「さっさともふさ せんぽうにっし！」（佐々友房 戦袍日誌）
熊本放送が制作した、西南戦争のラジオドキュメンタリー。
そのオープニングタイトルを、印象的な力強さで読んだのが若き日の本田さんだった。
自らの感情を否定したかのようで、尚且つ鋭く、、、「熱」を帯びた口調。
本田さんの印象は「普通」でいながら「普通ではない」という、そんな感じだ。
アナウンサーの中には、自分の個性を前に出そうとするあまり、
番組自体を台無しにしてしまう人が多い。
ナレーションを俳優や声優が担当するのも、「声で演じる」というその
ニュアンスをまるで理解していないアナウンサーが多いからかもしれない。
本田さんの喋りは「個」を押し殺したかのようなところがある反面、
ここ一番という時のテンションの上がり方は別人のようにエキサイティングだ。
その本田さんのスポーツアナウンサーとしての「喋り」を、
存分に堪能できるのがこの本。
地元・熊本に関係する７つの試合が掲載されている。
1996年8月の球史に残る名試合、、、
夏の甲子園・決勝戦＝松山商業VS熊本工業
からスタート。
本田さんの実況が付属のＣＤに収録されていて、
それを聞くとあの時の感動と興奮がまざまざと甦る。
そして書籍を読むと、その時「スポーツアナウンサー」として、
本田さんが自分の仕事とどの様に向き合っていたかが解説されていて、
音声を聞くのとはまた違った味わい方ができる。
どの試合もまさに熱狂！絶叫の喋り。
感謝。
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