まず読みやすい。岩波文庫の神がかりな翻訳といえどもギリシア系の書物は読み進めるのが難しいのが通例だが、本作はとても読みやすい。
「詩」が「戯曲」や「劇」を意味するかどうかよりも、当時を考えれば、表現方法の選択肢は多くないのだから、もっと「表現」に対して汎用的な咀嚼ができるだろう。
『詩学』は、20章の語法は少し難解だが、そのほかはギリシア文学に留まらず、現代文学に通ずるものもある。
しかし、やはり優劣はつけるべきではないにしても、現代文学のほうがバリエーションは豊富である。
表現をするうえでのギリシア流のメソッドが学べるものだろう。
『持論』は名言に溢れている。こちらはメソッドというよりアティチュードに近いかもしれない。
p.233「詩を書くなら、自分の力に合った題材を選ぶこと」
p.249「詩人が狙うのは、役に立つか、よろこばせるか、あるいは人生のたのしみにもなれば益になるものを語るか、のいずれかである」
まずは一回通読して、また何度か格言を拾いに戻ってくるような作品。
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アリストテレース詩学/ホラーティウス詩論 (岩波文庫) 文庫 – 1997/1/16
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アリストテレースの『詩学』は悲劇の機能・構造を重視し,英雄をわれわれと同じ人間として扱い,神・運命などギリシア文学の伝統的な要素や道徳観を考察の対象から省くことによって文学理論としての普遍性を持つにいたった.後世のヨーロッパ文学,特にフランス演劇に大きな影響を与えたホラーティウスの『詩論』を併収.
- ISBN-104003360494
- ISBN-13978-4003360491
- 出版社岩波書店
- 発売日1997/1/16
- 言語日本語
- 本の長さ356ページ
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2021年9月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
戯曲の書き方の講義録になっています。
戯曲は演劇の形式を取る古典文学で。
最近のは散文体という形式なしの文学が主流です。
散文体は通俗的だとか詩的ではないと批判されがちですが。
戯曲は巨星になりますと「シェイクスピア」が手頃に手に入ります。
お手軽な戯曲の始め方「入門編」なので。
文学通はたまらない一品です。
ギリシア悲劇の名作「オイディプス王」も合わせてお読みください。
学者がこの書籍をよく読むという記述が至る所で見られます。
岩波文庫は古典の取り扱い数が多い上に。
古典は有名だけれど誰も読みません。
その古典が手軽に入手できるわけです。
玄人向け。
戯曲は演劇の形式を取る古典文学で。
最近のは散文体という形式なしの文学が主流です。
散文体は通俗的だとか詩的ではないと批判されがちですが。
戯曲は巨星になりますと「シェイクスピア」が手頃に手に入ります。
お手軽な戯曲の始め方「入門編」なので。
文学通はたまらない一品です。
ギリシア悲劇の名作「オイディプス王」も合わせてお読みください。
学者がこの書籍をよく読むという記述が至る所で見られます。
岩波文庫は古典の取り扱い数が多い上に。
古典は有名だけれど誰も読みません。
その古典が手軽に入手できるわけです。
玄人向け。
2011年12月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
詩というか、劇のことについて語るものである。ある程度は視野が狭いところもある。だが著者がその時代の具体的な内容から来そうな先入観にとらわれず、エッセンスをちゃんと抽出していることが窺える。
わかりやすいし、今でも通用しそうなのだ。
「多くの作者たちは、出来事を織り合わせることにかけては巧みであるが、織り合わせたものを解きほぐすことにおいては拙劣である。」
「文体は、日常語とそのほかの語をある仕方で混ぜて使うことが必要となる。」
と、いった指摘がうなずけた。
本書では、登場人物の「行動」に言及するところが多かった。それはうすうす多様な表現の成熟に達していなさそうな側面も暗示したが、基本的には普遍性がありそうだ。
わかりやすいし、今でも通用しそうなのだ。
「多くの作者たちは、出来事を織り合わせることにかけては巧みであるが、織り合わせたものを解きほぐすことにおいては拙劣である。」
「文体は、日常語とそのほかの語をある仕方で混ぜて使うことが必要となる。」
と、いった指摘がうなずけた。
本書では、登場人物の「行動」に言及するところが多かった。それはうすうす多様な表現の成熟に達していなさそうな側面も暗示したが、基本的には普遍性がありそうだ。
2016年6月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
人間にとり不合理なのは、神や運命だけではない。《合理性の限界》下にある人間の行為も同様である。それを「あやまち(ハマルティアー)」という。だからこそ、賢いオイディプスでさえ「あやまち(ハマルティアー)」を犯すことになる。合理性の限界のため、結果的に不合理になってしまう行為を選択する存在、それが人間である。
私たちが、今こうであり、それ以外ではない理由。そして、
「よかれと信じたことが、なぜこう喰い違うのか、蕗はどこで間違ったか解らなかった。まっとうに歩いたはずの道が、いつか曲ってそれてゆくのであった。」 芝木好子『湯葉』(1961)
その原因は、人間能力の限界に由来する。我々が二千年間「悲劇」に求め続けているものがあるとすれば、何人たりとも免れ得ないこの人間的事実を開示することなのである。
私たちが、今こうであり、それ以外ではない理由。そして、
「よかれと信じたことが、なぜこう喰い違うのか、蕗はどこで間違ったか解らなかった。まっとうに歩いたはずの道が、いつか曲ってそれてゆくのであった。」 芝木好子『湯葉』(1961)
その原因は、人間能力の限界に由来する。我々が二千年間「悲劇」に求め続けているものがあるとすれば、何人たりとも免れ得ないこの人間的事実を開示することなのである。
2010年12月19日に日本でレビュー済み
哲学書は哲学を専攻する者が訳すのが一般的である。しかし哲学の専攻者には語学に疎く、まともに訳せもしないのに、
やたらと難しい用語を連発したり、原語から訳すのが当たり前なのに、数多くの外国語訳を参照したと自慢げに書いている者が多い。
そのような中、本書は文学を専攻する者による訳註であり、読みやすさの点では、同書の翻訳の中でも一番と言えるだろう。
ただ、「さきに」「わたしたちは」「じじつ」「・・・にかんしては」などなど、不必要なひらがな表記が多く、これは読みにくい。
註釈はかなり詳しい。しかし引証箇所を伝統に従ってベッカー版のページと行数で表しているが、ギリシア語がローマ字転写されているのは読みにくいし、
翻訳ではギリシア語の長短母音を区別して訳してあるのに、ローマ字転写では長母音記号を付していない長母音もあって、これも読みにくい。
更に、カタルシスの様々な解釈については「アリストテレス全集」所収の今道訳を参照するように註釈をつけている一方で、
喜劇の起源であるパリカや第18章での悲劇の4つの構成要素については、何故か今道による同箇所への解釈を黙殺している。
また、第17章で普遍的筋書という意味不明の言葉で説明をしようとしたために、歴史と詩との差異を述べて、
詩は普遍的に語るという第9章の普遍とが違うと間違って解釈してしまっている。両者は同じものである。
一般向けには、文庫版で読みやすく、しかも註釈も解説も充実しているという点では優れたものであると評価はできる。
しかしより進んでアリストテレースを勉強しようとするなら、他の翻訳を参照しなければ片手落ちになってしまう。
やたらと難しい用語を連発したり、原語から訳すのが当たり前なのに、数多くの外国語訳を参照したと自慢げに書いている者が多い。
そのような中、本書は文学を専攻する者による訳註であり、読みやすさの点では、同書の翻訳の中でも一番と言えるだろう。
ただ、「さきに」「わたしたちは」「じじつ」「・・・にかんしては」などなど、不必要なひらがな表記が多く、これは読みにくい。
註釈はかなり詳しい。しかし引証箇所を伝統に従ってベッカー版のページと行数で表しているが、ギリシア語がローマ字転写されているのは読みにくいし、
翻訳ではギリシア語の長短母音を区別して訳してあるのに、ローマ字転写では長母音記号を付していない長母音もあって、これも読みにくい。
更に、カタルシスの様々な解釈については「アリストテレス全集」所収の今道訳を参照するように註釈をつけている一方で、
喜劇の起源であるパリカや第18章での悲劇の4つの構成要素については、何故か今道による同箇所への解釈を黙殺している。
また、第17章で普遍的筋書という意味不明の言葉で説明をしようとしたために、歴史と詩との差異を述べて、
詩は普遍的に語るという第9章の普遍とが違うと間違って解釈してしまっている。両者は同じものである。
一般向けには、文庫版で読みやすく、しかも註釈も解説も充実しているという点では優れたものであると評価はできる。
しかしより進んでアリストテレースを勉強しようとするなら、他の翻訳を参照しなければ片手落ちになってしまう。
2021年4月30日に日本でレビュー済み
最近出版されたものも含めて、近代以降に書かれたたくさんの書物、特に芸術論は
読者がこの、アリストテレスの『詩学』を読んでいることを前提にして書かれています。
あまりにも当然なので、書物の名前を目にすることがないほどです。
例えば、芸術論に「悲劇」と書かれていたとしたら、
それはこの『詩学』に書かれている意味での「悲劇」か、
それに対して様々な思想家が意味を追加した「悲劇」を意味しているはずです。
そうでないとしたら、むしろそれを書いた人物のほうが間違っています。
「酸味」という言葉の意味を勘違いしている人がコーヒーについて語っているようなものです。
この本に書かれたことは
現代の日本で生きる私たちの生活や心と密接に関わっています。
たとえば、「劇には始まりと終わりがあり、全体が見通せる長さでなければならない」とか
「無くしても全体に影響を与えない出来事は、無いほうが良い」などの考え方は
『スターウォーズ』以降のハリウッド映画のシナリオ術にも共通するものであり
私たちも、そのようなものこそが物語らしいと感じているでしょう。
しかし、歌舞伎や戦前の時代劇の知識があるかたは分かると思いますが
それは普遍的なものではなく、ただ西洋的なものでしかありません。
それでもそれは明治維新以降、西洋の物語と思想を取り入れてきた
私たちの心にヤドリギのようにからみついています。
聖書と同じように、語られていることの是非とは関係なく、読んだおいたほうが良いたぐいの書物です。
心の中にからみついた西洋文化を相対化するためにもなるでしょう。
読者がこの、アリストテレスの『詩学』を読んでいることを前提にして書かれています。
あまりにも当然なので、書物の名前を目にすることがないほどです。
例えば、芸術論に「悲劇」と書かれていたとしたら、
それはこの『詩学』に書かれている意味での「悲劇」か、
それに対して様々な思想家が意味を追加した「悲劇」を意味しているはずです。
そうでないとしたら、むしろそれを書いた人物のほうが間違っています。
「酸味」という言葉の意味を勘違いしている人がコーヒーについて語っているようなものです。
この本に書かれたことは
現代の日本で生きる私たちの生活や心と密接に関わっています。
たとえば、「劇には始まりと終わりがあり、全体が見通せる長さでなければならない」とか
「無くしても全体に影響を与えない出来事は、無いほうが良い」などの考え方は
『スターウォーズ』以降のハリウッド映画のシナリオ術にも共通するものであり
私たちも、そのようなものこそが物語らしいと感じているでしょう。
しかし、歌舞伎や戦前の時代劇の知識があるかたは分かると思いますが
それは普遍的なものではなく、ただ西洋的なものでしかありません。
それでもそれは明治維新以降、西洋の物語と思想を取り入れてきた
私たちの心にヤドリギのようにからみついています。
聖書と同じように、語られていることの是非とは関係なく、読んだおいたほうが良いたぐいの書物です。
心の中にからみついた西洋文化を相対化するためにもなるでしょう。
2015年8月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
悲劇を研究する上では必読と思い、今回読んでみました。もっと難しくて読みにくいかと思っていたのですが、案外すんなり読めました。敬遠せずトライするといいと思います。
2011年1月9日に日本でレビュー済み
本当は第二部もあった講義記録あるいは講義のためのメモだったそうです。
第二部は喜劇、第一部は悲劇、叙事詩です。
韻律を用いるコトバによる技術を総括した詩論です。
そして作劇法との交錯がここにみられます。
ミメーシスが重視されています。模倣と訳します。岩波文庫では、再現、です。die Nachahmungen。
この再現の働きが、ロゴスの働きの中核にあり、審美のしくみを左右するのです。
第二部は喜劇、第一部は悲劇、叙事詩です。
韻律を用いるコトバによる技術を総括した詩論です。
そして作劇法との交錯がここにみられます。
ミメーシスが重視されています。模倣と訳します。岩波文庫では、再現、です。die Nachahmungen。
この再現の働きが、ロゴスの働きの中核にあり、審美のしくみを左右するのです。