霧原作品としてはかなり甘いストーリーではなかろうか。早期退社して料理店を開いた56歳の熟年主人公こそ定番的設定ながら、下心を出すでもない実直な性格である。それに何より女性陣が揃いも揃って主人公に心を預けていく展開であり、猛烈な想いを寄せていくヒロインまでいる。4人もの多人数ヒロインながらメインとサブにきっちり分かれ、その立ち位置とバランスが良好に配されたことで、様々な要素を盛り込んだドラマが心地良く流れていく秀作に仕上がったと思う。
本作の肝である「母と娘」のダブルメインヒロインでは、息子の嫁と主人公に背景を持たせてストーリーの土台としている。また、嫁と夫(主人公の息子)の夫婦仲にも、以降の展開に奥行きをもたらす設定があり、複雑な境遇と悩ましい想いを有することになった嫁と、シンプルに主人公達との同居に至った嫁の母との対比がなされている。主人公との距離を次第に縮めていく母に内心嫉妬する嫁が可愛らしいが、そこに秘められた情念の深さが官能シーンで発現する。嫁は「ボタンの掛け違い」を未練たっぷりに後悔しているのである。対する母との交わりには清楚ないやらしさがある。貞淑に恥じらう初々しさがある反面、シチュエーションや責められ方には妖艶さもある。奥ゆかしく清らかな母と、ある意味ドロドロな嫁(娘)という、一般的なイメージとは異なる設定と展開もまた興味深い。
これら本線に対し、料理店の女性シェフや雑誌の女性記者といったサブヒロインとは実質的な一夜の関係にして無用な交錯や衝突を避けている。仕事や彼氏に対する悩みを解消する癒しと慰めの情交であり、代わりに料理店立て直しのサブストーリーに活躍の場を与えている。
こうした女性達の想いや悩み、葛藤を受け止めていく情交が、母娘丼や複数人プレイがあるでも、(アオザイの着衣合体は格別として)玩具を用いるでもなく、心と体を通わせる合体場面だけで計7度も描かれているのは素晴らしい。そのどれもが濃密で、体位も、その変化もイメージしやすく、興奮度の高い描写が冴えている。

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母と娘 ふたつの秘悦〈新装版〉 (竹書房文庫) 文庫 – 2018/11/19
霧原 一輝
(著)
息子の嫁とその母、
艶女二人とひとつ屋根の下で…
脱サラしてアジア料理店を営む富永修一は、妻に先立たれたが、息子の祐介と嫁の景子、離婚して独り身の景子の母・亜矢子も迎え入れて四人で暮らしていた。そんな中、息子が長期出張になり、家は修一と母娘の三人に。23歳で清楚な若嫁の景子と43歳で豊熟の色香を放つ亜矢子、美貌の母娘に修一は惹かれていく。さらに、二人は修一の店を手伝い始め、ベトナムの民族衣装「アオザイ」を身にまとい、セクシーな姿で給仕をするようになる。修一は母娘にますます魅了されていき、遂には…。
若肌と熟肌が誘う絶頂! 禁断回春エロスの名作が新装版で登場。
艶女二人とひとつ屋根の下で…
脱サラしてアジア料理店を営む富永修一は、妻に先立たれたが、息子の祐介と嫁の景子、離婚して独り身の景子の母・亜矢子も迎え入れて四人で暮らしていた。そんな中、息子が長期出張になり、家は修一と母娘の三人に。23歳で清楚な若嫁の景子と43歳で豊熟の色香を放つ亜矢子、美貌の母娘に修一は惹かれていく。さらに、二人は修一の店を手伝い始め、ベトナムの民族衣装「アオザイ」を身にまとい、セクシーな姿で給仕をするようになる。修一は母娘にますます魅了されていき、遂には…。
若肌と熟肌が誘う絶頂! 禁断回春エロスの名作が新装版で登場。
- 本の長さ294ページ
- 言語日本語
- 出版社竹書房
- 発売日2018/11/19
- ISBN-104801916678
- ISBN-13978-4801916678
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登録情報
- 出版社 : 竹書房 (2018/11/19)
- 発売日 : 2018/11/19
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 294ページ
- ISBN-10 : 4801916678
- ISBN-13 : 978-4801916678
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,151,813位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,525位竹書房文庫
- - 6,007位ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (本)
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