1.マリリンとウォータークラウン 2.NEIGE-ANGELは青空宮殿に眠る 3.ビニールローズ 4.BE MY BABY (I WANNA BE YOUR SUGER CUBE DOLL) 5.クレーター(食事のお礼) 6.オレンジの令嬢 7.ウミガメモドキ(ニセウミガメに捧ぐ) 8.マリリンとウミガメスープ 5.クレーターの歌詞は大槻ケンヂが作詞
個性的な女性ボーカル、パーム・ルージュ・マリリンを中心としたバンド。キュートでコケティッシュ、シュールで病的、ダリの絵画や不思議の国のアリスのようなイメージもある詩世界、幼く可愛らしい口調でその不気味さが更に加速。女性アイドル風のロックかと思えば、微妙にプログレ風味を入れたり、デジタルだったり、やりたい放題に詰め込んだような内容。演奏のチープさは否めず、マリリンのボーカルも歌唱力としては微妙なのだが、その舌足らずな歌唱がまるで安物のビニール人形の少女が突然歌い始めたかのような、何とも言えない妖しさと危うさ、狂気と背中合わせの無邪気さを醸し出して、作品の世界観にすごく似合ったチープさで良い。 「NEIGE-ANGELは青空宮殿に眠る」はノリの良いロックにピアノやシンセがアクセントを加え、歌も切なく聞きやすい。「ビニールローズ」は明るく可愛らしいが、独特の詩が裏を感じさせる。「BE MY BABY」はテクノポップ調。これまたシュールな詩。お人形になりたい…メルヘン、でもどこか官能的でアブナイ。「クレーター(食事のお礼)」は勇ましい曲調。大槻ケンヂさん作詞、何か悟りの境地にいるようでありながらも情けなくユーモラスな小人の王様と男の子の物語。「オレンジの令嬢」は悲痛な感情が溢れ出すバラード。無機質なサウンドが更に切なさを助長。越美晴の「逃亡者」に影響されて作った曲にも思える。「ウミガメモドキ(ニセウミガメに捧ぐ)」は混沌としたサウンド、サスペンス調なピアノがカッコイイ。語り中心。ニセウミガメやアナゴのじいさんが現れるシュールで奇怪な詩世界、曲はどんどんスピードを上げ語りもヒステリックになり狂気が渦巻き、世界が崩れだすような感覚に陥る…頭の中がぐちゃぐちゃに。