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バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書) Kindle版
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2017/5/20
- ファイルサイズ47842 KB
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商品の説明
メディア掲載レビューほか
一発逆転を狙ってモーリタニアに旅立った“バッタ博士"の記録
「大学院を出て、ポスドクとして研究室にいた頃は、安定した職もなく、常に不安に苛まれていました。博識でもなく、誇れるような実績もない。友達と楽しく飲んでいても、トイレにたったときに研究の手を止めた罪悪感に襲われる日々でした。なので、一発逆転を狙おうと」
日本ではスーパーで売っているタコの産地として知られるモーリタニア。バッタ研究者だった前野さんは、思い立って一路モーリタニアへ。このたび、かの地で経験した一部始終を記した『バッタを倒しにアフリカへ』を出版した。
「サバクトビバッタはアフリカで数年に1度大発生し、農作物に大きな被害を与えています。私はこのバッタの研究者なのに、人工的な研究室で飼育実験ばかりしており、野生の姿を見たことがなかった。自然界でのバッタを観察したいという気持ちもありました」
本書は、現地の言葉(フランス語)もわからずに飛び込んだ前野さんの冒険の記録でもある。
まえのうるどこうたろう/1980年秋田県生まれ。昆虫学者(通称バッタ博士)。弘前大学卒、神戸大学大学院、京都大学白眉センター特定助教などを経て、現在はつくば市の国際農林水産業研究センター研究員。他著に『孤独なバッタが群れるとき』がある。写真:著者提供
「渡航ぎりぎりまで、研究室でバッタを育てていて、フランス語の勉強を後回しにしちゃったんです。もう、とにかく現地に入れさえすれば、なんとかなるという気持ちでしたね。自分も人見知りではないほうでしたが、モーリタニアの人々は、道ゆく人がお互いに話しかける人懐こい人たちで、笑顔をつくる機会が多かったです。ちょっと分からないことがあっても、とりあえず笑顔で押し切りました」
世界的にみても、野生のサバクトビバッタの生態観察は、約40年ぶりになると前野さんは語る。活動が認められ、モーリタニアの高貴なミドルネーム「ウルド(〇〇の子孫)」を現地の上司から授かった。
現地にいってからも、なかなか出会えなかったバッタの大群。ついにまみえると、前野さんは長年の夢をかなえるべく、緑の全身タイツに着替えて仁王立ちに。本書のクライマックスだ。
「子どもの頃に、バッタの大群に女性が襲われ、緑色の服が食べられたという記事を読んで、自分もバッタに包まれてみたいと思っていたんです。今回、バッタにはスルーされましたが、なぜ私の衣装が食べられなかったのかも、ちゃんと調べています。アホかと思われるかもしれませんが、この夢を叶えるためにはバッタの食欲や飛翔、そして群れの動きを予測するための様々な研究が必要です。最終的に、私の頭の悪い夢がアフリカをバッタの食害から救うかもしれません」
評者:「週刊文春」編集部
(週刊文春 2017.07.06号 掲載)出版社からのコメント
バッタ博士は単身、モーリタニアへと旅立った。
それが、修羅への道とも知らずに……。
◎『孤独なバッタが群れるとき』の著者が贈る科学冒険ノンフィクション!
【本文より】
バッタの群れは海岸沿いを飛翔し続けていた。
夕方、日の光に赤みが増した頃、風向きが変わり、大群が進路を変え、
低空飛行で真正面から我々に向かって飛んできた。
大群の渦の中に車もろとも巻き込まれる。
翅音は悲鳴のように重苦しく大気を振るわせ、耳元を不気味な轟音がかすめていく。
このときを待っていた。
群れの暴走を食い止めるため、今こそ秘密兵器を繰り出すときだ。
さっそうと作業着を脱ぎ捨て、緑色の全身タイツに着替え、大群の前に躍り出る。
「さぁ、むさぼり喰うがよい」
【目次】
まえがき
第1章 サハラに青春を賭ける
第2章 アフリカに染まる
第3章 旅立ちを前に
第4章 裏切りの大干ばつ
第5章 聖地でのあがき
第6章 地雷の海を越えて
第7章 彷徨える博士
第8章 「神の罰」に挑む
第9章 我、サハラに死せず
あとがき
【著者プロフィール】
前野 ウルド 浩太郎(まえの うるど こうたろう)
昆虫学者(通称:バッタ博士)。1980年秋田県生まれ。国立研究開発法人
国際農林水産業研究センター研究員。神戸大学大学院自然科学研究科博士
課程修了。博士(農学)。京都大学白眉センター特定助教を経て、現職。
アフリカで大発生し、農作物を食い荒らすサバクトビバッタの防除技術の
開発に従事。モーリタニアでの研究活動が認められ、現地のミドルネーム
「ウルド(○○の子孫の意)」を授かる。著書に、第4回いける本大賞を
受賞した『孤独なバッタが群れるとき――サバクトビバッタの相変異と大
発生』(東海大学出版部)がある。
登録情報
- ASIN : B072FGTM65
- 出版社 : 光文社 (2017/5/20)
- 発売日 : 2017/5/20
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 47842 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 504ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 4,295位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 3位昆虫学
- - 16位生物・バイオテクノロジー (Kindleストア)
- - 24位光文社新書
- カスタマーレビュー:
著者について

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上位レビュー、対象国: 日本
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でも、研究者として生きていくのは大変です。
研究者として生きていくためのノウハウ本は、巷に溢れかえっています。多くは研究者として成功した偉い先生方が若い頃に体験したもので、それはそれで自分が研究者として生きていくために参考になることが多いです。が、しかしそれらの本はかなり一般化(抽象化)されていて、どの本も結構似ているように感じだと、研究者サバイバル本を読むことを趣味としている僕にとって、最近ちょっと食傷気味になっています。
そんな中、バッタの研究でポスドク時代を「バッタを倒しにアフリカへ」遠征して七転八倒する姿に抱腹絶倒する体験談のベストセラー本
前野 ウルド 浩太郎 (著)「バッタを倒しにアフリカへ」
を読んでみました。
博士号を取得した直後の著者・前野さんは、研究者として生きていくことの難しさを認識し出します。そして、一つの大きな賭けにでます。それは、日本国内で実験室でバッタを飼育して研究をするのではなく、アフリカで大問題となっているバッタの研究で現地に赴いてフィールドワークをするというものです。なぜそれが賭けなのかは、研究者の皆さんはご自身のポスドク時代の実体験として肯くと思いますが、研究者でない方々にはイマイチピンとこないかもしれません。
ここでは種明かしはしませんが、いくつもの困難が待ち受けているアフリカでの研究生活を七転八倒する姿をコミカルに描いている本書に読者は抱腹絶倒間違いなしだと思います。そして、自然に前野さんを応援したくなると思います。
現在博士課程の学生さんは、前野さんの体験談と困難に直面したときの思考や行動を、近い未来にやってくるご自身のポスドクサバイバル指南として読まれることをお勧めします。
研究者でない読者の方々は、ジェラシックワールドで、遺伝子操作で巨大バッタを作り出した研究者の苦悩(?)や、本書の装丁の仮面ライダーに変身している前野さんのアフリカでの活躍、探検部ばりの砂漠での野外生活、モーリタニアの人々の生活文化など、を楽しく読める本だと思います。
ところで、モーリタニアは蛸の日本への輸出が盛んだということで、アフリカ料理だけではなく、たこ焼きも読後に食べたくなってしまいました。
本書の中で、前回「ドードー鳥と孤独鳥」の書評で紹介した川端裕人さんが前野さんの取材にアフリカのモーリタニアまで来られた話もあります。アフリカの細かい砂で川端さんの高級なカメラがダメになったエピソードなども、アフリカの過酷な自然条件が臨場感あふれて描かれていました。
追記:
川端裕人さんが前野ウルド浩太郎さんをモーリタニアで取材したナショナルジオグラフィックでの連載記事は、川端裕人(著)「「研究室」に行ってみた。」の第一章「砂漠のバッタの謎を追う」で詳しく読むことができますので、そちらもお勧めです。
人生どうなるか分からないものだと感じた。
生きのいい文章とポジティブ・シンキングな行動力のおかげで、わくわくしながら読んでいくことができました。ブラヴォー!
あちこち面白くて、引用したい文章がいっぱいあるけど、ここは我慢して、バッタ博士のバッタ好きがよく出ている文章をひとつだけ引かせていただきます。
《昨日は孤独相、今日は群生相。私はなんとツイているのだろう。十分に撮影できたので、お次は彼女を浜辺で追いかけるように、群生相を執拗に追いかけ回し、逃げ惑うバッタたちと戯(たわむ)れる。なんと贅沢なひとときだろうか。怯えるバッタも愛おしい。(中略)それにしても、サハラ砂漠はなんて楽しい場所だろう。次から次へとウキウキが訪れてきて胸の高鳴りをおさえるのが大変だ。》p.48~49
掲載写真がたくさんあったのも良かったな。
写真に付いてるコメントも楽しかったです。
〈バッタ博士ふたたび〉と副題の付いた次なる一冊を、楽しみに待ちたいと思います。
そんな人でさえ、作中で自分の好きに自問自答しているのをみると、自分も頑張らなくてはと思える。
中高生に課題図書にしたらいい。読書感想文も読んでみたい。