集大成と言ったら怒られるかもしれないですね、まだ。
これ論文の塊です。
そして必要なことが、役に立つことがこの塊の中に示されています。
ぜひ、座右の銘に(違うかな・・・座右の書に)

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人材開発研究大全 単行本 – 2017/4/30
中原 淳
(編集)
人材の育成なくして、生き残る組織なし
研究と実務のための必読ハンドブック、ここに刊行!!
日本型雇用慣行が崩壊しつつある現在、日本企業は「能力形成システム」を再構築する必要に迫られている。人的資源開発論、産業組織心理学、経営学習論などさまざまな学問アプローチを駆使し、組織への参入前から退出まで、医療職や教職までをも含め、人材開発の最新の知見をここに集約する。人材育成の研究や現場のための一大リファレンス。
【本書「はじめに」より】
『人材開発研究大全』は、人材開発(=人的資源開発:本書では同義として用いる)に関連する研究論文や研究論考を収録した、日本で初めての研究論文集(ハンドブック)である。(中略)
本書では、このような人材開発研究に関して、多岐にわたる分野で活躍をしている研究者たちの最新の知見を収録することを目論んだ。後続する世代、さらには、より多くの研究者がこのテーマに興味を抱き、自らの領域で、まったく新たな研究方法と実践を見出し、新たな人材開発研究を志してくれることを願って本書は編まれている。
【主要目次】
第1部 組織参入前の人材開発
第1章 採用(服部泰宏)
第2章 採用面接(今城志保)
第3章 企業の視点からみた「大学時代の経験の効果」(舘野泰一/中原淳)
第4章 学校から仕事へのトランジション(溝上慎一/保田江美)
第5章 大学生のリーダーシップ開発(舘野泰一)
第6章 エンゲージメントを高める大学授業(中澤明子)
第7章 インターンシップによるキャリア育成の効果(見舘好隆)
第8章 入社後の初期キャリアに対する就職活動の影響(高崎美佐)
第2部 組織参入後の人材開発
第9章 組織社会化研究の展望と日本型組織社会化(尾形真実哉)
第10章 OJTとマネジャーによる育成行動(松尾睦)
第11章 OJTと社会化エージェント(関根雅泰/中原淳)
第12章 OJT指導員の支援行動(保田江美/関根雅泰/中原淳)
第13章 研修転移(関根雅泰/齊藤光弘)
第14章 新人研修(尾形真実哉)
第15章 組織市民行動とゲーム研修(福山佑樹/高橋興史/中原淳)
第16章 中途採用者の組織再社会化(中原淳)
第17章 経営理念と人材開発(高尾義明)
第18章 元外国人留学生の組織社会化(島田徳子)
第3部 管理職育成の人材開発
第19章 管理職へのトランジション(中原淳)
第20章 女性管理職の育成(国保祥子)
第21章 育児経験とリーダーシップ発達(浜屋祐子/中原淳)
第22章 越境学習(舘野泰一)
第23章 越境型管理職研修の学習効果(辻和洋/齊藤光弘/関根雅泰/中原淳)
第24章 降格人事と上司の管理行動(田中聡/中原淳/保田江美/齊藤光弘/辻和洋)
第4部 人材開発の創発的展開
第25章 若手教員の経験学習(町支大祐)
第26章 若手教員のメンタリング(脇本健弘)
第27章 教師の専門性発達(山辺恵理子)
第28章 校長のリーダーシップと学校改善(吉村春美)
第29章 新人看護師の能力向上(1):中堅看護士からの支援(保田江美)
第30章 新人看護師の能力向上(2):看護チームのチームワークの効果(保田江美)
第31章 医療従事者の変容的学習(孫大輔)
第32章 役員秘書の経験学習(伊勢坊綾)
第33章 地方公共団体職員の人材開発(齊藤光弘/辻和洋/中原淳)
研究と実務のための必読ハンドブック、ここに刊行!!
日本型雇用慣行が崩壊しつつある現在、日本企業は「能力形成システム」を再構築する必要に迫られている。人的資源開発論、産業組織心理学、経営学習論などさまざまな学問アプローチを駆使し、組織への参入前から退出まで、医療職や教職までをも含め、人材開発の最新の知見をここに集約する。人材育成の研究や現場のための一大リファレンス。
【本書「はじめに」より】
『人材開発研究大全』は、人材開発(=人的資源開発:本書では同義として用いる)に関連する研究論文や研究論考を収録した、日本で初めての研究論文集(ハンドブック)である。(中略)
本書では、このような人材開発研究に関して、多岐にわたる分野で活躍をしている研究者たちの最新の知見を収録することを目論んだ。後続する世代、さらには、より多くの研究者がこのテーマに興味を抱き、自らの領域で、まったく新たな研究方法と実践を見出し、新たな人材開発研究を志してくれることを願って本書は編まれている。
【主要目次】
第1部 組織参入前の人材開発
第1章 採用(服部泰宏)
第2章 採用面接(今城志保)
第3章 企業の視点からみた「大学時代の経験の効果」(舘野泰一/中原淳)
第4章 学校から仕事へのトランジション(溝上慎一/保田江美)
第5章 大学生のリーダーシップ開発(舘野泰一)
第6章 エンゲージメントを高める大学授業(中澤明子)
第7章 インターンシップによるキャリア育成の効果(見舘好隆)
第8章 入社後の初期キャリアに対する就職活動の影響(高崎美佐)
第2部 組織参入後の人材開発
第9章 組織社会化研究の展望と日本型組織社会化(尾形真実哉)
第10章 OJTとマネジャーによる育成行動(松尾睦)
第11章 OJTと社会化エージェント(関根雅泰/中原淳)
第12章 OJT指導員の支援行動(保田江美/関根雅泰/中原淳)
第13章 研修転移(関根雅泰/齊藤光弘)
第14章 新人研修(尾形真実哉)
第15章 組織市民行動とゲーム研修(福山佑樹/高橋興史/中原淳)
第16章 中途採用者の組織再社会化(中原淳)
第17章 経営理念と人材開発(高尾義明)
第18章 元外国人留学生の組織社会化(島田徳子)
第3部 管理職育成の人材開発
第19章 管理職へのトランジション(中原淳)
第20章 女性管理職の育成(国保祥子)
第21章 育児経験とリーダーシップ発達(浜屋祐子/中原淳)
第22章 越境学習(舘野泰一)
第23章 越境型管理職研修の学習効果(辻和洋/齊藤光弘/関根雅泰/中原淳)
第24章 降格人事と上司の管理行動(田中聡/中原淳/保田江美/齊藤光弘/辻和洋)
第4部 人材開発の創発的展開
第25章 若手教員の経験学習(町支大祐)
第26章 若手教員のメンタリング(脇本健弘)
第27章 教師の専門性発達(山辺恵理子)
第28章 校長のリーダーシップと学校改善(吉村春美)
第29章 新人看護師の能力向上(1):中堅看護士からの支援(保田江美)
第30章 新人看護師の能力向上(2):看護チームのチームワークの効果(保田江美)
第31章 医療従事者の変容的学習(孫大輔)
第32章 役員秘書の経験学習(伊勢坊綾)
第33章 地方公共団体職員の人材開発(齊藤光弘/辻和洋/中原淳)
- 本の長さ896ページ
- 言語日本語
- 出版社東京大学出版会
- 発売日2017/4/30
- 寸法15.8 x 6 x 21.8 cm
- ISBN-104130402803
- ISBN-13978-4130402804
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商品の説明
著者について
中原 淳(なかはら・じゅん)
東京大学大学総合教育研究センター准教授。1975 年生まれ。企業の人材育成担当者にもよく知られている気鋭の研究者。「大人の学びを科学する」をテーマに、企業・組織における人々の学習・コミュニケーション・リーダーシップについて研究している。専門は経営学習論(Management Learning)。主著に『職場学習論』(東京大学出版会)、『経営学習論』(東京大学出版会)、『研修開発入門』(ダイヤモンド社)、『活躍する組織人の探究』(共著、東京大学出版会)、近著に『ひとはもともとアクティブ・ラーナー! 』(共著、北大路書房)、『育児は仕事の役に立つ』(共著、光文社)、『フィードバック入門』(PHP研究所)などがある。
東京大学大学総合教育研究センター准教授。1975 年生まれ。企業の人材育成担当者にもよく知られている気鋭の研究者。「大人の学びを科学する」をテーマに、企業・組織における人々の学習・コミュニケーション・リーダーシップについて研究している。専門は経営学習論(Management Learning)。主著に『職場学習論』(東京大学出版会)、『経営学習論』(東京大学出版会)、『研修開発入門』(ダイヤモンド社)、『活躍する組織人の探究』(共著、東京大学出版会)、近著に『ひとはもともとアクティブ・ラーナー! 』(共著、北大路書房)、『育児は仕事の役に立つ』(共著、光文社)、『フィードバック入門』(PHP研究所)などがある。
登録情報
- 出版社 : 東京大学出版会 (2017/4/30)
- 発売日 : 2017/4/30
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 896ページ
- ISBN-10 : 4130402803
- ISBN-13 : 978-4130402804
- 寸法 : 15.8 x 6 x 21.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 466,969位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,000位マネジメント・人材管理
- カスタマーレビュー:
著者について
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立教大学経営学部 教授。大阪大学博士(人間科学)。北海道旭川市生まれ。東京大学教育学部卒業、大阪大学大学院 人間科学研究科、米国・マサチューセッツ工科大学客員研究員、東京大学講師・准教授等をへて、2006年より現職。
「大人の学びを科学する」をテーマに、企業・組織における人材開発、組織開発を研究している。専門は経営学習論・組織行動論。立教大学大学院 経営学研究科 経営学専攻 リーダーシップ開発コース主査、リーダーシップ研究所副所長をつとめる。
研究の詳細は、Blog:NAKAHARA-LAB.NET(http://www.nakahara-lab.net/)。Twitter ID : nakaharajun
【最近のその他の共著】
「職場学習論」「経営学習論」「人材開発研究大全」(東京大学出版会)「企業内人材育成入門」(ダイヤモンド社)、「ダイアローグ 対話する組織」(ダイヤモンド社)、「リフレクティブマネジャー」(光文社)、「フィードバック入門」(PHP新書)など多数
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2017年5月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2017年6月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この書籍は,わたくしが現在対応している地元企業におけるハラスメント防止等の研修において,人材開発が不可避的に関係してくるものと思い,是非一読したいと思い,購入しました。ボリューム的には850ページほどで,一般の書籍に比して多めですが,文章表現がわかりやすく,案外時間をかけないで読み切ることができました。全体で33章からなり,相互に関連しつつも,各章が独立したテーマとなっています。テーマについて全体的に感じたことは,新人採用時から一定期間経過後までに焦点を当てているという感じで,管理職以降の時期における自他の人材開発に関する記述は,手薄な感じもありますが,各分野における記述はすべて大学の先生等の専門的な知見に裏づけられたものであり,読み込むほどに認識が深まるものとなっていると感じました。特に,教員や役員秘書の人材開発についても独立した章建てをして記述されている点が,他の書籍の及ばない点かと思いました。今後,本気で人材開発を考えていこうと思っている方々は,是非一読して,自身の論理的基盤の構築に役立てていただきたいと思います。
2019年7月6日に日本でレビュー済み
一人の著者が自分の経験や主張を述べるタイプの本ではなく、人材開発の専門家の研究成果を論文集としてまとめたものである。
2017年7月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「集大成と言ったら怒られるかもしれないですね、まだ。」というレビューが端的に特徴を捉えています。
星の数としては、これからこの本を買おうという方や読んだ方への留意点として、ぜひ参考にしていただきたいという意図で1つのところにマークしました。
個々の内容だけ見れば、星4つというところですが、アオリの「人材開発の最新の知見をここに集約する」という部分への疑念や、これだけの分量なのに分冊にしていない編集方針(分冊にしてセット販売のみにするというアイデアもあったはず)、1万円近い価格と読むのにかかる時間的コストに見合うものか、ということなどマイナス面も多いのも事実です。
しかしながら、日本では論文は学会の中に閉じられている場合も多く、手に入れづらいこともあり、「日本で初めての研究論文集」としての価値は揺るぎのないものです。したがって、下記は、あくまで「読むにあたっての」留意点としてお考えください。(編集方針や個々の論文への批判や批評ではありません)
【網羅感について】
実は、“はじめに”で編者が「この間に出会った多くの共同研究者たち、東京大学大学院学際情報学府における指導学生諸氏、研究上つながりのある研究者たち」と書いているように、あくまで編者の手の届く範囲での論文集です。(その意味で編者は極めて誠実と考えます)そして、“あとがき”で編者が「人材開発の研究領域を探求したこの15年間」と書くように、集約したのは編者の15年間の成果、と解釈するとこの本の性質がより端的に理解しやすいと考えられます。
したがって読むにあたっては、これで「人材開発の最新の知見は集約されている」と考えるのではなく、ある切り口で33本の論文が集められている、と考えるのが妥当でしょう。なにせ、たかだか33本しかないのですから。
この33本は経験(学習)や関係性という観点のものが多く、例えば、認知的に「学ぶ」とはどういうことなのか、という領域や、どのような教授法がどんな効果を生むのか、という領域にはほとんど触れられていません。編者は組織開発の講演でODエリアとHRD(ID)エリアの対立軸について、それって分けていいものなの? と疑問を呈していますが、この33本はどちらかといえばODエリアの色合いが濃く、HRD(ID)エリアは手薄という感を否めません。HRD(ID)エリアでは、ベテランの熊本大学鈴木教授や、最近人気の早稲田大学向後教授、そして、教授法についての科学的見地という意味では東京大学の安斎特任助教、成人発達理論押しの加藤洋平さんあたりの論文/論考も見ておくことをお勧めします。
【個々の論文の読み方について】
編集方針が「多岐にわたる分野で活躍をしている研究者たちの最新の知見を収録」ですから、それぞれは各領域のベストな知見が集まっている、というわけではありません。普通の論文です。“普通”というのは、著者がそのように考えることを、手に入れたデータを以って証明した、というだけのものである、ということです。これは論文としては至極真っ当で、自分の仮説を自分の集めたデータによって検証しているわけです。つまり、データによっては、まったく正反対の結論もあり得るということです。例えば、第14章では自衛隊による新人研修の効果について検証する中で“理不尽体験”が配属後に役に立つという受講者ヒアリング結果を得ていることが述べられていますが、それを感じた社員の割合については述べられていません。実際、“ヒアリング”という公式の場でない、非公式(食事の時など)の会話の中ではそのような“理不尽体験”を含む研修について、2年目、3年目の若手から「意味ないですよね」という話や「アンケートでは5つけましたよ、当然でしょ」という話を毎年聞きます。もちろん、どちらの意見もあるに違いないので、大切なのは割合だと考えますが、そこに言及されていないので、まあ、そういう事実もあるんだよね、という目で見る必要があるでしょう。
【活用法は・・・】
編者は“はじめに”で「新たな研究方法と実践」への期待を述べています。なので、“集大成”では最初からないのです。(編者はその言葉を使っていません)あくまで、編者の切り口で集められた33本の論文であり、それぞれの著者の切り口で検証された(考察だけのものもある)結論に過ぎません。それだけが“真”ではないのです。(論文を読むにあたっては当たり前のことですが、データがあると、なんだか人って“真”と思っちゃうものですからね・・・)
しかし、「東京大学の有名な先生の編んだ本に取り上げられた論文にこう書いてありました!」と読者が言うとすれば、それはまぎれもない真実です。社内(組織内)であなたが何かやりたい施策があり、誰かを説得したいとすれば、大いに力を持つことでしょう。権威に対して過大な期待を持つ相手には、活用しがいがあるというものです。
また、“真”かどうかは別として、考慮すべき要素、が書かれているという見方ができるものは多くあります。
例えば、第7章では学生への効果を考えた時の重要なインターンシップの要素として“社員からのアドバイスの機会”について書かれていますが、インターンシップを企画するときに、少なくとも「そのような機会を設けなくて良いのか」「そのような機会を設けるにはどのようなデザインにしたら良いのか」と考える切り口の一つにはなり得るでしょう。(繰り返しますが、“社員からのアドバイスの機会”が必須であることが“真”であるかは別です。しかし、検討する価値は大いにある、ということです)
【まとめ】
ということで、星1つですが、特に実務に就かれているのにこの領域の論文に触れたことのない方においては、ご一読を強くオススメします。いや、1万円近いし、ということであれば、図書館を活用して、とりあえず、丸1日かけて読破してから手元に置くか決めるのも方法です。(自治体によっては、リクエストすれば買ってもらえると思います) 過大な期待も余計な批判もせずに、ニュートラルに読むのが良い、というなんだか「そりゃ、どんな本でもそうだろ」という結論でこのレビューを締めたいと思います。
星の数としては、これからこの本を買おうという方や読んだ方への留意点として、ぜひ参考にしていただきたいという意図で1つのところにマークしました。
個々の内容だけ見れば、星4つというところですが、アオリの「人材開発の最新の知見をここに集約する」という部分への疑念や、これだけの分量なのに分冊にしていない編集方針(分冊にしてセット販売のみにするというアイデアもあったはず)、1万円近い価格と読むのにかかる時間的コストに見合うものか、ということなどマイナス面も多いのも事実です。
しかしながら、日本では論文は学会の中に閉じられている場合も多く、手に入れづらいこともあり、「日本で初めての研究論文集」としての価値は揺るぎのないものです。したがって、下記は、あくまで「読むにあたっての」留意点としてお考えください。(編集方針や個々の論文への批判や批評ではありません)
【網羅感について】
実は、“はじめに”で編者が「この間に出会った多くの共同研究者たち、東京大学大学院学際情報学府における指導学生諸氏、研究上つながりのある研究者たち」と書いているように、あくまで編者の手の届く範囲での論文集です。(その意味で編者は極めて誠実と考えます)そして、“あとがき”で編者が「人材開発の研究領域を探求したこの15年間」と書くように、集約したのは編者の15年間の成果、と解釈するとこの本の性質がより端的に理解しやすいと考えられます。
したがって読むにあたっては、これで「人材開発の最新の知見は集約されている」と考えるのではなく、ある切り口で33本の論文が集められている、と考えるのが妥当でしょう。なにせ、たかだか33本しかないのですから。
この33本は経験(学習)や関係性という観点のものが多く、例えば、認知的に「学ぶ」とはどういうことなのか、という領域や、どのような教授法がどんな効果を生むのか、という領域にはほとんど触れられていません。編者は組織開発の講演でODエリアとHRD(ID)エリアの対立軸について、それって分けていいものなの? と疑問を呈していますが、この33本はどちらかといえばODエリアの色合いが濃く、HRD(ID)エリアは手薄という感を否めません。HRD(ID)エリアでは、ベテランの熊本大学鈴木教授や、最近人気の早稲田大学向後教授、そして、教授法についての科学的見地という意味では東京大学の安斎特任助教、成人発達理論押しの加藤洋平さんあたりの論文/論考も見ておくことをお勧めします。
【個々の論文の読み方について】
編集方針が「多岐にわたる分野で活躍をしている研究者たちの最新の知見を収録」ですから、それぞれは各領域のベストな知見が集まっている、というわけではありません。普通の論文です。“普通”というのは、著者がそのように考えることを、手に入れたデータを以って証明した、というだけのものである、ということです。これは論文としては至極真っ当で、自分の仮説を自分の集めたデータによって検証しているわけです。つまり、データによっては、まったく正反対の結論もあり得るということです。例えば、第14章では自衛隊による新人研修の効果について検証する中で“理不尽体験”が配属後に役に立つという受講者ヒアリング結果を得ていることが述べられていますが、それを感じた社員の割合については述べられていません。実際、“ヒアリング”という公式の場でない、非公式(食事の時など)の会話の中ではそのような“理不尽体験”を含む研修について、2年目、3年目の若手から「意味ないですよね」という話や「アンケートでは5つけましたよ、当然でしょ」という話を毎年聞きます。もちろん、どちらの意見もあるに違いないので、大切なのは割合だと考えますが、そこに言及されていないので、まあ、そういう事実もあるんだよね、という目で見る必要があるでしょう。
【活用法は・・・】
編者は“はじめに”で「新たな研究方法と実践」への期待を述べています。なので、“集大成”では最初からないのです。(編者はその言葉を使っていません)あくまで、編者の切り口で集められた33本の論文であり、それぞれの著者の切り口で検証された(考察だけのものもある)結論に過ぎません。それだけが“真”ではないのです。(論文を読むにあたっては当たり前のことですが、データがあると、なんだか人って“真”と思っちゃうものですからね・・・)
しかし、「東京大学の有名な先生の編んだ本に取り上げられた論文にこう書いてありました!」と読者が言うとすれば、それはまぎれもない真実です。社内(組織内)であなたが何かやりたい施策があり、誰かを説得したいとすれば、大いに力を持つことでしょう。権威に対して過大な期待を持つ相手には、活用しがいがあるというものです。
また、“真”かどうかは別として、考慮すべき要素、が書かれているという見方ができるものは多くあります。
例えば、第7章では学生への効果を考えた時の重要なインターンシップの要素として“社員からのアドバイスの機会”について書かれていますが、インターンシップを企画するときに、少なくとも「そのような機会を設けなくて良いのか」「そのような機会を設けるにはどのようなデザインにしたら良いのか」と考える切り口の一つにはなり得るでしょう。(繰り返しますが、“社員からのアドバイスの機会”が必須であることが“真”であるかは別です。しかし、検討する価値は大いにある、ということです)
【まとめ】
ということで、星1つですが、特に実務に就かれているのにこの領域の論文に触れたことのない方においては、ご一読を強くオススメします。いや、1万円近いし、ということであれば、図書館を活用して、とりあえず、丸1日かけて読破してから手元に置くか決めるのも方法です。(自治体によっては、リクエストすれば買ってもらえると思います) 過大な期待も余計な批判もせずに、ニュートラルに読むのが良い、というなんだか「そりゃ、どんな本でもそうだろ」という結論でこのレビューを締めたいと思います。
2017年7月6日に日本でレビュー済み
新卒2年目ですが、今まで自分が受けてきた、かなり特殊と思っていたさまざまな研修やできごとが、わりとシンプルな言葉で説明され、自分がいわゆる釈迦の手の内から、釈迦自身の視点でみることができるような快感を覚えました。イノベーションの源泉も論理と現実両面で紹介され、どこを食べても美味しいケーキのように、どこを読んでも吸い込まれるような面白さと学びと楽しみがあります。
2018年4月14日に日本でレビュー済み
高い割には全く役に立ちませんでした。
久しぶりに損をしました。
同ジャンルでもっと役立つ本はいくらでもあります。
久しぶりに損をしました。
同ジャンルでもっと役立つ本はいくらでもあります。