日本人の死生観を描く短編映画2部作 「なでしこの花」 3.11──運命は無情にも父と娘を引き裂いた。 【作品概要】(本編:約30分) 死傷者及び行方不明者25,000人・・・未曾有の大災害となった東日本大震災。東北を襲った震度7の激震、家屋を焼き尽くす業火、押し寄せる大津波・・・自然の猛威は、あの日すべてを奪っていった。監督自ら被災地へとボランティア活動に赴く中で着想を得た本作は、現実と虚構の垣根を越え、父と娘をつなぐ普遍的な物語として紡ぎ出された。その後、柿崎監督は“日本人の死生観"をテーマに描いた短編映画シリーズ「夢幻」「陽は落ちる」「さつまおごじょ」の3作品を生み出し、マドリード国際映画祭の最優秀作品賞を3年連続で受賞。本作はそのシリーズ第1作目にあたり、映画監督・柿崎ゆうじのデビュー作として記念碑的作品となった。 【あらすじ】 京都に工房を構える仏像彫刻師・土岐忠介。寡黙に仏像と向き合う日常を打ち破ったのは、東日本大震災であった。折しも娘の直子が、嫁ぎ先となる東松島市の婚約者を訪ねていた。次から次へと飛び込んで来る被災地の凄惨な状況・・・月日が流れても、直子からの連絡はない。彼女が家を出る時に差していった、なでしこの花が枯れていた。直子を想い続けて彫り上げた観音像を抱き、ひとり思い立ち被災地に赴く忠介。そしていつしか、なでしこの花と直子の面影に導かれるように、忠介は彼女の婚約者と邂逅を果たした。・・・ 【キャスト・スタッフ】 出演: 川野太郎/竹島由夏/滝佳保子/山下平祐/石田信之 監督・脚本・エグゼクティブプロデューサー: 柿崎ゆうじ 「特攻志願」 歴史に埋もれた悲劇の実話。 【作品概要】(本編:約26分) 1944年秋、特攻作戦開始。搭乗員の死を前提にした十死零生の出撃を前に、男たちは、女たちは、何を考え、どう動いたのか。語り継がれる特攻隊にまつわる数々の悲話・・・70有余年の時の扉を開け、真実が甦る。 “日本人の死生観"を描く短編映画シリーズの第2作目として制作された本作は、モントリオール世界映画祭を始め世界十カ国以上の国際映画祭に正式招待され、デリー国際映画祭では最優秀作品賞と最優秀監督賞の二冠を獲得。妻役を演じた竹島由夏がシネロッコム国際映画祭の最優秀助演女優賞を受賞するなど、悲劇の実話に世界が涙した。 【あらすじ】 大東亜戦争末期、敗戦濃厚となった日本軍が決行した捨て身の体当たり戦法・・・特攻。 熊谷陸軍飛行学校の教官として少年飛行兵を教育していた藤井は、教え子たちが次々と特攻に出撃していく中、自らも特攻作戦に志願する。しかし、指導者であり妻子ある藤井の嘆願は受理されることはない。夫の不動の決意を知った妻・福子は、ある覚悟を決めた。・・・ この作品は、実在した陸軍将校・藤井一少佐とその家族の、最期の3日間を描いた真実の物語である。 【キャスト・スタッフ】 出演: 竹島由夏/虎牙光揮/鹿野優志/柿崎ゆうじ エグゼクティブプロデューサー: 柿崎ゆうじ 監督・脚本・編集: 小野寺昭憲 発売・販売元:カートエンターテイメント