
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
エピジェネティクス革命 単行本(ソフトカバー) – 2015/7/27
ヒトゲノム解読によってヒトの設計図が手に入ったとき、 私たちの健康や病気の問題のほとんどは解決目前と思われた。
しかし、現実にはそんなに簡単ではなかった――。 DNA配列だけで説明できない現象が身のまわりには多数ある。
妊婦の栄養状態が子どもの生涯の肥満率に影響するのはなぜか?
幼少期に受けた育児放棄や虐待の影響が、大人になってからも精神疾患リスクにつながるのはなぜか?
同一の遺伝情報をもつ女王バチと働きバチとを分けるものは何か? これらはエピジェネティクスの事例である。
エピジェネティクスは、 幹細胞、生物の発生、子育てと発育の関係、がん、その他多数の病気との 関連が見込まれる大注目の領域である。
本書は、エピジェネティックな現象とその仕組みについて、 身近な事例を取り上げ、たとえを多く用いて丁寧に伝える。
著者の細やかな取材をもとに、分子生物学者たちがこの現象を発見し、 驚きをもって解き明かしてきた足跡を知ることができるのも本書の魅力である。
エピジェネティクスは生命の複雑さを解く鍵であり、創薬治療の新境地でもある。 従来の生物学を書き換えるこの新概念の時代は、もう始まっている。
- 本の長さ428ページ
- 言語日本語
- 出版社丸善出版
- 発売日2015/7/27
- 寸法13.2 x 3 x 18.8 cm
- ISBN-104621089560
- ISBN-13978-4621089569
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 丸善出版 (2015/7/27)
- 発売日 : 2015/7/27
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 428ページ
- ISBN-10 : 4621089560
- ISBN-13 : 978-4621089569
- 寸法 : 13.2 x 3 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 343,760位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 175位遺伝子・分子生物学
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2016年3月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本格的な科学書で、大変勉強になります。ある程度知識がある人には特におすすめです。中途半端だった知識が、「あっ、そういうことだったんだ。」ということ納得することも多くあり、大変厚い本ですが読めてしまいます。
2019年11月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
物語的であり、筆者の考察が入り混ざっていて、読み物としては悪くはない。
ただ、学術的に、事実だけが知りたい人には、学生向けに書かれた「基礎分子生物学(東京化学同人発行)」からの「遺伝子発現制御機構(東京化学同人発行)」のほうが、わかりやすいかな。
ただ、学術的に、事実だけが知りたい人には、学生向けに書かれた「基礎分子生物学(東京化学同人発行)」からの「遺伝子発現制御機構(東京化学同人発行)」のほうが、わかりやすいかな。
2017年6月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
具体的な事例が多く記され、分かりやすい。
化学的解説も程よくある。 日本語訳がスムーズで、読みやすいのも魅力。
化学的解説も程よくある。 日本語訳がスムーズで、読みやすいのも魅力。
2019年5月21日に日本でレビュー済み
『〈自閉症学〉のすすめ:オーティズム・スタディーズの時代』野尻英一, 高瀬堅吉, 松本卓也 編集(2019)ミネルヴァ書房 を先日読んだところ、自閉症スペクトラムは母親ではなく、父親にその原因があるとされる説が有力で、父親の加齢に伴い精子DNAの一部が変化(メチル化)することが、子の自閉症の症状と相関しているそうだ。これはエピジェネティクス(epigenetics)といわれる分野の研究と知り、エピジェネティクスの本を探したところ、20冊以上がヒットした。
その中から本書を選んだ。原著の出版が2011年というのは、この分野では古いのだが、教科書のような本は避け、エピジェネティクスの一部を扱うものも避け、一般読者を想定して、学術レベルも落ちないもの、そしてカスタマーレビューの評価が高いものとして本書を選んだ。翻訳書は読みにくいのだが、訳者はエピジェネティクスを専門とする学者でありながら、日本語としても読みやすくしあがっている。
今月はじめに放映された「NHK 人体Ⅱ遺伝子 第1集・第2集」が、本書のエピジェネティクスと同じかどうか確かめるために、もう一度視聴したところ、番組でも山中伸弥教授がこの分野はエピジェネティクスと呼ばれると説明があった。もっとエピジェネティクスを連呼してもらえれば、この用語が普及したろうが、番組では「DNAメチル化酵素」が四国の形に似ていることから話題になって連呼されていた。
「エピジェネティクス」という用語が普及していれば、本書はベストセラーになっていただろう。なにしろ科学読み物として面白い。
一例を挙げれば、山中伸弥教授が計画した、24の遺伝子の組み合わせから、いったん分化した細胞をより未分化な発生段階に戻すという案は、著者のキャリーにいわせると大ばくちだそうだ。既に社会的地位を確立している山中教授にとっては、少しリスクがある程度かもしれないが、共同研究者の高橋和利博士にとっては人生を左右する賭けであった。キャリーは、「高橋の勇気を賞賛しなくてはいけない」と述べている。
不思議なことに先のNHKの番組で山中教授は、iPS細胞について一言も言及していない。一方、本書は古いので「NHK 人体Ⅱ遺伝子 第1集・第2集」や『〈自閉症学〉のすすめ:オーティズム・スタディーズの時代』が採り上げた最新の情報はないが、エピジェネティクスで解明される基本的な疑問への回答がある。なぜ双子は同じでないのか(第5章)、獲得形質は遺伝するのかというラマルク主義が正しいことがあるのか(第6章)、なぜ二つの性があるのか(第7章)、などである。NDAの2%、それでも2万個が遺伝子で、残りの98%のDNAはゴミといわれてきたが、このゴミの役割が解明されつつある。また、DNAばかりでなく細胞質も重要な役割がある(p.22)。人間の体は約50~70兆個の細胞でつくられている。そして、その全ての細胞にDNAがある(p.2)。これは驚異の世界である。
「我々の体は、事前にDNAの遺伝子(2%)によって全て決定されている」、この間違った知識が本書のような良書で正されることを期待する。
その中から本書を選んだ。原著の出版が2011年というのは、この分野では古いのだが、教科書のような本は避け、エピジェネティクスの一部を扱うものも避け、一般読者を想定して、学術レベルも落ちないもの、そしてカスタマーレビューの評価が高いものとして本書を選んだ。翻訳書は読みにくいのだが、訳者はエピジェネティクスを専門とする学者でありながら、日本語としても読みやすくしあがっている。
今月はじめに放映された「NHK 人体Ⅱ遺伝子 第1集・第2集」が、本書のエピジェネティクスと同じかどうか確かめるために、もう一度視聴したところ、番組でも山中伸弥教授がこの分野はエピジェネティクスと呼ばれると説明があった。もっとエピジェネティクスを連呼してもらえれば、この用語が普及したろうが、番組では「DNAメチル化酵素」が四国の形に似ていることから話題になって連呼されていた。
「エピジェネティクス」という用語が普及していれば、本書はベストセラーになっていただろう。なにしろ科学読み物として面白い。
一例を挙げれば、山中伸弥教授が計画した、24の遺伝子の組み合わせから、いったん分化した細胞をより未分化な発生段階に戻すという案は、著者のキャリーにいわせると大ばくちだそうだ。既に社会的地位を確立している山中教授にとっては、少しリスクがある程度かもしれないが、共同研究者の高橋和利博士にとっては人生を左右する賭けであった。キャリーは、「高橋の勇気を賞賛しなくてはいけない」と述べている。
不思議なことに先のNHKの番組で山中教授は、iPS細胞について一言も言及していない。一方、本書は古いので「NHK 人体Ⅱ遺伝子 第1集・第2集」や『〈自閉症学〉のすすめ:オーティズム・スタディーズの時代』が採り上げた最新の情報はないが、エピジェネティクスで解明される基本的な疑問への回答がある。なぜ双子は同じでないのか(第5章)、獲得形質は遺伝するのかというラマルク主義が正しいことがあるのか(第6章)、なぜ二つの性があるのか(第7章)、などである。NDAの2%、それでも2万個が遺伝子で、残りの98%のDNAはゴミといわれてきたが、このゴミの役割が解明されつつある。また、DNAばかりでなく細胞質も重要な役割がある(p.22)。人間の体は約50~70兆個の細胞でつくられている。そして、その全ての細胞にDNAがある(p.2)。これは驚異の世界である。
「我々の体は、事前にDNAの遺伝子(2%)によって全て決定されている」、この間違った知識が本書のような良書で正されることを期待する。
2016年9月9日に日本でレビュー済み
遺伝を担うものはDNA、生物の授業でそうならった人は多いだろう。
しかし近年、DNAによらないで、親から子へと直接記憶が引き継がれる「エピジェネティクス」が次々と発見され話題となっている。
本書は、そうしたエピジェネティクスの平易な概説書である。
冒頭で、母親の胎内で3か月だけ飢餓を経験した人が、その人の子供(飢餓を経験した母親から見たら孫)にまでその飢餓経験の影響が及んでいるという驚くべき事実が紹介される。
もちろん遺伝子の突然変異がそんな短期間で起きるはずもおなく、それを担っているのはメチル化やヒストン修飾によってDNAの発現を制御するエピジェネティクスである。
同じDNAであっても神経細胞や皮膚細胞へと分化して、一度分化すると戻らないのもまたエピジェネティクスな効果によって遺伝子発現を制御しているためである。
ではそれをリセットすれば再び分化が起きるのではないか、というのがノーベル賞を受賞したガードンや山中氏の一連の研究である。
エピジェネティクスは他にもさまざまな生体の機構で使われており、例えば女性のXX染色体は一方のXを発現させなくする機構を持つことが知られており、それもまたエピジェネティクスだし、働き蜂と女王蜂の運命を分けるのもエピジェネティクスである。
エピジェネティクスは病気とも関係していて、ある種の遺伝病はエピジェネティックな遺伝子発現制御の不具合によって生じることが分かっている。
幼少期の虐待経験が後々までトラウマとして影響を及ぼす原因の一つにエピジェネティックな機構があるとされているし、ガンの発生や抑制にもエピジェネティクスは関わっているとされている。
医療系のメーカーはエピジェネティクスを利用した製薬も模索しているが、これはなかなか難しい状況らしい。
遺伝子発現の制御という、考えてみれば当たり前のことになぜこれまで目がいかなかったのかと不思議になるぐらい、エピジェネティクスは自然な発想に見えてくる。
そうしたエピジェネティクスの世界を、本書は一般人にもわかるように非常に平易に書いてくれていると思う。
現代生物学の先端が気になる人にはオススメの一冊である。
しかし近年、DNAによらないで、親から子へと直接記憶が引き継がれる「エピジェネティクス」が次々と発見され話題となっている。
本書は、そうしたエピジェネティクスの平易な概説書である。
冒頭で、母親の胎内で3か月だけ飢餓を経験した人が、その人の子供(飢餓を経験した母親から見たら孫)にまでその飢餓経験の影響が及んでいるという驚くべき事実が紹介される。
もちろん遺伝子の突然変異がそんな短期間で起きるはずもおなく、それを担っているのはメチル化やヒストン修飾によってDNAの発現を制御するエピジェネティクスである。
同じDNAであっても神経細胞や皮膚細胞へと分化して、一度分化すると戻らないのもまたエピジェネティクスな効果によって遺伝子発現を制御しているためである。
ではそれをリセットすれば再び分化が起きるのではないか、というのがノーベル賞を受賞したガードンや山中氏の一連の研究である。
エピジェネティクスは他にもさまざまな生体の機構で使われており、例えば女性のXX染色体は一方のXを発現させなくする機構を持つことが知られており、それもまたエピジェネティクスだし、働き蜂と女王蜂の運命を分けるのもエピジェネティクスである。
エピジェネティクスは病気とも関係していて、ある種の遺伝病はエピジェネティックな遺伝子発現制御の不具合によって生じることが分かっている。
幼少期の虐待経験が後々までトラウマとして影響を及ぼす原因の一つにエピジェネティックな機構があるとされているし、ガンの発生や抑制にもエピジェネティクスは関わっているとされている。
医療系のメーカーはエピジェネティクスを利用した製薬も模索しているが、これはなかなか難しい状況らしい。
遺伝子発現の制御という、考えてみれば当たり前のことになぜこれまで目がいかなかったのかと不思議になるぐらい、エピジェネティクスは自然な発想に見えてくる。
そうしたエピジェネティクスの世界を、本書は一般人にもわかるように非常に平易に書いてくれていると思う。
現代生物学の先端が気になる人にはオススメの一冊である。
2015年9月29日に日本でレビュー済み
21世紀生物学の中心とも言われるエピジェネティクス。その歴史を黎明期から最新研究まで幅広く扱っていて入門書に最適。
1章では研究の興りとなったカエルの研究を日常に近い言葉で紹介し、書を通して考え方の中心となる「ワディントンのランドスケープ」に繋ぐ。
2章では京都大学・山中伸弥教授のiPS細胞をゼロから説明し、エピジェネティクスという現象の基本の話
読者、特に日本人にとっては非常に入り込みやすい導入となっている。
その後は分子レベルでの詳細な説明になっていくが、
各章で「研究例によるテーマ提示→解説→まとめ→次章との繋がり」と展開が明快で初学者でも理解しやすい。
解説部でも身近な比喩を多く用いているのも助けになる。
一卵性双生児でもなぜ完全には同じではないのか
獲得形質は親から受け継がれるのか
ガンとはなにか。ガン治療とはどうするのか
女王バチは遺伝的に同じ働きバチとどのように差が生まれるのか
多くのことを説明できるエピジェネティクスに魅了された
1章では研究の興りとなったカエルの研究を日常に近い言葉で紹介し、書を通して考え方の中心となる「ワディントンのランドスケープ」に繋ぐ。
2章では京都大学・山中伸弥教授のiPS細胞をゼロから説明し、エピジェネティクスという現象の基本の話
読者、特に日本人にとっては非常に入り込みやすい導入となっている。
その後は分子レベルでの詳細な説明になっていくが、
各章で「研究例によるテーマ提示→解説→まとめ→次章との繋がり」と展開が明快で初学者でも理解しやすい。
解説部でも身近な比喩を多く用いているのも助けになる。
一卵性双生児でもなぜ完全には同じではないのか
獲得形質は親から受け継がれるのか
ガンとはなにか。ガン治療とはどうするのか
女王バチは遺伝的に同じ働きバチとどのように差が生まれるのか
多くのことを説明できるエピジェネティクスに魅了された
2016年6月1日に日本でレビュー済み
非常に読みやすい文体で、遺伝子の知識が学べる。ボリュームも十分でお買い得といってよい。
2016年2月13日に日本でレビュー済み
エピジェネティクスの仕組みが人から植物、昆虫まで幅広い分野で、生命の早い段階からDNAとセットで使われてきたと想定されており、今やその研究の広がりがどれだけ大きいかについて分かりやすく興味深いエピソードを多数交えて描かれている。自分はエピジェネティクス関係の本では3冊目でしたが、この分野に興味のある方は2冊目くらいに読むとその広がりがわかって最適ではないでしょうか。