サッカーは見始めたばかりでまだまだ勉強中のため、ページを進めては戻して…という状態で
何とか読み終えました。
分析している試合はだいだい観ていたので、思い出しながら読んでいったのですが、
「あのパスにはこんな意味があったのか」など、サッカーは一瞬の判断の積み重ねなのだろうな、
と考えたりしました。
著者の森本さんには、これからのザックジャパンの試合を追って、続編を出していただきたいです。
あと。
「おわりに」の章、最後の4行に少し泣けてしまいました…
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本田にパスの36%を集中せよ: ザックJAPAN vs.岡田ジャパンのデータ解析 (文春新書 813) 単行本 – 2011/6/1
森本 美行
(著)
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購入オプションとあわせ買い
- 本の長さ216ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2011/6/1
- ISBN-104166608134
- ISBN-13978-4166608133
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2011/6/1)
- 発売日 : 2011/6/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 216ページ
- ISBN-10 : 4166608134
- ISBN-13 : 978-4166608133
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,378,271位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2011年8月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2012年6月17日に日本でレビュー済み
マネーボールという野球界の概念に楔を打った一冊が世に登場したのは、2003年のことである。
今までの慣例、習慣、常識、通説をデータ分析により覆して、弱小金欠チームのオークランドA'sをプレイオフの常連にしたGMビリー・ビーンの活躍はその後ブラッド・ピットの目に止まり、映画化までされている。
元々サッカーのデータ分析及び科学の導入の歴史は意外に古く、マネーボールが実際にビリー・ビーンに取り入れられるよりも前に現場に導入されている。
最初の成功例は、ウクライナの名将、ディナモ・キエフの監督、ヴァレリー・ロバノフスキー監督が有名だ。
彼は科学者アナトーリ・ザレンツォフ教授とともに、フォーメーションやポジショニングなどを様々な角度から分析し、それを可能にするフィジカル・トレーニングにも科学を導入した。
2人の共著 The Methodological Basis of the Development of Training Models には、ロバノフスキーがNBAの試合を見て興味を持ったとされるプレスの3種類の概念も書かれており、これがサッカー界の科学やデータとの成功の出会いとされている。
彼はこう言ったとされる
「ミスを全体の15〜18%に留められるチームは無敵だ」と。
1970年代から始まり、90年代前半まで存在感を示したロバノフスキーに続いてデータに興味を持ったとされるのは、日本でもお馴染みのアーセン・ベンゲル監督。
モナコ時代に友人が開発したプログラムを利用したりしたそうだ。
しかしサッカー界にデータ分析が広くブレイクスルーしたのは、1996年とされている。
オプト・インデックスという会社が、イングランド・プレミアリーグの全試合のデータを収集し始めたのだ。
これを機に、チームのボールポゼッション率、先週の走行距離、タックル回数など様々なデータが手に入るようになった。
そして遅れること約7年。
本書の著者である森本氏が映像とデータを組み合わせたソフトを、当時横浜Fマリノスの監督だった岡田武史氏が採用するのが2003年のシーズンだそうだ。
その後このソフトはJリーグの他のチームにも広がり、現在日本でも欧州並みのデータ分析は一般的になっているようだ。
本書はそのマネーボールのデータ分析をサッカーに取り込み、実際に岡田ジャパンにデータ分析を提供した人物が記した一冊。
この中で著書は2010年のワールドカップのデータから読み取れる勝者のKPI(勝利に結びつく重要な要素)をまず抽出している。
数多くのデータの中からまず攻撃で彼が選んだのは、以下の2つの要素
*相手陣のゴール近いエリアへの縦方向パスの成功率
*ボールを奪ってから16秒以内のシュート
これでみるとやはり優勝したスペインはどちらも高い数値が出ている。
1試合あたり16秒以内にシュートした本数が平均4本以上なのに対して、日本は1.67回となっている。
つまり攻撃にいかに手数を必要としているかこのデータは示している。
そしてディフェンスでのKPIは、
*クリア数
*相手陣近くでボールを奪った回数
とした。
すると日本のクリア数はドイツ代表の2倍もあることがわかる。
危機を一時的に逃れるためにただ闇雲にクリアしている日本よりも、ドイツがカウンターにつなげていることを物語っているデータである。
その後本は岡田ジャパンとザックジャパンの比較に移って行くが、データの力を利用して以下のことを説明しきっている。
岡田ジャパンがワールドカップで守備ラインを低めに設定せざるを得なかった過程。
接近・展開・連続の超高速コンセプトの失敗をデータで見事分析し(特に強豪国に対する失敗)、その後の阿部をアンカーにするまでの過程をデータで紹介している。
そして前から追わなくなったワールドカップ本戦で、逆に守備が安定したものの、相手ゴールまでにたどり着くのに時間がかかっていることも証明。
その結果、相手ゴール近くのパスの36%ものパスが本田へのパスだったのだ。
これが題名の意味である。
ボールを奪う位置が下がったため、相手ゴールからの距離が遠くなった。
このため一旦誰かにボールを収める必要があった。
それが本田だということだ。
この議論はワールドカップ中散々し尽された感はあるが、データは裏切らなかった訳だ。
この方法でベスト16まで進出したジャパンだが、ザックジャパンになると正しいポジショニングでボールを高い位置で奪えるようになり、その結果攻撃への移行もスムーズでゴール近くへボールを運べるようになった。
しかしその一方、強豪国に対してはどうしてもポゼッションで負けてしまう傾向はあり、クリアの回数にはまだまだ改善の余地が見える。
そして高さ対策も必要なことがアジアカップの戦いからもデータでも証明されている。
先日ワールドカップ3次予選でオーストラリアと激戦を引き分けた日本代表だが、不思議なのはこの本によるとアジアカップのオーストラリアに勝てた要因の一つは岩政投入によるロングボールの攻防の改善。
結果今野はサイドバックに移動し、長友はポジションを一つ前にあげ、足の止まったオーストラリアに対し決勝のアシストのクロスを上げている。
実はその前の岡田ジャパン時にもオーストラリアと対戦した時は、闘利王が何度もロングボールを制し、戦いに安定感をもたらしていた。
今回の試合で何故ロングボール、高さ対策をしなかったのだろう?
岡田ジャパンで蓄積されたデータはザックジャパンに移行されていないのだろうか?
まさかとは思う。
しかし以前ラグビーの世界では平尾ジャパンがかなりのデータ解析をしたのにも関わらず、一切そのノウハウが引き継がれなかったそうだ。。。
サッカーの世界ではそんな寒い現実がないことを願うばかりだ。
さて、本書で数学と科学とデータがサッカーを説明するのにどれだけ役に立つかその一端は垣間見ることができる。
しかし、先進国ではこのデータと現場の素敵に複雑に入り組んだ関係は次のレベルへと進んでいる。
かつてベンゲルのアシスタントだったダミアン・コモッリはビリー・ビーンをアメリカに訪ねすっかり意気投合。
その後トッテナムのフットボール・ディレクターに就任し、現在はリバプールで活躍している。
1試合あたりの走る距離が長いことだけでベンゲルのレーダーに引っかかったフラミニは、ベンゲルが実際に視察した後格安で獲得を決意、その後アーセナルで活躍し、その後ACミランに移籍。
失敗例も数多くある。
タックル数の低下でオランダ人DFスタムの放出を決めたファーガソン。
ポジショニングが良くなっていたというのが定説だ。
同じく見た目のパフォーマンスで放出を決められたレアル・マドリードのDFだったマケレレ。
彼の抜けた穴をなかなか埋められずに苦労した事実は有名だ。
そうして欧州サッカーでは、MLBと同じ議論の土台に立っている。
データオタク、数学博士と実際のスカウトやGMやコーチ達との価値観の共有の苦戦だ。
ベンゲルのように融合に成功している例もあれば、データ優先で失敗している例もあるだろう。
ただMLBがそうであるように、その情報格差の違いはほぼなくなりつつあるのだろう。
翻って日本の場合はどうであろう?
最近やっと朝日新聞でもポゼッション率などのデータは紹介されたりするケースもある。
しかしそれ以上は見ない。
野球に至っては、提供されている情報量はもう何十年とほぼ変わらないだろう。
世界はビッグデータ分析の時代と言われている。
海の向こうのスポーツ界ではそれが現実となっている。
日本はまだまだ同じ土俵に立っているとは言えないかもしれない。
本書はそういった意味で多くの日本人にこの分野の重要性を知ってもらうには良い1冊だ。
ただ感想としては、もうちょっと要点をわかりやすく説明できたのではないかと思う。
パワーポイントのプレゼンのようなスタイルを盛り込んでも良かったのではないかと思う。
なぜなら長い文章を追いながらグラフやデータを追うのは読み手としてちょっと苦労する。
そこが改善されたら良かったのにとは思う。
そして何より残念だったのはやはりタイトル。
売れるためには仕方ないと思うが、本社の内容の骨子ではなかったので、少しがっかりする人もいるかと思う。
データ分析の実態を知ってもらうのがこの本の目的だと思うから。
今までの慣例、習慣、常識、通説をデータ分析により覆して、弱小金欠チームのオークランドA'sをプレイオフの常連にしたGMビリー・ビーンの活躍はその後ブラッド・ピットの目に止まり、映画化までされている。
元々サッカーのデータ分析及び科学の導入の歴史は意外に古く、マネーボールが実際にビリー・ビーンに取り入れられるよりも前に現場に導入されている。
最初の成功例は、ウクライナの名将、ディナモ・キエフの監督、ヴァレリー・ロバノフスキー監督が有名だ。
彼は科学者アナトーリ・ザレンツォフ教授とともに、フォーメーションやポジショニングなどを様々な角度から分析し、それを可能にするフィジカル・トレーニングにも科学を導入した。
2人の共著 The Methodological Basis of the Development of Training Models には、ロバノフスキーがNBAの試合を見て興味を持ったとされるプレスの3種類の概念も書かれており、これがサッカー界の科学やデータとの成功の出会いとされている。
彼はこう言ったとされる
「ミスを全体の15〜18%に留められるチームは無敵だ」と。
1970年代から始まり、90年代前半まで存在感を示したロバノフスキーに続いてデータに興味を持ったとされるのは、日本でもお馴染みのアーセン・ベンゲル監督。
モナコ時代に友人が開発したプログラムを利用したりしたそうだ。
しかしサッカー界にデータ分析が広くブレイクスルーしたのは、1996年とされている。
オプト・インデックスという会社が、イングランド・プレミアリーグの全試合のデータを収集し始めたのだ。
これを機に、チームのボールポゼッション率、先週の走行距離、タックル回数など様々なデータが手に入るようになった。
そして遅れること約7年。
本書の著者である森本氏が映像とデータを組み合わせたソフトを、当時横浜Fマリノスの監督だった岡田武史氏が採用するのが2003年のシーズンだそうだ。
その後このソフトはJリーグの他のチームにも広がり、現在日本でも欧州並みのデータ分析は一般的になっているようだ。
本書はそのマネーボールのデータ分析をサッカーに取り込み、実際に岡田ジャパンにデータ分析を提供した人物が記した一冊。
この中で著書は2010年のワールドカップのデータから読み取れる勝者のKPI(勝利に結びつく重要な要素)をまず抽出している。
数多くのデータの中からまず攻撃で彼が選んだのは、以下の2つの要素
*相手陣のゴール近いエリアへの縦方向パスの成功率
*ボールを奪ってから16秒以内のシュート
これでみるとやはり優勝したスペインはどちらも高い数値が出ている。
1試合あたり16秒以内にシュートした本数が平均4本以上なのに対して、日本は1.67回となっている。
つまり攻撃にいかに手数を必要としているかこのデータは示している。
そしてディフェンスでのKPIは、
*クリア数
*相手陣近くでボールを奪った回数
とした。
すると日本のクリア数はドイツ代表の2倍もあることがわかる。
危機を一時的に逃れるためにただ闇雲にクリアしている日本よりも、ドイツがカウンターにつなげていることを物語っているデータである。
その後本は岡田ジャパンとザックジャパンの比較に移って行くが、データの力を利用して以下のことを説明しきっている。
岡田ジャパンがワールドカップで守備ラインを低めに設定せざるを得なかった過程。
接近・展開・連続の超高速コンセプトの失敗をデータで見事分析し(特に強豪国に対する失敗)、その後の阿部をアンカーにするまでの過程をデータで紹介している。
そして前から追わなくなったワールドカップ本戦で、逆に守備が安定したものの、相手ゴールまでにたどり着くのに時間がかかっていることも証明。
その結果、相手ゴール近くのパスの36%ものパスが本田へのパスだったのだ。
これが題名の意味である。
ボールを奪う位置が下がったため、相手ゴールからの距離が遠くなった。
このため一旦誰かにボールを収める必要があった。
それが本田だということだ。
この議論はワールドカップ中散々し尽された感はあるが、データは裏切らなかった訳だ。
この方法でベスト16まで進出したジャパンだが、ザックジャパンになると正しいポジショニングでボールを高い位置で奪えるようになり、その結果攻撃への移行もスムーズでゴール近くへボールを運べるようになった。
しかしその一方、強豪国に対してはどうしてもポゼッションで負けてしまう傾向はあり、クリアの回数にはまだまだ改善の余地が見える。
そして高さ対策も必要なことがアジアカップの戦いからもデータでも証明されている。
先日ワールドカップ3次予選でオーストラリアと激戦を引き分けた日本代表だが、不思議なのはこの本によるとアジアカップのオーストラリアに勝てた要因の一つは岩政投入によるロングボールの攻防の改善。
結果今野はサイドバックに移動し、長友はポジションを一つ前にあげ、足の止まったオーストラリアに対し決勝のアシストのクロスを上げている。
実はその前の岡田ジャパン時にもオーストラリアと対戦した時は、闘利王が何度もロングボールを制し、戦いに安定感をもたらしていた。
今回の試合で何故ロングボール、高さ対策をしなかったのだろう?
岡田ジャパンで蓄積されたデータはザックジャパンに移行されていないのだろうか?
まさかとは思う。
しかし以前ラグビーの世界では平尾ジャパンがかなりのデータ解析をしたのにも関わらず、一切そのノウハウが引き継がれなかったそうだ。。。
サッカーの世界ではそんな寒い現実がないことを願うばかりだ。
さて、本書で数学と科学とデータがサッカーを説明するのにどれだけ役に立つかその一端は垣間見ることができる。
しかし、先進国ではこのデータと現場の素敵に複雑に入り組んだ関係は次のレベルへと進んでいる。
かつてベンゲルのアシスタントだったダミアン・コモッリはビリー・ビーンをアメリカに訪ねすっかり意気投合。
その後トッテナムのフットボール・ディレクターに就任し、現在はリバプールで活躍している。
1試合あたりの走る距離が長いことだけでベンゲルのレーダーに引っかかったフラミニは、ベンゲルが実際に視察した後格安で獲得を決意、その後アーセナルで活躍し、その後ACミランに移籍。
失敗例も数多くある。
タックル数の低下でオランダ人DFスタムの放出を決めたファーガソン。
ポジショニングが良くなっていたというのが定説だ。
同じく見た目のパフォーマンスで放出を決められたレアル・マドリードのDFだったマケレレ。
彼の抜けた穴をなかなか埋められずに苦労した事実は有名だ。
そうして欧州サッカーでは、MLBと同じ議論の土台に立っている。
データオタク、数学博士と実際のスカウトやGMやコーチ達との価値観の共有の苦戦だ。
ベンゲルのように融合に成功している例もあれば、データ優先で失敗している例もあるだろう。
ただMLBがそうであるように、その情報格差の違いはほぼなくなりつつあるのだろう。
翻って日本の場合はどうであろう?
最近やっと朝日新聞でもポゼッション率などのデータは紹介されたりするケースもある。
しかしそれ以上は見ない。
野球に至っては、提供されている情報量はもう何十年とほぼ変わらないだろう。
世界はビッグデータ分析の時代と言われている。
海の向こうのスポーツ界ではそれが現実となっている。
日本はまだまだ同じ土俵に立っているとは言えないかもしれない。
本書はそういった意味で多くの日本人にこの分野の重要性を知ってもらうには良い1冊だ。
ただ感想としては、もうちょっと要点をわかりやすく説明できたのではないかと思う。
パワーポイントのプレゼンのようなスタイルを盛り込んでも良かったのではないかと思う。
なぜなら長い文章を追いながらグラフやデータを追うのは読み手としてちょっと苦労する。
そこが改善されたら良かったのにとは思う。
そして何より残念だったのはやはりタイトル。
売れるためには仕方ないと思うが、本社の内容の骨子ではなかったので、少しがっかりする人もいるかと思う。
データ分析の実態を知ってもらうのがこの本の目的だと思うから。
2011年6月29日に日本でレビュー済み
日本代表の試合をデータで徹底的に分析している。
データの種類とその分析の深さに驚く。
アクチュアルタイム、
パス成功率。
ポゼッション率。
これらのような数値的なデータはむろん、
選手間のパス交換、キックの方向など、
フィールドでの選手の動きを整理して、
その結果検証を行なっている。
岡田とザッケローニでは、
数値が異なる。
なるほど、
監督交替で、
戦術が変わったのだと納得させられる。
頷くことばかり。
野球の名著、
「マネーボール」を連想した。
スポーツとデータの関係を追うと、
ゲーム観戦では見えてこない、
奥の深い「考える」楽しみが味わえる。
これはお勧めの1冊です。
データの種類とその分析の深さに驚く。
アクチュアルタイム、
パス成功率。
ポゼッション率。
これらのような数値的なデータはむろん、
選手間のパス交換、キックの方向など、
フィールドでの選手の動きを整理して、
その結果検証を行なっている。
岡田とザッケローニでは、
数値が異なる。
なるほど、
監督交替で、
戦術が変わったのだと納得させられる。
頷くことばかり。
野球の名著、
「マネーボール」を連想した。
スポーツとデータの関係を追うと、
ゲーム観戦では見えてこない、
奥の深い「考える」楽しみが味わえる。
これはお勧めの1冊です。
2012年2月4日に日本でレビュー済み
2010年のW杯、2011年のアジア杯。
サッカー日本代表はどう戦ったのか、結果を出すためにどういう戦術をとったのか。
ボールポゼッション、CK,FKの本数、3-5-2,4-2-1-3といったフォーメーション。
以前と比べてサッカーの試合でも様々なデータが提供されることが増えました。
「サッカーは難しい。残念だけど今日の試合はデータの通りに行かなかった。でもデータはサッカーの一部だと分かった。また機会があったら一緒に仕事しよう」
横浜FCの監督だったリトバルスキーさんが試合に敗れたあと、著者に伝えた言葉です。
野球では様々なデータを元に分析がされますが、サッカーは常にボールが動いているので、その瞬間瞬間にデータを活かすことは難しいスポーツです。
ですが、データを知ると、そのスポーツをもう一歩深く知ることになります。
W杯で岡田武史監督が本田のワントップを選んだ戦術の土台を支えたデータなど、興味深い一冊です。
サッカー日本代表はどう戦ったのか、結果を出すためにどういう戦術をとったのか。
ボールポゼッション、CK,FKの本数、3-5-2,4-2-1-3といったフォーメーション。
以前と比べてサッカーの試合でも様々なデータが提供されることが増えました。
「サッカーは難しい。残念だけど今日の試合はデータの通りに行かなかった。でもデータはサッカーの一部だと分かった。また機会があったら一緒に仕事しよう」
横浜FCの監督だったリトバルスキーさんが試合に敗れたあと、著者に伝えた言葉です。
野球では様々なデータを元に分析がされますが、サッカーは常にボールが動いているので、その瞬間瞬間にデータを活かすことは難しいスポーツです。
ですが、データを知ると、そのスポーツをもう一歩深く知ることになります。
W杯で岡田武史監督が本田のワントップを選んだ戦術の土台を支えたデータなど、興味深い一冊です。
2012年2月9日に日本でレビュー済み
結論から言えば、結構面白かった。著者(データスタジアム元社長)が岡田元監督に近い場所にいたこともあって、リアリティもある。
ただ、第1、2章はいまいちなので、第3章から読み出すことでよいと思う。
気になった話は、
・2010年W杯で、選手の走行距離や速度が表示されていたのは、欧州の企業が軍事技術を応用して開発したもの
・アクチュアル・タイム(純粋なプレー時間)はアジアでは短いが、欧州強豪と戦うと長くなる。欧州強豪にはポゼッションで劣るので、比較にならないほど相手ボールで長くプレーすることになり、後半疲れて動けなくなる。
・W杯仕様のラインアップが完成したのは、6月4日のコートジボワール戦の3本目(W杯カメルーン戦は6月14日)
・W杯オランダ戦で、オランダのディフェンス同士のパスでミスパスは0本。厳しいプレッシャーをかけても、ビルドアップのパスは簡単に奪えなかった。
・デンマーク戦はオランダ戦からシステム変更をした結果、デンマークのポゼッションは70%にものぼり、選手からの訴えでシステム変更をした結果、ポゼッションは58%に下がった。
・データ自体を見たとき、それはワールドカップ・ベスト16に入るようなものではない。パス一つ見ても参加国下位。試合を見ると、相手国のストロングポイントに対して的確に対応策を打っていたことが分かる。
おもしろいのは、岡田ジャパンとザックジャパンを比較した第5章。
・人数をかけて前線からボールを奪いに行く結果、そこで奪えなかったとき数的不利を招き決定的なピンチになっていたが、ザックジャパンは人がバランスよく配置され、カウンターアタックを受けにくくなっていた。
また、バランスよく配置した結果、高い位置でボールを奪うことが可能になった。
・日本代表は守備に回る時間が30分を超えると消耗する傾向。アジアカップの韓国戦は35分程度に伸び、最後耐えられなくなった。
・アジアカップ決勝で、日本はポゼッション率がオーストラリアより高かったため、オーストラリアは足が徐々に止まった。
ただ、第1、2章はいまいちなので、第3章から読み出すことでよいと思う。
気になった話は、
・2010年W杯で、選手の走行距離や速度が表示されていたのは、欧州の企業が軍事技術を応用して開発したもの
・アクチュアル・タイム(純粋なプレー時間)はアジアでは短いが、欧州強豪と戦うと長くなる。欧州強豪にはポゼッションで劣るので、比較にならないほど相手ボールで長くプレーすることになり、後半疲れて動けなくなる。
・W杯仕様のラインアップが完成したのは、6月4日のコートジボワール戦の3本目(W杯カメルーン戦は6月14日)
・W杯オランダ戦で、オランダのディフェンス同士のパスでミスパスは0本。厳しいプレッシャーをかけても、ビルドアップのパスは簡単に奪えなかった。
・デンマーク戦はオランダ戦からシステム変更をした結果、デンマークのポゼッションは70%にものぼり、選手からの訴えでシステム変更をした結果、ポゼッションは58%に下がった。
・データ自体を見たとき、それはワールドカップ・ベスト16に入るようなものではない。パス一つ見ても参加国下位。試合を見ると、相手国のストロングポイントに対して的確に対応策を打っていたことが分かる。
おもしろいのは、岡田ジャパンとザックジャパンを比較した第5章。
・人数をかけて前線からボールを奪いに行く結果、そこで奪えなかったとき数的不利を招き決定的なピンチになっていたが、ザックジャパンは人がバランスよく配置され、カウンターアタックを受けにくくなっていた。
また、バランスよく配置した結果、高い位置でボールを奪うことが可能になった。
・日本代表は守備に回る時間が30分を超えると消耗する傾向。アジアカップの韓国戦は35分程度に伸び、最後耐えられなくなった。
・アジアカップ決勝で、日本はポゼッション率がオーストラリアより高かったため、オーストラリアは足が徐々に止まった。
2011年6月21日に日本でレビュー済み
熱狂のW杯 南アフリカ大会、アジアカップ優勝の感動を経て、「日本も強くなったなぁ」と漠然と思っていました。
しかし、「アクチュアルタイム」、「ポゼッション率」、「アタッキング3rd、ミドル3rd、ディフェンシブ3rdでのパス成功率
・ボール奪取率」…など様々なデータから分析していくと、世界における日本サッカーの位置が定量的に見えてきます。
これにより、日本の強み、今後改善が必要な部分が霧が晴れていくように理解できます。
自身が会社経営者でもある著者のデータに関する見方は、サッカーだけでなく様々な分野に応用可能だと感じました。
しかし、「アクチュアルタイム」、「ポゼッション率」、「アタッキング3rd、ミドル3rd、ディフェンシブ3rdでのパス成功率
・ボール奪取率」…など様々なデータから分析していくと、世界における日本サッカーの位置が定量的に見えてきます。
これにより、日本の強み、今後改善が必要な部分が霧が晴れていくように理解できます。
自身が会社経営者でもある著者のデータに関する見方は、サッカーだけでなく様々な分野に応用可能だと感じました。
2011年8月28日に日本でレビュー済み
W杯直前に岡田ジャパンが遂げた変身、ザックジャパンになってからの変化が、素人の自分でも手に取るように理解できる本です。
著者が行ってきたのは、試合をビデオでリプレイし、ラン、パス、トラップ、シュート、クリア、それらすべてをエリアや時間帯に分けて徹底的に解析し、各試合におけるチームの機能ぶりを、一試合あたり数十枚のレポートに描き出す作業。
そのフロンティア・スピリットに、たいへん頭が下がります。
ビデオに基づく試合分析そのものは古くから行われてきたでしょうが、彼の行ってきたことは、試合全体を俯瞰できる位置でのビデオ撮影というこだわりに始まって、チャンスやピンチにつながる・つながらないを問わず全てのプレイを緻密に拾い上げ、コンピュータに入力し、それを解釈した(すなわち数表や図形で描き出した)ことです。
こうした細かいこだわりは、なんとなく日本人の強みのようにも思われます。そして、そのデータが、規律と忠誠心を特徴とする日本人のプレイスタイルにあいまって、サッカー後進国の日本をあそこまで押し上げたのだなあ、ということが非常によく納得できます。
また、「おわりに」を読みながら、著者が「データが大事なのは自身の会社経営でも同じ」と述べるくだりで、ふと我に返りました。
ビジネスマンの一人として、データを取ること、データを手元に置くこと、データで人を納得させることの重要性が、みょうに身につまされる本でもあります。
著者が行ってきたのは、試合をビデオでリプレイし、ラン、パス、トラップ、シュート、クリア、それらすべてをエリアや時間帯に分けて徹底的に解析し、各試合におけるチームの機能ぶりを、一試合あたり数十枚のレポートに描き出す作業。
そのフロンティア・スピリットに、たいへん頭が下がります。
ビデオに基づく試合分析そのものは古くから行われてきたでしょうが、彼の行ってきたことは、試合全体を俯瞰できる位置でのビデオ撮影というこだわりに始まって、チャンスやピンチにつながる・つながらないを問わず全てのプレイを緻密に拾い上げ、コンピュータに入力し、それを解釈した(すなわち数表や図形で描き出した)ことです。
こうした細かいこだわりは、なんとなく日本人の強みのようにも思われます。そして、そのデータが、規律と忠誠心を特徴とする日本人のプレイスタイルにあいまって、サッカー後進国の日本をあそこまで押し上げたのだなあ、ということが非常によく納得できます。
また、「おわりに」を読みながら、著者が「データが大事なのは自身の会社経営でも同じ」と述べるくだりで、ふと我に返りました。
ビジネスマンの一人として、データを取ること、データを手元に置くこと、データで人を納得させることの重要性が、みょうに身につまされる本でもあります。