最初、部下から密告された『背任重役』で、連載された企業小説のレベルだった。
それが数日すると、親会社ルノーによる乗っ取りを嫌った、子会社日産の反乱になった。
10日後、司法を走狗とする日本と、産業社会主義国家フランスの、自動車産業を賭けた決闘になっていた。
「なぜ?」と疑問をいだく間もなく、とにかく、出演者と舞台のグレードアップというのか、エスカレーションがきわめて短期間におきた。
この本では、いままでに起きたエスカレーションの背景について語られ、さらなるエスカレーションをも考えることができる、としています。
あとこっちが本音なのでしょうが、この本では、ふつうの日本人であるならば、絶対に気がつかないある事柄について詳述しています。
それは、アメリカが国家戦略上、フランスに対して抱いている嫌悪感についてです。
まずその嫌悪感の方からいうと、昨年11月11日に、第一次世界大戦終結100年の式典が行われたそうですが、その数日前、マクロン氏はアメリカを敵だといい、ヨーロッパ軍の創設を提唱したそうです。当然、トランプ氏は激怒することとなり、“そんなこと言う前にNATOに公平な分担金を入れろ”、“先の二つの大戦でフランスの敵はドイツだった”、“フランスはもともと勝ち組ではない”、“ナショナリストめ”と、式典では一触即発の状況になったそうです(79頁)。
それは去年の話なのだけど、30年も前の湾岸戦争の原因にもフランスは絡んでいた、と述べられています。
フセインイラクというのはもともと、周囲の産油国のスンニ派への橋掛け、アメリカへの原油輸出を目的に、米CIAがつくった国家だったそうです。そこにフランスが原油のユーロ決済をちらつかせて横槍を入れたがために、結局は湾岸戦争に至ったとのことです(83頁)。
アメリカの本音を言ってしまえば、まず中国をぶっ叩きたいと。
できれば、返す刀でドイツとフランスもぶっ叩きたい…。
そうした野望が強烈な上昇気流となって、今回のようなエスカレーションがおきたのだ、と言ってのけているのがこの本です。
今回の事件は、単なるカリスマ経営者の不正ということだけではなくて、その裏側で、アメリカとフランスの対立、サプライチェーンの変更などもかかわっている、と述べられています(78頁)。
実際の逮捕劇については、“ゴーン逮捕から日産側の記者会見、そしてゴーンの会長解任まで、きわめてスピーディかつスムーズに事が運ばれており、(…中略…)官邸や経済産業省にも事前に話はいっていたはずだ。むしろゴーンの逮捕については、経済産業省からのGOが出ていた可能性もある(49頁)。”
“メルケル首相とも反目し、マクロン大統領とも関係が悪くなっているなかで、ゴーン逮捕、ルノー・日産の関係変化はトランプ大統領にとっても悪い話ではないだろう(163頁)”
フランスという国は、インフラ基幹産業を半官半民として、その国際グローバル展開に政治介入し、経営危機に際しては資金援助するという、産業社会主義ともいうべき国家体制をしいています。中国では共産党支配、フランスでは官僚支配という点でこそ異なりますが、体制としてはそっくりです。
こうしたことの象徴としてあるのが、56頁で言及されている、L'Agence des participations de l'État (APE)で、フランス版人民公社出資機関です。
この本でフランスと中国の国家体制の類似について、両国名を近くに並べ、皮肉に言及しているところをあげると、
59頁: …だからこそ“ヨーロッパの中国”と言われるのである。
64頁: …改革開放後の中国に類似しているといえるのだ。
73頁: …現状も、中国とほとんど同じである。
111頁: …中国と変わらぬやり方への強い懐疑の念があったわけだ。
アメリカは、こうした産業社会主義というのか、インフラ植民地主義というのかが気に入らないし、近々対決を顕わにしようとしている中国と同一視している、としています。
最初にふれたエスカレーションの果てに、なにがあってなにが見えるのか、ということについては、167頁と177頁で述べられています。
まず、なにがあるのかというと、“アメリカは中国、ドイツ、フランスと対立し、イギリスはドイツ、フランスが主導するEUと対立、日本は中国と対立するというように、海洋国家と大陸国家の対立構造が鮮明に浮かび上がって” くるのだ、と。
なにが見えるかって?! それは読者のそれぞれの視力によるけれど、でも、“ザマの戦い”でしょう…。 この本の、めくったページのすきまから、近い未来に、2000年の時を超えて、読者はそれを見ればいいんだ!
読者を、そんなエスカレーション(or グレードアップ)の果てまでいざなってくれるのが、この本です!
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ゴーン・ショック! 事件の背後にある国家戦略と世界経済の行方 新書 – 2018/12/22
渡邉哲也
(著)
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・報酬受取という租税回避の手口
・フランス政府と日本の経産省や日産との激突
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- 本の長さ200ページ
- 言語日本語
- 出版社徳間書店
- 発売日2018/12/22
- 寸法11.7 x 1.3 x 17.4 cm
- ISBN-104198647674
- ISBN-13978-4198647674
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商品の説明
著者について
作家・経済評論家。1969年生まれ。日本大学法学部経営法学科卒業。貿易会社に勤務した後、独立。複数の企業運営などに携わる。大手掲示板での欧米経済、韓国経済などの評論が話題となり、2009年、『本当にヤバイ!欧州経済』(彩図社)を出版、欧州危機を警告し大反響を呼んだ。内外の経済・政治情勢のリサーチや分析に定評があり、さまざまな政策立案の支援から、雑誌の企画・監修まで幅広く活動を行っている。『これからすごいことになる日本経済』『パナマ文書』『決裂する世界で始まる金融制裁戦争』(以上、徳間書店)などベストセラー多数。その他、『これからヤバイ 米中貿易戦争』(徳間書店)、『あと5年で銀行は半分以下になる』(PHP研究所)、『GAFA VS. 中国』(ビジネス社)など話題作を次々と世に送り出している。
登録情報
- 出版社 : 徳間書店 (2018/12/22)
- 発売日 : 2018/12/22
- 言語 : 日本語
- 新書 : 200ページ
- ISBN-10 : 4198647674
- ISBN-13 : 978-4198647674
- 寸法 : 11.7 x 1.3 x 17.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 661,428位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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- カスタマーレビュー:
著者について
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作家・経済評論家。1969年生まれ。
日本大学法学部経営法学科卒業。貿易会社に勤務した後、独立。複数の企業運営などに携わる。大手掲示板での欧米経済、韓国経済などの評論が話題となり、2009年『本当にヤバイ!欧州経済』(彩図社)を出版、欧州危機を警告しベストセラーになる。内外の経済・政治情勢のリサーチや分析に定評があり、さまざまな政策立案の支援から、雑誌の企画・監修まで幅広く活動を行っている。
公式HP http://www.watanabetetsuya.info/
人気経済ブログ「代表戸締役 ◆ jJEom8Ii3E の妄言」
人気メルマガ渡邉哲也の今世界で何が起きているのか http://foomii.com/00049 を運営している。
連絡先はinfo@watanabetetsuya.info
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年12月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ゴーン氏の不正行為は、いま捜査中なので、この著書の
なかでも、新聞やテレビの情報と同じである。
一番しりたいことは、なぜ巨額の報酬を受け取っていながら、犯罪行為までして、蓄財する必要があったのかという
動機の解明だ。その金をなにに使うつもりだったのか。
離婚訴訟費が、莫大なのでとか、あるいは、単に老後の生活のためとか、ブラジル大統領出馬の選挙資金とか憶測ではあるが、この本では、そういうのは、全く触れられていないのが、残念。国際政治や世界経済のことを、ゴーン事件に絡めて
説明しているが、無理矢理結びつけた感がある。
なかでも、新聞やテレビの情報と同じである。
一番しりたいことは、なぜ巨額の報酬を受け取っていながら、犯罪行為までして、蓄財する必要があったのかという
動機の解明だ。その金をなにに使うつもりだったのか。
離婚訴訟費が、莫大なのでとか、あるいは、単に老後の生活のためとか、ブラジル大統領出馬の選挙資金とか憶測ではあるが、この本では、そういうのは、全く触れられていないのが、残念。国際政治や世界経済のことを、ゴーン事件に絡めて
説明しているが、無理矢理結びつけた感がある。
2019年1月17日に日本でレビュー済み
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単に日産とルノーの問題ではなく、アメリカ対中国、トランプ対マクロンという政治経済の視点から記述されていて、興味深い。
ゴーン逮捕の詳細ではない。
政治経済から見た一つの事象と捉えて読むと楽しめると思う。
ゴーン逮捕の詳細ではない。
政治経済から見た一つの事象と捉えて読むと楽しめると思う。
2018年12月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
カルロス・ゴーン逮捕の一報が出たのは11月19日。
日産自動車会長というだけでなく、自動車業界では世界第二のシェアを持つルノーグループの会長兼最高経営責任者の逮捕に、大げさでなく世界中が衝撃を受けました。
それから約1カ月後の12月22日。
私たちは別の意味で衝撃を受けました。
もちろんこの『ゴーン・ショック』の発売です。
出版業界には出版業界のルールというか暗黙の掟があります。
企画から発売まで1カ月という緊急出版、しかも年末の忙しい時期で、さらに連休前という12月22日に発売……。
常識では考えられません!
そんな掟破りの緊急出版を成し遂げたのが、経済評論家の渡邉哲也先生と徳間書店。
いい意味でクレイジーです。
取次や運送会社の恨み節などなんのその……、緊急出版とは思えぬ濃厚さで日産・ルノー問題の本質に斬りこんでいます。
おりしも発売日の前日にゴーン氏が再逮捕されるというタイムリーさ。
なんというか、これはもう、この本を多くの人に読んでほしいという天の意思ではないでしょうか。
私には、そう思えてなりません。
さて、そんな話題性バツグンの本書ですが、内容のほうも濃密であります。
まず本文が197ページと、緊急出版とは思えないページ数です。
全体は4章構成。
1章あたりの分量は多めなのですが、読みやすいのでページ数の多さも気になりません。
第1章「ゴーン逮捕の背後にある世界の経済覇権争い」では、主に日産とルノー、日本とフランスの関係を中心に解説しています。
第2章「ゴーン・ショックとアメリカ」では、日仏関係の裏で米仏関係の問題があり、それが日産とルノーの関係に及ぼした影響を指摘しています。
第3章「強欲グローバリズムの終焉と世界秩序の激変」では、ゴーンによる日産への損失着け替えを入り口にグローバリスト、グローバリズムの悪影響とそれが変化していくことを解説。ルノーの中国への傾斜と、日産・三菱をめぐる米英の思惑なども指摘しています。
第4章「分断する世界で進む企業大再編」では、APEC、G20から見えてくる世界秩序の再編成とフランスの混乱などを取り上げ、大規模な企業再編が世界的に行なわれることを予言しています。
私が特におもしろく感じたのは、1章後半のフランス政府の話と3章後半のルノーグループの中国傾斜のあたりです。
フランスは「ヨーロッパの中国」と揶揄されることもありますが、本当に変なところが似ているものだと呆れてしまいました。
今まさにフランスで「黄巾の乱」が起こっているのも歴史の必然なのかもしれませんね。
さてさて、渡邉哲也先生と徳間書店といえば、11月30日に『2019年 アメリカはどこまで中国を崩壊させるか』を出したばかりです。
本書は、日仏中心に米英にスポットを当てているので、重複する部分も少なく、前著を買われた方も興味深く読めると思います。
しかも、これで値段が1000円(税別)なのですから、お買い得以外の何物でもないでしょう。
本書は年末年始の読書のおともに、オススメしたい一冊です。
日産自動車会長というだけでなく、自動車業界では世界第二のシェアを持つルノーグループの会長兼最高経営責任者の逮捕に、大げさでなく世界中が衝撃を受けました。
それから約1カ月後の12月22日。
私たちは別の意味で衝撃を受けました。
もちろんこの『ゴーン・ショック』の発売です。
出版業界には出版業界のルールというか暗黙の掟があります。
企画から発売まで1カ月という緊急出版、しかも年末の忙しい時期で、さらに連休前という12月22日に発売……。
常識では考えられません!
そんな掟破りの緊急出版を成し遂げたのが、経済評論家の渡邉哲也先生と徳間書店。
いい意味でクレイジーです。
取次や運送会社の恨み節などなんのその……、緊急出版とは思えぬ濃厚さで日産・ルノー問題の本質に斬りこんでいます。
おりしも発売日の前日にゴーン氏が再逮捕されるというタイムリーさ。
なんというか、これはもう、この本を多くの人に読んでほしいという天の意思ではないでしょうか。
私には、そう思えてなりません。
さて、そんな話題性バツグンの本書ですが、内容のほうも濃密であります。
まず本文が197ページと、緊急出版とは思えないページ数です。
全体は4章構成。
1章あたりの分量は多めなのですが、読みやすいのでページ数の多さも気になりません。
第1章「ゴーン逮捕の背後にある世界の経済覇権争い」では、主に日産とルノー、日本とフランスの関係を中心に解説しています。
第2章「ゴーン・ショックとアメリカ」では、日仏関係の裏で米仏関係の問題があり、それが日産とルノーの関係に及ぼした影響を指摘しています。
第3章「強欲グローバリズムの終焉と世界秩序の激変」では、ゴーンによる日産への損失着け替えを入り口にグローバリスト、グローバリズムの悪影響とそれが変化していくことを解説。ルノーの中国への傾斜と、日産・三菱をめぐる米英の思惑なども指摘しています。
第4章「分断する世界で進む企業大再編」では、APEC、G20から見えてくる世界秩序の再編成とフランスの混乱などを取り上げ、大規模な企業再編が世界的に行なわれることを予言しています。
私が特におもしろく感じたのは、1章後半のフランス政府の話と3章後半のルノーグループの中国傾斜のあたりです。
フランスは「ヨーロッパの中国」と揶揄されることもありますが、本当に変なところが似ているものだと呆れてしまいました。
今まさにフランスで「黄巾の乱」が起こっているのも歴史の必然なのかもしれませんね。
さてさて、渡邉哲也先生と徳間書店といえば、11月30日に『2019年 アメリカはどこまで中国を崩壊させるか』を出したばかりです。
本書は、日仏中心に米英にスポットを当てているので、重複する部分も少なく、前著を買われた方も興味深く読めると思います。
しかも、これで値段が1000円(税別)なのですから、お買い得以外の何物でもないでしょう。
本書は年末年始の読書のおともに、オススメしたい一冊です。
2019年1月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書にあることが、どこまで的を得ているかは、今後捜査の進捗で見えてくるだろう。
フランスの中国傾斜にアメリカがそれに待ったをかけようとしたという見立ては、まぁ当たっているだろう。
このこと自体は国際的政治力学に興味のある人間ならば、おおよそ想像できることだが、このスピード刊行には驚いた。
いわば、著者のこれまでの研究から導きだした「予想記事」でもある。
それが実に面白く、そして凄い!
結果論で言うやつはたくさんいるが、進行中の経済事件をこの時点で、予想を立てるのは勇気がいるものだ。
そしてこの内容が「競馬の予想屋」的で妙な説得力がある。(失礼。著者を愚弄する気は毛頭ない)。
立て板に水のごとく流れる口上を聞いているようで、心地いい。
渡辺哲也氏は、おそらく自分の研究の積み重ねの上で、ある確信を持っているんであろう。
そしておそらく、書いていない部分もたくさんある。
まるでワイドショーの芸能ニュースの解説を見ているようで楽しかった。
今後、本作に書かれた背景を想像しながら、事件の経過を眺望することにする。
渡辺哲也さん、事件が尻切れトンボのような形で終結したら、ここに書いていないことをぜひお願いしたい。
グローバリズムは尊重すべきだ。ただし、それを国家単位で利用している国は、実はそれこそが、ナショナリズムであろう。
中国が反ナショナリズムだって誰が信じる? 愛国主義国家だろうよ!
フランスもなぁ……たしかに産業社会主義だよなぁ……というため息を漏らしながら、本書に共感した。
フランスの中国傾斜にアメリカがそれに待ったをかけようとしたという見立ては、まぁ当たっているだろう。
このこと自体は国際的政治力学に興味のある人間ならば、おおよそ想像できることだが、このスピード刊行には驚いた。
いわば、著者のこれまでの研究から導きだした「予想記事」でもある。
それが実に面白く、そして凄い!
結果論で言うやつはたくさんいるが、進行中の経済事件をこの時点で、予想を立てるのは勇気がいるものだ。
そしてこの内容が「競馬の予想屋」的で妙な説得力がある。(失礼。著者を愚弄する気は毛頭ない)。
立て板に水のごとく流れる口上を聞いているようで、心地いい。
渡辺哲也氏は、おそらく自分の研究の積み重ねの上で、ある確信を持っているんであろう。
そしておそらく、書いていない部分もたくさんある。
まるでワイドショーの芸能ニュースの解説を見ているようで楽しかった。
今後、本作に書かれた背景を想像しながら、事件の経過を眺望することにする。
渡辺哲也さん、事件が尻切れトンボのような形で終結したら、ここに書いていないことをぜひお願いしたい。
グローバリズムは尊重すべきだ。ただし、それを国家単位で利用している国は、実はそれこそが、ナショナリズムであろう。
中国が反ナショナリズムだって誰が信じる? 愛国主義国家だろうよ!
フランスもなぁ……たしかに産業社会主義だよなぁ……というため息を漏らしながら、本書に共感した。
2019年1月19日に日本でレビュー済み
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ゴーンショックというお題目に惹かれ、副題を確認せずに購入した私が悪いのは確かだが、これはゴーン事件を調査した内容ではない。小さく書かれた「事件の背後にある国家戦略と世界経済の行方」という副題の内容しか書かれていない。
トランプを筆頭とする世界各国でのナショナリズム化に関する内容で、主要な経済ニュースを知っていれば周知の内容かもしれない。ゴーン事件をうまく利用して書かれた本との印象を強く受けた。
トランプを筆頭とする世界各国でのナショナリズム化に関する内容で、主要な経済ニュースを知っていれば周知の内容かもしれない。ゴーン事件をうまく利用して書かれた本との印象を強く受けた。
2019年4月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
タイトルと中身が少し違いましたが、
楽しめました🎵
楽しめました🎵
2020年2月20日に日本でレビュー済み
本著では、サブタイトルの通り、日産という1企業、カルロス・ゴーンというCEOだけに焦点を当てるべき事件ではない、ということが分かりやすく説明されている。
・ゴーン逮捕はグローバリズム VS 反グローバリズム、大陸国家 VS 海洋国家 の対立の縮図
・きわめて社会主義的な経済システムを採用してきたフランスが日産を手に入れたい理由
・ゴーンもその一人であったパーマネントトラベラーの存在が暴露されたパナマ文書
・背景にある中国・ヨーロッパ各国・アメリカの利害関係
…など、本事件だけなく、その他の国際問題、現代の社会情勢を理解する上で重要となる点がいくつも解説されていた。
ニュースを見ていても事件の内容がよくわからない、表面的なテレビ報道だけでは満足できない人におすすめな1冊。
・ゴーン逮捕はグローバリズム VS 反グローバリズム、大陸国家 VS 海洋国家 の対立の縮図
・きわめて社会主義的な経済システムを採用してきたフランスが日産を手に入れたい理由
・ゴーンもその一人であったパーマネントトラベラーの存在が暴露されたパナマ文書
・背景にある中国・ヨーロッパ各国・アメリカの利害関係
…など、本事件だけなく、その他の国際問題、現代の社会情勢を理解する上で重要となる点がいくつも解説されていた。
ニュースを見ていても事件の内容がよくわからない、表面的なテレビ報道だけでは満足できない人におすすめな1冊。