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患者と医師のコミュニケーション 単行本 – 2007/8/1

5つ星のうち5.0 1

商品の説明

著者からのコメント

【本書の構成と第2版における修正】        全章について引用文献を新しいものにし、いくつかの章を拡大して新たな研究領域を含め、現在この領域で存在しているはるかに豊かな研究を載せるため新しい章を追加した。
本書は3部構成になっている。第一部は、主に記述的に、医師、患者の典型的な行動に対する社会人口統計学的および背景因子の影響について知られていることをまとめている。また、これがどのようにして明らかになったかという方法論的なことについても、様々な立場から述べる。第二部は、診察がいかに予測可能かということを読者に知ってもらうため、診察で通常何が起こっているかについて述べるが、また、どのようなアウトカムが期待できるかと、プロセスと結果の双方が改善しうるかについても記述する。第三部では、医師と患者の会話の改善によってもたらされる重要なアウトカムについてより詳細に議論する。
第1章は、医師-患者関係と治療のプロセスにおける会話(talk)の重要性についての概観から始める。医療のプロセスで会話が果たす重要な役割とともに、診察での会話をさらに良い方に変えることができるという確信を示すために考えられた、コミュニケーションを向上させる8つの原則をもとに、会話の重要性について議論する。変化した会話からの示唆は、医療を実践する基本的な方法においてきわめて重要である。関係重視の(relationship-centered)、最も効果的な新しい医療モデルへの第一歩である。
第2章では、典型的なモデルによって示された、医師-患者関係の理想の形について考える。この関係のモデルを通して、普段のやりとりにおける暗黙の原則を探り、関係がとりうる非常に多様な形を提示する。これらの型は、父権主義的な支配から協働的なパートナーシップまであり、その中間に多様な変化形がある。この章では、診察において医師-患者関係がとりうる型の土台となり、それを形成する会話の様々な特質に焦点を当てる。関係の典型例についての議論に続き、医療コミュニケーションの研究における理論的、方法論的な論点について、第3章を追加した。この章では、理論的妥当性と方法論的有用性という点から、この分野を評価するための基盤を示す。また、本書の他の章において紹介する
多くの研究結果や革新が理解できるようなフレームワークを提示する。診察においてそれぞれの医師や患者がどのようにふるまうかには、多くの要因が影響している。これらの要因の中には、性格特性や以前の経験のように非常に個人的なものもあるが、多くはそうではない。例えば、社会人口統計学的特性は、患者および医師の行動をかなり予測する。第4章から6章では、患者と医療者の行動に影響する社会的および個人的特性について扱う。患者については、第4章で、会話が年齢、民族、性別、学歴、社会階級などの社会人口統計学的変数の影響を受ける重要な道筋について実証している多くの文献をレビューする。これらの分野における議論は、いくつかの方向に発展されてきた。
患者の年齢が診察のダイナミクス与える影響に関する示唆を検討した項を1つ発展させて追加した。この項には、老年病科の診察において、付き添い(多くの場合、配偶者や子供)がいる可能性が高いことに関する議論を含まれている。また、前版での学歴に関する議論を発展させ、診察でのコミュニケーション・ダイナミクスにおけるヘルスリテラシー(health literacy)の役割についても議論する。さらに、第1版で扱った、その他の患者の特性に関す
る新たな、面白くなりそうな研究のいくつかの流れを追跡している。たとえば、患者の健康状態が診察での対話に与える影響について議論し、それは重要であるようだが、その件について出版された研究がほとんどないことを指摘した。同様に、強い理論的な関心を持って、医師患者関係における「好み」の役割について指摘し、どのような患者や医師がより好かれるのか、それぞれ相手からどの程度好かれているかをどのくらい正確に予測しているのか、どのくらいその好意は相互的なものであるのかといった疑問を挙げた。こうした疑問を何年もの間、調査し続けてきて、第二版では、第4章の中で、これらの分野のそれぞれにおける最近の研究について新しい項を著している。
一般的に、診察での会話や患者に対するケアに関連する医師の属性に関する研究は、患者に関するものほど多くない。しかし、医師の属性と医師のコミュニケーションスタイルに特性が及ぼす影響については、この10年間にかなり多くの研究が行われてきた。例えば、最近の研究では、医師の人種(race)や民族(ethnicity)が、その医師の患者との対人コミュニケーションに与える影響について指摘し始めている。第一版が書かれた時には、このような研究は全くなかったため、このトピックに関して第5章に新しい項をいくつか追加した。
性格や医学的問題の心理学的要素に対する態度など、患者のケアに関連する可能性があるその他の医師の属性についてもまた、この章において議論する。この分野における変化で、最も顕著なものは医師の性別に関する研究である。これについては、私たち自身が多くの研究を行ってきており、興味深い分野であるため、このテーマに関する章を追加した(第6章)。第6章では、医師の性別が医師の患者とのコミュニケーションにどのように影響するか、また患者のコミュニケーションのとり方にどのように影響するかについて述べる。
本書の第二部では、通常の診察で何が起こっているのかを記述する。この概観は、読者に診察が実際いかに予測可能なものであり、介入によってプロセスも結果も改善しうるかということを示すためのものである。第7章では、医療面接の解剖図のようなものを示し、その構成や機能、内容、時間について述べる。ここでの情報は、お馴染みのものである(自分が受けたことがある診察からおそらく分かるであろうから)と同時に、ほとんどのやり
とりがいかに標準化されているかという点において驚くべきものでもあろう。この章に新しい項を追加し、典型的なアメリカのプライマリ・ケアの診察との国際比較を示した。診察における会話の全てが、ケアの過程において等しく重要なわけではない。第8章では、特に重要な役割をもつ情報交換を検討する。診察における情報の双方向の流れとそれが相互理解の基盤の構築においてもつ役割について検討する。これに関連して、患者の意思決定のダイナミクスとその決定を促進する医師の役割に関する研究が発展してきた。そこで、医学的な意思決定への患者の参加について、新しい項を追加した。
本書の最後の第三部では、医師-患者の会話の重要性と先行きについてより詳細に扱う。第9章では、診察における会話の特性の違いに関連した、ケアに対する患者の満足度、医学的な勧めに対するコンプライアンス、機能的状態、生活の質、罹患率について議論する。第10章では、実験的介入を通して、ケアの過程と結果における重要な改善が驚くほど容易に達成されていることを示す。最後に、15年間の洞察に基づき、第一版で示した推論を再検討し、本書の結びとする。
本書から明らかであると思うのだが、私たちは医師と患者のやりとりを、双方の利益のために改善するための重要な方法があると信じている。医師と患者の関係を強調する中で、もちろん医療システムにおける悩みの種の全てがそれに由来していると示唆しているわけではない。アメリカでは、高騰し続ける医療や処方薬の費用が、経済にとって大きな負担となっており、何百万人もの市民が適切な医療を受けることができていない。これらの問題を始めとして、診察室の壁の中で起こっていることを研究するだけでは解決できない問題は多くある。しかし、診察室の壁の中で起こっていることは非常に重要である。言葉やジェスチャー、感じられ伝えられる感情、意思決定、態度、両者による推測は、医療的経験の重要な要素である。医師との出会いは、非常に感情の揺れをともなうものであり、多くの場合は元気づけ、満足感をもたらすが、時には混乱させ、失望させることもある。患者は、多くの場合、医師とのやりとりの一言一句を覚えており、そのやりとりについて、しばしば家族や友人に話し、自分の中で何度も繰り返し思い返している。人によっては、記憶に残っている過去の診察での会話の言葉が、思い出すたびに新たな悲しみを生む、あるいは慰めや安心感を与えてくれるなど、人生における重要な出来事として非常に大きな意味を持つこともある。医師-患者間コミュニケーションの重要性は、一時の希望や失望以上のものである。長年の研究によって、これらのやりとりが患者の生活に多大な影響をもつことが示されている。これらのやりとりの特徴は、保健医療のプロセスに対する患者の関心、医師を受診しようとする意思、治療の目標へのアドヒアランス、自分の医学的状態に関する知識、健康そのものにつながっている。
健康と病いや医療のプロセスを研究する多くの研究者と同様に、私たちは、医療は技術的プロセスであると同時に社会的なプロセスであると信じている。つまり、医療は、正確な診断と正しい治療の勧め以上のものを含んでいる。社会的要因は、正に病いの経験と定義、ケアを求める意思に関わることから、診断に先立つものである。社会的、心理学的プロセスは、医療におけるすべての出来事や決断に染み込んでいる。医学は、いかに技術が高性能になろうとも、狭義の技術的な事業ではない。医療のプロセスが非常に社会的なものであることは、多くの医師や患者が疑いなく認めているが、そのプロセスに関する科学的知識がかなり発達していることについては、おそらく医師にも患者にもほとんど知られ
ていない。本書を著すことで、この重要な研究を、それが最も役に立つ人々、すなわち本書の主題となっている医師と患者に紹介できればと思っている。
この本の主眼は、題名が示唆するように会話である。会話という用語を広い意味で使っており、非言語的なものも含め、医師と患者の間で交わされる対面でのコミュニケーションの全てを含めている。ケアのプロセスについて書くとき、医者という日常語を、医師(M.D.)または整骨医(D.O.)の学位をもつ人のことを指して使っている。この本では、医師(physician)と医者(doctor)という語に互換性を持たせている。また、時々、医者と、看護師、看護助手、医師助手などの保健医療を提供する他の専門職を含めた言葉として、医療従事者や医療者((providers, practitioners)を用いている。
この本は、医者に対する批判でも、患者に対する批判でもなければ、医師と患者が出会う施設を批判するものでもない。しかし、医者も患者も、その関係の欠点を理解するために努力し、ともにそれらを修正するために努力することができる。もし、これらの欠点を伝え、改善への道を提案することが私たちの仕事であるとするなら、医師と患者の双方のために医療における経験をより良いものにすることを願ってしている。本書に示した研究の根底にあるのは、医師と患者はその相互作用の特性を変えることができるという確信である。もし私たちにできることは他に何もないとしても、医師と患者に対し、互いから新たな形の反応を引き出す可能性について考えてみるよう促したい。このためには、それぞ
れの典型的な行動について理解し、より良い関係とはどのようなものであるかについてアジェンダを作り、それぞれの人は相手の期待に沿うように行動する傾向があることを知っておく必要がある。私たちの目的は、医師と患者に変化の必要性を確信させるために十分な知識を伝え、彼らのエンパワーメントの感覚を促進することである。
訳注:本書の原文で使われているtalkという語は、日本語訳では文脈により、 「会話」または「話し」として訳した。
訳注:日本語訳では、physician、doctorのいずれも医師で統一した。

出版社からのコメント

患者ー医師間のコミュニケーションについて、主に数量的な分析を行ったこれまでの研究の結果を分かりやすく統括した教科書的存在の書籍

原題 『Doctors talking with patients/Patients talking with doctors:Improving communications in medical visits』第2版

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 篠原出版新社; 初版 (2007/8/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2007/8/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 199ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4884123042
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4884123048
  • カスタマーレビュー:
    5つ星のうち5.0 1

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