100点じゃないんですよ。
ちゃんと教育を受けた音楽の先生が、音楽の教科書に則って評価するなら、決して100点じゃないんです。
最初4曲めくらいまでは黒木さんが微妙にカタいし、MCも拙い部分が多い。
反面、バックバンドは最強クラスのメンバー。だからこそ、序盤は歌が楽器の演奏に押されてるように聞こえる。
だけど、5曲目「ウェット」から歌が一気にノってくる。ダークな黒木渚ワールドを全力で叩きつける。
ここからの燃焼が素晴らしかった。
歌も演奏も全力全開である。
数度の場面転換を経ながら、本編最後の3曲「君が私をダメにする」「ふざけんな世界、ふざけろよ」「虎視眈々と淡々と」では、もうバンド全員が一個の火の玉みたいになってて、最後はお客さんも完全に一体になる。
そんなイメージが脳裏に浮かんでくる。
正直、"黒木渚"を2,3曲しか知らない状態で買ったので、最初はすごい不安だった。
貧乏なくせにこれ本当に買って良かったのかな、と自問したりした。
でも、最後まで聞き終わってみれば、「なんだこのライブ最高かよ」とつぶやく私。
比較するのは申し訳ないが、作り込まれた昨今のアイドルライブでは絶対に味わえないドキドキ感。
演出やダンスにドキドキさせられるのではなく、純粋に音楽(歌と演奏)にドキドキさせられる。
楽器隊もレコーディングとは全然違うアプローチしてたりするし。
このライブならではのスリルと高揚を自宅で味わえたのは本当に久しぶりだった。
黒木渚ファンはもちろん、「Youtubeで聞いたけど2,3曲しか知らない」というレベルの人もめちゃくちゃ楽しめると思う。