有名なエピソードだが、映画『2001年宇宙の旅』冒頭の部分でこのカラヤン/ウィーン・フィル盤が使われている。映画の大成功もあり、曲そのものが大きな注目を集めるとともに、当初、使用音楽の一部の修正もあり、そのため契約関係で指揮者・演奏団体があえて秘匿されたことから、いっそう本盤が脚光を浴びることとなった(なお、当初のサウンドトラック盤はあえてベーム/ベルリン・フィルに差し替えられたが、最新のサウンドトラックCD(EMI)は本カラヤン盤に戻っているという)。
このカラヤン/ウィーン・フィル盤によって「ツァラトゥストラ」自体が人口に膾炙した一因にもなっただろうが、こうしたカラヤン・エピソードはほかにも数多い。気宇浩然たるこの曲の特質をあますところなく表出した本盤はいま聴いても新鮮であり、かつこの演奏を評価されたら是非、同路線をゆくテンシュテット盤(→
Also Sprach Zarathustra / Don Juan / 4 Last Songs
)にも耳を傾けていただきたい。
◆R.シュトラウス:交響詩『ツァラトゥストラはかく語りき』作品30 (1959年)
◆R.シュトラウス:『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯』作品28 (1961年)
◆R.シュトラウス:交響詩『ドン・ファン』作品20 (1961年)
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Legendary Decca Recordings
も参照