「従来的な経済理論の紹介→心理学の成果からそれらが否定される実例の紹介・経済学への応用」
というテンポで、全体にわたり内容が進行していき、大変理解しやすい構成になっています。
「限定合理性」や「近道選び」、「プロスペクト理論」などの心理学の成果紹介が内容のほとんどを占め、
結果としてミクロ経済の領域にとどまる話が多い。しかし入門書としての役割は、十分すぎる位果たしているでしょう。
ミクロ系の話が多いが、終章で触れているように、この本が目指すのは、心理学からの成果を
マクロ経済的な政策へ応用するだと思う。2003年に刊行されたものの文庫化とのことで、
確かに引用されている実験も古いものが多く、全体的な内容にも新鮮さを感じませんが、
約15年後の現在の社会を見ると、著書で紹介・主張されていることが全く色あせていないなあと思います。
近道選びとかプロスペクト理論とか、日常生活からしたら「何を今さら」というような考え方ですが、
それを心理学実験により実証して、さらに経済モデルへと統合するのはなかなか壮大な作業のように感じる。
その中でも「価値関数」のような、行動経済学ならではのモデルが作られているようなので、
この分野からの経済や政策への貢献が今後より増えることに期待をしたいと思います。
ちなみに、ベイズルールや効用関数などの中身が分かる位でないと、この本は難しいと思います。
「行動経済学」「行動ファイナンス」というと関心を惹く名称だが、
経済学から内容が理解できないのであれば、行動経済学の本をわざわざ読む必要はないと思う。
経済理論や数式による解説が分からずに飛ばして読んだとしても、文章の方だけで読める内容だが、
それだと聞こえの良い「人間は合理的ではない」という心理学の結論部分しか頭に残らないでしょう。
経済学を本気で学びたい人や、経済・政策分野のゴリゴリのプロフェッショナルな人にこそ、
行動経済学への入り口としてお勧めしたい内容です。
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行動経済学入門 新書 – 2014/7/1
多田 洋介
(著)
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本書は、2003年に刊行し、最もわかりやすくバランスがとれた解説の行動経済学のテキストとして定評があった単行本を文庫化したものです。行動経済学者であるダニエル・カーネマンやロバート・シラーがノーベル経済学賞を受賞したこともあり、行動経済学は、経済学の中でもっともホットなテーマといわれています。
行動経済学では、人間を合理的で利己的な存在ではなく、感情に流されたり、間違えたり、他人の利益を優先したりする「普通の人間」と考えます。心理学の発想を経済分析に持ち込むことで、失敗や先延ばしなど人々の不合理な行動の理由や、バブル発生の原因などを分析し、成果をあげてきました。
本書では、くじ引きやゲームを使ったユニークな実験や、投資やマクロ経済を対象にした様々な分析などを紹介。行動経済学が、ミクロ経済学や、意思決定論、統計学、ファイナンスなどと、どのように関連するかまで理解できます。
行動経済学では、人間を合理的で利己的な存在ではなく、感情に流されたり、間違えたり、他人の利益を優先したりする「普通の人間」と考えます。心理学の発想を経済分析に持ち込むことで、失敗や先延ばしなど人々の不合理な行動の理由や、バブル発生の原因などを分析し、成果をあげてきました。
本書では、くじ引きやゲームを使ったユニークな実験や、投資やマクロ経済を対象にした様々な分析などを紹介。行動経済学が、ミクロ経済学や、意思決定論、統計学、ファイナンスなどと、どのように関連するかまで理解できます。
- 本の長さ268ページ
- 言語日本語
- 出版社日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
- 発売日2014/7/1
- 寸法10.8 x 1.4 x 17.2 cm
- ISBN-104532113156
- ISBN-13978-4532113155
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商品の説明
著者について
多田 洋介(ただ・ようすけ)
内閣府経済社会総合研究所勤務
1973年生まれ。96年東京大学経済学部卒業、経済企画庁(現内閣府)入庁。
ハーバード大学大学院修士。
訳書に、キャロル・グラハム著『幸福の経済学』
内閣府経済社会総合研究所勤務
1973年生まれ。96年東京大学経済学部卒業、経済企画庁(現内閣府)入庁。
ハーバード大学大学院修士。
訳書に、キャロル・グラハム著『幸福の経済学』
登録情報
- 出版社 : 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版; New版 (2014/7/1)
- 発売日 : 2014/7/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 268ページ
- ISBN-10 : 4532113156
- ISBN-13 : 978-4532113155
- 寸法 : 10.8 x 1.4 x 17.2 cm
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トップレビュー
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2017年8月5日に日本でレビュー済み
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2015年1月1日に日本でレビュー済み
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行動経済学は日常的な事象、例えば経済政策、政治家の言動などを判断する際に、もっと一般の人に普及し応用されてよい学問領域だと思います。そこには「自信過剰」や「認知的不協和」が盛りだくさんに見られます。
新古典派マクロ経済学が扱ってきた「合理的経済主体モデル」は1)超合理的 2)超自制的 3)超利己的という特徴を持つが、現実の人間の行動とは乖離している。
・一般の人々は不確実な事象を評価する際に厳密な計算や複雑な思考を経ずに"ある程度"合理的な行動「近道選び(ヒューリスティクス)」をして、結果としてバイアスが生じる。
1)問題の本質をわずかな事例だけで判断してしまう「代表性の近道選び」
2)手近に得られる情報を優先して問題を解決しようとする「利用可能性の近道選び」
3)問題の本質には関係のない情報にこだわってしまう「係留効果」
・プロスペクト理論は不確実性の下で見られる行動パターンを分析するツールで、
1)利得よりも同じ額の損失に対してより深刻に受け止める「損失回避」
2)得する局面ではリスク回避的選択をするのに、損する局面ではむしろリスク志向的な行動をとるという非対称性
3)わずかな確率でも過大に認識する。(確率ウェイト関数)
・2時点間の人間の行動の現在価値を測る方法として、準双曲的割引関数モデルは、短期における高い割引き(忍耐の弱さ)と長期における低い割引(忍耐強さ)という一般的な実証結果とも整合する。財政再建の先送りは準双曲的割引関数モデルのまさにいい例で、政治家の「自制心の無さ」がよくわかります。
新古典派マクロ経済学が扱ってきた「合理的経済主体モデル」は1)超合理的 2)超自制的 3)超利己的という特徴を持つが、現実の人間の行動とは乖離している。
・一般の人々は不確実な事象を評価する際に厳密な計算や複雑な思考を経ずに"ある程度"合理的な行動「近道選び(ヒューリスティクス)」をして、結果としてバイアスが生じる。
1)問題の本質をわずかな事例だけで判断してしまう「代表性の近道選び」
2)手近に得られる情報を優先して問題を解決しようとする「利用可能性の近道選び」
3)問題の本質には関係のない情報にこだわってしまう「係留効果」
・プロスペクト理論は不確実性の下で見られる行動パターンを分析するツールで、
1)利得よりも同じ額の損失に対してより深刻に受け止める「損失回避」
2)得する局面ではリスク回避的選択をするのに、損する局面ではむしろリスク志向的な行動をとるという非対称性
3)わずかな確率でも過大に認識する。(確率ウェイト関数)
・2時点間の人間の行動の現在価値を測る方法として、準双曲的割引関数モデルは、短期における高い割引き(忍耐の弱さ)と長期における低い割引(忍耐強さ)という一般的な実証結果とも整合する。財政再建の先送りは準双曲的割引関数モデルのまさにいい例で、政治家の「自制心の無さ」がよくわかります。
2022年12月22日に日本でレビュー済み
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全然入門じゃない。
2020年7月5日に日本でレビュー済み
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良かった
2012年8月17日に日本でレビュー済み
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行動経済学をわかりやすく書いた教科書的入門書。
経済学が前提とする経済的合理的な人間像を修正し、心理学の見地から、実際の人間に近い人間像をもとにミクロ経済学を描き出すのが行動経済学です。
その支柱的理論として、プロスペクト理論があります。
本書は、項目の最終ページにまとめを載せる等して、わかりやすく、覚えやすい体裁となっています。
もちろん、章ごとの参考文献が記載されており、さらに発展した勉強もできるようになっています。
巻末に用語による索引はありません。
経済学が前提とする経済的合理的な人間像を修正し、心理学の見地から、実際の人間に近い人間像をもとにミクロ経済学を描き出すのが行動経済学です。
その支柱的理論として、プロスペクト理論があります。
本書は、項目の最終ページにまとめを載せる等して、わかりやすく、覚えやすい体裁となっています。
もちろん、章ごとの参考文献が記載されており、さらに発展した勉強もできるようになっています。
巻末に用語による索引はありません。
2014年10月21日に日本でレビュー済み
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今年のノーベル賞の経済学が、フランスの学者さん一人っきりですよね。
今、経済学部と法学部って高校生に人気無いらしいですね。
で、文系で人気があるのは国際学部と心理学部らしいですが。
ちなみにこの本はまるで心理学の本でした。
今、経済学部と法学部って高校生に人気無いらしいですね。
で、文系で人気があるのは国際学部と心理学部らしいですが。
ちなみにこの本はまるで心理学の本でした。
2016年8月25日に日本でレビュー済み
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ひとが、購買行動をする時、まあ買い物するとき、どうやって意思決定しているかみたいなやつ。ダニエル・カーネマン「ファスト&スロー」が本家みたい。入門だから本家より薄いが、まだ読みやすいかも。