内容紹介
レコード芸術2015年4月号準特選盤
スペインと南米の美しいギター作品22曲を収録した意欲作。日本語・英語・スペイン語3カ国語による詳細なライナーノート付き。
批評:
「いわゆる『ギターらしい哀愁の表現』をためらいなく表に立てる諏訪の演奏流儀は、ともすれば『昔風』と見られるかもしれない。しかし彼は、ひとつの確信を抱いてそのような『心の琴線に触れる』ギターの道を歩んでいるのであり、一面では演奏技術の裏付けもしっかりと保っているので、聴きては安じてその世界に心を寄せることができる」濱田滋郎 (レコ芸)
「演奏はまことに繊細、美しい音のみ紡ごうという誠意が感じられる。他人があまり取り上げない隠れた名曲をさぐるといった熱意もまた感じられよう。アベール・フレウリの感傷的な光をまとうミロンガ作品や、自ら好みそれに向かうというフェデリコ・モンポウの音楽にも耳をそば立たせるものがある」濱田三彦 (レコ芸)
「作品に真摯に向き合い、そこに込められた想いを誠実に音化」 現代ギター
「真に忠実な編曲、巧妙な演奏とその音質により、Suwa氏はギターという楽器を各々のモンポウ作品の音楽的エッセンスを引き出す為の完璧な楽器に高められた事を強調したい」モンポウ財団 (スペイン)
「Kazu Suwaは近年私が聴いた中で最も傑出したギターリストである。彼は既に至上の芸術家である」ジェームズ・パルマー、Musical Opinion(イギリス)
「なんと美しいアルバムだろう。Suwaの演奏はより大きな、よりドラマチックな瞬間だけでなく、よりソフトなパッセージにおいても情熱的である。Kazu Suwaは、楽しく心が休まるギター作品集を精巧な作り込みと、熟練した演奏で提供してくれる」ジョン・J・プッチオ、Classical Candor(アメリカ)
「ギター愛好家を始めそれ以外の出来るだけ多くの人に聴いてもらう価値がある素晴らしいレコーディングである。繊細で味わいがあり、そしてよく考えられた名曲の演奏に、見事な編曲やあまり知られていない作品が組合わされ、全編を通して素晴らしい演奏である。これは本当に美しいレコーディングである」ニコル・ロジャース, CLASSICAL GUITAR N STUFF (オーストラリア)
「ロンドンを拠点とする名ギタリストKazu Suwaはヴィラ=ロボスのギター作品が『性格的作品』である事を知っている。彼はヴィラ=ロボスの3曲の特徴的な作品を取り上げているが、最も重要な事に彼はそれらを完全にそれに相応しく『性格的』に演奏している。このディスクの音は素晴らしく、非常に価値の高い作品である。ロバート・マシュー=ウォーカーによる音楽について洞察された11ページの素晴らしいライナーノートが付属している。このディスクは一押しである」ディーン・フレイ、The Villa-Lobos Magazine (カナダ)
「この楽器の備える音色のニュアンスに対する諏訪の優れた技術と素晴らしい耳をこのディスクに聴くことができる」ロバート・ヒューグル、Planet Hugill (イギリス)
「彼の演奏はとても個性的でテンポの選択は常に適正、ギターリストの詩的な音楽観に相応しく思える。彼は一度たりとも思慮無くして「前にいく」事はない。彼はサイレンスを恐れず、音楽の自然な流れを阻害する事無く、時に遅めのテンポをとりながら大変内的なディテールを表現する演奏を見せる。(…)ヴィラ=ロボスの作品の演奏では素晴らしいリズム感を披露しており、ソルのファンタジー「別れ」では流麗な古典音楽様式の理解を証明している。アベル・フレウリの「ミロンゲオ・デル・アジェール」は素晴らしい痛快味で演奏され、この作曲家が不可解にもあまり演奏されていないことに気づかされた」レイ・ピコット、イベリア・ラテンアメリカ音楽協会 (イギリス)
アーティストについて
音楽評論家濱田滋朗氏に「聴く人の心に染み入り、真の感動を引き 起こすためには欠かせない『詩情』の領域を識るギタリスト」と評された Kazu Suwa こと諏訪和慶はロンドンに拠点を置いて活動している日本人クラシックギタリスト。日本大学芸術学部でギターを専攻し、芳志戸幹雄・樹神功・原善伸の各氏に師事。大学卒業後スペインへ留学しマドリッド王立音楽院でギターを専攻する。同時期、著名なマエストロ達によるマスタークラスを数多く受講する。同音楽院を卒業後、スペインに留まり演奏活動や教授活動に専念した後、ロンドンに拠点を移す。