本書には地球市民学科のフィールドワークを通じた学びについてその手法、成果、課題などが収められています。
各章を読み進めていくとこれはノウハウが分かればどの大学でも同じようにできるというような単純なものではないということが伺え、フィールドワークは教員の豊富な経験と人脈、大学側の寛大な姿勢、参加学生の時間と経済的な余裕、保護者や周囲の理解など幾つもの条件が整って実践可能な学びの手法であることが分かります。また、本書のフィールドワーク実施先は外国の秘境だったり日本の農村部だったりするので、exclusive な学びの機会に思えます。しかし、初めのexclusiveな印象に対して読後にはフィールドワークがとても身近なものに感じるようになります。何故ならフィールドワークを通じた学びは、その本質に当事者が実際に体験し、全身で感じ、頭で考えて学ぶという姿勢があると思えるからです。地球市民学科の学生が学んだフィールドを自分の日常に置き換え、”フィールド”に出かけて学びたくなる一冊だと思います。
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