解り難い話をかみ砕いて説明する著者の腕前は、過去の著作と同じく、本書でもいかんなく発揮されています。
本書でも触れらえていますが、個人的には複数の幸運がタイミングよく重なった結果としての勝訴だと感じました。
個人発明家という点が強調されているものの、知財を生かそうとする企業においても参考になることが多いです。
著者の次回作をより待ち遠しく思われる作品でした。

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iPod特許侵害訴訟 アップルから3.3億円を勝ち取った個人発明家 単行本(ソフトカバー) – 2018/9/15
新井 信昭
(著)
NHK総合「逆転人生 最強アップルVS.貧乏発明家」(2019年4月1日オンエア)に登場した個人発明家・齋藤憲彦氏の戦いの詳細がここに!
立ち上がれ! 発明家たち
世界的大企業を相手に一歩も退かず特許の争いを勝ち抜いた男の、熱い戦いの軌跡を追い、個人が戦うために必要な知識と日本の特許・知財法制の課題を浮き彫りにする。
2015年9月、iPodに搭載されたクリックホイールを巡る特許訴訟で、最高裁は原告の個人発明家・斎藤憲彦氏の言い分を認め、アップルに対し3億3000万円の支払いを命じた。一個人が世界的企業を相手に戦った特許侵害訴訟で、勝訴が確定した瞬間だった。
個人発明家が大企業と互角に戦うためになくてはならないものの一つが特許だ。しかし、特許を武器にして勝つためには、心理的・経済的・法律的なノウハウを組み合わせた、高度な戦略を必要とする。一方で、「知財立国」を標榜しながら、新しい技術・製品開発に閉塞感が漂う日本はいま、知財の正しい実務知識を身につけた「ジャパニーズドリーム」の実現が求められている。斉藤氏が歩んだ道は、まさに特許取得から、それを武器に実際のビジネスにするまでのフルコースの物語である。
本書は、特許実務の専門家・知財コンサルタントとして活躍する筆者が、当事者である斉藤氏および周辺関係者へのインタビューを実施。斉藤氏の戦いをノンフィクションで追跡しながら、特許戦略、特許に関わる諸問題のポイントを解説していくもの。一個人でも巨大企業を相手に勝てること。そのために必要な基本知識を実際例のなかで整理するとともに、一方で日本が抱える「知財立国」実現をはばむ意外と語られていない問題点をもあぶり出す。
立ち上がれ! 発明家たち
世界的大企業を相手に一歩も退かず特許の争いを勝ち抜いた男の、熱い戦いの軌跡を追い、個人が戦うために必要な知識と日本の特許・知財法制の課題を浮き彫りにする。
2015年9月、iPodに搭載されたクリックホイールを巡る特許訴訟で、最高裁は原告の個人発明家・斎藤憲彦氏の言い分を認め、アップルに対し3億3000万円の支払いを命じた。一個人が世界的企業を相手に戦った特許侵害訴訟で、勝訴が確定した瞬間だった。
個人発明家が大企業と互角に戦うためになくてはならないものの一つが特許だ。しかし、特許を武器にして勝つためには、心理的・経済的・法律的なノウハウを組み合わせた、高度な戦略を必要とする。一方で、「知財立国」を標榜しながら、新しい技術・製品開発に閉塞感が漂う日本はいま、知財の正しい実務知識を身につけた「ジャパニーズドリーム」の実現が求められている。斉藤氏が歩んだ道は、まさに特許取得から、それを武器に実際のビジネスにするまでのフルコースの物語である。
本書は、特許実務の専門家・知財コンサルタントとして活躍する筆者が、当事者である斉藤氏および周辺関係者へのインタビューを実施。斉藤氏の戦いをノンフィクションで追跡しながら、特許戦略、特許に関わる諸問題のポイントを解説していくもの。一個人でも巨大企業を相手に勝てること。そのために必要な基本知識を実際例のなかで整理するとともに、一方で日本が抱える「知財立国」実現をはばむ意外と語られていない問題点をもあぶり出す。
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社日本経済新聞出版
- 発売日2018/9/15
- 寸法12.8 x 1.8 x 18.8 cm
- ISBN-104532322294
- ISBN-13978-4532322298
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出版社より

NHK新番組 第1回の主人公です!
商品の説明
著者について
新井 信昭
知財コミュニケーション研究所代表。新井・橋本・保坂特許事務所パートナー。ものつくり大学特別客員教授。
1954年生まれ。知財コンサル3000件超の知財活用コンサルタント、博士(工学)、技術経営修士(MOT)、弁理士。高卒後、新聞配達やタクシー運転手などで貯めた資金で世界一周の旅に出るなどユニークな経歴を持つ。著書に『レシピ公開「伊右衛門」と絶対秘密「コカ・コーラ」、どっちが賢い?』『パクリ商標』。
知財コミュニケーション研究所代表。新井・橋本・保坂特許事務所パートナー。ものつくり大学特別客員教授。
1954年生まれ。知財コンサル3000件超の知財活用コンサルタント、博士(工学)、技術経営修士(MOT)、弁理士。高卒後、新聞配達やタクシー運転手などで貯めた資金で世界一周の旅に出るなどユニークな経歴を持つ。著書に『レシピ公開「伊右衛門」と絶対秘密「コカ・コーラ」、どっちが賢い?』『パクリ商標』。
登録情報
- 出版社 : 日本経済新聞出版 (2018/9/15)
- 発売日 : 2018/9/15
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 256ページ
- ISBN-10 : 4532322294
- ISBN-13 : 978-4532322298
- 寸法 : 12.8 x 1.8 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 582,772位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 136位発明・特許
- - 267位オーディオ・ビジュアル (本)
- - 655位モバイル
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年9月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2018年11月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
おそらくこの本の中で売込みを受けた企業の知財部員です。出願も日米の特許訴訟を何度も経験してきました。
そういった企業の中で働いていても本書で書かれてる出願から訴訟までの一連の流れはそうそう体験出来るものでもないので、こういった書籍で追体験出来るのは大変貴重だと思います。
そういった企業の中で働いていても本書で書かれてる出願から訴訟までの一連の流れはそうそう体験出来るものでもないので、こういった書籍で追体験出来るのは大変貴重だと思います。
2018年10月24日に日本でレビュー済み
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本書は個人投資家がアップルとipodのクイックホイールに関する特許で争った訴訟の実体験談に基づくものである。本書のように特許訴訟の実体験について知れ、かつ一般人でも特許を理解しやすく書かれている本はないと思う。
本書で分かるのは、個人発明家が思いついた特許であっても大企業相手に戦えるということである。また、特許を取って満足では特許を取る意味がなく、使ってこその特許であり時に戦うことも辞さない姿勢が大事であることでわかった。
本書で分かるのは、個人発明家が思いついた特許であっても大企業相手に戦えるということである。また、特許を取って満足では特許を取る意味がなく、使ってこその特許であり時に戦うことも辞さない姿勢が大事であることでわかった。
2018年12月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この分野で実務が明らかになるのは非常に少なく貴重な実録です。
2018年9月25日に日本でレビュー済み
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筆者の前著を読んでおり、わかりやすい解説に好感を持っていたところ、気になっていた事案を掘り下げた新著が出たというので期待を胸に購入。結果は大当たり!!ビジネスのどの部分で、特許権をどう使うのか、日本の特許部分の課題部分をわかりやすく捉えることができました。また、単なる解説本と一線を画するのが、斎藤氏個人の生い立ちや当時の気持ちも丁寧に拾い上げていることで、一人の発明家の人生譚としても楽しむことができ、読了後は、胸にジンとくるものがありました。なお、作中に筆者が提唱する知財コミュニケーションの言葉が出てきますが、本書では詳しい解説がされていないので、筆者の前著をあわせて読むことをオススメします
2018年12月7日に日本でレビュー済み
『iPod特許侵害訴訟――アップルから3.3億円を勝ち取った個人発明家』(新井信昭著、日本経済新聞出版社)では、個人発明家・齋藤憲彦がアップルに対し特許侵害訴訟を起こし、遂に3.3億円の賠償金を勝ち取るまでの過程が臨場感豊かに描かれています。テレビ・ドラマ『下町ロケット ゴースト』の特許侵害訴訟場面はフィクションだが、こちらは、その実録版と言えるでしょう。
齋藤と、その協力者たち、弁護士や弁理士たちが力を合わせ、巨大企業相手の非常に困難な戦いに果敢に挑み、次から次へと立ちはだかる難関に直面するたびに、私も肩に力が入ってしまいました。
本書は、齋藤らの戦略や行動をフォローしていくうちに、特許に関するさまざまな知識が身に付くように、工夫が凝らされています。
「齋藤がアップルと戦うために使った武器は、ほかでもない『特許』だった。特許(特許権)は、アイデアで勝負する発明家にとって、この手しかないといってもいいくらいの手段である」。
「齋藤が発明家である理由はどこにあるのか、と改めて考えてみた。およそ発明するためには。現状に問題意識を持ち常に改善を忘れず、さまざまな分野の技術に対し好奇心を持ち続け、得た知識をいつでも検索できる形で頭のなかに整理してあるからだろう」。
「経営破たんによる簡単には返せない多額の借金があり、両親の財産を食いつぶしながら生活している齋藤にとって、齋藤出願は起死回生のための唯一の切り札であるのだから、たくさんの思いとノウハウが詰まった齋藤出願を『はい、実費でお譲りします』などといった選択は、過去の財産と齋藤の未来を放棄する愚かな行為そのものだと考えたからだろう」。
「『特許出願したときの私は、私が何を考えていたのかを知っている唯一の人間です。そのうえiPodのクリックホイールは100パーセント私のコンセプトそのもの。だから、誰が何と言おうと、どんな屁理屈を並べようと、私が負けたら、人類の進歩に対する冒瀆だと思った。だから、私は戦いを続けた』」。
「上山(弁護士)は、個人発明であろうと尊重されるべきだという信念と、自信を失いつつある日本のエンジニア達と日本経済へのエールを、事件を通して示そうとしたのだろう」。
「『特許』は、個人発明家が大企業と戦うためのまぎれもない武器である。が、それを持っているだけでは1銭にもならない。勝ちたいなら戦わなくてはならない」。
3.3億円を勝ち取ったというのに、これはアップルの実質勝訴だという考えが示されています。「傍から見ると齋藤の勝訴だが、上山も齋藤も『実質的には敗訴と同じ』と口を揃える。考えてみてほしい。一時はウォークマンをしのぐほど売れに売れたiPodであるが、売れた要因の半分とは言わないまでも3分の1、いやそれ以上が(簡単選曲の決め手となる)クリックホールにあったことは間違いない。その部分が特許権侵害であったのに、賠償額は僅かに3.3億円である。アップルの立場に立てば、痛くもかゆくもない金額だろう。実質的にアップルの勝訴と言わずして、何と言ったらよいのだろう」。
齋藤と、その協力者たち、弁護士や弁理士たちが力を合わせ、巨大企業相手の非常に困難な戦いに果敢に挑み、次から次へと立ちはだかる難関に直面するたびに、私も肩に力が入ってしまいました。
本書は、齋藤らの戦略や行動をフォローしていくうちに、特許に関するさまざまな知識が身に付くように、工夫が凝らされています。
「齋藤がアップルと戦うために使った武器は、ほかでもない『特許』だった。特許(特許権)は、アイデアで勝負する発明家にとって、この手しかないといってもいいくらいの手段である」。
「齋藤が発明家である理由はどこにあるのか、と改めて考えてみた。およそ発明するためには。現状に問題意識を持ち常に改善を忘れず、さまざまな分野の技術に対し好奇心を持ち続け、得た知識をいつでも検索できる形で頭のなかに整理してあるからだろう」。
「経営破たんによる簡単には返せない多額の借金があり、両親の財産を食いつぶしながら生活している齋藤にとって、齋藤出願は起死回生のための唯一の切り札であるのだから、たくさんの思いとノウハウが詰まった齋藤出願を『はい、実費でお譲りします』などといった選択は、過去の財産と齋藤の未来を放棄する愚かな行為そのものだと考えたからだろう」。
「『特許出願したときの私は、私が何を考えていたのかを知っている唯一の人間です。そのうえiPodのクリックホイールは100パーセント私のコンセプトそのもの。だから、誰が何と言おうと、どんな屁理屈を並べようと、私が負けたら、人類の進歩に対する冒瀆だと思った。だから、私は戦いを続けた』」。
「上山(弁護士)は、個人発明であろうと尊重されるべきだという信念と、自信を失いつつある日本のエンジニア達と日本経済へのエールを、事件を通して示そうとしたのだろう」。
「『特許』は、個人発明家が大企業と戦うためのまぎれもない武器である。が、それを持っているだけでは1銭にもならない。勝ちたいなら戦わなくてはならない」。
3.3億円を勝ち取ったというのに、これはアップルの実質勝訴だという考えが示されています。「傍から見ると齋藤の勝訴だが、上山も齋藤も『実質的には敗訴と同じ』と口を揃える。考えてみてほしい。一時はウォークマンをしのぐほど売れに売れたiPodであるが、売れた要因の半分とは言わないまでも3分の1、いやそれ以上が(簡単選曲の決め手となる)クリックホールにあったことは間違いない。その部分が特許権侵害であったのに、賠償額は僅かに3.3億円である。アップルの立場に立てば、痛くもかゆくもない金額だろう。実質的にアップルの勝訴と言わずして、何と言ったらよいのだろう」。
2018年9月26日に日本でレビュー済み
著者の前作・前々作も読んでおり、ファンだが、今回も面白い内容で期待を裏切らない。
「下町ロケット」は小説の話で、この内容も同じような話だが、
会社ではなく一人でアップルと戦ったという点が小説とは異なる。
また、特許をとったものの、いざというときに裁判を起こさなければ、
絵に描いたもちになってしまうことを痛感させられる。
個人で特許をとるならば、この本はとても参考になると思う。(特許の取り方などは書いていない)
今後も著者の面白い書籍を期待したい。
「下町ロケット」は小説の話で、この内容も同じような話だが、
会社ではなく一人でアップルと戦ったという点が小説とは異なる。
また、特許をとったものの、いざというときに裁判を起こさなければ、
絵に描いたもちになってしまうことを痛感させられる。
個人で特許をとるならば、この本はとても参考になると思う。(特許の取り方などは書いていない)
今後も著者の面白い書籍を期待したい。
2018年9月30日に日本でレビュー済み
個人発明家とガリバーの、実際の特許侵害訴訟が、平易な言葉で分かり易く書き綴られており、
ノンフィクションとして興味深く読むことができました。
また、3,000件超の知財コンサル経験を有する筆者の特許に関する見識や想いを垣間見る感じを受けました。
特許に係るいろいろな立場の人が、特許侵害訴訟を事例的に学ぶだけでなく、特許侵害訴訟例を通して、
特許とは何かを見つめ、特許をどう生かすかを考えるのに好適な一冊と思います。
ノンフィクションとして興味深く読むことができました。
また、3,000件超の知財コンサル経験を有する筆者の特許に関する見識や想いを垣間見る感じを受けました。
特許に係るいろいろな立場の人が、特許侵害訴訟を事例的に学ぶだけでなく、特許侵害訴訟例を通して、
特許とは何かを見つめ、特許をどう生かすかを考えるのに好適な一冊と思います。