江戸初期の上田の街並みの形が、いまだに残っているのに驚く。
もちろん、車社会になり道の延長、拡幅など複雑にはなっているが、幹線道路から少し横道に入れば、そこは江戸の初めの名残である。狭くて、なぜここで曲がっているのか、車が通るには一苦労というような道。当時の家臣団の屋敷地の通りであったりする。そして、神社、仏閣、その多くが今でも同じ場所に残り、上田市民の尊崇を集めている。
明治以降の地図は、その時々の社会情勢が、色濃く表れている。
明治日本の主力輸出品と言えば絹製品。国家財政の多くを担っていた。そして、それを支えていたのが上田の蚕業であった。市街地の外縁は広く桑畑が広がり、蚕業学校が設立され、私鉄電車が北へ、南へと延び。銀行が蚕の売り上げを求め、支店をいくつも出店している。
しかし、戦後は高度経済成長と共に人口は減少し、桑畑は住宅地に替わり、蚕業学校は無くなり、私鉄電車の多くは廃止に、銀行もまた多くは無くなってしまった。そして、バブルの崩壊後、地方都市の多くがそうであるように、町の地盤沈下が始まり、中心部はシャッターの下りた店が目立つようになってしまった。
ただ、歴史好きには幸いに、この古地図帖を片手に、多くが残る江戸時代の街路をゆっくり辿り、その街並みを思い描くのが楽しい。

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上田古地図帖 単行本(ソフトカバー) – 2015/2/12
長野県上田市の城下町地図から平成の合併後の最新地図まで、ふるさとの地図を集大成! 時代とともに変貌する上田市が一目でわかる!
- 本の長さ136ページ
- 言語日本語
- 出版社しなのき書房
- 発売日2015/2/12
- 寸法29.7 x 21 x 1 cm
- ISBN-104903002462
- ISBN-13978-4903002460
商品の説明
出版社からのコメント
戦国時代の真田氏の合戦図から城下町地図、街道地図、町割図、近代の市街図や観光地図までバラエティあふれる地図で見ているだけでも楽しめます。今回初公開となる地図も収録し貴重な郷土資料ともなります。地図はすべてオールカラーで収録し、初版限定出版となります。
著者について
尾崎 行也 昭和8年(1933)長野県に生まれる 長野県史・南佐久郡誌執筆委員、上田市誌・望月町誌・臼田町誌編纂・執筆委員などを務める。現在、信濃史学会・東信史学会会員 主な著書に、『復刻 諸国道中商人鑑』(郷土出版社)、『北国街道分間絵図』(郷土出版社)、『北国街道』(吉川弘文館)、『近世銭勘定或問』『風呂屋・髪結・祭礼踊』『御用! 』『江戸の旅(上)(下)』『古文書の中の食(上)(下)』『さんざめく城下町(上)(下)』『江戸時代の家具・農具を探る(上)』(以上八十二文化財団)などがある 佐々木清司 昭和15年(1940)長野県に生まれる 軽井沢町誌・丸子町誌・御代田町誌執筆委員、上田市誌編纂・執筆委員などを務める。現在、日本地理学会・長野県地理学会・信濃史学会・東信史学会会員 主な著書に、『上田歴史地図』(郷土出版社)、『空から見た信州の道』(信濃毎日新聞社)、『長野県の災害』(郷土出版社)、『長野県民の戦後六○年史』(信毎書籍出版)、『長野県の地場産業』(信教出版社)、『信州の巨流 千曲川』(千曲川工事事務所)、『UEDA,A New Regional GeographyI・II』(第一企画)以上共著などがある
登録情報
- 出版社 : しなのき書房 (2015/2/12)
- 発売日 : 2015/2/12
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 136ページ
- ISBN-10 : 4903002462
- ISBN-13 : 978-4903002460
- 寸法 : 29.7 x 21 x 1 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,774,647位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 964位日本地図
- カスタマーレビュー:
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