およそ半世紀前、遥かなる地で撮られた、わたしたちの映画。
『チリの闘い』はパトリシオ・グスマン監督による三部構成のドキュメンタリー映画である。
東西冷戦期の1970年、チリでは選挙によって成立した世界初の社会主義政権が誕生し、サルバドール・アジェンデが大統領に就任した。
「反帝国主義」「平和革命」を掲げて世界的な注目を集め、民衆の支持を得ていたが、
その改革政策は国内の保守層、多国籍企業、そしてアメリカ合衆国政府との間に激しい軋轢を生み、チリの社会・経済は混乱に至る。
1973年9月11日、陸軍のアウグスト・ピノチェト将軍ら軍部が米国CIAの支援を受け、軍事クーデターを起こす。
アジェンデは自殺(諸説あり)。以後、チリはピノチェトを中心とした軍事独裁政権下に置かれた。
パトリシオ・グスマンは、このチリにおける政治的緊張と社会主義政権の終焉を撮影・記録。
クーデターの後、グスマンは逮捕・監禁されるも処刑の難を逃れ、フランスに亡命。
撮影されたフィルムも奇跡的に国外に持ち出され、映画監督クリス・マルケルやキューバ映画芸術産業庁(ICAIC)の支援を得て、「史上最高のドキュメンタリー映画」とも言われる破格の作品を完成させた。
【内容】
第1部 ブルジョワジーの叛乱(1975)
第2部 クーデター(1976)
第3部 民衆の力(1978)
【作品情報】
監督:パトリシオ・グスマン
スタッフ:助監督:ホセ・バルトロメ
撮影:ホルヘ・ミューラー・シルバ
編集:ペドロ・チャスケル
録音:ベルナルド・メンス
製作国:チリ/フランス/キューバ
カラー
日本語字幕
スペイン語
製作年:197519761978年
スタンダード
1975年・1976年カンヌ国際映画祭「監督週間」部門
1975年・1976年・1979年ベルリン国際映画祭フィルム・フォーラム
1979年ハバナ新ラテンアメリカ映画祭グランプリ など
封入ブックレット、日本公開時の予告編映像