題名から察せられる通り、かなり人を選ぶ作品です。…が、実は素直な恋愛漫画であることもはじめに記しておきたいと思います。
ー表紙の成田香澄はPNの『神宮寺ウェンディ』と呼ばれないと怒り出すほど熱心な漫画家志望。描く漫画はいつも男性器を切ったり震源地にしたりとメチャクチャで、それは持ち前の男性嫌悪によるもの。
一方、ひょんなことから彼女の家を訪れることになった大学生の池尻くん。童貞をこじらせすぎた(?)ためか初対面の香澄に色つきコンドームを首にかけてプレゼントするなどぶっ飛んでいる。
男嫌いがたたって池尻くんを階段から蹴落とすという、最悪な幕開けをする恋愛譚は、全編にわたってあまりに独創的な展開に変態的キャラクター、奇矯なセリフに満ちています。
各話(時には1ページ)でいきなり時間が跳んだり舞台が変わったりと、混沌とした光景が眼前に広がり言葉を失いますが、しかし秩序と呼べるものは確かにあって、「香澄と池尻くんの二人の恋模様を描く」という中心軸だけはブレません。
ところどころで「中学生あたりが描いただろ、これ」と思えるような展開が見受けられます。おそらくは先の話を緻密に考えないで描き進めているのですが、それが予測不能のパワーを呼びこんでおり、グイグイ読ませます。
…いわゆる大御所作家が創作の場をプロダクション化して、漫画を隙のない「製品」にした結果、失われてしまった「何か」を多分に持ち合わせている作品なのです。
絵に関しては難があって、等身は崩れたり、トーンはロクに貼られず背景も白め、脇役はかなり適当です。そして展開は上述のように支離滅裂。なのに最後まで一気に読み通せるのは巧みなネームと、やみつきになるような軽妙なセリフのためで、もはや笑わせようとしてるのか本気でやってるのか判別できません。
しかし、トーチ連載であったり、カントを堂々とパロった題名だったりとサブカルの気配を存分に匂わせつつも、根底にあるのは非常に少女漫画的な筋立て。とても丁寧に心理描写に力を入れていて、特に後半から男女の繊細な心の揺れが次第に描かれ始めるなど、案外と王道の恋愛を貫いています。
下品で、万人向けでない印象は拭えませんが、目を凝らすとロジカルな内面描写と読みやすく工夫されたコマ割りから、作者の漫画への真摯な愛がのぞけます。
何度も噴き出して、何度も眉をひそめました。けれど結末では不思議と感動してしまう、名状しがたき魅力に溢れた物語です。
Kindleの試し読みでは1話しか読めませんが、トーチのウェブサイトでは現在1、2、9話が読めます。
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漫画として現れるであろうあらゆる恋のためのプロレゴメナ (torch comics) コミック – 2017/2/24
窓ハルカ
(著)
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ONE氏、推薦! 「すごい熱量。一風変わりすぎ。そして面白い。」
漫画界最後の秘宝・窓ハルカ最新作! !
恋愛以外に夢中な二人の"初めての恋"のプロレゴメナ(序文)
極度の男性恐怖症のため、男性をいじめる漫画ばかり描いてしまい
中々デビューができない漫画家志望の神宮寺ウェンディこと成田香澄。
そんな彼女が出会ったのは少女コスプレが趣味で下ネタ全開の青年でーー
全く知らない誰かのようで、どこか自分に似ているような
繊細な自意識を持った変わり者二人が織り成す純情恋模様。
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全く知らない誰かのようで、どこか自分に似ているような
繊細な自意識を持った変わり者二人が織り成す純情恋模様。
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社リイド社
- 発売日2017/2/24
- ISBN-104845850052
- ISBN-13978-4845850051
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登録情報
- 出版社 : リイド社 (2017/2/24)
- 発売日 : 2017/2/24
- 言語 : 日本語
- コミック : 224ページ
- ISBN-10 : 4845850052
- ISBN-13 : 978-4845850051
- Amazon 売れ筋ランキング: - 371,090位コミック
- カスタマーレビュー:
著者について
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2011年 週刊少年チャンピオンにて『鈴木華子ちゃんの戦慄』でデビュー。同誌上にて鈴木華子ちゃんシリーズを不定期で掲載。
2014年 連載『窓ハルカ短編漫画集成』/トーチweb リイド社(『俗の金字塔』というタイトルで単行本化)
2016年 連載『漫画として表れるであろうあらゆる恋のためのプロレゴメナ」』/トーチweb リイド社
2017年 連載『かすみ草とツマ』/ふんわりジャンプ 集英社
2018年 連載『わななきの義兄』/スキマ TORICO
この他、同人誌即売会や個人販売等で不定期に漫画を発表。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年2月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2018年8月31日に日本でレビュー済み
漫画を描いたことがある人にとっては特に突き刺さる内容だと思います。
凄まじい勢いのストーリーからあふれ出る名言・名キャラ・名シーンを浴びてください。
凄まじい勢いのストーリーからあふれ出る名言・名キャラ・名シーンを浴びてください。
2017年12月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
絵が汚い……けども新しい漫画。
最終的なオチとしてはあまり好きではないけど、発想は新しいと思う。
それでも楽しく読めました。
池尻さんは黙っていれば良い顔だったのかもしれない。黙っていれば。
最終的なオチとしてはあまり好きではないけど、発想は新しいと思う。
それでも楽しく読めました。
池尻さんは黙っていれば良い顔だったのかもしれない。黙っていれば。
2017年3月5日に日本でレビュー済み
面白い。
展開のリズム、台詞のテンポに乗って一気に読み終えてしまった。
シモネタが連続するも、
それらは乾いていて、爽快さすら感じる。
時に唐突な展開、書き飛ばしたような絵にも何故かしら
スピード感とクレバーさが感じられ、心地よい。
そして、随所に滲み出る(出てしまう)パーソナル。
読後感が、北野映画観賞後の気分に似ている。
北野映画は、テンポとバイオレンスが武器。
窓ハルカはテンポとチ○ポ・・・か。
結論。
窓ハルカは、チ○ポである。
じゃないや、テ○ポである。
窓ハルカ作品が、
チ○ポ以外の“バイオレンス”を獲得し爆発する
未来への期待を星ひとつに託して、
星、4つ〜!
(P.S.
前作「俗の金字塔」P35の“考える”の
四コマには、そのテンポのよさが
凝縮されていて心地よく、何度も読み返しました。
あと、くまーめいどがカワイイ。)
展開のリズム、台詞のテンポに乗って一気に読み終えてしまった。
シモネタが連続するも、
それらは乾いていて、爽快さすら感じる。
時に唐突な展開、書き飛ばしたような絵にも何故かしら
スピード感とクレバーさが感じられ、心地よい。
そして、随所に滲み出る(出てしまう)パーソナル。
読後感が、北野映画観賞後の気分に似ている。
北野映画は、テンポとバイオレンスが武器。
窓ハルカはテンポとチ○ポ・・・か。
結論。
窓ハルカは、チ○ポである。
じゃないや、テ○ポである。
窓ハルカ作品が、
チ○ポ以外の“バイオレンス”を獲得し爆発する
未来への期待を星ひとつに託して、
星、4つ〜!
(P.S.
前作「俗の金字塔」P35の“考える”の
四コマには、そのテンポのよさが
凝縮されていて心地よく、何度も読み返しました。
あと、くまーめいどがカワイイ。)