水滸伝。
中国四代奇書の一つに数えられる名作である。
日本でも数々のオマージュや、創作をされているのだが、水滸伝そのものに触れられる作品はまだまだ少ない。
そんな中で絵巻水滸伝は、水滸伝の入門書として永く読み継がれることであろう。
正子公也先生の挿絵は、他では真似できないであろうほど、一枚一枚の絵が強く生きている。
九紋龍の史進や花和尚の魯智深の絵の躍動感は、水滸伝そのものを体現して余りある。
また、森下翠先生の文も欠かせない。
水滸伝に出てくる人物一人一人が、等身大の人間として浮かび上がってくるのだ。
注目すべきは地の文で、さりげなく好漢の良さが際立つ。
この水滸伝をもっと広く読んでいただきたいと願ってやまない。
なお、刊行中の水滸伝を読む方に注意をしておくと、現在連載中のWeb連載分は決して読んではいけない。
思わぬ心の打撃を受けることになること請け合いだから。
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