東京から遠く離れた田舎の小学校の創立百周年記念式典に、その小学校を卒業した老年の作家が招待される。50年前に埋めたタイムカプセルを掘り起こして、開封し、作家は式典の壇上で自身の戦争体験を語り始める……。
東京地下鉄劇場主宰の室積光さんの同名戯曲を自ら小説化した作品です。
同じタイトルのテレビドラマや歌があるので少しややこしいですが、二階堂ふみさんと松山ケンイチさんが主演した『遠い約束 星になったこどもたち』とは別物です。
創立記念式典に呼ばれた主人公が、体育館の壇上から在校生に語りかける。その「演劇としての作中の構図」が、そのまま「演者と観客」の構図と同じになる仕組みになっています。登壇者の語りを聴く在校生=演者の語りを聴く観客。演劇を観に来ているつもりが、そのまま、記念式典に参加している気分になってくる。重なるように上手く出来ている、観客に(読者に)語りかける物語になっています。
戦前の教育制度や軍規については、丁寧に説明がなされるので、話が分からなくなる箇所はありません。
50年前に仲間たちで作文を書いて埋めた。その作文には「友情」と「将来の夢」が書いてあった。しかし戦争によって将来の夢をかなえることが出来なかった仲間たちがいた。
過剰に描くのではなく、淡々としています。淡々としているからこそ、こみ上げてくるものがあります。かなしさ、切なさ。生き残った者の想い。
帯のキャッチコピー「そして涙がとまらない。」もあながちウソではありません。
漢字にカナが振ってないので小学生には不向きですが、中高生くらいからなら。誰が読んでもいい小説です。
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遠い約束 単行本(ソフトカバー) – 2017/7/29
室積 光
(著)
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1933年、校庭の桜の根元に埋めた「私の将来」と題した作文。
親友だった五人は、50年後に開封することを約束する。
しかし、その誓いは無残にも戦争によって踏みにじられる。
一人生き残った林健一は「記録係」として、事実を語り継いでいく。
友情、夢、そして深い後悔の念――。
きっと涙がとまらない。
1999年の初演から多くの人の心を震わせてきた
感動の舞台が待望の書籍化!
全国の書店員さんから感動の声続々!
戦争体験者、遺族を実際に訪ね歩くことでわかった
戦中日本の「現実」をベースに作られた物語
親友だった五人は、50年後に開封することを約束する。
しかし、その誓いは無残にも戦争によって踏みにじられる。
一人生き残った林健一は「記録係」として、事実を語り継いでいく。
友情、夢、そして深い後悔の念――。
きっと涙がとまらない。
1999年の初演から多くの人の心を震わせてきた
感動の舞台が待望の書籍化!
全国の書店員さんから感動の声続々!
戦争体験者、遺族を実際に訪ね歩くことでわかった
戦中日本の「現実」をベースに作られた物語
- 本の長さ170ページ
- 言語日本語
- 出版社キノブックス
- 発売日2017/7/29
- ISBN-104908059764
- ISBN-13978-4908059766
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商品の説明
著者について
一九五五年、山口県生まれ。 映画・テレビの俳優を経て、作家に。 二〇〇一年、『都立水商! 』でデビュー。 その他の著書に『ドスコイ警備保障』『史上最強の内閣』『埋蔵金発掘課長』(いずれも小学館)などがある。
登録情報
- 出版社 : キノブックス (2017/7/29)
- 発売日 : 2017/7/29
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 170ページ
- ISBN-10 : 4908059764
- ISBN-13 : 978-4908059766
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,395,654位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 33,010位日本文学
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年9月22日に日本でレビュー済み
美しくて少しもの悲しい装幀画が目を引く書籍。
170頁B6判ソフトブック。
挿絵、解説などはなく、作品本文のみ。
将来の夢を誓った五人の親友と一人の教師。
そしてその夢を記したタイムカプセルに待っていた悲しい結末。
戦争が若者の未来を奪う現実を、わかりやすくフィクション化した反戦作品。
腰巻きの説明によると戦争体験者や遺族に取材して組上げられた作品だという。
戦時中の日本を舞台にした「銃後」の物語。
その「銃後」の物語を現代から回想する振りかえる構造になっている。
「銃後」というのは「前線」の対義語で、戦争と離れた後方のことを指す。
本書の登場人物たちは戦争によって一人また一人と「前線」に連れ出される。
ある人物は飛行機乗りになりたい一心から自ら海軍学校へ進学して、その通りにパイロットに。
ある人物は悪化から招集に。また次の一人が次の招集に。
現在からふり返る「大東亜戦戦争」は結末のわかっている倒序法の語りとなる。
行って戦死する地獄と、残って生き続ける地獄。
戦中世代が生き残ることに抱いていた「後ろめたさ」についてもよく描かれている。
日本が戦争していた時代を知らない人たちには、
この物語を入口にして、日本人がどういう戦争を戦っていたのかを知ってもらいたい。
その入口としては格好のテキストである。
この作品で史実に興味が湧いた人は、ノンフィクションに目を進めて欲しい。
ミッドウェー海戦、ガダルカナル戦、インパール作戦、硫黄島防衛戦、沖縄戦など。
現実の戦争の記録はこんなに簡単にキレイにはゆかない。
前線にも銃後にもそれぞれ地獄があった。
やはりこの作品のなかの世界は少しキレイ過ぎる。
読者想定がどの年齢層にあるかによって評価は異なる。
未成年の学齢者に読ませたいと思うなら、もう少し解説を付けた方が親切である。
戦中の用語についてもそうであるけれど、社会情勢を含めた簡易な年表なども欲しい。
こうの史代『この世界の片隅で』の丁寧さに倣って欲しい。
170頁B6判ソフトブック。
挿絵、解説などはなく、作品本文のみ。
将来の夢を誓った五人の親友と一人の教師。
そしてその夢を記したタイムカプセルに待っていた悲しい結末。
戦争が若者の未来を奪う現実を、わかりやすくフィクション化した反戦作品。
腰巻きの説明によると戦争体験者や遺族に取材して組上げられた作品だという。
戦時中の日本を舞台にした「銃後」の物語。
その「銃後」の物語を現代から回想する振りかえる構造になっている。
「銃後」というのは「前線」の対義語で、戦争と離れた後方のことを指す。
本書の登場人物たちは戦争によって一人また一人と「前線」に連れ出される。
ある人物は飛行機乗りになりたい一心から自ら海軍学校へ進学して、その通りにパイロットに。
ある人物は悪化から招集に。また次の一人が次の招集に。
現在からふり返る「大東亜戦戦争」は結末のわかっている倒序法の語りとなる。
行って戦死する地獄と、残って生き続ける地獄。
戦中世代が生き残ることに抱いていた「後ろめたさ」についてもよく描かれている。
日本が戦争していた時代を知らない人たちには、
この物語を入口にして、日本人がどういう戦争を戦っていたのかを知ってもらいたい。
その入口としては格好のテキストである。
この作品で史実に興味が湧いた人は、ノンフィクションに目を進めて欲しい。
ミッドウェー海戦、ガダルカナル戦、インパール作戦、硫黄島防衛戦、沖縄戦など。
現実の戦争の記録はこんなに簡単にキレイにはゆかない。
前線にも銃後にもそれぞれ地獄があった。
やはりこの作品のなかの世界は少しキレイ過ぎる。
読者想定がどの年齢層にあるかによって評価は異なる。
未成年の学齢者に読ませたいと思うなら、もう少し解説を付けた方が親切である。
戦中の用語についてもそうであるけれど、社会情勢を含めた簡易な年表なども欲しい。
こうの史代『この世界の片隅で』の丁寧さに倣って欲しい。
2017年8月24日に日本でレビュー済み
著者は【福田勝洋】名義で
俳優
として活躍した後、舞台を中心とした脚本&演出家に転向された方で、そのペンネームも出身地である山口県光市に由来しています。
本書は、同氏が1994年に地元に里帰りし旗揚げした劇団【東京地下鉄劇場】の恒例演目を、脚本家自らの手でノベライズした物となります。
その内容は、同劇団が得意とする『不戦』をテーマにした物で、各地の中学校講堂を借りて生徒達に観せられる事も多かっただけに、若い人にも解り易く教育志向な面も用意されています。
「桜の木の下には何が埋まっているのか」と言う雰囲気の出だしから始まる本作は、俗に言う『タイムカプセル』モノに分類されるドラマで、物語はそれを掘り出し回顧する形で進んで行きます。
ただ、その『タイムカプセル』は戦前の昭和8年に埋められた物であり、本作は戦争の記憶を忘れ始めた50年後の学校を舞台に、子供達に戦時中の記憶を語ると言う形式で、上述舞台と同趣向で展開します。
端的に記せば、赤紙『召集令状』や、神風『特攻隊』と言う、現代っ子には理解し難い戦時中の現実を、悲壮感モリモリで伝える事を狙いとしており、ドラマ性もそれに沿った形で形成されています。
一方で、単純にそれら単語を並べただけでは、現代の子供達が理解出来る訳も無いので、上述教育志向に沿って『タイムカプセル』を埋めた当人が、当時の学校や世間の風調も添えて、解り易く用語解説されている章もありました。
また、著者自身は戦後の生まれなので、実体験では無く親からの伝え聞きや資料を元に執筆されているかと思われますが、甘い枝『ニッキ』とか、憧れのバイブル『少年倶楽部』等、当時流行っていた娯楽要素を比喩的に絡めて、想い出の明暗をリアルに描いている点は、なかなか上手いと感じました。
総じて、現代視点では不条理とも言える戦時描写が多く含まれる小説ですが、物語内部には『語り部』と言うクッション素材を挟んであり、厳しい戦時中エピソードも比較的柔らかく描写されています。
その為、感受性豊かな子供達でも、トラウマになり難い様に配慮されているとも言え、中学や高校の図書館に置いても良さそうな一冊です。
これが戦争の全てでは無いとの脚注が必要な気もしますが、夏休みの読書感想文題材に良さそうな作風には好感を覚えましたので、☆×4とします。
本書は、同氏が1994年に地元に里帰りし旗揚げした劇団【東京地下鉄劇場】の恒例演目を、脚本家自らの手でノベライズした物となります。
その内容は、同劇団が得意とする『不戦』をテーマにした物で、各地の中学校講堂を借りて生徒達に観せられる事も多かっただけに、若い人にも解り易く教育志向な面も用意されています。
「桜の木の下には何が埋まっているのか」と言う雰囲気の出だしから始まる本作は、俗に言う『タイムカプセル』モノに分類されるドラマで、物語はそれを掘り出し回顧する形で進んで行きます。
ただ、その『タイムカプセル』は戦前の昭和8年に埋められた物であり、本作は戦争の記憶を忘れ始めた50年後の学校を舞台に、子供達に戦時中の記憶を語ると言う形式で、上述舞台と同趣向で展開します。
端的に記せば、赤紙『召集令状』や、神風『特攻隊』と言う、現代っ子には理解し難い戦時中の現実を、悲壮感モリモリで伝える事を狙いとしており、ドラマ性もそれに沿った形で形成されています。
一方で、単純にそれら単語を並べただけでは、現代の子供達が理解出来る訳も無いので、上述教育志向に沿って『タイムカプセル』を埋めた当人が、当時の学校や世間の風調も添えて、解り易く用語解説されている章もありました。
また、著者自身は戦後の生まれなので、実体験では無く親からの伝え聞きや資料を元に執筆されているかと思われますが、甘い枝『ニッキ』とか、憧れのバイブル『少年倶楽部』等、当時流行っていた娯楽要素を比喩的に絡めて、想い出の明暗をリアルに描いている点は、なかなか上手いと感じました。
総じて、現代視点では不条理とも言える戦時描写が多く含まれる小説ですが、物語内部には『語り部』と言うクッション素材を挟んであり、厳しい戦時中エピソードも比較的柔らかく描写されています。
その為、感受性豊かな子供達でも、トラウマになり難い様に配慮されているとも言え、中学や高校の図書館に置いても良さそうな一冊です。
これが戦争の全てでは無いとの脚注が必要な気もしますが、夏休みの読書感想文題材に良さそうな作風には好感を覚えましたので、☆×4とします。
2017年9月5日に日本でレビュー済み
もとが舞台ということで、文章がシンプルで一気に読み終えることができました。次々と登場人物が戦時中の経験を話していきます。そのなかには日本人だけでなく、アメリカ人もいて、しだいにストーリーが見えてきます。戦争の話とはいえ、あまり難しく考えず、想像を膨らませ、情景を思い浮かべながら読んでいると、じんわりと感動が胸に広がっていきました。実話かどうかではなく、こうして感情に訴えかけてくるものがあることが大事だという気がします。