興味があって色々と読んでますが話がこんがらがって、この本のように理路整然と整理できないので、この本は大助かりというかバイブルみたいなものです。気持ちを書けば長くなるので、すでに理解を示されているレビュアーさんたちと重複しますので割愛しますが。この事件を闇に葬ろうとした連中の最大の誤算は小保方さんの持つパワー(魅力)が大勢の人を引き付けて小保方さんを葬れない。だからSTAP細胞事件が忘れ去られない。まだまだ誰かが突っつくだろうと思う。徹底的にやってほしい。この業界(再生医療)の闇が少しでも明るみに出ることを期待します。
最後に1つだけ疑問です。163頁の若山氏の態度を豹変させた「別の要因」って一体何なんだろう?答えがどこにも見当たりません。教えてください。

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
STAP細胞 事件の真相 単行本(ソフトカバー) – 2016/12/14
佐藤貴彦
(著)
STAP細胞は本当になかったのか。
そんなテーマを掲げ、中立的な立場から論理的に検証した前作は大きな話題を呼んだ。
その後、2016年2月には小保方氏本人による著作『あの日』が刊行。
同5月、ES細胞の窃盗容疑は「事件の発生自体が疑わしい」として不起訴処分が下された。
にもかかわらず、小保方氏へのバッシングは後を絶たない。
続編となる本作は、さらに事件の真相へ切り込んでいく。
小保方氏を犯人とする根拠は正しいのか?
それとも、何物かの手によって仕立て上げられたのか?
そんなテーマを掲げ、中立的な立場から論理的に検証した前作は大きな話題を呼んだ。
その後、2016年2月には小保方氏本人による著作『あの日』が刊行。
同5月、ES細胞の窃盗容疑は「事件の発生自体が疑わしい」として不起訴処分が下された。
にもかかわらず、小保方氏へのバッシングは後を絶たない。
続編となる本作は、さらに事件の真相へ切り込んでいく。
小保方氏を犯人とする根拠は正しいのか?
それとも、何物かの手によって仕立て上げられたのか?
- 本の長さ214ページ
- 言語日本語
- 出版社パレード
- 発売日2016/12/14
- ISBN-104434225022
- ISBN-13978-4434225024
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : パレード (2016/12/14)
- 発売日 : 2016/12/14
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 214ページ
- ISBN-10 : 4434225022
- ISBN-13 : 978-4434225024
- Amazon 売れ筋ランキング: - 551,987位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2020年11月20日に日本でレビュー済み
佐藤貴彦さんの本です。
「STAP細胞 残された謎」の続編ですね。
とりあえず、さまざまな報告を読み解いているのですが、自己点検検証委員会は笹井氏・竹市氏に全責任を押し付ける、政治的意図があり、その反面、研究の中心人物の若山氏を調査の対象から外している。
「不正をおこなったのは小保方」「それを見逃したのが笹井&竹市」というシナリオがあったようなんですね。
さらに、CDBの解体を提言しているが、これは、限られた予算で運営しているため、予算を食うCDBを解体したかった、という政治的な思惑があったのではないか。
また、早稲田の小保方博士号取り消し問題も、実は内部の報告書では「取り消すまでもない」ということだったけど、世間の批判と学内の反発から、強引に「取り消し」に持っていった段取りが描かれています。
世間では、「小保方が悪い」ですませているのですが、実は問題の根は深いように思えます。
とはいえ、やはりSTAP細胞の再現実験が、どこも成功していない、というのが、どうしようもないですね。
小保方は、杜撰な性格で、かなり粗い研究者だけど、でも、悪意はなかったのではないか、というのが、この本のスタンスです。
むしろ、「より大きな陰謀が」的な考え方の本でした。
「STAP細胞 残された謎」の続編ですね。
とりあえず、さまざまな報告を読み解いているのですが、自己点検検証委員会は笹井氏・竹市氏に全責任を押し付ける、政治的意図があり、その反面、研究の中心人物の若山氏を調査の対象から外している。
「不正をおこなったのは小保方」「それを見逃したのが笹井&竹市」というシナリオがあったようなんですね。
さらに、CDBの解体を提言しているが、これは、限られた予算で運営しているため、予算を食うCDBを解体したかった、という政治的な思惑があったのではないか。
また、早稲田の小保方博士号取り消し問題も、実は内部の報告書では「取り消すまでもない」ということだったけど、世間の批判と学内の反発から、強引に「取り消し」に持っていった段取りが描かれています。
世間では、「小保方が悪い」ですませているのですが、実は問題の根は深いように思えます。
とはいえ、やはりSTAP細胞の再現実験が、どこも成功していない、というのが、どうしようもないですね。
小保方は、杜撰な性格で、かなり粗い研究者だけど、でも、悪意はなかったのではないか、というのが、この本のスタンスです。
むしろ、「より大きな陰謀が」的な考え方の本でした。
2019年9月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
小保方嬢がSTAP細胞の発表をしてから今日に至るまで、私は一度たりともその細胞の存在を疑ったことがないし、彼女が研究過程で何らかの捏造をしたことがあるなどと思うことすらなかった。この本はそのような確信を更に裏づけてくれたようなものだ。人は目を見ればある程度の本質が見えてくるものだ。彼女の目は輝いていた。未来を見つめていた。メディアに殺された笹井教授の目も光っていた。あの二人は真実を語っていた。一方、若山照彦は嘘つきだ。最初に反旗を翻しメディアに登場した時、あの表情からコイツは野心家・お調子者・捏造者だと直感した。彼は自分より遥かに若く経験の浅い小保方嬢を上手に騙して、上司という立場を利用して彼女の手柄を一人占めしようとしたが、彼女の見えない抵抗によってその野望をくじかれたが、少しでも利権を得られるよう強引な戦略を立て、キメラマウス作成実験には一切参加させず、そこから先の部分の手柄を自分だけの業績にしようと企んだ。それは彼女のSTAP細胞に関する影響力に占める割合、特に将来の臨床実験に繋がる最終段階という世間が一番注目する部分での関与をゼロにして、自分の名前だけをそこに残すためである。実際、キメラマウスでの実験はいくつか成功に繋がったものの、あの写真の捏造が噂された途端、手のひらを返したような態度を取った。その裏には三つの理由がある。①自分も捏造に関与していると疑われると科学者としての評価が一気に落ちるので一刻も早く彼女とはあらゆる点で縁を切る(白いシャツについたホンのチョットしたゴミやシミをまるで極端に忌まわしいものであるかのように感じ、慌ててそれを落として身を繕い直そうという感覚)。 ②近い将来自分の強力なライバルとなり得るどころか、立場が逆転しかねない存在を今のうちに徹底的に叩き潰し、二度と立ち上がれないようにすること。③その間に自分でSTAP 細胞の仕組みを研究した上、その作成方法を完全マスターし、その後小保方嬢の真似をしたと思われないようなアプローチでSTAP細胞を作成出来る若山流を編み出すこと。そして、それを使ってキメラマウスでの実験も成功させて、全てまるまま自分の研究結果として世界に発表すること。従って彼は今でもシコシコと③の目標達成のため山籠りしているのだろう。
人間にはほぼ誰にも一生に一度は、また 運が良ければ二度或いは三度とフローの時期が訪れる(その長短は個々人や各回によって異なる)。その間は、やることなすこと全てが上手く行く、インスピレーションが次から次へと湧いてくる、それが更なる革新的な技術や発展或いは個人的な成功へと繋がって行くという、まるで魔法の世界に入ったかのような感覚で生きることの出来る夢のような時期がある。小保方嬢はまさにそのフローの中でSTAP細胞と巡りあったのだと思っている。ところが、残念な事にこの流れは自らの写真掲載ミスが第三者より報告され世間が逆風をなびかせ始めてから断ち切られる事となってしまった。経験者なら分かるように、このフローというのは自ら意識して作れるようなものではなく、いくら客観的に同じ環境を整えても再生不可能なのである。それは心の状態とも深く関連しているからだ。従って、あの二度目の記者会見の日以降は当然フローなど起こりうる筈が無い。但し、彼女の心が完全なる静を取り戻し、科学への純粋な好奇心をもう一度抱き始め、周囲の環境も整えばまた再びチャンスが訪れることだろうと思う。その時こそ、より細かく正確な流れとその感覚を文章で完璧に理論づけ、いつでもどこでも実験に直接反映できるようになれば、彼女の科学者としての天分が証明されたことになるのである。その日が必ず来ると私は確信している。そして、それを誰よりも一番楽しみにしているのは天国で彼女のことを暖かく見守ってくれている笹井先生だろう。
人間にはほぼ誰にも一生に一度は、また 運が良ければ二度或いは三度とフローの時期が訪れる(その長短は個々人や各回によって異なる)。その間は、やることなすこと全てが上手く行く、インスピレーションが次から次へと湧いてくる、それが更なる革新的な技術や発展或いは個人的な成功へと繋がって行くという、まるで魔法の世界に入ったかのような感覚で生きることの出来る夢のような時期がある。小保方嬢はまさにそのフローの中でSTAP細胞と巡りあったのだと思っている。ところが、残念な事にこの流れは自らの写真掲載ミスが第三者より報告され世間が逆風をなびかせ始めてから断ち切られる事となってしまった。経験者なら分かるように、このフローというのは自ら意識して作れるようなものではなく、いくら客観的に同じ環境を整えても再生不可能なのである。それは心の状態とも深く関連しているからだ。従って、あの二度目の記者会見の日以降は当然フローなど起こりうる筈が無い。但し、彼女の心が完全なる静を取り戻し、科学への純粋な好奇心をもう一度抱き始め、周囲の環境も整えばまた再びチャンスが訪れることだろうと思う。その時こそ、より細かく正確な流れとその感覚を文章で完璧に理論づけ、いつでもどこでも実験に直接反映できるようになれば、彼女の科学者としての天分が証明されたことになるのである。その日が必ず来ると私は確信している。そして、それを誰よりも一番楽しみにしているのは天国で彼女のことを暖かく見守ってくれている笹井先生だろう。
2017年9月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
前作読破からやや時間が経った今としては、とある現象とよく似た構図ではないか、と思われた。
マスコミによる安倍・トランプバッシングと同じものがこの事件には感じられる。
すなわち、何らかの意図を持った偏向報道の手法である。
実際、著者がこの事件に嗅ぎ取っているのは、理研周辺のいわば政治的問題である。その問題のためにある若手と重鎮を含んだ科学者派閥がターゲットにされてしまった。
著者が小保方氏の傾向について実に端的に述べているところが良い。能力があるが杜撰。その杜撰さに足をすくわれた形になった。
ただ能力が力弱まった彼女にも手記という反撃をさせた。これは大きかった。
いずれにせよやはり全ては推論であるが、一つ一つ挙がってきた資料を吟味して推論(ここがポイント)を述べていく、しかもすっきりとした書き方は非常に満足できた。
これは私事だが、小保方さんのような「杜撰」さでいくつか人生でこけてきたことのある自分としては、「そういう人もいる」ということを書いてくれていることは非常に嬉しかったのである。
マスコミによる安倍・トランプバッシングと同じものがこの事件には感じられる。
すなわち、何らかの意図を持った偏向報道の手法である。
実際、著者がこの事件に嗅ぎ取っているのは、理研周辺のいわば政治的問題である。その問題のためにある若手と重鎮を含んだ科学者派閥がターゲットにされてしまった。
著者が小保方氏の傾向について実に端的に述べているところが良い。能力があるが杜撰。その杜撰さに足をすくわれた形になった。
ただ能力が力弱まった彼女にも手記という反撃をさせた。これは大きかった。
いずれにせよやはり全ては推論であるが、一つ一つ挙がってきた資料を吟味して推論(ここがポイント)を述べていく、しかもすっきりとした書き方は非常に満足できた。
これは私事だが、小保方さんのような「杜撰」さでいくつか人生でこけてきたことのある自分としては、「そういう人もいる」ということを書いてくれていることは非常に嬉しかったのである。
2016年12月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
佐藤貴彦氏の前著『STAP細胞 残された謎』は、小保方晴子氏の『あの日』が出版される1ヶ月前の出版にも関わらず、その後も事件の科学的分析と説明の説得力は失われていない。本書はその『あの日』を全面的に鵜呑みにしないとしても、中心的な関係者による重大な証言ととらえ、公的に知られている情報と照らし合わせながら、2014年の事件の報道や報告を検証しなおす。そのため2016年の事件についての言及はない。たとえば婦人公論の話とか。
論点が多岐にわたるため、かいつまんで取り上げる。
理研OB石川智久氏のES盗難告発は不起訴に終わった。はじめから主張される窃盗時期がSTSP細胞研究の終了後であるから無意味だと指摘され、冤罪であるとはわかっていた。しかし世論に影響し、小保方氏にとって重圧にはなったであろう。だがこの粗忽な告訴は、誰が小保方氏を陥れようとしたかを明らかにする証拠の役割を果たすという意図せざる効果を持った。
ターゲットとなったES細胞は、若山研が2013年初め転居する際、理研に残したもの(ゴミ)に過ぎず、中国人留学生Chang Li氏のもので、それはNHKスペシャルでインタビューされたその人である。さらに2014年6月頃2ちゃんねるで小保方氏らを誹謗する理研関係者とみられる書き込みで言及されたものであった。「小保方が引っ越しのどさくさに若山研のところから盗んだ細胞が箱ごと発見されたことも公表しろよ」(p26)。なんとNHKは2ちゃんねると同じ情報源から公的な報道をしたことになる。これは『あの日』で明らかにされた、理研関係者からNHKや毎日新聞へのリークを実証する事件として『あの日』の証拠価値を高める役割を果たしている。
著者の最大の主張は、STAP細胞実験は若山研において若山氏が主導して行われたにもかかわらず、追求ではつねに免責された不公正の存在である。STAP細胞とSTAP幹細胞の分担が存在すること多くの人が知ったのも『あの日』によってである。だが2014年のバッシング中に若山氏はそれを隠し通したのは明らかである(桂委員会報告書では小保方氏の主張が一部通っているらしい)。論文撤回を呼びかけた若山照彦氏は、つねにほとんど免責され、研究不正がいつのまにかES細胞によるねつ造になり、責任者は笹井氏だと数ヶ月で変遷する。笹井氏は2ヶ月しか論文に関わっていないにもかかわらずである。著者は、研究不正事件が、理研CDBの主流派である笹井氏らを、非主流派が追い落とす政治の手段に使われたとする。さらに岸輝雄は思い込みだけで「ねつ造」と決めつけ、その管理体制を最大限批判し、かつて科学者の楽園と呼ばれた理研の中でも成功例と知られていたCDBの解体を提起するという常軌を逸した行動に出た。これが故笹井氏の自殺のもっとも大きな理由であることはよく知られている。著者はここで国の研究予算のぶんどり合戦を指摘するが、私は国により優遇されることが決まっていた理研への黄昏の東大の年老いた時代遅れの権威主義的な教授の嫉妬でいいんじゃないかと思う。
科学的問題は前著でほぼ尽くされたが、わかりやすい一例をあげれば、NHKが報じたニュースで128GFP ESという小保方氏のBOXにあったチューブの中身はSTAP幹細胞と同じであったとされた。だがその場合、1)STAP幹細胞は128GFP ESである、2)123GFP ESはSTAP幹細胞である。3)そのいずれでもない何か同じもの、としか言えないが、NHKは1だと粗忽にも報道したのである。2014年末の桂調査委員会報告も同様だが、この報告書は実質若山研が任意に提出した試料を対象としたというのだから、科学以前の問題である。若山研の証拠保全が行われなかったことで、どんな科学もなかったというだけに過ぎないのかもしれない。遺伝子解析技術のデモンストレーションとなって、日本分子生物学会の宣伝になればよかったのかもしれない。
著者、前著で小保方氏の博士論文の実在について詳しく述べており、研究の実在は認めている。一般人の場合、製本ミスという信じがたい主張で小保方氏にあきれた人は多いと思う(私はミスの多い人間なのであきれないけれど)。『あの日』でも説明されていない。著者は完成版はなかったと推定する。学位審査の公聴会時の論文はあり、製本されたものはそれより前のものと結論されている。論文のキメラ以外の章はすで査読付き科学雑誌に掲載されているため検証できる。だが結局学位は剥奪され、再審査となるのだが、佐藤氏は早稲田大学にそんな権利はなく違法だとする。『あの日』で、連絡者に望みがないことを告げられて、本を終える。
本書は、サブタイトル通り「事件の真相」であり、それは結論ありきの不公正な不確かな報道と調査のねつ造のことである。それはSTAP細胞の存在とは独立である。それは実験が行われない限りなんとも言えないのである。
私としては、2016年の動きに目を配ってほしかったが、次回作に期待したいと思う。
論点が多岐にわたるため、かいつまんで取り上げる。
理研OB石川智久氏のES盗難告発は不起訴に終わった。はじめから主張される窃盗時期がSTSP細胞研究の終了後であるから無意味だと指摘され、冤罪であるとはわかっていた。しかし世論に影響し、小保方氏にとって重圧にはなったであろう。だがこの粗忽な告訴は、誰が小保方氏を陥れようとしたかを明らかにする証拠の役割を果たすという意図せざる効果を持った。
ターゲットとなったES細胞は、若山研が2013年初め転居する際、理研に残したもの(ゴミ)に過ぎず、中国人留学生Chang Li氏のもので、それはNHKスペシャルでインタビューされたその人である。さらに2014年6月頃2ちゃんねるで小保方氏らを誹謗する理研関係者とみられる書き込みで言及されたものであった。「小保方が引っ越しのどさくさに若山研のところから盗んだ細胞が箱ごと発見されたことも公表しろよ」(p26)。なんとNHKは2ちゃんねると同じ情報源から公的な報道をしたことになる。これは『あの日』で明らかにされた、理研関係者からNHKや毎日新聞へのリークを実証する事件として『あの日』の証拠価値を高める役割を果たしている。
著者の最大の主張は、STAP細胞実験は若山研において若山氏が主導して行われたにもかかわらず、追求ではつねに免責された不公正の存在である。STAP細胞とSTAP幹細胞の分担が存在すること多くの人が知ったのも『あの日』によってである。だが2014年のバッシング中に若山氏はそれを隠し通したのは明らかである(桂委員会報告書では小保方氏の主張が一部通っているらしい)。論文撤回を呼びかけた若山照彦氏は、つねにほとんど免責され、研究不正がいつのまにかES細胞によるねつ造になり、責任者は笹井氏だと数ヶ月で変遷する。笹井氏は2ヶ月しか論文に関わっていないにもかかわらずである。著者は、研究不正事件が、理研CDBの主流派である笹井氏らを、非主流派が追い落とす政治の手段に使われたとする。さらに岸輝雄は思い込みだけで「ねつ造」と決めつけ、その管理体制を最大限批判し、かつて科学者の楽園と呼ばれた理研の中でも成功例と知られていたCDBの解体を提起するという常軌を逸した行動に出た。これが故笹井氏の自殺のもっとも大きな理由であることはよく知られている。著者はここで国の研究予算のぶんどり合戦を指摘するが、私は国により優遇されることが決まっていた理研への黄昏の東大の年老いた時代遅れの権威主義的な教授の嫉妬でいいんじゃないかと思う。
科学的問題は前著でほぼ尽くされたが、わかりやすい一例をあげれば、NHKが報じたニュースで128GFP ESという小保方氏のBOXにあったチューブの中身はSTAP幹細胞と同じであったとされた。だがその場合、1)STAP幹細胞は128GFP ESである、2)123GFP ESはSTAP幹細胞である。3)そのいずれでもない何か同じもの、としか言えないが、NHKは1だと粗忽にも報道したのである。2014年末の桂調査委員会報告も同様だが、この報告書は実質若山研が任意に提出した試料を対象としたというのだから、科学以前の問題である。若山研の証拠保全が行われなかったことで、どんな科学もなかったというだけに過ぎないのかもしれない。遺伝子解析技術のデモンストレーションとなって、日本分子生物学会の宣伝になればよかったのかもしれない。
著者、前著で小保方氏の博士論文の実在について詳しく述べており、研究の実在は認めている。一般人の場合、製本ミスという信じがたい主張で小保方氏にあきれた人は多いと思う(私はミスの多い人間なのであきれないけれど)。『あの日』でも説明されていない。著者は完成版はなかったと推定する。学位審査の公聴会時の論文はあり、製本されたものはそれより前のものと結論されている。論文のキメラ以外の章はすで査読付き科学雑誌に掲載されているため検証できる。だが結局学位は剥奪され、再審査となるのだが、佐藤氏は早稲田大学にそんな権利はなく違法だとする。『あの日』で、連絡者に望みがないことを告げられて、本を終える。
本書は、サブタイトル通り「事件の真相」であり、それは結論ありきの不公正な不確かな報道と調査のねつ造のことである。それはSTAP細胞の存在とは独立である。それは実験が行われない限りなんとも言えないのである。
私としては、2016年の動きに目を配ってほしかったが、次回作に期待したいと思う。
2019年10月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この騒動には興味があり、小保方氏養護と小保方氏非難の側から書かれた書籍を多数求めて読んできましたが、未だに真相はすべて明らかになったとは言いがたい、謎に包まれた事件です。この本は、どちらかというと、小保方氏がすべて悪いわけではなく、むしろ彼女を陥れようとする何かしらの力が裏にある。という擁護の視点から書かれています。科学の知識は何もない私ですが、社会には魑魅魍魎がうごめく暗い闇の部分が存在する。という事を知りました。今後、STAP細胞か、もしくはそれに近いものがもし発見されれば、今度はどうなるのでしょう・・。