日本では一目おかれている知性派二人の対談です。
東京オリンピックを3年後に迎える一種の高揚感をもつ国民に、多いに頷ける内容にしたいとの企画意図が透けて見えます。
短い時間軸でより効率的な政策を提案する竹中氏と、歴史的観点により長い時間軸から発言している出口氏とでは、噛み合っているようで噛み合わない部分があり、そこは上手にお互い合わせています。
そもそも出口氏は少子高齢化で年金や将来の生活に不安を感じている国民に対して、将来のことは考えても仕方ない、高齢になっても働けばあまり問題はないと、問題の焦点を放り投げています。
経済行動学では人間はある参照点を基準に利得より損失のほうが心理的インパクトが高いことが知られています。全くの能力給制度の下で70歳を越えた高齢者が真に幸福に働けるのか疑問です。
この本の中で二人の意見が一致している部分は普遍的に価値があると言えるかもしれません。
>陽明学に、「知行合一」という考え方があります。知ることと実行することは2つに分けられないという教えですが、この言葉は、朱子学の「知先行後」(知が先にあって行が後になる)に対するアンチテーゼだと言われているそうです。 知先行後だと、学ぶだけで何もしないで終わってしまうというわけです。(出口)
>僕はよく、「人、本、旅」と言っているのですが、たくさんの人に会ったり、たくさん本を読んだり、たくさんの場所を訪れたりしてインプットの量を増やさなければ、おもしろいアイデアは生まれないと思います。(出口)
>人生というのは、夢を叶えるプロセスです。人生の満足感はプロセスの中にあって、「一所懸命生きたかどうか」が大事だと思います。(竹中)
>「川を上れ」とは、歴史をさかのぼって見識を深めよ、という教えで、「海を渡れ」とは、海外に目を向けて視野を広げよ、という意味です。(竹中)

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人生100年時代のお金の不安がなくなる話 (SB新書) 新書 – 2017/9/6
将来の心配は、ムダでした
●日本の政策通であり経済学の人気講師である竹中平蔵先生と、
ビジネスパーソンから若い人まで人気の出口治明社長が、未来について語る
日本の政策ブレーンである竹中平蔵先生と、ビジネスパーソンに人気の出口治明社長が初対談。
AI、年金問題、老後不安など、問題山積の世の中ですが、私たちの考える心配のほとんどは、
実は意味のないこと。
悩みが吹き飛び、今の社会の真の問題をあぶりだすお二人の提案をまとめます。
●「老後貧乏」はありえない、老人ホームはサッカー場に! 意外な論点で未来の不安がなくなる!
・「毎年県が1つなくなるのに働き口がない(お金がない)なんてありえない」「不安は、経済が成長するから起こる」など、
お二人の論理的なお話は「確かに! 」と不安を払しょくしてしまうもの。
また、「老人ホームは、歌舞伎町・サッカー場・大学に立てるべき」など、一見とんだアイデアも、お二人にかかれば、本当に理にかなったアイデアであり、未来を明るくします。
●日本の政策通であり経済学の人気講師である竹中平蔵先生と、
ビジネスパーソンから若い人まで人気の出口治明社長が、未来について語る
日本の政策ブレーンである竹中平蔵先生と、ビジネスパーソンに人気の出口治明社長が初対談。
AI、年金問題、老後不安など、問題山積の世の中ですが、私たちの考える心配のほとんどは、
実は意味のないこと。
悩みが吹き飛び、今の社会の真の問題をあぶりだすお二人の提案をまとめます。
●「老後貧乏」はありえない、老人ホームはサッカー場に! 意外な論点で未来の不安がなくなる!
・「毎年県が1つなくなるのに働き口がない(お金がない)なんてありえない」「不安は、経済が成長するから起こる」など、
お二人の論理的なお話は「確かに! 」と不安を払しょくしてしまうもの。
また、「老人ホームは、歌舞伎町・サッカー場・大学に立てるべき」など、一見とんだアイデアも、お二人にかかれば、本当に理にかなったアイデアであり、未来を明るくします。
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社SBクリエイティブ
- 発売日2017/9/6
- 寸法11.3 x 1.4 x 17.4 cm
- ISBN-10479739059X
- ISBN-13978-4797390599
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商品の説明
著者について
出口治明。ライフネット生命創業者。1948年、三重県生まれ。京都大学を卒業後、日本生命に入社。企画部などで経営企画を担当するとともに、生命保険協会の初代財務企画専門委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事する。ロンドン現地法人社長などを務めたあと同社を退職。2008年にライフネット生命保険株式会社を開業した。
登録情報
- 出版社 : SBクリエイティブ (2017/9/6)
- 発売日 : 2017/9/6
- 言語 : 日本語
- 新書 : 224ページ
- ISBN-10 : 479739059X
- ISBN-13 : 978-4797390599
- 寸法 : 11.3 x 1.4 x 17.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 527,538位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 784位SB新書
- - 3,484位経済学・経済事情
- - 74,080位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年11月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2022年9月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
コロナ前に書かれているので、オリンピックで経済発展出来るのではと書かれている部分があるが、それ以外は参考になる。
第四次産業革命(AI)により、職を失うことはなく、第一次産業革命後のように、更に雇用が創出されるだろうと考察している。
歴史を鑑みて考察しているので興味深い。
第四次産業革命(AI)により、職を失うことはなく、第一次産業革命後のように、更に雇用が創出されるだろうと考察している。
歴史を鑑みて考察しているので興味深い。
2018年6月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自分は、現在59歳になります。この本を読んでこれからの人生設計に役立てたいと思います。
2019年3月28日に日本でレビュー済み
この本は人が必ず死ぬことへの啓蒙書であり間違いなく名著だ。特に今日本の名経済学者東洋大教授の竹中平蔵氏に対する誹謗はやめてほしい。どうせ読まず買わずにレビューをしてるのは見え見えである。説明する。
このお2人には違いがある。片方の出口氏はよくわからないが人は必ず死ぬから割り切って覚悟を決めれば日々を過ごす強さは、誰にも必要と考えてる。だからこそあとで調べたが独自の判断が先んじすぎだか、安くとも西洋世界史に代わる日本人のための歴史本の良書を精力的に出版できるのだ。今のEUをみるとあながち出口氏とは鋭い方ではないか。
逆に言えば正直言ってこの本の内容では竹中平蔵氏は他の方の優れた力を借りているとしか、今思えない。出口氏の知見に自分の耳学問を加えては竹中氏の真の力が示せない。実は歴史学には公式はないし内容は最新研究や発見のたびコロコロ変わる。話をまとめる。
不安とは死ぬまでの人生共通の問い掛けだ。不安あるなしに人は生きる内にできることはしておくべきだ。不安が全部無くなるとは自分が死ぬ時だ。出口氏は死の覚悟はあるようだが竹中平蔵氏は不安で死が怖いから対談を出口氏に頼むでは情けないし知識人としては底が浅い。みなさんもレビューを頼みます。
私が全部正しくと死はある。誰しもに。不安とはまず今具体的に考えることから。厄介なのは人が死んでも遺産をめぐる争いもある。ほんの一例です。長文失礼しました。
このお2人には違いがある。片方の出口氏はよくわからないが人は必ず死ぬから割り切って覚悟を決めれば日々を過ごす強さは、誰にも必要と考えてる。だからこそあとで調べたが独自の判断が先んじすぎだか、安くとも西洋世界史に代わる日本人のための歴史本の良書を精力的に出版できるのだ。今のEUをみるとあながち出口氏とは鋭い方ではないか。
逆に言えば正直言ってこの本の内容では竹中平蔵氏は他の方の優れた力を借りているとしか、今思えない。出口氏の知見に自分の耳学問を加えては竹中氏の真の力が示せない。実は歴史学には公式はないし内容は最新研究や発見のたびコロコロ変わる。話をまとめる。
不安とは死ぬまでの人生共通の問い掛けだ。不安あるなしに人は生きる内にできることはしておくべきだ。不安が全部無くなるとは自分が死ぬ時だ。出口氏は死の覚悟はあるようだが竹中平蔵氏は不安で死が怖いから対談を出口氏に頼むでは情けないし知識人としては底が浅い。みなさんもレビューを頼みます。
私が全部正しくと死はある。誰しもに。不安とはまず今具体的に考えることから。厄介なのは人が死んでも遺産をめぐる争いもある。ほんの一例です。長文失礼しました。
2017年10月17日に日本でレビュー済み
お金に対する不安を解消する考え方を学ぶビジネス書です。
たとえば、今までの常識である「敬老」を否定し、「年齢フリー」での考え方など、新常識を打ち出しています。
今までの考え方では、この先の日本で破綻します。
新しい考え方を学ぶことで、思考の多角化を実現することができます。
漠然と未来に不安を持つサラリーマンに読んで欲しいですね。
絶望した『縮小ニッポンの衝撃』の答えが書いています。
個人的な思考を変えるだけでなく、新しい日本のシステムについても論じてくれています。
もしこの本で提案されている提案が実行されれば、日本はさらに住みやすい環境になるでしょう。
少しずつ政治を変えていくためにも、この本が広がっていけるといいですね。
たとえば、今までの常識である「敬老」を否定し、「年齢フリー」での考え方など、新常識を打ち出しています。
今までの考え方では、この先の日本で破綻します。
新しい考え方を学ぶことで、思考の多角化を実現することができます。
漠然と未来に不安を持つサラリーマンに読んで欲しいですね。
絶望した『縮小ニッポンの衝撃』の答えが書いています。
個人的な思考を変えるだけでなく、新しい日本のシステムについても論じてくれています。
もしこの本で提案されている提案が実行されれば、日本はさらに住みやすい環境になるでしょう。
少しずつ政治を変えていくためにも、この本が広がっていけるといいですね。
2017年11月14日に日本でレビュー済み
将来のお金の心配がいらないんじゃなくて、こちとら今ですらお金の心配が尽きないのだが…。
労働者派遣法改正案によって格差を増大させた張本人が作者の本。
まったく参考にならず、むしろ読んだならイラつきによって自身の寿命が減りそう。
読者を早死にさせることによって年金を受給させない事が目的の本か?
労働者派遣法改正案によって格差を増大させた張本人が作者の本。
まったく参考にならず、むしろ読んだならイラつきによって自身の寿命が減りそう。
読者を早死にさせることによって年金を受給させない事が目的の本か?
2019年11月21日に日本でレビュー済み
竹中さんも出口さんも、とても頭がきれて、とても有能な方なのに、全然偉そうではなく、語り口は柔らかく、多くの方が理解できる言葉で話されている。これからの日本を語るには、日本の現状だけに視点を当てるのではダメで、歴史、海外から学ぶ姿勢が欠かせない。本書にもかかれているとおり、日本ではまだ以前の経済成長が忘れられない。みんながどうしてかつての経済成長があったのかを知ることがもっと大切だと思った。社会構造が変わっているのに、どこかまた戻れないかなと期待しているのはおかしい。今の制度、政策、常識、これを前提として社会の在り方を考えるのではなく、どうあるべきかを議論して、前提から疑って議論する姿勢が必要。特に若い世代の方に是非読んでもらいたい。やり方次第でまだまだいける!日本に希望が持てる1冊です。
2017年9月9日に日本でレビュー済み
結局のところ、メディアで流される情報は、不安を煽るものや、劣等感・嫉妬心を満足させるもの、といったものが受けての関心を買う、というだけの理由で流通している。ので、社会問題の本質や、本当に不安になる必要があるかどうか、なんてことは二の次である。
本書は、「人生100年時代のお金の不安がなくなる話」というタイトルで、やはり人の不安につけこんだタイトルではあるものの、老後破産・年金崩壊・IT革命・貧困・高齢化社会・人口減少といったテーマに対し、碩学の二人が対談を通して、問題の本質を明らかにして解決策を提示し、今後の不安を取り除いてくれる。政治や学者の世界で活躍中の竹中氏、そして実業の世界で結果を残し続けている出口氏の二人だけに、すべの議論が論理的・実践的であり、幅広い学識・教養に裏打ちされている。もちろん、これらの解決策が実行されるには、政治・議会というフィルターを通した上で立法化される必要があるものや、人々の常識を変えなくてはならないものなど、実現するには困難なものもあるだろう。しかし、本書中に引用があるのだが、
悲観は気分である。しかし、楽観は意志である。(アラン『幸福論』)
とあるように、きっと意志を強くもてば、楽観的に実現・解決できるのであろう。対談の中盤で、竹中氏の教え子が、とある人物に成功する秘訣を教えてもらうくだりがある。その秘訣とは、
成功するまでやることだ
とのことだ。つまり失敗することを悲観してその場に停滞するのではなく、成功すると楽観して行動し続けることが、何よりも大事ということだろう。人口減少だからこれからの日本はだめになる、どうせ俺たち年金なんてもらえない、といじけながら生きるよりは、ならばその状況下でどうやってよりよく生きていくか、と考えながら生きていくほうが、確かに幸せだ。
タイトルに「人生100年時代」、「お金」、そして「不安」と人をネガティブな要素で惹きつけておきながら、読後感は帯にある二人の写真の表情のように、明るい気分になれるのは間違いない。ただし、自分自身に厳しく向き合ってきた二人のこと、その思考の根底には、当たり前のように「自助努力」の必要性があることは言うまでもないだろう。
本書は、「人生100年時代のお金の不安がなくなる話」というタイトルで、やはり人の不安につけこんだタイトルではあるものの、老後破産・年金崩壊・IT革命・貧困・高齢化社会・人口減少といったテーマに対し、碩学の二人が対談を通して、問題の本質を明らかにして解決策を提示し、今後の不安を取り除いてくれる。政治や学者の世界で活躍中の竹中氏、そして実業の世界で結果を残し続けている出口氏の二人だけに、すべの議論が論理的・実践的であり、幅広い学識・教養に裏打ちされている。もちろん、これらの解決策が実行されるには、政治・議会というフィルターを通した上で立法化される必要があるものや、人々の常識を変えなくてはならないものなど、実現するには困難なものもあるだろう。しかし、本書中に引用があるのだが、
悲観は気分である。しかし、楽観は意志である。(アラン『幸福論』)
とあるように、きっと意志を強くもてば、楽観的に実現・解決できるのであろう。対談の中盤で、竹中氏の教え子が、とある人物に成功する秘訣を教えてもらうくだりがある。その秘訣とは、
成功するまでやることだ
とのことだ。つまり失敗することを悲観してその場に停滞するのではなく、成功すると楽観して行動し続けることが、何よりも大事ということだろう。人口減少だからこれからの日本はだめになる、どうせ俺たち年金なんてもらえない、といじけながら生きるよりは、ならばその状況下でどうやってよりよく生きていくか、と考えながら生きていくほうが、確かに幸せだ。
タイトルに「人生100年時代」、「お金」、そして「不安」と人をネガティブな要素で惹きつけておきながら、読後感は帯にある二人の写真の表情のように、明るい気分になれるのは間違いない。ただし、自分自身に厳しく向き合ってきた二人のこと、その思考の根底には、当たり前のように「自助努力」の必要性があることは言うまでもないだろう。