西日本新聞社とは、福岡を本社にしている新聞社だ。福岡に住む友人が言っていたが、福岡市にはたくさんのネパール人がいるとの事である。西日本新聞社は、地元のそういう状況を基にしてこの本を書いたのである。ネパールへ、何回目かの出張で行くことになっていたので、新聞の書評からこの本のことを知り、よい機会を思って読んだのだった。
この本によると、2016年時点で日本における外国人労働者が100万人を超え、その2割が留学生だそうである。西日本新聞社はこの労働者・留学生に焦点を当てて調査している。ネパールに言及すれば、教師もいないネパールの日本語学校から多くの留学生と呼ばれる若者が日本の日本語学校に留学と言う目的で渡航し、実際には(一応は学校に通いながら)労働に従事しているのだと言う。日本で留学生を受け入れた日本語学校は、送り出してくれたネパールの日本語学校に礼金として一人当たり10万円ほどを支払っているのだそうだ。留学生と言う資格であればヴィザを取りやすいということを利用して、ネパール人の通称留学生を受け入れてその授業料で学校を経営しているのである。確かにカトマンズには、驚くほどの日本語学校があったが、この本を読んで合点したものである。
通称留学生は日本で何をしているかというと、日本語の勉強ではない。日本国政府が認めた、留学生に対する一週28時間の就労許可を目当てにして稼いでいるのである。このような留学に名を借りた労働は違法であるのはもちろんだが、人手不足に悩む中小企業や飲食・小売店にとっては都合のよい外国人たちである。留学生にとっては、一週当たり28時間の就労(アルバイト)を守っている限りは違法ではないが、ほとんどの人が故国への送金を目的に来ているので、28時間以上の労働を行っているのだそうだ。日本政府が単純労働者の入国を制限しているからこそに発生している問題である。
西日本新聞は、この現実に焦点を当てて、留学生は学業に専念すべくアルバイトであっても労働を許可するべきではない、とか、一週28時間の労働時間を多くして学業と生活の両立を助けるべきだ、とか、或いは、単純労働者であっても受け入れることのできる制度にするべきだ、などの提案を読者に投げかけてくる。
開発途上国に支援を呼びかけている日本政府として、または、少子化によって労働者の確保が難しくなって社会や生活の仕方を見直さなければならなくなっている昨今、国も我々国民もよく考えなければならない問題だと思う。よい題材であり、内容にも実があり、読みがいのある本だった。
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新 移民時代――外国人労働者と共に生きる社会へ 単行本(ソフトカバー) – 2017/11/30
西日本新聞社
(著, 編集)
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購入オプションとあわせ買い
100万人を突破した日本で働く外国人。単純労働を実質的に担う技能実習生・留学生等の受け入れ拡大が「移民政策をとらない」とする政府のもと進められている。建前と本音が交錯する制度のひずみを国内外の現場取材によって浮き彫りにし大きな反響を呼んだ西日本新聞連載企画の書籍化。来たるべき社会を見据え、共生の道を探る現場からの報告。
第17回(2017年度)石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞
「草の根民主主義部門 大賞」受賞作品の書籍化
「労働力を受け入れたつもりだったが、来たのは人間だった」。私たちの側には、彼らを人間として見、人間としてつきあう準備がまったくできていない。そして、この多様性を拒絶し、周縁に押しやって、見て見ぬ振りをする姿勢自体が、この国の経済や政治や文化が活力を取りもどす機会を失わせているのではないか、という指摘は鋭い。
――吉岡忍氏(作家/早稲田ジャーナリズム大賞選考委員・授賞理由より一部抜粋)
第22回新聞労連ジャーナリズム大賞・優秀賞受賞
【目次】
第1章 出稼ぎ留学生
■コラム/■インタビュー・平田オリザ「衰退期直視し戦略を」
第2章 留学ビジネスI ネパールからの報告
■コラム/■インタビュー・江副隆秀「教育側に自浄作用を」
第3章 留学ビジネスII 学校乱立の陰で
■コラム/■インタビュー・坂中英徳「移民鎖国から開国へ」/■インタビュー「留学生の就労問題どう考える」永田大樹/佐藤由利子
第4章 働けど実習生
■コラム/■インタビュー・石破 茂「政府組織の設置必要」
第5章 変わる仕事場
■コラム/■インタビュー・堺屋太一「移民 年10 万人受容を」
第6章 交差する人々
■アメリカからの報告 日系人が見た 揺れる超大国/■インタビュー・石坂芳男「定住型への転換必要」
第7章 ともに生きる
■コラム/■インタビュー・安永貴夫「労働の在り方 幅広い議論を」
第8章 近未来を歩く
■コラム/■インタビュー・田中宝紀「教育の整備 最優先に」
公開シンポジウム フクオカ円卓会議
■基調講演・國松孝次「人口減少踏まえ議論を」/■パネリスト冒頭発言/■討議/■参加者アンケート
第17回(2017年度)石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞
「草の根民主主義部門 大賞」受賞作品の書籍化
「労働力を受け入れたつもりだったが、来たのは人間だった」。私たちの側には、彼らを人間として見、人間としてつきあう準備がまったくできていない。そして、この多様性を拒絶し、周縁に押しやって、見て見ぬ振りをする姿勢自体が、この国の経済や政治や文化が活力を取りもどす機会を失わせているのではないか、という指摘は鋭い。
――吉岡忍氏(作家/早稲田ジャーナリズム大賞選考委員・授賞理由より一部抜粋)
第22回新聞労連ジャーナリズム大賞・優秀賞受賞
【目次】
第1章 出稼ぎ留学生
■コラム/■インタビュー・平田オリザ「衰退期直視し戦略を」
第2章 留学ビジネスI ネパールからの報告
■コラム/■インタビュー・江副隆秀「教育側に自浄作用を」
第3章 留学ビジネスII 学校乱立の陰で
■コラム/■インタビュー・坂中英徳「移民鎖国から開国へ」/■インタビュー「留学生の就労問題どう考える」永田大樹/佐藤由利子
第4章 働けど実習生
■コラム/■インタビュー・石破 茂「政府組織の設置必要」
第5章 変わる仕事場
■コラム/■インタビュー・堺屋太一「移民 年10 万人受容を」
第6章 交差する人々
■アメリカからの報告 日系人が見た 揺れる超大国/■インタビュー・石坂芳男「定住型への転換必要」
第7章 ともに生きる
■コラム/■インタビュー・安永貴夫「労働の在り方 幅広い議論を」
第8章 近未来を歩く
■コラム/■インタビュー・田中宝紀「教育の整備 最優先に」
公開シンポジウム フクオカ円卓会議
■基調講演・國松孝次「人口減少踏まえ議論を」/■パネリスト冒頭発言/■討議/■参加者アンケート
- 本の長さ255ページ
- 言語日本語
- 出版社明石書店
- 発売日2017/11/30
- ISBN-104750345865
- ISBN-13978-4750345864
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出版社より
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アンダーコロナの移民たち | いっしょに考える外国人支援 | 移民が導く日本の未来 | 日本の移民統合 | |
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価格 | ¥2,750¥2,750 | ¥2,640¥2,640 | ¥2,200¥2,200 | ¥3,080¥3,080 |
内容紹介 | 不平等を是認する社会を続けるのか コロナ禍で移民たちが直面している困難は、日本人以上に深刻だ。雇用環境が元々脆弱な上、就職差別にも遭遇している。学びやつながりの困難を抱える人も多い。この状況下でなおも「社会の一員」の可能性を奪い、排除し続けることの意味を問う、画期的な試み。 | 日本で暮らす外国人は、どのような生活困難を抱えているのか。本書では、その問題が起きる構造、行われている支援の実際、今後の課題と展望を、法律・医療・教育・労働・福祉・難民支援の各領域から明らかにする。外国人支援に関わる専門職必携の一冊。 | 本書は、筆者の体験にもとづく政策転換の政治の舞台裏を明らかにするとともに、中長期の視点から移民受入れの未来予測を 成功例の ストーリーとして示す一方、 人口減少が激化しレジリエンスが低下するポストコロナ時代こそ本格的な移民政策への移行のチャンスとして日本の歩むべき道を提示する。 | 教育, 雇用, 賃金, 家族, 社会参加, メンタルヘルス, 帰属意識, 永住意図―― 生まれ育った国を離れ, 日本で暮らす移民たちは何を想い, どのように働いているのか。 日本全国を対象に実施した無作為抽出による大規模調査から, 生活・労働実態と日本社会への統合状況を分析。 |
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変容する移民コミュニティ | 多文化共生と人権 | 芝園団地に住んでいます | 移民政策のフロンティア | |
カスタマーレビュー |
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価格 | ¥3,080¥3,080 | ¥2,750¥2,750 | ¥1,760¥1,760 | ¥2,750¥2,750 |
内容紹介 | 戦前に渡来し定住した外国人から2010年代以降の新しい移民まで、日本を目指した多数の外国人、難民・3K労働・研修生・高度人材などさまざまな形態で来日した外国人が形成したコミュニティの成立・定着・変遷の定住過程を国籍別に31のカテゴリーから紹介する。 | 日本の多文化共生政策の実態と課題、展望を知るための最適な一冊。 EU各国や北米、豪州、韓国における移民統合政策との国際比較を行い、日本の法制度と人権条約等の国際的な人権規範との整合性を検討することで、日本の実態と課題を多角的な視点から整理。求められる「多文化共生法学」の地平を切り開き、多文化共生政策の実態と課題、展望を考察する。 | 2016年の米大統領選挙で排外主義の台頭を目の当たりにした著者は、取材から帰国した後、住民の半数が外国人の芝園団地(埼玉県川口市)に移り住む。日本人住民の間に芽生える「もやもや感」と、見えない壁を乗り越えようとする人々を描いたノンフィクション。 | 外国人居住者数・外国人労働者数が共に過去最高を更新し続けているなかでも、日本には移民に対する包括的な政策理念が存在していない。移民政策学会設立10周年を記念し、第一線の研究者らが日本における移民政策の展開と課題・外国人との共生について多面的、網羅的に問い直した書。 |
商品の説明
著者について
【編者紹介】
西日本新聞社
九州7県で朝刊約66万部、福岡県内で夕刊約8万部を発行するブロック紙。朝刊の発行部数は九州最大。1877(明治10)年、国内最後の内戦となった西南戦争の戦況を報じた「筑紫新聞」を源流に、「めさまし新聞」「筑紫新報」を経て1880(明治13)年に「福岡日日新聞」を設立。1942(昭和17)年に「九州日報」と合併して「西日本新聞」となった。2017年に創刊140周年を迎えた。福岡と北九州に本社、東京と大阪に支社、取材拠点となる総支局・通信部は国内63カ所、海外6カ所(駐在含む)にある。本書の基となったキャンペーン報道「新 移民時代」の取材班は、本社社会部、都市圏総局、経済部、東京支社の記者や海外特派員たちで編成。写真部、デザイン部も携わった。一連の連載は2017年11月、第17回「石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞」草の根民主主義部門で大賞を受賞した。
西日本新聞社
九州7県で朝刊約66万部、福岡県内で夕刊約8万部を発行するブロック紙。朝刊の発行部数は九州最大。1877(明治10)年、国内最後の内戦となった西南戦争の戦況を報じた「筑紫新聞」を源流に、「めさまし新聞」「筑紫新報」を経て1880(明治13)年に「福岡日日新聞」を設立。1942(昭和17)年に「九州日報」と合併して「西日本新聞」となった。2017年に創刊140周年を迎えた。福岡と北九州に本社、東京と大阪に支社、取材拠点となる総支局・通信部は国内63カ所、海外6カ所(駐在含む)にある。本書の基となったキャンペーン報道「新 移民時代」の取材班は、本社社会部、都市圏総局、経済部、東京支社の記者や海外特派員たちで編成。写真部、デザイン部も携わった。一連の連載は2017年11月、第17回「石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞」草の根民主主義部門で大賞を受賞した。
登録情報
- 出版社 : 明石書店 (2017/11/30)
- 発売日 : 2017/11/30
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 255ページ
- ISBN-10 : 4750345865
- ISBN-13 : 978-4750345864
- Amazon 売れ筋ランキング: - 281,426位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 45,461位ノンフィクション (本)
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著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2018年3月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2018年3月25日に日本でレビュー済み
私が暮らす地域ではコンビニやガソリンスタンドで働く外国人の姿を見ることはない。ただ、一定規模以上の野菜農家を下支えしているのは、外国人だと聞いている。また、大きなスーパーマーケットに行けば、買い物に来ている外国人の姿をしばしば見かける。私の子供時代と比較すれば、40年以上も前だが、労働者としての外国人に接触する機会は圧倒的に増えている。
本書は、福岡をはじめ九州で増える続ける外国人労働者にスポットを当て、様々な側面から問題点や解決への方向性を探っている。
外交人労働者といっても、正規で働いている人もいれば、技能実習生や留学生として働いている人もいる。それぞれ日本に渡航した時の条件などから、ルール違反をしているケースなどが紹介されているが、一方的に外国人だけに非を押し付けるわけにもいかないことが分かる。一部の職種では、彼らの存在を抜きにすれば、今の日本で私たちが享受している便利なサービスの質は確実に低下する。
最後の方にあるシンポジウムの部分を読んでも、この問題に対する考え方は、それぞれの立場の問題もあって様々だ。だからこそ、建前と本音を使い分けるのはやめ、事実を前提とした論議を深め、コンセンサスを得ることが求められているのではないだろうか。
日本の人口が減少していることはまぎれもない事実だ。多くの赤ちゃんが生まれれば解決するものの、今の段階で有効な手立てが講じられているとは言い難く、だからといって、単純に移民で穴埋めする道を選択するのにも賛成できない。しかし、今の日本に外国人労働者が不可欠なのも事実だ。だからこそ、彼らを単なる労働者としてだけ考えるのをやめ、一人の人間と認識し、彼らを守るルールを定めないと、いずれ日本という国がしっぺ返しにあうことも間違ないだろう。
本書は、福岡をはじめ九州で増える続ける外国人労働者にスポットを当て、様々な側面から問題点や解決への方向性を探っている。
外交人労働者といっても、正規で働いている人もいれば、技能実習生や留学生として働いている人もいる。それぞれ日本に渡航した時の条件などから、ルール違反をしているケースなどが紹介されているが、一方的に外国人だけに非を押し付けるわけにもいかないことが分かる。一部の職種では、彼らの存在を抜きにすれば、今の日本で私たちが享受している便利なサービスの質は確実に低下する。
最後の方にあるシンポジウムの部分を読んでも、この問題に対する考え方は、それぞれの立場の問題もあって様々だ。だからこそ、建前と本音を使い分けるのはやめ、事実を前提とした論議を深め、コンセンサスを得ることが求められているのではないだろうか。
日本の人口が減少していることはまぎれもない事実だ。多くの赤ちゃんが生まれれば解決するものの、今の段階で有効な手立てが講じられているとは言い難く、だからといって、単純に移民で穴埋めする道を選択するのにも賛成できない。しかし、今の日本に外国人労働者が不可欠なのも事実だ。だからこそ、彼らを単なる労働者としてだけ考えるのをやめ、一人の人間と認識し、彼らを守るルールを定めないと、いずれ日本という国がしっぺ返しにあうことも間違ないだろう。
2017年12月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
昨今、新聞やテレビで「留学生アルバイト」「技能実習生」など、様々な形の外国人労働者が取り上げられることが増えてきました。
またSNS上でも、賛否様々な書き込みが見られるようになってきました。
本書は、このテーマについて「現状を予見なしに調査して読者に提示する」姿勢で記述されています。
副題の「外国人労働者と共に生きる社会へ」が、書く側の姿勢を表しているととることもできますが、全体としてはニュートラルな立場で書かれていると感じます。
読者がこのテーマについてどのような立場を取るのかに関係なく、まずは「実態を知る」ことからスタートすることが大事だとするならば、本書はそのためのいい起点になり得ると考えます。
またSNS上でも、賛否様々な書き込みが見られるようになってきました。
本書は、このテーマについて「現状を予見なしに調査して読者に提示する」姿勢で記述されています。
副題の「外国人労働者と共に生きる社会へ」が、書く側の姿勢を表しているととることもできますが、全体としてはニュートラルな立場で書かれていると感じます。
読者がこのテーマについてどのような立場を取るのかに関係なく、まずは「実態を知る」ことからスタートすることが大事だとするならば、本書はそのためのいい起点になり得ると考えます。
2020年12月20日に日本でレビュー済み
移民を受け入れることが良い事だという前提で書かれており、文章も、具体的な経験をひたすら強調し感情に訴えかけるという小説のような書き方がされていて、客観性に欠ける。
2017年12月13日に日本でレビュー済み
日経新聞一面の広告を見て、タイトルにひかれて購入。なんとなくページをめくるつもりが、想像以上の読みごたえで一気に読了してしまいました。これは力作。たいへん興味深い内容でした。
外国人労働者の受け入れについて考えることは、今後の日本社会の形を考えることと表裏一体と書かれていたが、まさしくその通りと思う。
最近、新聞やテレビ、週刊誌でも出稼ぎ留学生や外国人実習生のニュースをよく見聞きするようになった。西日本新聞が火付け役だったんだな。天晴れ!
外国人労働者の受け入れについて考えることは、今後の日本社会の形を考えることと表裏一体と書かれていたが、まさしくその通りと思う。
最近、新聞やテレビ、週刊誌でも出稼ぎ留学生や外国人実習生のニュースをよく見聞きするようになった。西日本新聞が火付け役だったんだな。天晴れ!
2017年12月11日に日本でレビュー済み
欧米を揺るがす移民問題が、形は違えど日本にとって決して他人事ではないと教えてくれる傑作ルポ。
日本国内各地だけでなくネパール、ベトナム、ミャンマー、タイ、台湾、中国、韓国から米国まで、新聞記者たちが地を這うように取材して掘り起こした事実の数々が綴られていて、一気読みしてしまった。
平田オリザ、堺屋太一、石破茂など様々な立ち位置の識者へのインタビューが挟まれているのも、面白かった。
石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞に選ばれるだけのことはあると納得。
日本人だけじゃなく、外国人にも読めるよう、翻訳版も発行すべき。
日本国内各地だけでなくネパール、ベトナム、ミャンマー、タイ、台湾、中国、韓国から米国まで、新聞記者たちが地を這うように取材して掘り起こした事実の数々が綴られていて、一気読みしてしまった。
平田オリザ、堺屋太一、石破茂など様々な立ち位置の識者へのインタビューが挟まれているのも、面白かった。
石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞に選ばれるだけのことはあると納得。
日本人だけじゃなく、外国人にも読めるよう、翻訳版も発行すべき。
2018年8月13日に日本でレビュー済み
本書の中のネパール取材記を読んで、なぜネパールから日本へ
多数の「留学生?」が来るのか分かった。国内にはヒマラヤ登山者の
ガイドぐらいしかいい仕事がないのと、欧米よりも日本の方が「留学
(という名目の出稼ぎ)」し易いからということなのか。
しかし、全体としては、この本は、
日本の少子化→労働力不足→外国人労働者を受け入れる必要がある→
日本では現在は外国人労働者を劣悪な条件で働かせているが、日本に
定着して働いてもらうための条件整備が必要
というシナリオに従って書かれているように思えた。
そうなると、外国人労働者の子供の教育や就職の世話、外国人労働者が
高齢化した時の医療・介護・年金などにも責任を持たなければならなくなる。
それは、かえって日本の負担を増やすことにならないだろうか。
それよりも、期間限定(5年以内ぐらいにして、再入国も可とする)で
出稼ぎを認める方がスッキリすると思うのだが。外国人にとっても、日本に
定住(永住?)するよりも、日本で稼いで自国で使う方が、いい暮らしが
できるだろうし。
多数の「留学生?」が来るのか分かった。国内にはヒマラヤ登山者の
ガイドぐらいしかいい仕事がないのと、欧米よりも日本の方が「留学
(という名目の出稼ぎ)」し易いからということなのか。
しかし、全体としては、この本は、
日本の少子化→労働力不足→外国人労働者を受け入れる必要がある→
日本では現在は外国人労働者を劣悪な条件で働かせているが、日本に
定着して働いてもらうための条件整備が必要
というシナリオに従って書かれているように思えた。
そうなると、外国人労働者の子供の教育や就職の世話、外国人労働者が
高齢化した時の医療・介護・年金などにも責任を持たなければならなくなる。
それは、かえって日本の負担を増やすことにならないだろうか。
それよりも、期間限定(5年以内ぐらいにして、再入国も可とする)で
出稼ぎを認める方がスッキリすると思うのだが。外国人にとっても、日本に
定住(永住?)するよりも、日本で稼いで自国で使う方が、いい暮らしが
できるだろうし。
2020年7月31日に日本でレビュー済み
研究者によって書かれた書籍ではなく新聞記者によって書かれたもの。
そのため、客観的な分析があるのではなく、「外国人労働者は問題である」という結論ありきで書かれているのが残念。取り上げられている題材も公平に選ばれたものではなく「外国人労働者は問題である」ということを言うために、恣意的に選ばれたもの。政治意図も含まれており、客観的な書籍であるとは言えない。
そのため、客観的な分析があるのではなく、「外国人労働者は問題である」という結論ありきで書かれているのが残念。取り上げられている題材も公平に選ばれたものではなく「外国人労働者は問題である」ということを言うために、恣意的に選ばれたもの。政治意図も含まれており、客観的な書籍であるとは言えない。