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八甲田山死の彷徨 (新潮文庫) 文庫 – 1978/2/1
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陸軍によって隠蔽されていた、199名の死者が出た実際の悲劇を発掘、小説化した。
高倉健、北大路欣也主演の映画原作としても知られる。北大路の台詞「天は我々を見放した」は流行語となった。
日露戦争前夜、厳寒の八甲田山中で過酷な人体実験が強いられた。神田大尉が率いる青森5聯隊は雪中で進退を協議しているとき、大隊長が突然“前進”の命令を下し、指揮系統の混乱から、ついには199名の死者を出す。徳島大尉が率いる少数精鋭の弘前31聯隊は210余キロ、11日間にわたる全行程を完全に踏破する。2隊を対比して、組織とリーダーのあり方を問い、自然と人間の闘いを描いた名作。
【目次】
序章
第一章 雪地獄
第二章 彷徨
第三章 奇蹟の生還
終章
解説:山本健吉
【大ヒット映画原作】
1977年、東宝。監督:森谷司郎、脚本:橋本忍。出演: 高倉健(徳島大尉)、北大路欣也(神田大尉)、丹波哲郎(児島大佐)、三國連太郎(山田少佐)、加山雄三(倉田大尉)、秋吉久美子(滝口さわ)ほか超豪華キャスト!
本文より
「救助隊だ!救助隊だ!」
と叫ぶ声が続いた。
「お母(が)さんに会えるぞ」
と叫んだ兵隊がいた。一声誰かが母に会えると叫ぶと兵たちは、口々に母の名を連呼した。(略)兵たちは、救助隊を見て、すぐ母を思った。いま彼等の心には母しかなかった。母が居たら必ず助けてくれるだろうし、生きることは母に会えることであった。
倉田大尉には救助隊は見えなかった。神田大尉にも見えなかった。二人は顔を見合せてから、兵たちが指さす方向に眼をやった。風の中に疎林の枝が揺れ動いていた。飛雪の幕が、横に動いて行くのを見ながら、ふと眼を飛雪に固定すると、今度は木が動くように見えることがあった。……(第二章「彷徨」)
本書「解説」より
八甲田山の事件の真相は、長く国民には知らされないままになっていた。日露の風雲が切迫していたということもあったろうし、その上に陸軍の秘密主義ということがあったろう。軍の責任に触れ、その恥部を国民に知らしめることを怖れたのだ。(略)
徳島大尉始め、雪中行軍に加わった第三十一聯隊の士卒の半数は、二年あとの日露戦争には、黒溝台の激戦で戦死または戦傷している。成功者も失敗者も、死の訪れには二年の遅速があったに過ぎなかった。それは、日露の戦いの準備行動で死んだか、戦いそのもので死んだかの違いに過ぎなかった。
――山本健吉(文芸評論家)
新田次郎(1912-1980)
1912(明治45)年、長野県上諏訪生れ。無線電信講習所(現在の電気通信大学)を卒業後、中央気象台に就職し、富士山測候所勤務等を経験する。1956(昭和31)年『強力伝』で直木賞を受賞。『縦走路』『孤高の人』『八甲田山死の彷徨』など山岳小説の分野を拓く。次いで歴史小説にも力を注ぎ、1974年『武田信玄』等で吉川英治文学賞を受ける。1980年、心筋梗塞で急逝。没後、その遺志により新田次郎文学賞が設けられた。実際の出来事を下敷きに、我欲・偏執等人間の本質を深く掘り下げたドラマチックな作風で時代を超えて読み継がれている。
- ISBN-104101122148
- ISBN-13978-4101122144
- 版改
- 出版社新潮社
- 発売日1978/2/1
- 言語日本語
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- 本の長さ336ページ
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出版社より
縦走路 | 強力伝・孤島 | 孤高の人〔上〕 | 孤高の人〔下〕 | 蒼氷・神々の岩壁 | チンネの裁き | |
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【新潮文庫】新田次郎 作品 | 冬の八ヶ岳を舞台に、四人の登山家の男女をめぐる恋愛感情のもつれと、自然と対峙する人間の緊迫したドラマを描く山岳長編小説。 | 直木賞受賞の処女作「強力伝」ほか、「八甲田山」「凍傷」「おとし穴」「山犬物語」など、山岳小説に新風を開いた著者の初期の代表作。〈直木賞受賞〉 | ヒマラヤ征服の夢を秘め、日本アルプスの山々をひとり疾風の如く踏破した”単独行の加藤文太郎”の劇的な生涯。山岳小説の傑作。 | 富士山頂の苛烈な自然を背景に、若い気象観測所員達の友情と死を描く「蒼氷」。谷川岳衝立岩に挑む男達を描く「神々の岩壁」など。 | 北アルプス剣岳の雪渓。雪山という密室で起きた惨劇は、事故なのか、殺人なのか。予想が次々と覆される山岳ミステリの金字塔。 |
栄光の岩壁〔上〕 | 栄光の岩壁〔下〕 | 八甲田山死の彷徨 | アイガー北壁・気象遭難 | アルプスの谷 アルプスの村 | |
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凍傷で両足先の大半を失いながら、次々に岩壁に挑戦し、遂に日本人として初めてマッターホルン北壁を征服した竹井岳彦を描く長編。 | 全行程を踏破した弘前三十一聯隊と、一九九名の死者を出した青森五聯隊──日露戦争前夜、厳寒の八甲田山中での自然と人間の闘い。 | 千八百メートルの巨大な垂直の壁に挑んだ二人の日本人登山家を実名小説として描く「アイガー北壁」をはじめ、山岳短編 14 編を収録。 | チューリッヒを出発した汽車は、いよいよ憧れのアイガー、マッターホルンへ……ヨーロッパの自然の美しさを爽やかに綴る紀行文。 |
商品の説明
メディア掲載レビューほか
この世の地獄! 日本陸軍史に残る悲惨な事件を味わう
日露戦争前夜の1902年、一つの壮大な人体実験が行われた。厳寒の積雪期において軍の移動が可能であるかを、八甲田山中において検証すべし。青森第五聯隊の神田大尉と弘前第三十一聯隊の徳島大尉は、それぞれ特命を受けて過酷な雪中行軍に挑むことになる。この世の地獄が前途に待ち受けているとも知らずに。
新田次郎『八甲田山死の彷徨』は日本陸軍史に残る悲惨な事件を題材とした山岳小説である。気象学を修め、登山家でもあった新田の描く雪山の情景は、恐ろしいほどの現実感をもって読者の胸に迫る。雪地獄の中に呑み込まれていく兵士たちの姿は余りにも卑小であり、大自然の脅威を改めて認識させられる。
2つの部隊は明暗がはっきりと分かれる。深雪の対策を行った三十一聯隊が1人の犠牲者も出さずに任務を完遂したのに対して、気象の苛烈さを侮り、精神論で行軍に挑んだ五聯隊は199名もの死者を出してしまうのだ。組織が自壊するプロセスを描いた小説でもある。雪の中で絶望した神田大尉は「天はわれ等を見放した」と呻くがそうではない。合理性よりも軍人としての面子を優先して行動を開始したその時、彼らにはすでに死の影が忍び寄っていたのだ。兵士たちを殺したのは軍が抱えていた病理そのものだったといえる。終章で語られる二挺の小銃を巡るエピソードに、その異常さが集約されている。
新田の筆致は冷徹を極める。不可避の運命へと向けて行軍していく者たちの姿が眼前に浮かび上がるが、押し止めることは不可能なのである。読者は、一つ、また一つと命が失われていくさまを、ひたすら見つめ続けなければいけない。(恋)
評者:徹夜本研究会
(週刊文春 2017.3.16号掲載)登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1978/2/1)
- 発売日 : 1978/2/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 336ページ
- ISBN-10 : 4101122148
- ISBN-13 : 978-4101122144
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 6,328位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
(1912-1980)1912(明治45)年、長野県上諏訪生れ。無線電信講習所を卒業後、中央気象台に就職し、富士山測候所勤務等を経験する。1956(昭和31)年『強力伝』で直木賞を受賞。『縦走路』『孤高の人』『八甲田山死の彷徨』など山岳小説の分野を拓く。次いで歴史小説にも力を注ぎ、1974年『武田信玄』等で吉川英治賞を受ける。1980年、心筋梗塞で急逝。没後、その遺志により新田次郎文学賞が設けられた。
イメージ付きのレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
馴染みのない土地が舞台なので,地図があるのとないのではだいぶ違ってくると思います。
ただ一つ贅沢を言わせていただくと,出来事を時系列でまとめた表みたいのがあれば,さらに役立ったのでは,と思います。
この事件の約40年後に,日本軍史上最悪の愚策と言われ,多くの犠牲者を出したインパール作戦が実施されるわけですが,八甲田山はこのインパールと底流で繋がっていると思えてなりません。
それは次のような台詞にも窺えます。
「ただいま永野医官殿は進軍は不可能だと言われましたが,不可能を可能とするのが日本の軍隊ではないでしょうか」
軍隊の狂気,戦争の狂気。
それは今でも至る所に潜んでいます。
私の愛読書の一つです。
それにしても指揮官次第でこんなとんでもない事態になっちゃうんですね。
部下の方たちが気の毒。
日本史上…否、世界史上最大の遭難事件にして、映画化された原作。
恐ろしい冬山の情景描写に加え、当時の軍の横暴さ、良き友でありライバルでもある二人の大尉、軍の中に根強く残る出自の差、上下関係の厳しい階級、そして雪中行軍に巻き込まれた村民…それぞれの心の葛藤を見事に描き出している。
さて、八甲田山雪中行軍は第5聯隊と第31聯隊がそれぞれ青森、弘前を出発して途中ですれ違う行程であったが、前者が総勢200人を超える部隊でありながらほぼ全滅、そして後者は40人弱の小部隊であったが全員が帰還した事でも知られる。
こうした事から、第5聯隊は計画が杜撰な上に全くの素人集団、対して第31聯隊は精鋭部隊であったと言われており、確かにそれは或意味では事実であったのであろう。
だが、本書は前半にて、第31聯隊が雪地獄に巻き込まれ、生死を掛けて行軍に挑む所から展開するのだ。
第31聯隊がやすやすと踏破したと思う事なかれ…準備も計画も完璧で、然も選りすぐりの人材ばかりであった31聯隊もまた、命懸けであったのだ…そして、31聯隊に所属する伍長が、5聯隊に属する弟の死を予感し、物語は5聯隊の悲劇へと移っていく。
5聯隊の行軍には最初から暗雲が立ち込めていた…将校の上下関係と指導権の混乱、認識の甘さ等、この悲劇は人災と言っても過言ではない。
然しながら、この物語では、その責任を決して一人に押し付けて「悪役」を作るのではなく、その指揮官にもまた責任の重圧や葛藤があった事、そして後悔にさいなまれた事も見事に描き切っており、また、行軍を中止しようとした所に下士官達が「不可能を可能にするのが日本軍」と息巻いて見せる所には、所謂「精神で勝つ」事を信じた嘗ての日本軍の姿がある。
だが、日本人は本当にそう信じていたのであろうか…この自然の脅威を目の前にして…。
極寒の中での極限の飢えと渇き、疲労感、意志だけではコントロール出来ない意識、そして極限に達した時に見える幻想…自然の猛威に対して人間は余りにも微弱だ。
解説に依ると、本書の著者・新田次郎氏は気象の知識がある事に加え登山家でもあったとの事、こうした著者だからこそ、これ程までに真に迫った作品を残す事が出来たのであろうが、その臨場感たるや、筆舌に尽くし難いものがあった。
因みに一点だけ気になったのは、私は以前、八甲田山雪中行軍に言及した書籍を読んだ事があり、そこでは「当時は軍の汚点を隠す為に、第31聯隊の成功ばかりが脚光を浴びて、第5聯隊については伏せられた」と解説していたように記憶しているが、本書は全く逆であり、寧ろ第5聯隊の悲劇に世間が飛びつき、第31聯隊の成功が薄れてしまったように書かれているので、これについては他の客観的な書籍を幾つか読み進めて理解を深めたいと思う。
何れにしても、私はこれまでに、これ程までに迫力のある…そして絶望的な物語を知らない。
涙無くしては読めない名作である。
あらゆる生物の中で最弱なのでは?
文章がわかりやすくて読みやすかったです。
ただ、旧字などにはふりがなを入れて欲しいです。
調べるのも大変。笑
戦争のみならずビジネス等にもそのまま活かすことができる失敗談ですね。
歪曲しているという指摘もあるが、それがどうでもいいと思うほど。