本書が発行されたのは1年半も前のことであるが、
今更ながら買ってみたところ2時間足らずで読了した。
「本書は『一般のビジネスパーソン』を対象にしています。」というが、
私はむしろ『知財の専門家』こそ読むべきと感じた。
『知財の専門家』とは、主に特許事務所に勤務する弁理士のことである。
専門家である以上、知的財産法に関する知識は当然備えているが、
日々の多忙な業務の中で権利化自体が目的となってしてしまい、
ビジネスにおける知財の果たす役割を意識することができないように
なってしまっている専門家が少なくないと考えられるからである。
本書の場合、知財の専門的な部分は章末ごとの解説ページにあるのみで、
大半のページはビジネスに関する事項を漫画によって埋め尽くしており、
ビジネスと知財が場面に応じてバランス良く関連付けられている。
知財の最終目的は権利化ではなく、ビジネスツールとして機能してこそ
初めて生きるものであることを再認識することができるはずである。
私自身も知財の実務家であるが、スタートアップやAIに関する知識が
乏しいこともあり、本書で初めて学ぶことが多かった(ついでに囲碁の知識も)。
したがって、ぜひ知財の専門家にも読んで欲しいと思う。
また、著者は理系出身の弁理士であり、初めて漫画を描いてから
僅か2年で本書を書籍化したといい、この点が最も驚いた部分である。
描画の表現力はもとより、ストーリー構成も伏線と回収などよく練られていると感じた。
そして何よりも、登場人物に無駄がなくキャラクターが際立っている上に、
実在の人物も登場するなど、これまで出会ってきた人たちにも恵まれたようである。
良好な関係を築いていなければできないことであり、この点も著者の努力の賜物と感じる。
最後に、個人的な希望を1つだけ言わせてもらうと、このストーリーであれば、
著者もどこかで登場させてみてはどうかと思った次第である。
(実際は登場しているのかもしれないが・・・。)

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ストーリー漫画でわかる ビジネスツールとしての知的財産 単行本 – 2018/1/19
マンガで学べる「知的財産」入門書の決定版!
新聞やニュースで頻繁に見かける特許や商標などの 「知的財産」という言葉ですが、忙しいビジネスパーソンの場合、 入門書でもハードルが高いと思われます。
そこで、本書では、日本発のAIベンチャーが、 あの米国の巨大IT企業に立ち向かう本格的ストーリー漫画を通じて、 ビジネスと知財が実際にどう関わるのかがわかるようにしました。
漫画のみを楽しむこともできますが、漫画を読んで満足して頂けたら、 是非とも解説ページも併せて読んで下さい。 平易でわかりやすい解説ですが、「最新」の「ビジネスと知的財産」の 関係性についての「ビジネス知識」も得られます。 従来の知的財産の入門書にありがちな「法律知識」の説明は最小限に留めています。
一般のビジネスパーソンを対象としているため、 「社内の知財教育」にも活用することができますが、 これからビジネスパーソンになる大学生、就活生にもお勧めです。
<目次>
まえがき
登場人物紹介
第1話 パテントトロールと弁理士
【ビジネスツールとしての知的財産 その1】
・知的財産は守るべき法律にすぎないか?それともビジネスのツールか?
・マーケティングと知的財産の関係は?
・K.I.T.虎ノ門大学院とは
第2話 人工知能(AI)の女神
【ビジネスツールとしての知的財産 その2】
・知的財産で「合法的に」産業スパイができる???
・SWOT分析・ファイブフォース分析での「定量的」情報として活用できる!
第3話 シンギュラリティ
【ビジネスツールとしての知的財産 その3】
・知的財産とはどこからどこまで?
・日本は政府が「知的財産立国」を宣言している!
・全世界で通用する1つの「世界特許」は存在するか?
第4話 侵入社員
【ビジネスツールとしての知的財産 その4】
・商標とブランドとは同じものか?
・先に出願した者が絶対に勝ちなのか?
第5話 盗用
【ビジネスツールとしての知的財産 その5】
・画期的な技術でもあえて特許出願しないという選択肢があるのか?
・弁理士と知的財産管理技能士とはどう違うのか?
第6話 KIBOU社 vs X社
【ビジネスツールとしての知的財産 その6】
・ビジネスにおけるデザインの意味とは?
・デザイン・ドリブン・イノベーションとは何か?ブルー・オーシャン戦略との関係は?
・デザインはすべて知的財産法で保護されるのか?
第7話 KIBOU社 vs Googol社
【ビジネスツールとしての知的財産 その7】
・経営者サイドにとって重要なテーマである「M&A」(企業の合併・買収)や「新規事業開発」では実は知的財産が一番役に立つ???
~話題の「IPランドスケープ」とは
・マーケティングと知的財産の関係 その1 知的財産の「市場参入抑制機能」
・マーケティングと知的財産の関係 その2 知的財産の「市場排除機能」
・マーケティングと知的財産の関係 その3 オープン&クローズ戦略
・ビジネスモデルと知的財産
・企業にとっての知的財産の「価値」を算定できるのか?
あとがき
作者・監修者紹介
新聞やニュースで頻繁に見かける特許や商標などの 「知的財産」という言葉ですが、忙しいビジネスパーソンの場合、 入門書でもハードルが高いと思われます。
そこで、本書では、日本発のAIベンチャーが、 あの米国の巨大IT企業に立ち向かう本格的ストーリー漫画を通じて、 ビジネスと知財が実際にどう関わるのかがわかるようにしました。
漫画のみを楽しむこともできますが、漫画を読んで満足して頂けたら、 是非とも解説ページも併せて読んで下さい。 平易でわかりやすい解説ですが、「最新」の「ビジネスと知的財産」の 関係性についての「ビジネス知識」も得られます。 従来の知的財産の入門書にありがちな「法律知識」の説明は最小限に留めています。
一般のビジネスパーソンを対象としているため、 「社内の知財教育」にも活用することができますが、 これからビジネスパーソンになる大学生、就活生にもお勧めです。
<目次>
まえがき
登場人物紹介
第1話 パテントトロールと弁理士
【ビジネスツールとしての知的財産 その1】
・知的財産は守るべき法律にすぎないか?それともビジネスのツールか?
・マーケティングと知的財産の関係は?
・K.I.T.虎ノ門大学院とは
第2話 人工知能(AI)の女神
【ビジネスツールとしての知的財産 その2】
・知的財産で「合法的に」産業スパイができる???
・SWOT分析・ファイブフォース分析での「定量的」情報として活用できる!
第3話 シンギュラリティ
【ビジネスツールとしての知的財産 その3】
・知的財産とはどこからどこまで?
・日本は政府が「知的財産立国」を宣言している!
・全世界で通用する1つの「世界特許」は存在するか?
第4話 侵入社員
【ビジネスツールとしての知的財産 その4】
・商標とブランドとは同じものか?
・先に出願した者が絶対に勝ちなのか?
第5話 盗用
【ビジネスツールとしての知的財産 その5】
・画期的な技術でもあえて特許出願しないという選択肢があるのか?
・弁理士と知的財産管理技能士とはどう違うのか?
第6話 KIBOU社 vs X社
【ビジネスツールとしての知的財産 その6】
・ビジネスにおけるデザインの意味とは?
・デザイン・ドリブン・イノベーションとは何か?ブルー・オーシャン戦略との関係は?
・デザインはすべて知的財産法で保護されるのか?
第7話 KIBOU社 vs Googol社
【ビジネスツールとしての知的財産 その7】
・経営者サイドにとって重要なテーマである「M&A」(企業の合併・買収)や「新規事業開発」では実は知的財産が一番役に立つ???
~話題の「IPランドスケープ」とは
・マーケティングと知的財産の関係 その1 知的財産の「市場参入抑制機能」
・マーケティングと知的財産の関係 その2 知的財産の「市場排除機能」
・マーケティングと知的財産の関係 その3 オープン&クローズ戦略
・ビジネスモデルと知的財産
・企業にとっての知的財産の「価値」を算定できるのか?
あとがき
作者・監修者紹介
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社アップロード
- 発売日2018/1/19
- 寸法21 x 14.8 x 2.5 cm
- ISBN-10490420798X
- ISBN-13978-4904207987
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登録情報
- 出版社 : アップロード (2018/1/19)
- 発売日 : 2018/1/19
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 256ページ
- ISBN-10 : 490420798X
- ISBN-13 : 978-4904207987
- 寸法 : 21 x 14.8 x 2.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 675,789位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年8月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2018年11月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
弁理士でもあり、技術者でもある著者ならではの実感の湧くストーリーでした。特に、これから知財を勉強しようとする方、興味はあるが実際どう役立つのかわからないという方には、ハードな解説本の前に、漫画というツールで感覚的にポイントをつかんでもらえるのではと思います。きちんとした内容でありながら少年漫画を思わせるストーリーで、途中で飽きることなくどんどん読めました。
2019年1月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2時間程度で一気読みできるだろうと思うが、読みやすくても、簡単に素通りするべきではない重要なテーマがあちこちで触れられている。おそらく、続編でさらに詳しく語られるであろう。
認識不足、誤解が多い知的財産関係、わが国の企業は、おそらく、だいぶ損をしているのではないか。という点に気づくでだけでも、一読の価値がある。
マンガとしても、細部にまでこだわりがある。例えば、カバーに出てくる8名の人物の服装、持ち物、もしセリフがあるとすれば何を言っているだろうかといった点なども、観察すると楽しいだろう。
認識不足、誤解が多い知的財産関係、わが国の企業は、おそらく、だいぶ損をしているのではないか。という点に気づくでだけでも、一読の価値がある。
マンガとしても、細部にまでこだわりがある。例えば、カバーに出てくる8名の人物の服装、持ち物、もしセリフがあるとすれば何を言っているだろうかといった点なども、観察すると楽しいだろう。
2020年2月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
知財の勉強をし、知識を貯めるのは容易だが、その意味や意義を理解するのは実は難しい。本書はその意味や意義の部分をうまく表現し、教えてくれる。意味や意義がわかれば学習の理解度も深くなる。
また、この手の本に有りがちな、やたら用語を並べるだけの漫画ではなく、ストーリー全体で理解させようという意図も感じる。2時間有れば読めるので、知財に興味がある人は勉強の気分転換に読んでもいいと思う。
また、この手の本に有りがちな、やたら用語を並べるだけの漫画ではなく、ストーリー全体で理解させようという意図も感じる。2時間有れば読めるので、知財に興味がある人は勉強の気分転換に読んでもいいと思う。
2018年9月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
惹き込まれるストーリー、そして魂を感じる画。オリジナリティーの大切さを改めて実感しました。
そして、作者の経歴(弁理士試験合格)の凄さを想像しつつ、魂が込められた絵をみているうちに、何故か、「どれだけ効率化や合理化が求められても絶対に無くしてはならないモノ」(私の場合はそれは「自分らしさや仕事を楽しむこと」)に改めて気付きました。作者の先生、そしてこの作品に、大変感謝しております。
...そして、後日、
未来を担う若者へのプレゼントに二冊目購入。少し難しいかもしれないけど、進路の参考になってくれれば、幸いと思ってます。
そして、作者の経歴(弁理士試験合格)の凄さを想像しつつ、魂が込められた絵をみているうちに、何故か、「どれだけ効率化や合理化が求められても絶対に無くしてはならないモノ」(私の場合はそれは「自分らしさや仕事を楽しむこと」)に改めて気付きました。作者の先生、そしてこの作品に、大変感謝しております。
...そして、後日、
未来を担う若者へのプレゼントに二冊目購入。少し難しいかもしれないけど、進路の参考になってくれれば、幸いと思ってます。
2018年5月28日に日本でレビュー済み
知的財産のことを全く知らない人用です。ちょっとでも知っている人には何も学ぶことはありません。
本当に初歩の初歩の人向け。
本当に初歩の初歩の人向け。
2018年1月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
技術、デザイン、ブランドといった知的財産の重要性に触れつつ、解説的な部分を最小限に抑え、「夢」に向かって突き進むビジネスパーソンに向けた内容に仕上がっています。
漫画という性質からかストーリー展開が早く、最初はついていけないかもしれませんが、何度か読んでいるうちに奥深さというか、作者の想いが伝わってくる素晴らしい作品だと思います。
知的財産に興味のない人でも、いや興味のない人こそ本書を読んでみることをお勧めします。
漫画という性質からかストーリー展開が早く、最初はついていけないかもしれませんが、何度か読んでいるうちに奥深さというか、作者の想いが伝わってくる素晴らしい作品だと思います。
知的財産に興味のない人でも、いや興味のない人こそ本書を読んでみることをお勧めします。
2018年5月31日に日本でレビュー済み
日本が知財立国として継続的に成長するためには
てっぺんを高めるのと裾野を広げることの両方が
必要。
裾野を広げるために入門書の役割というのは非常
に重要になってきます。
本書は少年漫画的な熱いノリで、わ~っと読み切
れますね。
ビジネスパーソンをメインターゲットにしている
ようですが、ノリ的には知財に興味を持った学生
さんのほうが合ってるかなぁという感じです。
広く手に取っていただきたい一冊です。
著者の裏テーマ的部分はたぶんP66とかP95だった
りP203~204なのかなぁと思う次第です。
特にP66を読んだとき頭の中でオフコースの名曲
「流れゆく時の中で」が思い浮かんだのだがなん
でだろう?
巻末などにステップアップのための参考図書など
書いてあればもっとよかったかなと思います。
あとはもうちょい下の年齢層向けに著作権と商標
権関係メインの本を書いてほしいなぁと思う次第
です。
てっぺんを高めるのと裾野を広げることの両方が
必要。
裾野を広げるために入門書の役割というのは非常
に重要になってきます。
本書は少年漫画的な熱いノリで、わ~っと読み切
れますね。
ビジネスパーソンをメインターゲットにしている
ようですが、ノリ的には知財に興味を持った学生
さんのほうが合ってるかなぁという感じです。
広く手に取っていただきたい一冊です。
著者の裏テーマ的部分はたぶんP66とかP95だった
りP203~204なのかなぁと思う次第です。
特にP66を読んだとき頭の中でオフコースの名曲
「流れゆく時の中で」が思い浮かんだのだがなん
でだろう?
巻末などにステップアップのための参考図書など
書いてあればもっとよかったかなと思います。
あとはもうちょい下の年齢層向けに著作権と商標
権関係メインの本を書いてほしいなぁと思う次第
です。