夫婦の形は子供を間にはさんで、賑やかに歩み、やがて二人に戻り最後は一人ずつになる。でも挿入が出来ないなら夫婦という形にこだわることもない。それでもつがうのは愛情というより執着かもしれない。この作品の夫婦の夫のちんぽは特大という。女性の性器は初めは固くても徐々に柔らかくなるとしても、何年たってもそれを受け入れられない。それでもどちらも夜は寄り添いしても見ようと頑張る姿は可愛らしいとも思う。作品では主人公がしてあげられることにこだわるが、自然な感情だろう。反面、夫はどう思っているのだろう。してあげたいと思うようだが、してあげられない。それも切ないことだ。
どちらも好きだから一緒にいるというので十分かもしれない。老いればしなくてもあるいはできなくてもそれなりに通じる。挿入は行為の注進だが中核ではない。山だが峰は一つではない。ただそれは山の頂きに立ったから得られる諦念だろう。
単に恋人同士なら体の相性の問題で片付くが、夫婦の関係はそれ以外の部分のほうがはるかに大きい。性以外の部分、例えば経済とかだがこの作品の二人は恋人の時から関係性が変わっていないように見える。出会いの時から、主人公にとって夫は故郷と違う世界への導き手なのだろう。だからその手を離すのは、嫌な故郷に戻ることになる。ただ、大学進学で曲がりなりにも故郷を出たのだからそのまま進んでいけば良いのにとも思う。導いてくれる人が一人とは限らないだろう。
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