いわゆる通史ものではなく、アニメーションという「用語」と、アニメーションという概念が、日本で如何に受け入れられて来たか、という事について、時代を追って、当時の報道・評論などを元に丹念に検証した力作。よって、時代としては1910年代のアニメ創建期から始まり、2010年代の最近に至るまでカバーしているが、「日本アニメーション映画史」のような「正史」的に作家や作品とスタジオの変遷などを綴った本ではない。
著者の西村智弘氏は1990年代に東京で自主制作アニメーション上映に関わって活動されていた方で、この本でもPAFなど自主アニメーションに関する記述は詳しい。(しかし、戦前のアマチュア作家の活動から連なる日本アマチュアアニメーション映画協会の8mm時代からの製作上映活動と、日本アマチュアアニメーション映画協会と入れ替わるように登場したDoGAのCGアニメコンテストについての記述がまったく無いのは不思議である。)
後半は、「アート・アニメーション」と呼ばれるアニメーション作品群について、その概念と使われ方、「芸術〜」「インディペンデント〜」などの別称や、その作家活動、日本の商業アニメとの関係について、考察を深めている。
読み応えのある力作、好著である。必読。
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日本のアニメーションはいかにして成立したのか 単行本 – 2018/11/9
西村 智弘
(著)
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オルタナティブの日本動画史
いまや日本の輸出産業となった「アニメーション」という概念は、どのようにして受容され、また変遷していったのか。
時代ごとの呼称や表現形式の分析を軸に、アマチュア作家や実験映画との関係、リミテッドアニメーションなど、これまで周縁的・境界的とされてきた創造活動に着目し、明治期から現代にいたるアニメーションの系譜をたどる。貴重な図版も多数掲載。
いまや日本の輸出産業となった「アニメーション」という概念は、どのようにして受容され、また変遷していったのか。
時代ごとの呼称や表現形式の分析を軸に、アマチュア作家や実験映画との関係、リミテッドアニメーションなど、これまで周縁的・境界的とされてきた創造活動に着目し、明治期から現代にいたるアニメーションの系譜をたどる。貴重な図版も多数掲載。
- 本の長さ340ページ
- 言語日本語
- 出版社森話社
- 発売日2018/11/9
- 寸法21 x 14.8 x 2.5 cm
- ISBN-104864051348
- ISBN-13978-4864051347
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商品の説明
著者について
西村智弘(にしむら・ともひろ)
映像評論家、美術評論家。
東京造形大学、東京工芸大学、阿佐ヶ谷美術専門学校非常勤講師。
専門は映像史、現代美術。日本映像学会、美術評論家連盟会員。
1993年、美術出版社主催〈第11回芸術評論募集〉で「ウォーホル/映画のミニマリズム」が入選。
著書に『日本芸術写真史──浮世絵からデジカメまで』(美学出版社、2008)、共編著に『スーパー・アヴァンギャルド映像術』(フィルムアート社、2002)、『アメリカン・アヴァンガルド・ムーヴィ』(森話社、2016)、共著に京都造形大学編『映像表現の創造特性と可能性』(角川書店、2000)、西嶋憲生編『映像表現のオルタナティヴ──一九六〇年代の逸脱と創造』(森話社、2005)、村山匡一郎編『映画は世界を記録する──ドキュメンタリー再考』(森話社、2006)、主な論文に「日本実験映像史」(『あいだ』2003年3月号-2006年3月号)など。
映像評論家、美術評論家。
東京造形大学、東京工芸大学、阿佐ヶ谷美術専門学校非常勤講師。
専門は映像史、現代美術。日本映像学会、美術評論家連盟会員。
1993年、美術出版社主催〈第11回芸術評論募集〉で「ウォーホル/映画のミニマリズム」が入選。
著書に『日本芸術写真史──浮世絵からデジカメまで』(美学出版社、2008)、共編著に『スーパー・アヴァンギャルド映像術』(フィルムアート社、2002)、『アメリカン・アヴァンガルド・ムーヴィ』(森話社、2016)、共著に京都造形大学編『映像表現の創造特性と可能性』(角川書店、2000)、西嶋憲生編『映像表現のオルタナティヴ──一九六〇年代の逸脱と創造』(森話社、2005)、村山匡一郎編『映画は世界を記録する──ドキュメンタリー再考』(森話社、2006)、主な論文に「日本実験映像史」(『あいだ』2003年3月号-2006年3月号)など。
登録情報
- 出版社 : 森話社 (2018/11/9)
- 発売日 : 2018/11/9
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 340ページ
- ISBN-10 : 4864051348
- ISBN-13 : 978-4864051347
- 寸法 : 21 x 14.8 x 2.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 752,597位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 504位映画論・映像論
- - 4,637位漫画・アニメ・BL(イラスト集・オフィシャルブック)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年8月2日に日本でレビュー済み
イメージフォーラム界隈でよく名前を目にする実験映画研究家、という印象の強い西村智弘だけに、従来のアニメ史の死角を突くアニメ史書にちがいない、とは思っていたのだが、これほど意表をつくアプローチをするとは。明治から現代まで、アニメーションに対する名称の変化から日本人のアニメ観の変遷を辿る、という字義どうりの意味でラジカル(根源的)な日本アニメ史である。序文で西村は、戦前期のアマチュア映画作家たちのアニメーションを調査するため、当時の文献に触れたさいに感じた当惑について書いている。そして、戦前期の日本にアニメーションは存在しなかった、となんとも大胆極まりない結論を提示する。そんな馬鹿な、と誰でも思う。しかし、我々の認識する「戦前期日本のアニメ」とは結局のところ、「アニメーション」という後に構築された基準に沿った分類上、属する作品群、であって、作品を作った人たちのジャンル認識とはズレがある。我々は、つい「探偵小説」が戦後社会に対応するため「推理小説」に衣替えしたように、「漫画映画」もまた「アニメーション」に衣替えしたのだ、と考えてしまう。しかし、ことはそんな単純なものではなかった、という事実を改めて説くのが、この本である。実は、これと似たようなことはドキュメンタリー/記録映画にもいえることなのだが、それはとまれ、アニメーションとそのサブジャンルに対する戦前期のジャンル認識(分類法)は、アニメーションのデジタル化が進行・定着し、もはやコマ撮りであることを必要条件とする理由が喪失した現代こそ再認識されるべきではないか、という指摘はまさしくラジカルだ。別途に発表された論文をまとめたものなので、記述に重複が多いことと、ときおり荒い記述が見られる(たとえば、日本の文化映画、つまり短編映画業界は戦後、国策という後ろ盾を失ったため壊滅状態に陥った、というが、そうだろうか?その記述だと短編業界は戦中と戦後で断絶しているかのように読めてしまう。実際には断絶なぞしていなかったから「記録映画の戦争責任」論争が発生したのではなかったか?また、「テレビマンガ~アニメ」と「アニメーション~アートアニメ」ふたつのサークルの並立状況に関しても、このふたつの領域は徒に対立だけしてきたわけではないはずである)ことが気になるが、従来の日本アニメ史書とは一線を画すユニークな一冊である。
2019年11月5日に日本でレビュー済み
日本のアニメーションはもっと広い。そんなことは筆者も分かっているだろうが、結局個人目線の好みでしか選んでいない。そういう姿勢は研究者ではない。ましてや歴史書でもない。