女子校で密かに思い合うといった、セカイ系に感じたような切なさや切望を感じる。
恋情とも友情とも言えないというか、二人の通じ合っていく微妙なこの心惹かれる感じはとてもよかった。
尊い。
開始からわかりやすく小夏と小雪が孤独を抱えていることが示され、授業で取り扱われる小説『山椒魚』に重ねながら水族館部を通じて互いの孤独に触れていく流れは、劇的なものはなくあっさりとして出来事としては退屈だが、だからこそ二人の覚える喜びを強く感じられたように思う。
小夏と小雪という名前やタイトル、小説山椒魚との重ねや水族館部、部活で飼っているサンショウウオ、二人に共通する孤独・息苦しさと水という素材、配置しているそれらの要素も上手く雰囲気を作ってくれていた。
高値の花の優等生評価だけど年下に翻弄される、というおねロリ的なわかりやすいとっかかりの見せ方も、好みもあってよかった。
関係を通じての変化と、変化から見えてくるキャラの可愛さも流れの中でよく出ていたと思う。
コマによって等身がおかしくなっていたのが少々残念だったくらいか。
人によっては退屈でつまらないと思われるが、このまま尊くあってほしい。
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