ドナルド・トランプ氏(以下「トランプ」と略)に関する作品へのレビューは、彼が米国大統領に就任してから本書が5作目(共和党予備選時代にレビューした作品を含めると7作目)にあたる。
著者の渡瀬裕哉氏は全米の保守指導者が集うFREEPACに日本人賓客として初めて招かれた、日本においては数少ない米国保守派とパイプのある研究者であり、WEB言論プラットフォーム「アゴラ」フェローとして、米国政治を含めた政治行政分野で多くの記事を投稿されているブロガーである。
予備選の頃に著者の個人ブログ「切捨御免!ワタセユウヤの一刀両断!」(以下「ブログ」と略)を偶然見つけて、それ以来ほぼ毎日のように閲覧しているのだが、今回本書が出版された事及び本書へたとえ拙くともレビュー出来た事は、たいへん喜ばしいことである。
第1章では、客観的な数字データを基に、トランプが大統領選に勝利した背景(そして米国メディアがあれほど偏向していた理由)について説明している。
第2章では、トランプを大統領へ押し上げた共和党保守派を中心に、日本には一般的に殆ど知られていない、アメリカの真の姿を概説している。
第3章では、トランプ政権の各閣僚にスポットをあてると共に、彼ら(特に保守派)を各々の省庁部局の長に配置したトランプの狙いについて解説している。
第4章では、トランプ・保守派連合政権に日本がどのように向き合うべきかについて、提言している。
第5章では、米国のみならず世界中を席巻しているポピュリズムについて述べるとともに、日本のそれが今後どうあるべきかについて述べている。
「トランプの黒幕」である共和党保守派が自立(政府依存しない!)と愛国といった「米国建国の理念」に根差しており、民主党リベラルとは異なって性別/肌の色/所得などの階層で人を区別しない(一例として、著者が保守派の会合に出席した際、嫌がった出席者の一人を保守派の大物であるノーキスト氏が一喝した記述がある)人々であることが良くわかった。
日本人(特に政治家・官僚)が米国留学等で交流する人々(民主党、大学研究者、どちらかというとリベラル寄りの共和党主流派等)はリベラルばかりなのだが、上記で述べたように保守派の方が日本人にとっては付き合いやすいように思われるし、今後は保守派が躍進していくと考えられるので(国連大使のニッキー・ヘイリーは保守派のホープで米国初の女性大統領候補と目されている)、彼らと政治・経済・外交等において強固な繋がりを構築する事は、日本の将来にとっては急務であろう。
ちなみに著者と同じく「アゴラ」常連のY氏は、「アゴラ」投稿記事において、未だにリベラル派への「保険」をかけるように主張している(保守派とのパイプを同時に築けとは言っていない)のだが、彼が「政官民」のトライアングル(米国保守派にとっては政治腐敗の象徴!)を推進してきた旧通産省の官僚出身であることと、果たして無関係なのであろうか。
ただ、不安なのはトランプと保守派との関係は、実は微妙であるということである。
トランプ自体が元々強固な思想・信条を持たない(共和党員ですらない)人物であるばかりか、彼の身内である娘のイヴァンカ氏と娘婿のクシュナー氏の台頭は、保守派にとって本来望ましくないのである。
加えて、議会対策においてはどうしても共和党主流派のみならず民主党とも妥協しなければならず、保守派の政策がそのまま実現するかは微妙なところである。
保守派の方も、ヘリテージ財団会長のジム・デミント氏が5月に入って解任された。その理由は、トランプ政権に過度に肩入れした為などといわれている。
トランプと保守派の今後の関係は、以上に見たように不安定かつ不透明なのである。
しかしそれでも、保守派が米国政治において強い勢力となっているのは変わらず、たいへん羨ましく思えるのである。
翻って日本を見ると、著者が述べている日本の「保守」は、近頃ゲストブロガーとして「アゴラ」へ寄稿した中川八洋氏がブログ「中川八洋掲示板」やその他の著作によれば、1980年代から江藤淳を中心に形成されたという「民族派」でしかないとのことである。
中川氏によると、戦後の知識人で確実に「保守」だと看做すことが出来る人物は、評論家に限定すれば、福田恆存/林健太郎/竹山道雄/磯田光一、の4名位しかいないという。
彼らは個人の責任と自立を説いたのみならず、親米派でかつ日本の近代化以降の歩みについては、左翼と異なり完全否定はしないが、少なくとも懐疑的な視点を持っていたのである。
例えば、磯田は『思想としての東京』において、東京を「薩長と米国による二重占領体制」と大胆に看做して、東京そして日本の発展の歴史について緻密な分析を行っている(このような視点は『戦後史の空間』他でも見られる)。
著者曰く明治維新を「妄信」しているという「民族派」とは雲泥の差であり、彼ら4人が既に鬼籍に入っているのは、たいへん残念である。
戦前から市場経済を擁護した経済学者であり戦後は衆議院議員であった山本勝市(「日本のミーゼス」)を取り上げているのも評価できる(私は経済学部だったが、山本勝市は中川氏の著作で知った)。
カバーに経歴が載っているのだが、著者は私より3つ上とのことなので、年齢が近いせいか何だか親近感を持てた。
ところで、磯田の「東京」論に触れたところで、著者にも東京都の政治行政について数多くの記事があることを思い出した。
次回は、著者の「東京」論に関する著作を期待したいものである。
追伸
ブログ記事(平成29年4月29日付)によると、米国共和党保守派の著作を翻訳出版する出版社を探しているとのこと。
少しでも多くの出版社が名乗り出られることを願っている。
私は報道・出版関係者ではないので、もし出版費用のカンパが必要であれば、及ばずながら是非とも著者へ協力したいと思う。

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
トランプの黒幕 日本人が知らない共和党保守派の正体 単行本 – 2017/4/1
渡瀬裕哉
(著)
2016年の米国大統領選において誕生したトランプ政権。
なぜ、多くの日本人は「トランプ敗北・ヒラリー勝利」の誤ったシナリオを妄信してしまったのだろうか?
その原因は、米国共和党についての基本的知識、特に共和党保守派の重要性についての認識がなかったことにある。そして、それはトランプ大統領が就任してからも何も変わっていない。
今、米国では民主党から共和党へ、そして共和党主流派から保守派へという二重の政権交代が起こっている。
トランプ政権の誕生は、単に「白人低所得者層の不満」や「ポピュリズム」が理由などでは、決してない。
にもかかわらず、トランプ当選後のメディアは、「隠れトランプ」の支持などという大嘘の説明を続け、自らの誤りを検証していない。このままでは、日本は今後の対米認識と対応について、致命的なミスを犯すであろう。今、私たちはトランプに関するメディアや有識者らのヒステリックな反応から距離を取って、トランプ政権の本質に迫る冷静な考察を深めなければならない。
早い時期からトランプの当選を予測して話題の著者が、メディアが伝えないトランプ政権の本質に迫る。
日米関係、そして世界情勢の今後について考えるために必読の書。
なぜ、多くの日本人は「トランプ敗北・ヒラリー勝利」の誤ったシナリオを妄信してしまったのだろうか?
その原因は、米国共和党についての基本的知識、特に共和党保守派の重要性についての認識がなかったことにある。そして、それはトランプ大統領が就任してからも何も変わっていない。
今、米国では民主党から共和党へ、そして共和党主流派から保守派へという二重の政権交代が起こっている。
トランプ政権の誕生は、単に「白人低所得者層の不満」や「ポピュリズム」が理由などでは、決してない。
にもかかわらず、トランプ当選後のメディアは、「隠れトランプ」の支持などという大嘘の説明を続け、自らの誤りを検証していない。このままでは、日本は今後の対米認識と対応について、致命的なミスを犯すであろう。今、私たちはトランプに関するメディアや有識者らのヒステリックな反応から距離を取って、トランプ政権の本質に迫る冷静な考察を深めなければならない。
早い時期からトランプの当選を予測して話題の著者が、メディアが伝えないトランプ政権の本質に迫る。
日米関係、そして世界情勢の今後について考えるために必読の書。
- 本の長さ248ページ
- 言語日本語
- 出版社祥伝社
- 発売日2017/4/1
- ISBN-104396615973
- ISBN-13978-4396615970
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
早稲田大学公共政策研究所地域主権研究センター招聘研究員。Tokyo Tea Party 事務局長。1981年生まれ。早稲田大学大学院公共経営研究科修了。創業メンバーとして立ち上げたIT企業が一部上場企業にM&Aされてグループ会社取締役として従事。また、東国原英夫氏など自治体の首長・議会選挙の政策立案・政治活動のプランニングにも関わる。退職後、日米間のビジネスサポートに取り組み、米国共和党保守派と深い関係を有することからTokyo Tea Partyを創設。全米の保守派指導者が集うFREEPACにおいて日本人初の来賓となった。その知見を活かして、ブログ・ツイッターなどで日米の政治についての分析を発信している。
登録情報
- 出版社 : 祥伝社 (2017/4/1)
- 発売日 : 2017/4/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 248ページ
- ISBN-10 : 4396615973
- ISBN-13 : 978-4396615970
- Amazon 売れ筋ランキング: - 595,813位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 4,265位外交・国際関係 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

日系・外資系ファンド30社以上にトランプ政権の動向に関するポリティカルアナリシスを提供する国際情勢アナリスト。
ワシントンD.Cで実施される完全非公開・招待制の全米共和党保守派のミーティングである水曜会出席者、テキサス州ダラスで行われた数万人規模の保守派集会FREEPACへの日本人唯一の来賓者。
チャンネルくらら で動画を配信中
https://www.youtube.com/channel/UCDrXxofz1CIOo9vqwHqfIyg
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2017年5月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2017年4月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
二重というのは、民主党から共和党へそして共和党主流派から共和党保守派(草の根団体)へという意味である。
トランプ大統領とは、共和党保守派が押し上げたものである。
「白人低所得者層の不満」、「ポピュリズム」ではない。
「隠れトランプ」などは、予測を誤ったメディアのお粗末な言い訳に過ぎない。
さて、共和党保守派とは一体何ものであろうか。
日本に入って来る情報は、彼らを蔑視するアメリカリベラル学者の言説であり、日本の学者はその受け売りをするのである。翻訳学者のレベルである。
マスコミにしてもアメリカのリベラルメディアのそれを垂れ流すのみである。
これらの状況は、トランプ政権誕生後も変わっていない。何故、誤ったのかの検証をしせず、それに対して知らんぷりしているからである。
このままでは、日米関係に致命的ミスを犯す可能性がある。
トランプ大統領は、大統領令・覚書により法の厳格な適用・規制緩和・政府関与の縮小・許認可のスピードアップ・テロリスト対策等々を粛々として実行中である。
その政策の本質は「行政国家」の解体である。
それは、通常の独裁者であれば自殺行為である。
著者は、日本国内で数えきれない選挙に関わったプロであった。
早くから、トランプ当選を予測し適中した。選挙分析を正しく解釈したのであった。知性の自主性である。
全米保守連合がワシントンに於いて毎年開催する年次総会がある。著者は、毎年参加していて知人も多い。「保守とは何か」、「何が解決すべき課題か」を三日間に亘り論議するのである。政治家の発掘・養成・政治手法の機会も用意されている。日本の保守もこういったシステムを参考にすべきではないのか。
日本のメディアは、ごく一部を除き無関心であるが何故、誤ったのかの検証をせずに参加してもステレオタイプな結論となるのは目に見えている。
外務省も完全に予想を外し茫然とした状態であった。
救いは、政治家の動物的勘による安倍総理の行動であった。今回は、成功したがこれは、危ない。
3月27日、橋下さんはワシントンの戦力国際研究所で講演した。司会者は、マイケル・グリーンであった。
トランプ政権は、従来のカウンターパートの大半を放逐中であるそうである。果して、吉か凶か。
トランプ大統領とは、共和党保守派が押し上げたものである。
「白人低所得者層の不満」、「ポピュリズム」ではない。
「隠れトランプ」などは、予測を誤ったメディアのお粗末な言い訳に過ぎない。
さて、共和党保守派とは一体何ものであろうか。
日本に入って来る情報は、彼らを蔑視するアメリカリベラル学者の言説であり、日本の学者はその受け売りをするのである。翻訳学者のレベルである。
マスコミにしてもアメリカのリベラルメディアのそれを垂れ流すのみである。
これらの状況は、トランプ政権誕生後も変わっていない。何故、誤ったのかの検証をしせず、それに対して知らんぷりしているからである。
このままでは、日米関係に致命的ミスを犯す可能性がある。
トランプ大統領は、大統領令・覚書により法の厳格な適用・規制緩和・政府関与の縮小・許認可のスピードアップ・テロリスト対策等々を粛々として実行中である。
その政策の本質は「行政国家」の解体である。
それは、通常の独裁者であれば自殺行為である。
著者は、日本国内で数えきれない選挙に関わったプロであった。
早くから、トランプ当選を予測し適中した。選挙分析を正しく解釈したのであった。知性の自主性である。
全米保守連合がワシントンに於いて毎年開催する年次総会がある。著者は、毎年参加していて知人も多い。「保守とは何か」、「何が解決すべき課題か」を三日間に亘り論議するのである。政治家の発掘・養成・政治手法の機会も用意されている。日本の保守もこういったシステムを参考にすべきではないのか。
日本のメディアは、ごく一部を除き無関心であるが何故、誤ったのかの検証をせずに参加してもステレオタイプな結論となるのは目に見えている。
外務省も完全に予想を外し茫然とした状態であった。
救いは、政治家の動物的勘による安倍総理の行動であった。今回は、成功したがこれは、危ない。
3月27日、橋下さんはワシントンの戦力国際研究所で講演した。司会者は、マイケル・グリーンであった。
トランプ政権は、従来のカウンターパートの大半を放逐中であるそうである。果して、吉か凶か。
2018年2月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アメリカの保守派の関心ごと、ものの考え方に触れることができる。見識に関しては確かに他のアメリカ専門家にないものがあり参考になる。他者批判が行き過ぎるところに筆者の若さを感じるが、より自信を身につけ言動が思慮深くなれば、さらに読み応えのあるアメリカ本が出てくるのではないか。ともあれアメリカ政治に関心がある人にとっては一読の価値があると思う。
2019年3月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
民主党、共和党。の違いだけでなく各派閥の政策、思想の違いがわかりやすく、今のトランプ大統領の立ち位置が明確になりました。こういう基本情報がめちゃくちゃな既存メディアの報道では混乱するだけでした。必読!
ついでに、アメリカドラマ、映画をみていて保守とリベラルのくだりとかより理解できるようになった!
ついでに、アメリカドラマ、映画をみていて保守とリベラルのくだりとかより理解できるようになった!
2019年5月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
トランプの事を、よく調べた良い本である。
他が、個々の言論を書き連ね、悪印象を世間に晒しているが、この本は客観的にトランプを捉えて評している。
他が、個々の言論を書き連ね、悪印象を世間に晒しているが、この本は客観的にトランプを捉えて評している。
2017年4月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
トランプの黒幕と題された本書。
日本の弱点もしっかり論究されている。
誰も知らない山本勝市 福祉国家亡国論―自由社会における福祉の限界 (1975年) とか
日本の保守と米国の保守の違い
最期まで読まないとなりません
日本の弱点もしっかり論究されている。
誰も知らない山本勝市 福祉国家亡国論―自由社会における福祉の限界 (1975年) とか
日本の保守と米国の保守の違い
最期まで読まないとなりません
2018年2月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
webの記事も沢山読ませて頂きました。渡瀬さんのような方がもっと出てきていただきたいと思います。
本に関してはロジックもしっかりして大変理解しやすく、トランプ政権を知る上で必要な情報が整理されており、時間を忘れて引き込まれて読み切ってしまいました。私もヒラリーが当選する事をメディアの情報から信じていたので、トランプが何故当選したのかがよく分かりましたし、アメリカ、共和党保守派が目指している小さな政府についても共感出来ることもあり、出来る事ならば日本の政党、政府も政財官のシステムを無くすように願うばかりです。
本に関してはロジックもしっかりして大変理解しやすく、トランプ政権を知る上で必要な情報が整理されており、時間を忘れて引き込まれて読み切ってしまいました。私もヒラリーが当選する事をメディアの情報から信じていたので、トランプが何故当選したのかがよく分かりましたし、アメリカ、共和党保守派が目指している小さな政府についても共感出来ることもあり、出来る事ならば日本の政党、政府も政財官のシステムを無くすように願うばかりです。
2017年4月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
トランプ大統領は、素朴な共和党支持者と共和党保守派との後押しで誕生したのが実態であったという事がデータを交えて示されていてよく理解できた。
さらに、政権内部の人事の内実も分かりやすかったが個人的には、イバンカとクシュナーの位置付けがもう少し詳細に記されていると良かった。
また、アメリカではメディアの情報を自分で判断して行動していると記述されているが、日本での政権に飼い慣らされたマスコミ情報を何の疑いも無く信じてしまう意識の低さが際立つ内容であった。
ただし、結論の所で国民を守る保護主義の良い所をあっさりと切り捨て、大企業が殆どの利益を独占するためのグローバル化を自由主義的に形成されることを望まれるとあることには、違和感を感じましたが、一読に値する本でした。
さらに、政権内部の人事の内実も分かりやすかったが個人的には、イバンカとクシュナーの位置付けがもう少し詳細に記されていると良かった。
また、アメリカではメディアの情報を自分で判断して行動していると記述されているが、日本での政権に飼い慣らされたマスコミ情報を何の疑いも無く信じてしまう意識の低さが際立つ内容であった。
ただし、結論の所で国民を守る保護主義の良い所をあっさりと切り捨て、大企業が殆どの利益を独占するためのグローバル化を自由主義的に形成されることを望まれるとあることには、違和感を感じましたが、一読に値する本でした。