界を楽しめると思います。
その導入には良いかと。
監修は原田実氏ですが、偽書であっても、と学会やASIOSのような「検証」「批判」は控えめです。あくまで「紹介」ですね。
原田氏が深く関わった東日流外三郡誌や、三角寛のサンカ、竹内文書、秀真伝、中山文庫など過去の書籍で検証を加えて「真相」も判明しているものも至極あっさり書かれているので、過去に氏の著作や『偽書「東日流外三郡誌」事件』などを読まれた方、懐疑派本のような検証を期待される方には物足りない内容だと思います。
あと個人的には、東日流外~や中山文庫などの偽書と、天照大神本地などの奇書がまじっているのも何だか収まりが悪く感じます。
しかし、はじめてこういった偽書、奇書に触れるという方には手軽に読める内容です。
ここから、本文や巻末で紹介されている参考文献へと進まれれば、より深く複雑で、時として人間臭い偽書の世界を楽しめると思います。
その導入には良いかと。
2017年2月22日に日本でレビュー済み
本書では、偽書、奇書とされる四十二の本が取り上げられており、それぞれについて概略と解題が付くという構成になっている。「竹内文書」、「上記(うえつふみ)」、「秀真伝(ほつまつたえ)」といった偽書として有名な(?)ものから、「真田三代記」、「慶安御触書」、マルコポーロの「東方見聞録」など解説を読まないとなぜ偽書や奇書の一つとして取り上げられたのか良く分からないものまで、かなり幅広い本が紹介されている。解説では、その本が成立した背景や社会に及ぼした影響なども書かれており、読み物としては中々面白い。また一部には、偽書として研究した本のタイトルや出版社も載っているので、本書で興味を持った本についてより詳しく知りたいという人には有用だろう(本書にも紹介されている『偽書「東日流外三郡誌」事件』などは非常に面白いルポである)。
注文を付けるとすると、本書では「超古代史」から始まって、時代ごとに章立てし本が紹介されているが、偽書と奇書の区別はされていないので、解説を読まないとどちらで取り上げられた本か良く分からない。定義が難しい面もあるとは思うし、偽書、奇書の両方の性格を持った本もあるだろうが、ある程度分類してあった方が分かりやすいであろう。また監修者、著者は偽書の社会的、時代的な意義に重点を置いているのか、明らかに偽書であるという書き方はほとんどされていない。しかしこれまでの研究等でほぼ偽書とみなされているものなどははっきりそう書いた方が良いのではないか。偽書であると分かった上でさらに中身を知りたいという人もいれば、ほぼ偽書と分かっている本にはそれ以上関わりたくないという人もおり、その方が親切であると思われる。
注文を付けるとすると、本書では「超古代史」から始まって、時代ごとに章立てし本が紹介されているが、偽書と奇書の区別はされていないので、解説を読まないとどちらで取り上げられた本か良く分からない。定義が難しい面もあるとは思うし、偽書、奇書の両方の性格を持った本もあるだろうが、ある程度分類してあった方が分かりやすいであろう。また監修者、著者は偽書の社会的、時代的な意義に重点を置いているのか、明らかに偽書であるという書き方はほとんどされていない。しかしこれまでの研究等でほぼ偽書とみなされているものなどははっきりそう書いた方が良いのではないか。偽書であると分かった上でさらに中身を知りたいという人もいれば、ほぼ偽書と分かっている本にはそれ以上関わりたくないという人もおり、その方が親切であると思われる。