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なぜ技術で勝ってビジネスで負けるのか 単行本 – 2015/12/19
いまや凋落傾向にある「ものづくり大国日本」。しかし、かつては極めて強かった。特に、
1980年代から2000年代後半に掛けてだ。日本のエレクトロニクス・メーカーは確かに
ある時期、世界のエレクトロニクス市場に君臨していた。
この地位を手にできた要因の一つとして、最終製品の性能を左右する「キー・コンポー
ネント」の分野で「世界ナンバー1」の評価をつかんだことが挙げられるだろう。製造規模
や価格競争力だけの話ではない。性能や機能でも世界のトップを走っていたのだ。例えば、
パソコンに使われるDRAM、ノート・パソコン用の液晶パネル、携帯型ビデオ・カメラの重
要部品であるLiイオン2次電池などがそうだろう。では、なぜ圧倒的な地位を築けたのか。
その背景には、ものづくり大国日本が誇る「勝利の方程式」があった。
実は、この勝利の方程式が通用しなかった特異な例がある。HDD(ハード・ディスク装置)だ。
HDDは米国で考案された技術で、メインフレーム機のキー・コンポーネントだった。メインフ
レーム機で米国メーカーに対抗するには、マイクロプロセッサやDRAMなどのほか、HDD
でも主導権を握る必要がある。そう判断して、日本の多くのエレクトロニクス・メーカーが開
発に乗り出した。成功体験に裏打ちされた勝利の方程式を当てはめ、必勝の体勢で挑んだ
のである。
この結果、さまざまな卓越した独自技術が生まれた。垂直磁気記録技術や、記録ヘッドや
磁気メディア媒体のめっき技術、TMRヘッド技術などである。これらは実際に、現行のHDD
にも採用される基礎技術となっている。技術では、期待どおり、多大な成果が生まれたので
ある。だが、ビジネスでは勝てなかった。日本メーカーは過去一度も、HDD市場の主導権を
握ったことはない。米国メーカーからHDD市場の覇権を奪えなかったのだ。
結局、必勝の方程式とは何だったのか、なぜHDDの分野でそれは通用しなかったのか。
本書では、HDD分野で繰り広げられた開発競争と日本で生み出された重要技術の開発スト
ーリーを振り返り、そこから見えてくる「勝てなかった理由」を技術経営的視点で分析していく。
1980年代から2000年代後半に掛けてだ。日本のエレクトロニクス・メーカーは確かに
ある時期、世界のエレクトロニクス市場に君臨していた。
この地位を手にできた要因の一つとして、最終製品の性能を左右する「キー・コンポー
ネント」の分野で「世界ナンバー1」の評価をつかんだことが挙げられるだろう。製造規模
や価格競争力だけの話ではない。性能や機能でも世界のトップを走っていたのだ。例えば、
パソコンに使われるDRAM、ノート・パソコン用の液晶パネル、携帯型ビデオ・カメラの重
要部品であるLiイオン2次電池などがそうだろう。では、なぜ圧倒的な地位を築けたのか。
その背景には、ものづくり大国日本が誇る「勝利の方程式」があった。
実は、この勝利の方程式が通用しなかった特異な例がある。HDD(ハード・ディスク装置)だ。
HDDは米国で考案された技術で、メインフレーム機のキー・コンポーネントだった。メインフ
レーム機で米国メーカーに対抗するには、マイクロプロセッサやDRAMなどのほか、HDD
でも主導権を握る必要がある。そう判断して、日本の多くのエレクトロニクス・メーカーが開
発に乗り出した。成功体験に裏打ちされた勝利の方程式を当てはめ、必勝の体勢で挑んだ
のである。
この結果、さまざまな卓越した独自技術が生まれた。垂直磁気記録技術や、記録ヘッドや
磁気メディア媒体のめっき技術、TMRヘッド技術などである。これらは実際に、現行のHDD
にも採用される基礎技術となっている。技術では、期待どおり、多大な成果が生まれたので
ある。だが、ビジネスでは勝てなかった。日本メーカーは過去一度も、HDD市場の主導権を
握ったことはない。米国メーカーからHDD市場の覇権を奪えなかったのだ。
結局、必勝の方程式とは何だったのか、なぜHDDの分野でそれは通用しなかったのか。
本書では、HDD分野で繰り広げられた開発競争と日本で生み出された重要技術の開発スト
ーリーを振り返り、そこから見えてくる「勝てなかった理由」を技術経営的視点で分析していく。
- 本の長さ192ページ
- 言語日本語
- 出版社日経BP
- 発売日2015/12/19
- 寸法18.8 x 12.8 x 2.5 cm
- ISBN-104822272931
- ISBN-13978-4822272937
商品の説明
著者について
山下勝己
技術ジャーナリスト
1991年に山梨大学大学院 電気工学専攻を修了。同年、株式会社日経BPに入社。日経エレクトロ
ニクス編集部において、アナログや電源、電池、ノイズ/静電気対策、ディスプレイ、光ディスク、光
通信、光半導体、受動部品などの分野を担当する。2000年10月に日本カーナーズ株式会社(後
のリード・ビジネス・インフォメーション株式会社)に移り、『EDN Japan』誌の立ち上げに参加。2004年
3月には『Electronics Business』誌の編集長に就任した。その後、2005年1月にE2パブリッシン
グ株式会社を立ち上げ、『EE Times Japan』誌を創刊。初代の編集長を務めた。
仲森智博
日経BP社 日経BP未来研究所長/早稲田大学 研究院客員教授
早稲田大学理工学部応用化学科卒業。1984年沖電気工業入社、基盤技術研究所にて薄膜材料など
の研究に従事。1989年日経BP社入社、日経メカニカル(現日経ものづくり)編集長、オートモーティブ・
テクノロジー編集長、日経ビズテック編集長などを経て2013年から現職。著作に、『開発者列伝』(共著、
2001年、日経BP社)、『思索の副作用』(電子出版、2010年、日経BP社)、『FUKUSHIMAレポート-
原発事故の本質-』(共著、2012年、日経BPコンサルティング)、『ものづくり大国の黄昏』著、2012年、
日経BPコンサルティング)、『自動運転』(共著、2014年、日経BP社)、『日本刀-神が宿る武器』(共著、
2015年、日経BP社)などがある。
技術ジャーナリスト
1991年に山梨大学大学院 電気工学専攻を修了。同年、株式会社日経BPに入社。日経エレクトロ
ニクス編集部において、アナログや電源、電池、ノイズ/静電気対策、ディスプレイ、光ディスク、光
通信、光半導体、受動部品などの分野を担当する。2000年10月に日本カーナーズ株式会社(後
のリード・ビジネス・インフォメーション株式会社)に移り、『EDN Japan』誌の立ち上げに参加。2004年
3月には『Electronics Business』誌の編集長に就任した。その後、2005年1月にE2パブリッシン
グ株式会社を立ち上げ、『EE Times Japan』誌を創刊。初代の編集長を務めた。
仲森智博
日経BP社 日経BP未来研究所長/早稲田大学 研究院客員教授
早稲田大学理工学部応用化学科卒業。1984年沖電気工業入社、基盤技術研究所にて薄膜材料など
の研究に従事。1989年日経BP社入社、日経メカニカル(現日経ものづくり)編集長、オートモーティブ・
テクノロジー編集長、日経ビズテック編集長などを経て2013年から現職。著作に、『開発者列伝』(共著、
2001年、日経BP社)、『思索の副作用』(電子出版、2010年、日経BP社)、『FUKUSHIMAレポート-
原発事故の本質-』(共著、2012年、日経BPコンサルティング)、『ものづくり大国の黄昏』著、2012年、
日経BPコンサルティング)、『自動運転』(共著、2014年、日経BP社)、『日本刀-神が宿る武器』(共著、
2015年、日経BP社)などがある。
登録情報
- 出版社 : 日経BP (2015/12/19)
- 発売日 : 2015/12/19
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 192ページ
- ISBN-10 : 4822272931
- ISBN-13 : 978-4822272937
- 寸法 : 18.8 x 12.8 x 2.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,262,630位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 39,135位コンピュータ・IT (本)
- - 102,473位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2023年12月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ハードディスクの歴史を調べる参考に購入。マニアックな内容ですが、私には刺さりました。
2018年2月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最終章では敗因を経営や組織に求めている。しかし、キヤノンアネルバがTMRヘッドの難題を解決したという点からも考えたい。HDDの競争を左右するKnowlegeが、装置メーカーという社外に存在し、競合誰もが買えるものになったのだ。よって重要になるのは、その装置の購買力であり、それを支えるHDDの販売力であり、さらにそれを支えるのはパソコンやサーバーを中心としたブランド企業との結びつきである。しかしながらパソコンやサーバーにおいて日本ブランド企業は米国ブランド企業に比して貧弱である。だから日本のHDDメーカーは負けたのではないか。
2016年11月7日に日本でレビュー済み
本書はそのタイトル通り,技術で勝る日本が何故ビジネスで負けるのかを論じています.日本企業に経営戦略が乏しいことは認めますが,真の意味で技術が優れているなら負けはしませんし,逆にビジネス戦略が優れていても技術が劣っていたら生き残れるはずがありません.
どうも本書の著者は技術の現状を正確に把握せずに,雰囲気で(一見大所高所から)一部のビジネスの現状を曖昧に論じているような気がしてなりません.そもそも本書で挙げられているHDDに係る技術に関する事実誤認は目を覆わんばかりの酷さです.この程度の内容の本を,ビジネスに係る会社が堂々と出版する日本ビジネス界のレベルの低さを痛感した次第です.
どうも本書の著者は技術の現状を正確に把握せずに,雰囲気で(一見大所高所から)一部のビジネスの現状を曖昧に論じているような気がしてなりません.そもそも本書で挙げられているHDDに係る技術に関する事実誤認は目を覆わんばかりの酷さです.この程度の内容の本を,ビジネスに係る会社が堂々と出版する日本ビジネス界のレベルの低さを痛感した次第です.