元都知事であり、作家である著者が、都政について語って行
きます。
まず巻頭の「はじめに」に、驚かされます。
都議会のドンと五輪のドンを名指しして、都議会のドンは
「東京の敵」であり、五輪のドンは不適任であると断じます。
何とも大胆です。
第1章では、都議会の闇と称して、都議会のドンを徹底追求し
て行きます。
本書中でも、一番熱い部分となっています。
然もありなん、著者とドンとの対立は、著者の副知事時代に
始まる、長い確執でした。
小池都政誕生への貢献ぶりをアピールしているようにも読め
ます。
第2章では、五輪のドンも「東京の敵」であるとされ、その
無責任体制が批判されて行きます。
裏にあるのは、自身が都知事を辞めていなければという、無
念さのようです。
対比するように、自身のリーダーシップによる東京五輪の招
致成功談が多くを占めています。
第3章では、都政を語ります。
副知事時代、都知事時代を含めた経験から、様々な政策が語
られますが、ここでも浮かんで来るのは、辞めていなければ
ということになります。
第4章は、日本のメディア批判です。
徳洲会問題の詳細が示されます。
今回、都政の問題に声を上げたのは、敗者復活を許さない社
会への異議申し立てであることが語られます。
第5章では、著者お得意の「家長の意識」が取り上げられます。
夏目漱石に代表される放蕩息子の系譜と、森鴎外に代表され
る家長の系譜という区分が示され、著者自身は意識的に家長
の系譜を選択したと言います。
東京の源流としての江戸時代が語られます。
第6章では、五輪後の日本像として、大阪万博や公益庁といっ
た大阪府との連携が示されます。
二宮金次郎の実績や、都職員出身の夕張市長が紹介されます。
日本の近代を再考し、家長の意識を持ち、ロジックとファク
トを重視するという姿勢には共感するものがあります。
アイディアとエネルギーの豊富さには、敬意を表します。
敗者復活にも賛同します。
自己アピールの強烈さは別にしまして。
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東京の敵 (角川新書) Kindle版
噴出する都政の問題。五輪は無事開催できるのか。新都知事は何と戦うべきなのか。副知事、そして都知事として長年都政に携わった作家が、東京という都市の特質を改めて描きつつ、現在の問題の本質を浮き彫りにする。
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2017/1/20
- ファイルサイズ892 KB
- 販売: Amazon Services International LLC
- Kindle 電子書籍リーダーFire タブレットKindle 無料読書アプリ
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商品の説明
著者について
●猪瀬 直樹:作家。1946年長野県生まれ。87年『ミカドの肖像』で第18回大宅壮一ノンフィクション賞。2002年6月小泉純一郎首相の下で道路公団民営化委員に就任。07年6月石原慎太郎東京都知事の下で副知事に就任。12年に東京都知事に就任、13年12月辞任。現在、日本文明研究所所長、大阪府市特別顧問。主著に『昭和16年夏の敗戦』『天皇の影法師』(以上、中公文庫)『道路の権力』『道路の決着』(以上、文春文庫)、『猪瀬直樹著作集 日本の近代』(全12巻、小学館)がある。近著に『民警』(扶桑社)。
登録情報
- ASIN : B01N4OKL84
- 出版社 : KADOKAWA (2017/1/20)
- 発売日 : 2017/1/20
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 892 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 176ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 42,236位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 115位角川新書
- - 158位政治入門
- - 196位政治 (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
著者について
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作家。1946年長野県生まれ。
83年に『天皇の影法師』『昭和16年夏の敗戦』『日本凡人伝』を上梓し、87年『ミカドの肖像』で第18回大宅壮一ノンフィクション賞。定評の評伝小説に『ペルソナ 三島由紀夫伝』『ピカレスク 太宰治伝』『こころの王国 菊池寛と文芸春秋の誕生』がある。
『日本国の研究』で96年度文藝春秋読者賞。
2002年、小泉首相より道路公団民営化委員に任命される。その戦いの軌跡は『道路の権力』『道路の決着』に詳しい。06年に東京工業大学特任教授、07年に東京都知事に任命される。近著に『ジミーの誕生日 アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」』『東京の副知事になってみたら』。また、『昭和16年夏の敗戦』中公文庫版が2010年6月に刊行された。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年3月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いま知りたい、豊洲問題、東京五輪問題をとても読みやすく分かりやすく解説しています。
ただ、一連の問題の責任を負っている一人としての認識はなく、むしろ印象操作している
感じがします。アリバイ本ですね。
ただ、一連の問題の責任を負っている一人としての認識はなく、むしろ印象操作している
感じがします。アリバイ本ですね。
2019年10月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「昭和16年夏の敗戦」で初めて著者の本を読み感動して「東京の敵」を買いました。
う~~ん やや恨み節が強いですね。前半はちょっとガックシでした。
感情が入り過ぎていて、喧嘩相手の批判とも取れます。
反対側の都政のドンさんや森元首相側の意見も聞いてみたいなと感じます。
事実に基づいた後半の江戸時代や二宮金次郎さんの内容は素晴らしいと思いました。
徳洲会から借りた5000万円の件は、言い訳に聞こえます。
たとえるなら、混んだ電車で痴漢か冤罪か?
触りたくないけど、手が女性のお尻に当たってしまってどうにもならなかったのを第三者が見てどう思うか?
的な内容でした。
最後の「解説」 はいらなですね。
知らなかった内容もあり、読む価値はありました。
★5-★1(恨み節)=★4とさせて頂きます。
う~~ん やや恨み節が強いですね。前半はちょっとガックシでした。
感情が入り過ぎていて、喧嘩相手の批判とも取れます。
反対側の都政のドンさんや森元首相側の意見も聞いてみたいなと感じます。
事実に基づいた後半の江戸時代や二宮金次郎さんの内容は素晴らしいと思いました。
徳洲会から借りた5000万円の件は、言い訳に聞こえます。
たとえるなら、混んだ電車で痴漢か冤罪か?
触りたくないけど、手が女性のお尻に当たってしまってどうにもならなかったのを第三者が見てどう思うか?
的な内容でした。
最後の「解説」 はいらなですね。
知らなかった内容もあり、読む価値はありました。
★5-★1(恨み節)=★4とさせて頂きます。
2019年11月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
知りたかったことが色々書かれていました。
読んで良かったなあ……と、しみじみ思いました。
読んで良かったなあ……と、しみじみ思いました。
2017年3月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
表題だおれ。内容に新しいものはない。特に後半部分は弁解とも取れる。
2017年3月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
5000万円を政治家から工面してもらって、罪に問われた猪瀬氏が、なにをいまさらと
いう思いで読み始めた。
築地の移転問題、東京オリンピックのマネジメントの迷走、小池都政の方向性、五輪後の日本像等、全6章からなる構成で、
東京都庁の伏魔殿たる由縁、経緯、からくりについて、当事者の目線で赤裸々に描写している。
今までほとんど報道されなかった、ドン内田のやりたい放題の話、東京オリンピックの誘致前、後の話、
老獪森元首相登場の背景、そしてその後の行動についての解説には説得力があり、問題をあぶりだした著書の貢献度は大きい。
また築地の移転の本質的な問題にも光を当てて、わかりやすく解説してくれている。
ただ、猪瀬氏は石原元都知事の後継ということもあり、この先、都庁という伏魔殿の主だった石原氏を指弾することも難しいだろうし、言いたいことも言えぬという、独立性に欠ける局面もありそうな気がする。
また、著者を血祭りにあげた報道のあるべき姿についてはうなずくところ大。が、怨念も相俟って、彼の思いは正論を越えているきらいもある。
著者の東京に対する思いの熱さは、読み取れるし、頭のよさや、作家としての才能も認める。
が、政治家として、また人の上に立つプロフェッショナルとしてのモラルに欠けた行動に対する
咎めという傷が癒えるには、まだ時間がかかりそう。
この先、名実ともに作家猪瀬氏を信奉するには、言うことと、書いてること、そしてやること
をしっかり人々に実績として示しながら信頼を積み上げることが必要なのだろう。
それが、この本の読者に対する誠意とも思えてくる。
いう思いで読み始めた。
築地の移転問題、東京オリンピックのマネジメントの迷走、小池都政の方向性、五輪後の日本像等、全6章からなる構成で、
東京都庁の伏魔殿たる由縁、経緯、からくりについて、当事者の目線で赤裸々に描写している。
今までほとんど報道されなかった、ドン内田のやりたい放題の話、東京オリンピックの誘致前、後の話、
老獪森元首相登場の背景、そしてその後の行動についての解説には説得力があり、問題をあぶりだした著書の貢献度は大きい。
また築地の移転の本質的な問題にも光を当てて、わかりやすく解説してくれている。
ただ、猪瀬氏は石原元都知事の後継ということもあり、この先、都庁という伏魔殿の主だった石原氏を指弾することも難しいだろうし、言いたいことも言えぬという、独立性に欠ける局面もありそうな気がする。
また、著者を血祭りにあげた報道のあるべき姿についてはうなずくところ大。が、怨念も相俟って、彼の思いは正論を越えているきらいもある。
著者の東京に対する思いの熱さは、読み取れるし、頭のよさや、作家としての才能も認める。
が、政治家として、また人の上に立つプロフェッショナルとしてのモラルに欠けた行動に対する
咎めという傷が癒えるには、まだ時間がかかりそう。
この先、名実ともに作家猪瀬氏を信奉するには、言うことと、書いてること、そしてやること
をしっかり人々に実績として示しながら信頼を積み上げることが必要なのだろう。
それが、この本の読者に対する誠意とも思えてくる。
2017年3月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本人も書いていたが、とても読みやすかった。
また相変わらずの官僚体質が数多く続く中、猪瀬氏のような柔軟な発想に希望を持てる一冊。T.H
また相変わらずの官僚体質が数多く続く中、猪瀬氏のような柔軟な発想に希望を持てる一冊。T.H