(1) 理論的に掴み所がよく分からなかった妹島建築が、(たとえ著者の主観強めだとしても)建築史のなかに上手く位置づけられていて、なんかスッキリしました。
(2)それにしても、磯崎新が妹島和世を現代建築思想史の(現時点での)最新のピースと捉えていたとは知らなかったです。そんなに重要な建築家なのか、妹島和世って。
(3)建築批評(多木浩二など)を無視しないにもかかわらず、思想的に難解なところの無い妹島建築なので、等身大でアマチュア的であり、学生が共感しやすいのではないかと思いました。
(4)作風を「セカイ系」呼ばわりは思わず吹き出してしまいましたが、妙に納得してしまいました。〈 社会〉の項が抜けてるから、作品に施工上の問題が発生してしまうのかも。
(5)2021年にプリツカー賞を受賞したラカトン&ヴァッサルを特別な存在として紹介してあるところも面白い。
(6)本書には続篇(Ⅱ~Ⅲ部)があり、webで無料公開されています。
10年程前に書かれた上に、内容的にもとっ散らかっていますが、「番匠カンナの初恋」等いくつかの短編小説はお勧め。従来的な建築家の凋落など昨今のテーマが既に予見されています。

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妹島和世論:マキシマル・アーキテクチャーI (建築・都市レビュー叢書) 単行本(ソフトカバー) – 2017/3/24
服部 一晃
(著)
建築界待望の若手レビュアー現わる!
建築のモダニズム、ポストモダニズムの流れを、突然「切断」するかのように現れた妹島和世。その発想の根底には「世界」と「私」の「亀裂」を丸ごと飲み込む姿勢があった。80年代生まれの気鋭が放つ新しい建築史の冒険。
建築のモダニズム、ポストモダニズムの流れを、突然「切断」するかのように現れた妹島和世。その発想の根底には「世界」と「私」の「亀裂」を丸ごと飲み込む姿勢があった。80年代生まれの気鋭が放つ新しい建築史の冒険。
- 本の長さ262ページ
- 言語日本語
- 出版社NTT出版
- 発売日2017/3/24
- ISBN-104757160704
- ISBN-13978-4757160705
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商品の説明
著者について
服部一晃(はっとり・かずあき)1984年生まれ。東大建築学科卒。難波和彦研究室を修了。現在、隈研吾建築都市設計事務所(KKAA)勤務。
登録情報
- 出版社 : NTT出版 (2017/3/24)
- 発売日 : 2017/3/24
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 262ページ
- ISBN-10 : 4757160704
- ISBN-13 : 978-4757160705
- Amazon 売れ筋ランキング: - 867,647位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,870位建築文化 (本)
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