本書は、いかに企業に命が吹き込まれるかというメカニズムを見事に説明していると
思う。経営組織論等の学術論文の様な面倒な理屈ではなく、実践に裏打ちされた“ヘそ”
の部分のメカニズムを実に端的に示している。
公認会計士である著者のクールな「左脳」で整理し、ホットな右脳で語っているから
であろう、実に判り易い。
失われた20年に、日本の企業は成長期待ができない中で、減収増益という目標を掲げ、
「縮み指向」による「愚直なオペレーション」を繰り返して来た。その結果、従業員も
管理者も経営者も、「疲労・疲弊・閉塞感」に陥っている。
何がまずいのか???
著者は、企業の「価値創造プロセス」を「5つの資産」を以って説明している。
そして、企業に「好循環」をもたらすには、プロセスを回す順番を間違えてはならな
いと言っている。企業は、往々にして財務諸表に載る「物的資産」、「金融資産」に
着目しがちであるが、これら「見える資産」に対して「見えざる資産」こそ「価値創
造の源泉」だと説いている。
「ワクワク」する企業文化や戦略から生み出される大きな力(エネルギー=組織資産)
を持つ会社は、社員をいきいきさせ(人的資産)、そんな社員たちが提供する製品・サ
ービス(物的資産)が顧客をニコニコさせる。(顧客資産)
このサイクルが回りだすと、その会社にお金が入ってくる。(金融資産)
この循環の輪を大きくすることが企業の社会貢献であると。
これらのメカニズムを、会社の文化、戦略、成果、そして日常の行動に一貫性を生
み出す「バリュートライアングル」で判り易く説明しているが、その底辺にハートマ
ークがついている所が良い。右脳が働いていないとこのハートマークは出現しないだ
ろう。
私は、この本を経営変革に苦しむ若き中小企業経営者に提供した。
彼は出版と同時にこの本を何度も読み、全て頭の中に叩き込んでいる。短い時間の
中で、既にこの本は彼のバイブルと化している。
実経営者に感動を与え、実践に耐え得ること、これこそが経営書としての価値を
決めるのだと思う。

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ワクワク会社革命──「崖っぷち企業」も利益率世界一になれる 単行本(ソフトカバー) – 2010/9/30
三富 正博
(著)
会社を変えたいなら「見えない資産」を探せあなたの会社に社員のワクワク感はあるか? 企業改革をお金の問題から考えると必ず失敗する。自社の真の価値に気づかせ、組織を変える「超プロ」の実践ノウハウ
- 本の長さ242ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2010/9/30
- ISBN-104062165147
- ISBN-13978-4062165143
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2010/9/30)
- 発売日 : 2010/9/30
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 242ページ
- ISBN-10 : 4062165147
- ISBN-13 : 978-4062165143
- Amazon 売れ筋ランキング: - 758,313位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,204位オペレーションズ (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年10月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2010年11月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
従来、日本型経営の良い面を科学的に説明している本は少なかったが、
それをこの本はうまく説明していると考えます。
それを 米国のAndersenで勤務していた著者が説明しているのだから、面白い。
会社の構成員である個々の社員のMolaleを高め続けることで、
それまで社員でさえも想像できなかったPointに到達できるという事が、
実例を持って示されていることに、何か勇気を与えられた気持ちがします。
ただし,具体的に何をしたのか?という記述は殆ど有りません.
この辺はConsultant契約上の限界なのでしょう.
但し,会社が何もしていない筈は無いので,この本に書かれているのは一つの必要条件で,
革命が成功するためには 十分条件的な+αの何かが必要なのではないだろうか.
そういう意味で,即効性の何かの効果を求めてこの本を読んでも,
得られるものは少ないのかも知れない.
しかし,革命の最初の地道な一歩を踏み出そうと言う際には助けになるはず.
それをこの本はうまく説明していると考えます。
それを 米国のAndersenで勤務していた著者が説明しているのだから、面白い。
会社の構成員である個々の社員のMolaleを高め続けることで、
それまで社員でさえも想像できなかったPointに到達できるという事が、
実例を持って示されていることに、何か勇気を与えられた気持ちがします。
ただし,具体的に何をしたのか?という記述は殆ど有りません.
この辺はConsultant契約上の限界なのでしょう.
但し,会社が何もしていない筈は無いので,この本に書かれているのは一つの必要条件で,
革命が成功するためには 十分条件的な+αの何かが必要なのではないだろうか.
そういう意味で,即効性の何かの効果を求めてこの本を読んでも,
得られるものは少ないのかも知れない.
しかし,革命の最初の地道な一歩を踏み出そうと言う際には助けになるはず.
2010年10月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は、著者が提唱する「5つの資産」と「バリュートライアングル」のフレームワークを用いて実際に会社を改革した際の、実話に基づく物語である。
実話に基づいているため非常にリアリティを持って読むことができ、読み進めていく中で自然と「5つの資産」と「バリュートライアングル」の考え方と実践例を一度に学ぶことができる点がお勧めである。
また、企業価値とは何か、企業価値を創造するものは何か、という点についての著者の考え方は斬新で面白く、多くの人に知ってもらいたい。
この点は、著者の前著「 目的別7ステップ財務分析法 」を併せて読めば、著者の考えに対する理解が深まるだろう。
さらに、著者が提唱する2つのフレームワークは、会社改革だけではなく、自己改革を行う際にも応用できる考え方である。
本書に登場する企業を自分自身に置き換え、「ワクワク自分革命」という名の物語を創ってみるのも面白いのではないだろうか。
自己啓発本の1つとして読むのも効果的だと思う。読後感が良く、ワクワクしてやる気にさせてくれる本である。
「心が変われば、態度が変わる。態度が変われば、行動が変わる。行動が変われば、習慣が変わる。
習慣が変われば、人格が変わる。人格が変われば、運命が変わる。運命が変われば、人生が変わる。」
本書を読んで、この言葉が頭をよぎった。
実話に基づいているため非常にリアリティを持って読むことができ、読み進めていく中で自然と「5つの資産」と「バリュートライアングル」の考え方と実践例を一度に学ぶことができる点がお勧めである。
また、企業価値とは何か、企業価値を創造するものは何か、という点についての著者の考え方は斬新で面白く、多くの人に知ってもらいたい。
この点は、著者の前著「 目的別7ステップ財務分析法 」を併せて読めば、著者の考えに対する理解が深まるだろう。
さらに、著者が提唱する2つのフレームワークは、会社改革だけではなく、自己改革を行う際にも応用できる考え方である。
本書に登場する企業を自分自身に置き換え、「ワクワク自分革命」という名の物語を創ってみるのも面白いのではないだろうか。
自己啓発本の1つとして読むのも効果的だと思う。読後感が良く、ワクワクしてやる気にさせてくれる本である。
「心が変われば、態度が変わる。態度が変われば、行動が変わる。行動が変われば、習慣が変わる。
習慣が変われば、人格が変わる。人格が変われば、運命が変わる。運命が変われば、人生が変わる。」
本書を読んで、この言葉が頭をよぎった。
2010年10月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者がコンサルタントとして、つぶれる寸前の会社を再生させる過程を描いた実話であると同時に、著者の経営・企業価値に対する考え方が詳しく説明されています。
この会社が息を吹き返すためには、まず会社の根っこである企業文化そのものから改革をする必要があったと著者は述べています。しかし、企業文化は従業員一人一人の意識が造り上げるものであり、これにメスを入れるのが困難を極めることは容易に想像できます。
先行きの見えないあきらめムードに覆われた雰囲気の中、従業員がどのように自分たちの会社に対する情熱を取り戻し、業界利益率世界一にまで復活させたのか。著者がどのような哲学に基づき、どのような方法でその情熱を引き出し伸ばしたのか。
利益や株価など目に見える指標ばかりに気を取られがちな経営改革手法に疑問を投げかけ、従業員の情熱といった目に見えない資産に重点をおいている点は刮目に値します。
小説のように読みやすく、しかも会社経営のエッセンスがつかめる良書だと思います。
この会社が息を吹き返すためには、まず会社の根っこである企業文化そのものから改革をする必要があったと著者は述べています。しかし、企業文化は従業員一人一人の意識が造り上げるものであり、これにメスを入れるのが困難を極めることは容易に想像できます。
先行きの見えないあきらめムードに覆われた雰囲気の中、従業員がどのように自分たちの会社に対する情熱を取り戻し、業界利益率世界一にまで復活させたのか。著者がどのような哲学に基づき、どのような方法でその情熱を引き出し伸ばしたのか。
利益や株価など目に見える指標ばかりに気を取られがちな経営改革手法に疑問を投げかけ、従業員の情熱といった目に見えない資産に重点をおいている点は刮目に値します。
小説のように読みやすく、しかも会社経営のエッセンスがつかめる良書だと思います。
2011年7月2日に日本でレビュー済み
バリュートライアングルというフレームワークに沿って企業価値を高めていくという理論
バリュートライアングルには「見える資産」と「見えない資産」があるが、見えない資産が
重要であると説いている。定性的な部分をフレームワーク化しているところがすばらしい。
ヒラメ幹部が多い会社に普及させるには、時間がかかるがチャレンジする価値はある。
ジョン・P・コッターのリーダーシップ論にある改革フレームワークも参考にしよう。
■基本ロジック
1)メンバーに情熱があるとメンバー同士にコミュニケーションが生まれる→否定しない文化が必要
2)コミュニケーションが活性化すると企業文化ができてくる→より良くしていく為に、経営の後押しが必要
3)コミュニケーションが活発で、企業文化があるとSWOTが作れる
4)正しくSWOTができれば、正しい戦略が作れる
5)正しい戦略に乗れば成果が出る→小さい成果からこつこつ積み上げる
6)成果は見える資産となる
7)見えない資産がフレームワーク化されていないと、大企業病的な衰退が始まる
■見える資産
・金融資産、物的資産→尺度ではあるが、短期的な企業価値しか見えな
■見えない資産
・人的資産→社員メンバーがイキイキ働いている
・顧客資産→顧客がニコニコするサービスを提供している
・組織資産→皆が働くことにワクワクするようなチームになっている
■人材の見極め
・改革派:企業を変える中心的存在→燃え尽きに注意
・熱血派:改革派をよくフォローする存在→熱意+αの教育/経験が必要
・大穴:昼行灯→教育次第で化ける可能性がある→成長しなければ転職を進めた方が良い
・ヒラメ社員:上の顔色を見てばかりいる立ち回りが巧い→企業を破壊するので辞めてもらった方が良い
■ポイント
・加点主義
・個の力を大切にする(単なるリソースとして見ない)
・人を褒める
・部署間のコミュニケーション活性化
バリュートライアングルには「見える資産」と「見えない資産」があるが、見えない資産が
重要であると説いている。定性的な部分をフレームワーク化しているところがすばらしい。
ヒラメ幹部が多い会社に普及させるには、時間がかかるがチャレンジする価値はある。
ジョン・P・コッターのリーダーシップ論にある改革フレームワークも参考にしよう。
■基本ロジック
1)メンバーに情熱があるとメンバー同士にコミュニケーションが生まれる→否定しない文化が必要
2)コミュニケーションが活性化すると企業文化ができてくる→より良くしていく為に、経営の後押しが必要
3)コミュニケーションが活発で、企業文化があるとSWOTが作れる
4)正しくSWOTができれば、正しい戦略が作れる
5)正しい戦略に乗れば成果が出る→小さい成果からこつこつ積み上げる
6)成果は見える資産となる
7)見えない資産がフレームワーク化されていないと、大企業病的な衰退が始まる
■見える資産
・金融資産、物的資産→尺度ではあるが、短期的な企業価値しか見えな
■見えない資産
・人的資産→社員メンバーがイキイキ働いている
・顧客資産→顧客がニコニコするサービスを提供している
・組織資産→皆が働くことにワクワクするようなチームになっている
■人材の見極め
・改革派:企業を変える中心的存在→燃え尽きに注意
・熱血派:改革派をよくフォローする存在→熱意+αの教育/経験が必要
・大穴:昼行灯→教育次第で化ける可能性がある→成長しなければ転職を進めた方が良い
・ヒラメ社員:上の顔色を見てばかりいる立ち回りが巧い→企業を破壊するので辞めてもらった方が良い
■ポイント
・加点主義
・個の力を大切にする(単なるリソースとして見ない)
・人を褒める
・部署間のコミュニケーション活性化
2010年11月10日に日本でレビュー済み
ビジネス書としては珍しく、短期間で評価の高いレビューが
多くついていたので期待して購入した。
しかし、期待外れの感が強い。
文章は非常に読みやすく、読者を引き込ませるな書き方であり
ビジネス書を読んだ事の無い方には読みやすいと思われる。
本書の趣旨としては、会社をうまく行かせるにはワクワク感
や情熱を持たせる事が重要という事である。
著者のクライアントである企業が、著者のコンサルティングに
よって利益率世界一になったという事であるが、本書を読んで
もその具体的な理由がいまいち理解できなかった。
社員の自由な議論を促進するという内容が中心だが、それだけ
で会社の利益率が急上昇するのだろうか。
もっと具体的な記述に期待していたので、この点が期待はずれ
であった。
コンサル出身者の手による企業改革のバイブルの三枝匡著
「V字回復の経営」と比べるのは酷だが、もう少し具体的な
改革ノウハウを示してもらえればもっと良い本になるであろう。
多くついていたので期待して購入した。
しかし、期待外れの感が強い。
文章は非常に読みやすく、読者を引き込ませるな書き方であり
ビジネス書を読んだ事の無い方には読みやすいと思われる。
本書の趣旨としては、会社をうまく行かせるにはワクワク感
や情熱を持たせる事が重要という事である。
著者のクライアントである企業が、著者のコンサルティングに
よって利益率世界一になったという事であるが、本書を読んで
もその具体的な理由がいまいち理解できなかった。
社員の自由な議論を促進するという内容が中心だが、それだけ
で会社の利益率が急上昇するのだろうか。
もっと具体的な記述に期待していたので、この点が期待はずれ
であった。
コンサル出身者の手による企業改革のバイブルの三枝匡著
「V字回復の経営」と比べるのは酷だが、もう少し具体的な
改革ノウハウを示してもらえればもっと良い本になるであろう。
2012年7月27日に日本でレビュー済み
著者は会社には、決算書では表せない資産(人的資産、顧客資産)があり、
それらを併せたものを「組織資産」として捉え、また、会社の成果には
必ず文化→戦略→成果というロジックがあり、文化の源には「情熱」があると分析している。
著者はこれを分かりやすい言い方で「ワクワク→イキイキ→ニコニコ」と表現している。
社員のワクワクが組織のイキイキを産み、それが顧客のニコニコへと繋がる。
その結果、決算書に現れる金融資産・物的資産の充実という成果
(著者はこの2点はあくまで成果の一部であるとしているが)に現れる、としている。
上記のような一般には馴染みのない新しい概念を自身のコンサルタントとしての
実体験をからめて分かりやすい文章で解説しており、すんなりと頭に入ったし、
私はこの概念にとても共感することが出来た。
それらを併せたものを「組織資産」として捉え、また、会社の成果には
必ず文化→戦略→成果というロジックがあり、文化の源には「情熱」があると分析している。
著者はこれを分かりやすい言い方で「ワクワク→イキイキ→ニコニコ」と表現している。
社員のワクワクが組織のイキイキを産み、それが顧客のニコニコへと繋がる。
その結果、決算書に現れる金融資産・物的資産の充実という成果
(著者はこの2点はあくまで成果の一部であるとしているが)に現れる、としている。
上記のような一般には馴染みのない新しい概念を自身のコンサルタントとしての
実体験をからめて分かりやすい文章で解説しており、すんなりと頭に入ったし、
私はこの概念にとても共感することが出来た。
2010年11月26日に日本でレビュー済み
小説仕立てで著者の会社が関与したクライアントが素晴らしい業績向上を果た
したという事が書いているのだが、なぜそのような業績向上が果たせたか、
イマイチ理解できなかった。
具体的なノウハウを書いている訳でもなく、すんなり読めるのだが読んだ後は
特に何も残らなかった。
他のレビュー者のようにバイブルとして持ち歩けば何か得る物があるのかも
しれないが...
非常に評価が高い書籍であったが、私には合わなかったのかもしれない。
したという事が書いているのだが、なぜそのような業績向上が果たせたか、
イマイチ理解できなかった。
具体的なノウハウを書いている訳でもなく、すんなり読めるのだが読んだ後は
特に何も残らなかった。
他のレビュー者のようにバイブルとして持ち歩けば何か得る物があるのかも
しれないが...
非常に評価が高い書籍であったが、私には合わなかったのかもしれない。