まだ20歳を超えたばかりの兄と妹、そして共にヒトラー政治に怒りと憂いを持つ仲間の命を賭けた戦いを描いた個人的名作。
レジスタンスモノは殺傷する武器を用いるが、本作は言論で戦っている。
ヒトラー・ナチスの強大な力の前にはノミの抵抗にもならないのだが、彼女等が吐き出す憂いと怒りは、ヒトラーが消えた時に真実になる。
権力側は強く乱暴な言葉で行為を敵視し、侮蔑しながらも、その言葉は全て「今の立場を守る為」である事は明らか。
そう若者の命を戦地に追いやる事で得た権力は、その若者の命に全く想いを馳せる事無く並べ立てられた言葉は、その権力を失った時に自らに降りかかる。
裁判長の捲し立てる言葉が、当時のドイツの過ちを言い表している。