筆者たちは、フィランド国立健康福祉研究所に在職中、
多職種間の連携と、保健、社会福祉および教育の諸機関との協力を向上させるための
研究開発プロジェクトを担当していたそうだ。
その際、相談を受ける側の専門家みんなが、
気になり始めた心配ごとが大きくなる前に、対処する方法がないと言っていたそうだ。
子ども、家族、クライアント、スタッフの問題に注目するかわりに、
専門職が彼らについての自分の主観的な心配を取り上げ、その心配を減らすのを手伝ってほしいと
彼らの頼むのだという。
他人のことが心配で、状況が悪い方向へ行ってしまうのではないかと気がかりなら、
そのようなあなたの心配を和らげるために、その人に直接助けを求める。
協力をよびかけるやり方で、対話によって心配ごとを伝え、心配事を小さくする。
本書の構成は次のとおり
●あなたの心配ごとをどう伝えるか
●ダイアローグの枠組み
●心配ごとを伝えたあとのダイアローグ
付録１心配ごとを伝える「予測のための様式」
付録２心配事を伝える方法を用いた結果（1996年〜2004年）
実践的なハンドブックの形式をとっているが、個人的にまだ実践できてないので評価は４とした。
精神科医の高木俊介先生は、巻頭の『刊行によせて』で次のように記している。
本書の本質と思われるので、紹介します。
出発点は、今自分が心配している問題を、自分の中で、自分と当事者を含む他のすべての関係者との関係を、
予測を用いて考えていくことにある。こうすることで、自分の中で多くの他者の声を聞くのである。＜中略＞
このような熟慮のうえで行われるミーティングは、多くの人々の声が響き合うオープンな対話（ダイアローグ）と なり、その結果、多職種による対人支援のコミュニティーにオープンな昭和（ハーモニー）が生れる。
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