東京都国分寺市、JR中央線国分寺駅近くにある、胡桃堂喫茶店。
胡桃堂喫茶店で、この本の存在を知りました。
お店が好きになったので、購入して読んでみたところ、人のやさしさに触れることができてホッとしました。
私が購入したのは第12刷発行で、ロングセラーとなっているようです。
書籍も魅力的でしたが、素敵なお店もおすすめいたします。
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イメージ付きのレビュー
思った通りの良い本した...単なる経営HOWTO本・自己啓発本と思う事なかれ
西国分寺にある「クルミドコーヒー」には何度かお邪魔した事があり、以前よりこの本の存在は認識していたのですが、なかなか時間が取れず....この度時間を確保しゆっくりと時間をかけて通しで読んでみる事にしました。最初は自己啓発、経営HOWTO本の類かと思いましたが（本屋さんでの棚はそういった類のものでしたね）既存の経済や経営の枠組みに依存しない、自身独自の経済や経営を捉え方や「贈与」に対する深いこだわりを読んでいるあたりから（takeでなくgiveなど）からだんだんとこの本の価値が伝わってきました。ただ何点か気がかり、というよりも混乱してしまった箇所がありますのでその点について記載させて頂きます。P61 "交換を不等価にする"「ん？」となりました。本文中に何箇所かこういった記載がございましたが一応現行の学問上の定義では「交換（不等価でないもの、等価なものや事のやり取り）」「取引（詐欺などの不等価な交換を含む）」という事になっています。そのため読んでいて「経済」という枠組みで語るというより「商い」「社会」という枠組みで語るのがセオリーな気がしました。（福田 敬太郎『商学総論』参照）p66 "贈与論と自由"「贈与（give）」という言葉についてモースの『贈与論』を引用しながら解説するくだりがありますが発展した社会において意識レベルや現実において完全なる贈与は不可であるように思われます。これについてはモースも「不可能生である」と認めている節があるそうです。（なぜならば贈与を与えた側は無意識的であったとしても受けた側は借り、感謝を感じてしまうため）イエスは「あなたは、施しをするとき、右の手のしていることを左の手に知られないようにしなさい」と申しましたが現在の日本において完全なる「贈与」は難しいのではないかと思います。影山さんの解釈ではおそらく見返りを求めてgiveを行うのは＝takeではないかと思いましたのでそういった意味で「完全なる贈与（著書の中では＝give）は不可能生ある」と考えました。（完全なる贈与については下記URLとミシェルヴィヴィオルカ先生が来日した際に日仏会館で語った公演を参考にしました）「モース『贈与論』を解読する」[・・・]（2016.1.31確認）次に意外だった点についてですが...p236 GDPを成長させること著書の〆としてこの項目は...と少し驚きました。影山さんはGDPについては否定的ではないにせよ最優先事項ではないという解釈をしていたようにお見受けします。僕もまったくそれについては同意見です。ただ最後にGDPという現実へと展開するあたり、やはり「食べログカフェ部門1位（2013年度）」のお店を作り出す実力者なのだなぁと実感いたしました。ユートピア的に物事を語る所はあれど、自分の理想は追求したお店作りはしつつも,,,締めは締め、落とす所は落とす。素晴らしいの一言につきました。最後に良かった点ですが....p162・p187「読むより聞くこと」「違いを楽しむ事」p228・p232・p236などに書かれていた「ゆっくり」で良いという事特に「読むより聞くこと」「違いを楽しむ事」はあまりにも強く印象に残ったので普段使っている手帳にまでメモしてしまいました。普段生活しているとつい自分と異なる意見を持った相手に遭遇した時に「読むより聞くこと」「違いを楽しむ事」忘れてしまいがちです。なんだか大切な事を思い出させてくれた気がしました。「ゆっくり」でもいい事、「傑作は一夜にしてならず」は非常に考えさせられました。本物を作るのにはやはり時間を有すると...改めて痛感いたしました。何点か混乱してしまった点はありましたが全体を通してみても非常に出し惜しみしている様子もなく（影山さんも出版公演でも「遺書」であるとおっしゃっていたほどですし）非常に価値ある本だと思いました。何年たっても古くならない古典的な名著になりそうな気もします。何年か経って、また読み返してみたいですし読み返す事になりそうな気がします。よって星５とさせていただきます。駄文・長文失礼致しました。
