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教皇ヒュアキントス ヴァーノン・リー幻想小説集 単行本 – 2015/2/27

4.0 5つ星のうち4.0 7個の評価

遠い過去から訪れる美しき異形の誘惑者――
伝説的な幻の女性作家ヴァーノン・リー、本邦初の決定版作品集。
いにしえへのノスタルジアを醸す甘美なる蠱惑的幻想小説集。

女神、悪魔、聖人、神々、聖母、ギリシャ、ラテン、ローマ、狂女、亡霊、超自然、宿命の女、人形、蛇、カストラート……彼方へと誘う魅惑の14篇。
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商品の説明

著者について

ヴァーノン・リー:本名バイオレット・パジェット(Violet Paget)。筆名は男性名だが女性。イギリス人の両親をもち、フランスに生まれ、生涯の多くをイタリアで過ごした。18世紀イタリア文化およびイタリア・ルネサンス期の音楽、文学、演劇の研究者としても知られ、社会史家、詩人、美学家の顔も持つ。幼少期よりフランス、ドイツ、スイス、イタリアを転々とし、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語を自在に操ったが、創作では主に英語を使用した。エッセイ、評論、紀行文など40を越える著作があるが、現在まで長く読まれてきたのは、数は多くないものの古代・中世文化への憧憬に満ちた幻想怪奇的作風を特徴とする小説である。ヘンリー・ジェイムズやウォルター・ペイターらと親交をもち、生涯独身だった。

中野善夫:1963年アメリカ合衆国テキサス州生まれ。 立教大学理学研究科博士課程修了(理学博士)。 英米幻想小説研究翻訳家。主な訳書に、ヨナス・リー『漁師とドラウグ』(国書刊行会)、シャロン・シン『魔法使いとリリス』(ハヤカワ文庫)の他、共訳書として、ロード・ダンセイニ『世界の涯の物語』(河出文庫)、『インクリングズ』(河出書房新社)などがある。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 国書刊行会 (2015/2/27)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2015/2/27
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 504ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4336058660
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4336058669
  • カスタマーレビュー:
    4.0 5つ星のうち4.0 7個の評価

カスタマーレビュー

星5つ中4つ
5つのうち4つ
7グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2015年8月8日に日本でレビュー済み
ヴァーノン・リー―本名バイオレット・パジェット。
幼少期よりヨーロッパ各地を転々として暮らし、美学家の顔も持つという、19世紀末~20世紀初頭にかけて生きた女性作家の幻想小説集。

…と言うと、なんだか難しそうな気もしてしまうかもしれませんが、装丁の美しさ、著者の博学さ、格調高い雰囲気に、読んでいるだけでローマ教皇庁の図書館にでもいるような気分(?)になれるという、至福の一冊です。

まず冒頭「永遠の愛」は、結末に向かってぞくぞく盛り上がる端麗な幽霊譚。ファム・ファタール、メデアを巡る狂恋のドラマにぐっと心を掴まれます。
「教皇ヒュアキントス」「聖エウダイモンとオレンジの樹」は、キリスト教的な”奇跡”の話ですが、キリスト教の知識がさほどなくても、じんわり心温まります。二篇ともどことなくユーモラスで、それもまたヴァーノン・リーの魅力のひとつ。
「婚礼の櫃」は、この小説集のなかでもとても悲愴な話なのだけれど、くっきり絵が浮かんでくるような美しさは一読忘れがたいです。
「マダム・クラシンスカの伝説」では、マンスフィールドの短篇を彷彿させる一人の女性の悲哀が胸に迫ります。伯爵夫人の鬱状態の心理描写は、ぜひアンナ・カヴァンと読み比べてみたいもの。
「人形」も、女性が自由でなかった時代の悲哀が身にしみますし、またそこからの解放の物語でもある…結末の光景が切なくあたたかく印象に残ります。
「幻影の恋人」は英国のクラシカルな幽霊譚といった味わいで、個人的には、語り手が滞在することになる、由緒正しきマナーハウスの描写がたまりません。
「悪魔の歌声」では、カストラートの魅力もさることながら、街そのものが虚構ともいえるヴェネツィアの妖しさに恍惚とさせられました。
「七懐剣の聖母」は、ダンセイニ風の華やかな幻想にすっかり眩惑されましたが、ヴァーノン・リーはダンセイニ卿より上の世代なんですよね。
「アルベリック王子と蛇女」は、キーツ「レイミア」を彷彿させますが、定型どおりの異類婚姻譚ではない…やはり絵として想像できる、美しくて、華やかで、悲しいお話です。
そしてこの幻想小説集、締めくくりに「神々と騎士タンホイザー」という、かなりコミカルな一篇が配置されており、笑って読み終えることができるのも、編集の妙であるなと感心させられました。

ここで語りきれなかった作品も、とにかくすべて面白い!知的で美しい描写は、再読するたびに楽しみが増すと確信します。
いま、いま買えば、まだ初版1刷限定附録、林由紀子様の銅版画が配された麗しい蔵書票を手にできます!
この贅沢な書物のよろこびを、あなたもぜひ。
54人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2019年12月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 イタリアの18世紀の音楽についての書により名を成したリー女史は、それ以外にこれといった重要な書はないが、イタリア文化を英国に紹介した研究者の中には欠かせない人物である。その彼女の幻想小説は、その意味で興味深い。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2021年5月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
背表紙が折れて背面が汚れた状態の物が届いた。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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