以下、感想と考察です
①私は誰かが意味すること、幽霊が意味すること
私とは誰かを追いかけることその点で実態がない幽霊に合う。また、私とは何かとはまだ未知な全体としての私を一つ一つ探し出していく行為であり、日々の実践により達成される
→実存主義的な考え方に近い
第3部と合わせるとブルトンは女性の尻を追いかけてるという印象
②写真を用いたわけ
あらゆる記述を排除することが目的
写真を用いることで記述を減らそうとする
→文章による記述を信用していない
またガラスの家という表現通りより自分の生活を具体的に晒そうとしている
③ブルトンは狂気をどのように捉えたか
朝まで話を聴いても飽きることがないとシュルレアリスム宣言では語る
→実際に狂人と接すると引いてしまうブルトン
狂気に恋が冷める
ブルトンは自由を目指した。ナジャこそが人間が解放された姿
羊歯の目が開かれた:ターニングポイント
→狂気に染まっているのか?、美の痙攣か?
④ナジャのイメージと神話
ブルトン:火、手→神=物語の創造主を連想
ナジャ:水→身をまかせるもの
ナジャはブルトンと過ごした日々を残すため物語それも神話にしたかった。
ナジャ:希望の始まり=物語の始まり
→一方よりガラスの家の小説を追求するブルトンは神話ではなくガラスの靴の形式を取る
⑤ブルトンとナジャとの双方の想い
ナジャはブルトンにゾッコン、ブルトンの興味があることを必死に勉強した?
その盲目的な愛は車の運転中に目隠しをするエピソードから破滅願望とも取れる
ブルトンは初めはナジャの言動に惹かれたが徐々に狂気に怖気付くようになる
第三部でナジャに対する思いを回顧的に語るがそれはほかの女性との交流を通じて
→ナジャはブルトンにとって恋人として特別な存在ではなくシュルレアリスムの思想の体現者=精霊、対象に過ぎなかった
⑥痙攣的な美とは
私は誰かにー私は誰を追っているかに対する答え
ブルトンは痙攣的な美を追う
シモーヌ、ナジャ、シュザンヌに感じていたもの=女性に美を見出す
痙攣的な美=無意識、偶発的に起きる現象
狂気の愛より痙攣的な美とは
エロティックでヴェールに覆われているか、爆発的ー固定的であるか魔術的ー状況的であるかのいずれか
美ー愛:美的と性的(ブルトンは痙攣的な美が起こる理由を精神分析から性欲であると論じる)
爆発的ー固定的:静と動の間を捉えたもの
魔術的ー状況的:狂気ー論理
→一見、相反する二つの事象の境界や包含するものからブルトンの美が見えてくる
=デカルト以降二律背反に重きを置いてきた西洋文化にない新しい考え方→ポスト構造主義先駆け
シュルレアリスムは夢や無意識といった主観を極限まで追求する行為を通じて客観的事実を明らかにする。ナジャ=ブルトンの美の物語はまさにこれを体現するもの
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ナジャ (岩波文庫 赤 590-2) 文庫 – 2003/7/17
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「私は誰か?」シュルレアリスム運動の最盛期,1928年に発表されたブルトンの代表作は,自分への問いかけから始まる.実際に出会った人物,おこった出来事,発せられた言葉を,克明に記録するというこの新しい「小説」は発表当初より賛辞にかこまれ,35年後,「著者による全面改訂版」としてふたたび世に送り出された.
- ISBN-104003259025
- ISBN-13978-4003259023
- 出版社岩波書店
- 発売日2003/7/17
- 言語日本語
- 寸法10.5 x 1 x 14.8 cm
- 本の長さ340ページ
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2003/7/17)
- 発売日 : 2003/7/17
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 340ページ
- ISBN-10 : 4003259025
- ISBN-13 : 978-4003259023
- 寸法 : 10.5 x 1 x 14.8 cm
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- - 71位フランス文学研究
- - 100位フランス文学 (本)
- - 496位岩波文庫
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2022年8月15日に日本でレビュー済み
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2009年7月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
僕にとっての、最高の外国人作家であり、最高の著作である。
でも、読んだ当時の恩人ハジメさんに貸した。結局返ってこなっかった。zannne。
それは、いいとして、みなさん、さようなら。
俺はもう、疲れた。
でも、読んだ当時の恩人ハジメさんに貸した。結局返ってこなっかった。zannne。
それは、いいとして、みなさん、さようなら。
俺はもう、疲れた。
2019年8月7日に日本でレビュー済み
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「シュルレアリスム革命」を書いたアンドレ・ブルトンによる日記風の文章だった。
ブルトンは20世紀初頭のパリで後に発狂する美女ナジャと出会う。
彼女は繊細な美的感覚と自由な精神を持っていたが、ややもすると支離滅裂に振る舞いブルトンを困惑させた。
ブルトン自身も繊細な芸術家なので彼女に魅かれたのは理解出来る。
しかし、労働を否定するのは頂けない。
才能に恵まれた繊細な若者にありがちな自尊心の高さも鼻につく。
ともあれ、狂気が芸術と隣り合わせなのは周知のことだ。
「ひまわり」を描けたゴッホはまだ幸せと言えるかもしれない。
これはいくつかのデッサンを残しただけで精神病院へ消えたナジャへの哀惜が書かせた物語なのだろう。
結語の「美は痙攣的なものだろう、それ以外にはないだろう」は瀬戸内寂聴の「美は乱調にあり」を思わせる。
確かに、美には動的カオスが必要かもしれない。
だが、どこか深くに秩序も響いていないといけない。
ブルトンは20世紀初頭のパリで後に発狂する美女ナジャと出会う。
彼女は繊細な美的感覚と自由な精神を持っていたが、ややもすると支離滅裂に振る舞いブルトンを困惑させた。
ブルトン自身も繊細な芸術家なので彼女に魅かれたのは理解出来る。
しかし、労働を否定するのは頂けない。
才能に恵まれた繊細な若者にありがちな自尊心の高さも鼻につく。
ともあれ、狂気が芸術と隣り合わせなのは周知のことだ。
「ひまわり」を描けたゴッホはまだ幸せと言えるかもしれない。
これはいくつかのデッサンを残しただけで精神病院へ消えたナジャへの哀惜が書かせた物語なのだろう。
結語の「美は痙攣的なものだろう、それ以外にはないだろう」は瀬戸内寂聴の「美は乱調にあり」を思わせる。
確かに、美には動的カオスが必要かもしれない。
だが、どこか深くに秩序も響いていないといけない。
2011年4月29日に日本でレビュー済み
『ナジャ』は、シュルレアリスムの生みだしたもっとも美しい結晶のような作品だ。
謎の女ナジャとの遭遇のみならず、作者が偶然パリで出遭った「生の現実=超現実」の体験が、さりげなく、巧みに語られている。
当時では珍しく写真が挿入されたのは、ドキュメントとしての価値を付与するためだろうか、《痙攣的な美》をうつしとれる写真芸術へのオマージュを捧げるためだろうか。
結果的に「物語+写真」という新しい作品『ナジャ』が作られることになった。
これらの写真は、現在のわたしたちも理由もわからず見入ってしまうような、不思議な謎を秘めている。
写真が本文と呼応しあい、特別な閃光を放っている。
この岩波文庫版翻訳には綿密な註と解説がついていて、ブルトンの詩的で難解な文章や写真のはなつ謎を解読するすべを教えてくれる。註や解説は見事な研究成果であり、それだけ読んでも面白い。
また翻訳自体、すばらしくこなれていて読みやすく、『ナジャ』の決定版を目指していると思われる。
1963年、ブルトンによって全面的に改訂された版をもとにしたこの岩波文庫の翻訳と、白水社で出版された28年版の翻訳と読み比べると、ブルトンが死の直前にこの作品を書きなおした理由が明らかになるかもしれない。
謎の女ナジャとの遭遇のみならず、作者が偶然パリで出遭った「生の現実=超現実」の体験が、さりげなく、巧みに語られている。
当時では珍しく写真が挿入されたのは、ドキュメントとしての価値を付与するためだろうか、《痙攣的な美》をうつしとれる写真芸術へのオマージュを捧げるためだろうか。
結果的に「物語+写真」という新しい作品『ナジャ』が作られることになった。
これらの写真は、現在のわたしたちも理由もわからず見入ってしまうような、不思議な謎を秘めている。
写真が本文と呼応しあい、特別な閃光を放っている。
この岩波文庫版翻訳には綿密な註と解説がついていて、ブルトンの詩的で難解な文章や写真のはなつ謎を解読するすべを教えてくれる。註や解説は見事な研究成果であり、それだけ読んでも面白い。
また翻訳自体、すばらしくこなれていて読みやすく、『ナジャ』の決定版を目指していると思われる。
1963年、ブルトンによって全面的に改訂された版をもとにしたこの岩波文庫の翻訳と、白水社で出版された28年版の翻訳と読み比べると、ブルトンが死の直前にこの作品を書きなおした理由が明らかになるかもしれない。
2009年10月21日に日本でレビュー済み
序文から読み始めたのだが、当初はこれは小説なのかとの思いにとらわれた。「ナジャ」が登場してからは話のスリリングな展開に引きずられて読み進んだ。ところが「ナジャ」の社会的な死?後にまた同じ思いにとらわれた。その後116ページもある訳注と35ページの解説を読んで何となく著者の意図が見えてきた。なぜ印象が途中変るのか、序言(遅れた至急報)とは?、なぜ35年後に改訂したのか?等々。あちこちに隠れた隠喩?が埋められている印象があり、とにかく得難い経験をした。普通の小説に飽き足らない方にはぜひ一度読むことをお薦めする。
2004年4月27日に日本でレビュー済み
「ナジャ。なぜってロシア語で希望という言葉のはじまりだから、はじまりだけだから。」
ブルトンがパリで出会った女神。彼女は自身の名をこう語った。
彼女はドラクロアが描いた民衆を導く自由の女神だろうか。
唯、パリにバリケードが築かれなくなって、あまりに久しい。
ブルトンはナジャとの出逢いの前、書店でトロツキーの本を買う。
「まさか、まだこの人々に、革命をおこす用意があるなどとは思えなかった。」
この言葉を理解するためには、ヴァルター・ベンヤミンの「ボードレールにおける第二帝政期のパリ」と「シュールレアリスム」を読んでから、「歴史哲学テーゼ」を見てください。
そこには、翻る三色旗の替わりに、軽やかに飛翔するための翼をひろげた「新しい天使」の大きく見ひらかれた眼があるはずです。
その眼が何を見ているのか考えてみてください。
ブルトンがパリで出会った女神。彼女は自身の名をこう語った。
彼女はドラクロアが描いた民衆を導く自由の女神だろうか。
唯、パリにバリケードが築かれなくなって、あまりに久しい。
ブルトンはナジャとの出逢いの前、書店でトロツキーの本を買う。
「まさか、まだこの人々に、革命をおこす用意があるなどとは思えなかった。」
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そこには、翻る三色旗の替わりに、軽やかに飛翔するための翼をひろげた「新しい天使」の大きく見ひらかれた眼があるはずです。
その眼が何を見ているのか考えてみてください。
2020年1月20日に日本でレビュー済み
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現代詩の講座でこの本を使いながら講師が講義しているので、必要なため購入しました。正直、よくわからない部分も多いのですが、勉強になります。『ナジャ』は不思議な本ですね。でも、読めば読むほど内容の深さに感動します。
2013年7月30日に日本でレビュー済み
この本を、小説と呼ぶことは、とてもできそうもない。
これは、単なる文書、あるいは、記述とでも言っていいのではないか。
それも、あらゆる方向に、開かれた文章で、だれでも、自分が望むものを、ここから引き出すことができる。
ブルトンが、晩年に全面改定を行ったということは、ブルトンのこの本に対する、愛情が強く感じられる。
ブルトンも、一人の読者として、この本から、自分の最良の時間の思い出を、引き出していたのかもしれない。
これは、単なる文書、あるいは、記述とでも言っていいのではないか。
それも、あらゆる方向に、開かれた文章で、だれでも、自分が望むものを、ここから引き出すことができる。
ブルトンが、晩年に全面改定を行ったということは、ブルトンのこの本に対する、愛情が強く感じられる。
ブルトンも、一人の読者として、この本から、自分の最良の時間の思い出を、引き出していたのかもしれない。