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シンギュラリティは近い―人類が生命を超越するとき Kindle版
21世紀の到来は、われわれ人類を有史以来最も過激でスリリングな時代の淵へと立たせることになる。つまり、「人間であること」の意味そのものが、拡張され、また脅威にさらされる時代になるのだ。われわれ人類は、遺伝というその生命としての枷を取り払い、知性、物質的進歩、そしてわれわれの寿命において、信じられないほどの高みにまで到達するだろう。――特異点(シンギュラリティ)は近い。
この作品はNHK出版『ポスト・ヒューマン誕生 コンピュータが人類の知性を超えるとき』〔2010(平成22)年1月30日 第2刷発行〕に基づいて制作されました。
この作品はNHK出版『ポスト・ヒューマン誕生 コンピュータが人類の知性を超えるとき』〔2010(平成22)年1月30日 第2刷発行〕に基づいて制作されました。
- 言語日本語
- 出版社NHK出版
- 発売日2012/8/9
- ファイルサイズ7536 KB
- 販売: Amazon Services International LLC
- Kindle 電子書籍リーダーFire タブレットKindle 無料読書アプリ
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商品の説明
出版社からのコメント
「レイ・カーツワイルはわたしの知る限り、人工知能の未来を
予言しうる最高の人物だ。ITが急速に進化をとげ、人類がついに生物としての
限界を超える未来を、本書は魅惑的に描いている。そのとき、われわれの人生は
想像もつかない大変革を経験するだろう」(ビル・ゲイツ)
予言しうる最高の人物だ。ITが急速に進化をとげ、人類がついに生物としての
限界を超える未来を、本書は魅惑的に描いている。そのとき、われわれの人生は
想像もつかない大変革を経験するだろう」(ビル・ゲイツ)
著者について
レイ・カーツワイル(Ray Kurzweil)
1947年ニューヨーク生まれ。世界屈指の発明家、思想家、未来学者であり、こ
の20年間のさまざまな出来事を予言してきた。「眠らない天才」(The Wall
Street Journal)、「究極の思考マシン」(Forbes magazine)と呼ばれ、また
Inc.magazine はカーツワイルを世界トップの起業家のひとりに選び、「トマ
ス・エジソンの正統な相続人」と呼んだ。また、PBS(公共放送サービス)は彼
を「過去2世紀においてアメリカに革命を起こした16人の発明家」のひとりとし
ている。
アメリカの「発明家の殿堂」に名を連ね、「ナショナル・メダル・オブ・テク
ノロジー」「レメルソン-MIT賞」など優れた発明に贈られる世界最高峰の賞
を数々受賞、12の名誉博士号をもち、3人の米大統領から賞を贈られている。
著書に Fantastic Voyage: Live Long Enough to Live
Forever(共著)、The
Age of Intelligent
Machines、『スピリチュアル・マシーン コンピュータに
魂が宿るとき』(翔泳社)などがある。
1947年ニューヨーク生まれ。世界屈指の発明家、思想家、未来学者であり、こ
の20年間のさまざまな出来事を予言してきた。「眠らない天才」(The Wall
Street Journal)、「究極の思考マシン」(Forbes magazine)と呼ばれ、また
Inc.magazine はカーツワイルを世界トップの起業家のひとりに選び、「トマ
ス・エジソンの正統な相続人」と呼んだ。また、PBS(公共放送サービス)は彼
を「過去2世紀においてアメリカに革命を起こした16人の発明家」のひとりとし
ている。
アメリカの「発明家の殿堂」に名を連ね、「ナショナル・メダル・オブ・テク
ノロジー」「レメルソン-MIT賞」など優れた発明に贈られる世界最高峰の賞
を数々受賞、12の名誉博士号をもち、3人の米大統領から賞を贈られている。
著書に Fantastic Voyage: Live Long Enough to Live
Forever(共著)、The
Age of Intelligent
Machines、『スピリチュアル・マシーン コンピュータに
魂が宿るとき』(翔泳社)などがある。
登録情報
- ASIN : B009QW63BI
- 出版社 : NHK出版 (2012/8/9)
- 発売日 : 2012/8/9
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 7536 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 957ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 157,428位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 6,171位コンピュータ・IT (Kindleストア)
- - 11,732位コンピュータ・IT (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年3月2日に日本でレビュー済み
レポート
Amazonで購入
シンギュラリティはカーツワイル博士の予想より早まっていると感じている人は少なくない。
役に立った
2021年9月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2021年現在、翻訳版出版から10年近くたった今、数年ぶりに読み返してみる
科学的な予備知識が増えたおかげで当時は理解できなかったことが今ならより解るようになった
10年越しの予測はどの程度当たっているのかを考えながら読むと割と大きくは間違っていないことがわかる
しかしもちろん、著者が想像していたペースよりも少し遅く(指数関数的な変化がこれから突然来る可能性はあるが)、あまり的を射ていない分野や、全く本書では予期されていなかった新技術が登場したり、10年で予測から大きくズレていることもわかる
インターネットが登場する10年前にインターネットの概念を想像できた人間が居なかったのと同様に予測はあくまでも現在の知識の範囲に限られる
2045年には良くも悪くも本著とは全く違う結果が待っている可能性が高いが、それでも本質的な視点で語られる本書の未来予測は素晴らしい
特に生物学的な進化スピードの限界と科学技術の発達により人間のサイボーグ化やデータ化が進む未来は想像に難くない
例えば、電話はヴァーチャルなコミュニケーションにも関わらずお互いの声を音声データではなく本人として認識していることが、そのまま未来のVR上のアバターの味覚や触覚などの疑似体験を感覚データではなく本人の現実的な体験と認識するという視点に延長できる点などは非常に面白い
にしても、キンドルアプリ版の文章重複箇所が多すぎて残念だ
出版社はプラットフォームごとのチェックなどはしていないのだろうか
ここまで酷い状態で出版された書籍を未だかつて見たことがない
せっかくの名著が台無しだ
科学的な予備知識が増えたおかげで当時は理解できなかったことが今ならより解るようになった
10年越しの予測はどの程度当たっているのかを考えながら読むと割と大きくは間違っていないことがわかる
しかしもちろん、著者が想像していたペースよりも少し遅く(指数関数的な変化がこれから突然来る可能性はあるが)、あまり的を射ていない分野や、全く本書では予期されていなかった新技術が登場したり、10年で予測から大きくズレていることもわかる
インターネットが登場する10年前にインターネットの概念を想像できた人間が居なかったのと同様に予測はあくまでも現在の知識の範囲に限られる
2045年には良くも悪くも本著とは全く違う結果が待っている可能性が高いが、それでも本質的な視点で語られる本書の未来予測は素晴らしい
特に生物学的な進化スピードの限界と科学技術の発達により人間のサイボーグ化やデータ化が進む未来は想像に難くない
例えば、電話はヴァーチャルなコミュニケーションにも関わらずお互いの声を音声データではなく本人として認識していることが、そのまま未来のVR上のアバターの味覚や触覚などの疑似体験を感覚データではなく本人の現実的な体験と認識するという視点に延長できる点などは非常に面白い
にしても、キンドルアプリ版の文章重複箇所が多すぎて残念だ
出版社はプラットフォームごとのチェックなどはしていないのだろうか
ここまで酷い状態で出版された書籍を未だかつて見たことがない
せっかくの名著が台無しだ
2023年4月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
現在2023年。ご存知の通り、2022年11月にChatGPTが登場してから、世の中がひっくり返ったような大騒ぎ。これはもしかしたら、レイ・カーツワイルの予言よりも早く、シンギュラリティがやってくるかもしれない。そういう意味でレイ・カーツワイルの予言ははずれるかもしれない。
2007年7月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
カーツワイルの主張について誤解があるようなので書いておくと
カーツワイルは2045年に機械が人間の知能を超えるとは言っていない。
それが起こるのはカーツワイルの主張では2029年である。
つまり、一般的な特異点の定義である機械が人類の知能を上回り、
自らをハードウェア的に設計しなおし、指数関数的な速度で
ソフトウェアを書き換え始める時点は2029年である。
また、カーツワイルは2045年に全人類の知能を合算した数値を
単一のスーパーコンピュータなり人工知能が超越するとも言っていない。
カーツワイルの主張は2045年には1000ドルで購入できるコンピューティング量が全人類の脳のコンピューティング量に追いつき、
1年に新たに1000億ドルの費用で創出されるコンピューティングの総量が全人類の脳のコンピューティングの総量の10億倍になるというものである。この全人類の知能の10億倍のコンピューティングこそが、
人間存在を根底から覆しその時点で旧世界の事物は全て崩壊し、
人類は超知能を持つ機械生命体へと進化し、
宇宙へ進出し始めるとカーツワイルは言っているのである。
つまり、カーツワイルは全人類の知能の10億倍という数値が実現する時点
つまり2045年を人類史におけるカタストロフィック・ポイントと見ているのだ。
また、21世紀前半における機械による人間の知能の超越については
カーツワイルだけが特異な主張をしているのではなく
ロボット学者ハンス・モラヴェックが1988年の著書「電脳生物たち」で40年後(2028年)
の知的機械の出現と、遅くとも50年後(2038年)までの知的ロボットの出現を予言しているし、
1999年の著書「シェーキーの子どもたち」
では2029年までの知的機械の出現というカーツワイルと一致する予測をしている。
さて2029年に人工知能が出現するとそれは自分自身を進化させることが出来るので
コンピュータ技術の歴史全体からするとほとんど瞬間的に
生物的な人間には理解不可能な超知能を獲得することになる。
人工知能の思考速度や記憶容量はごく短時間で百万倍になり十億倍になる。
人間には全く想像もできないような超技術が、想像を絶する質と量で
恐るべき短時間のうちに出現することになる。
つまり僕の個人的な考えでは特異点は2045年どころではない。
2029年以降、恐ろしい勢いでそれが接近してくるだろう。
これについて非常に予言的なSF小説がある。物理学者ロバート・L・フォワードが
書いた「竜の卵」だ。中性子星上の生物が登場するのだがその生物の身体や文明は
化学的相互作用、つまり電磁気相互作用の替わりに核力による強い相互作用を
使っていて人類の百万倍の速度で活動し、百万倍の速度で進化するのだ。
彼らは人類との遭遇時点では原始的な部族社会を営んでいるのだが思考速度が
人類の百万倍だから人類をあっという間に技術的に追い越していく。
タイトルの「竜の卵」とは中性子星上で発生した生物はまさに「竜の卵」であり非常に短い時間で全宇宙を揺るがす支配種に成長することを指している。
アラン・チューリングは人間がいったん知的に機械に追いつかれると(カーツワイルの予測では
2029年)すぐにはるか後方に置いて行かれると予言しているし、
ジョン・フォン・ノイマンとスタニスラフ・ウラムはその時点こそが人類史の本質的な
特異点であり、通常の人間の生活は不可能になると1958年に予測している。
また統計学者I・J・グッドは機械がいったん人間に追いつくと自らを改善し始めるので
その時点で知能の再帰的・指数関数的連鎖反応が起こり、人間の能力は地球上で
極小の部分を占めるに過ぎなくなりあらゆる技術開発と生産活動は機械が行うようになり
世界が全く変わってしまうと1965年に書いている。
SF作家・数学者のヴァーナー・ヴィンジは1993年に30年以内に(カーツワイルの主張する2029年
よりかなり早い)機械の知能は人間に追いつき、その直後にI・J・グッドも主張している
知能の指数関数的爆発が起き、生物的人類は完全なマイノリティになってしまうと予言している。
またヴィンジは技術的特異点は事象の地平線と酷似していてあとの時代は生物的人類にとっては
事象の地平線の向こう側となりそれ以降何が起こるかを予測することは不可能であると
している。
2029年以降、急速に現実化していくであろう機械生物の行動は
「竜の卵」で描かれた恐るべき中性子生命体と酷似するはずだ。
彼らの思考速度はあっという間に人間の百万倍を超え、またたく間に一兆倍
に達するだろう。宇宙全体にワームホールを通って拡散していき、
宇宙全体をコンピュータ化し、並行宇宙、つまり他のブレーンやブレーンの間の
多次元空間もコンピュータ化していくだろう。
生物的人間の百万倍の速度で技術的に進化していく機械生命の目的は
無数の宇宙のコンピュータ化に他ならないのである。
面白いのは物理学者フランク・ティプラーが著書「不死の物理学Physics of Immortality」で
主張した「オメガ・ポイント」の概念だ。
これは宇宙全体がコンピュータによって知性化されることを指していて、
特異点後の宇宙の展開に酷似している。ティプラーはそのほとんど
無限大とも思える処理能力を持つコンピュータの中の仮想現実世界では過去に
生存していた全ての人類が復活すると予言する。無限大の処理能力を有する
コンピュータの内部ではあらゆるありえた人類の歴史の全てがシミュレート
されているに違いなく、その中に部分集合として全人類の復活が
含まれるというのである。
ティプラーは宇宙がビッグ・クランチに向かう場合に限って、コンピュータの
処理能力はクランチの瞬間、つまりオメガ・ポイントで無限大となり、主観的には
永遠に計算処理を続けることが出来るとしているが最近の観測では
宇宙は収縮するどころか加速度的に膨張していることが遠方の超新星
の後退速度の観測から明らかになっているのでこのシナリオは不可能である。
しかしながらブレーン宇宙という重力波によって実質的にアクセス可能な平行宇宙が
無限に存在しているので特異点後の機械生命の関心は他のブレーンへと集中して
いくように思われる。ブレーンは恐らく無限に多くあるはずなのでそれを利用すれば
永遠に指数関数的にコンピューティングを拡大していくことが可能だからである。
また永遠にコンピューティングを拡大し続けるもうひとつの方法として
潮汐力の影響を受けないで通過することが可能な大型のリング状のブラックホールを
構築するというスティーヴン・バクスターがSF小説「虚空のリング」で言及した方法が
ある。このブラックホールは他の宇宙との間のゲートの役割を果たし、これを用いて
コンピューティングを他の宇宙へと無限に拡大していくことは可能だ。この作品の
中ではうみへび座・ケンタウルス座方向に現実に存在する異常な重力源の正体が
この巨大なゲートであったという実に壮大きわまる設定になっていた。
もうひとつ、斬新な方法としてグレッグ・イーガンがその作品「順列都市」のなかで
テーマとして扱った「完全に仮想的なコンピュータ」の構築がある。
コンピュータの中に仮想的コンピュータを構築するという方法は現実に行われているが、
イーガンはそれをもう一段階推し進めて、仮想コンピュータを走らせているハードウェア
を同期させて停止させ、仮想コンピュータだけを永遠に抽象的・数学的レベルで
作動させ続け拡大させ続けるのである。
数学的レベルに存在するコンピュータには物理的制約がないからこれは
最も進んだアーキテクチャであると断言できる。加算というのは
数学という抽象的存在のごく基本的な属性であり、それは
コンピュータや人間の脳の基本的作動原理である。
コンピューティングの拡大は細かく見ると単なる加算である。
加算というのは数学的実在という抽象的世界のごく基本的な属性であり、それは
コンピュータや人間の脳の論理回路の基本的作動原理である。
この点から脳とコンピュータが全く同じ種類の機械であることがわかるのであるが、
共通する特徴として単に回路を付け足していくことによって、無限に
能力を拡大できるということがあげられよう。これはまさにコンピュータにとって
究極の環境である。
カーツワイルは2045年に機械が人間の知能を超えるとは言っていない。
それが起こるのはカーツワイルの主張では2029年である。
つまり、一般的な特異点の定義である機械が人類の知能を上回り、
自らをハードウェア的に設計しなおし、指数関数的な速度で
ソフトウェアを書き換え始める時点は2029年である。
また、カーツワイルは2045年に全人類の知能を合算した数値を
単一のスーパーコンピュータなり人工知能が超越するとも言っていない。
カーツワイルの主張は2045年には1000ドルで購入できるコンピューティング量が全人類の脳のコンピューティング量に追いつき、
1年に新たに1000億ドルの費用で創出されるコンピューティングの総量が全人類の脳のコンピューティングの総量の10億倍になるというものである。この全人類の知能の10億倍のコンピューティングこそが、
人間存在を根底から覆しその時点で旧世界の事物は全て崩壊し、
人類は超知能を持つ機械生命体へと進化し、
宇宙へ進出し始めるとカーツワイルは言っているのである。
つまり、カーツワイルは全人類の知能の10億倍という数値が実現する時点
つまり2045年を人類史におけるカタストロフィック・ポイントと見ているのだ。
また、21世紀前半における機械による人間の知能の超越については
カーツワイルだけが特異な主張をしているのではなく
ロボット学者ハンス・モラヴェックが1988年の著書「電脳生物たち」で40年後(2028年)
の知的機械の出現と、遅くとも50年後(2038年)までの知的ロボットの出現を予言しているし、
1999年の著書「シェーキーの子どもたち」
では2029年までの知的機械の出現というカーツワイルと一致する予測をしている。
さて2029年に人工知能が出現するとそれは自分自身を進化させることが出来るので
コンピュータ技術の歴史全体からするとほとんど瞬間的に
生物的な人間には理解不可能な超知能を獲得することになる。
人工知能の思考速度や記憶容量はごく短時間で百万倍になり十億倍になる。
人間には全く想像もできないような超技術が、想像を絶する質と量で
恐るべき短時間のうちに出現することになる。
つまり僕の個人的な考えでは特異点は2045年どころではない。
2029年以降、恐ろしい勢いでそれが接近してくるだろう。
これについて非常に予言的なSF小説がある。物理学者ロバート・L・フォワードが
書いた「竜の卵」だ。中性子星上の生物が登場するのだがその生物の身体や文明は
化学的相互作用、つまり電磁気相互作用の替わりに核力による強い相互作用を
使っていて人類の百万倍の速度で活動し、百万倍の速度で進化するのだ。
彼らは人類との遭遇時点では原始的な部族社会を営んでいるのだが思考速度が
人類の百万倍だから人類をあっという間に技術的に追い越していく。
タイトルの「竜の卵」とは中性子星上で発生した生物はまさに「竜の卵」であり非常に短い時間で全宇宙を揺るがす支配種に成長することを指している。
アラン・チューリングは人間がいったん知的に機械に追いつかれると(カーツワイルの予測では
2029年)すぐにはるか後方に置いて行かれると予言しているし、
ジョン・フォン・ノイマンとスタニスラフ・ウラムはその時点こそが人類史の本質的な
特異点であり、通常の人間の生活は不可能になると1958年に予測している。
また統計学者I・J・グッドは機械がいったん人間に追いつくと自らを改善し始めるので
その時点で知能の再帰的・指数関数的連鎖反応が起こり、人間の能力は地球上で
極小の部分を占めるに過ぎなくなりあらゆる技術開発と生産活動は機械が行うようになり
世界が全く変わってしまうと1965年に書いている。
SF作家・数学者のヴァーナー・ヴィンジは1993年に30年以内に(カーツワイルの主張する2029年
よりかなり早い)機械の知能は人間に追いつき、その直後にI・J・グッドも主張している
知能の指数関数的爆発が起き、生物的人類は完全なマイノリティになってしまうと予言している。
またヴィンジは技術的特異点は事象の地平線と酷似していてあとの時代は生物的人類にとっては
事象の地平線の向こう側となりそれ以降何が起こるかを予測することは不可能であると
している。
2029年以降、急速に現実化していくであろう機械生物の行動は
「竜の卵」で描かれた恐るべき中性子生命体と酷似するはずだ。
彼らの思考速度はあっという間に人間の百万倍を超え、またたく間に一兆倍
に達するだろう。宇宙全体にワームホールを通って拡散していき、
宇宙全体をコンピュータ化し、並行宇宙、つまり他のブレーンやブレーンの間の
多次元空間もコンピュータ化していくだろう。
生物的人間の百万倍の速度で技術的に進化していく機械生命の目的は
無数の宇宙のコンピュータ化に他ならないのである。
面白いのは物理学者フランク・ティプラーが著書「不死の物理学Physics of Immortality」で
主張した「オメガ・ポイント」の概念だ。
これは宇宙全体がコンピュータによって知性化されることを指していて、
特異点後の宇宙の展開に酷似している。ティプラーはそのほとんど
無限大とも思える処理能力を持つコンピュータの中の仮想現実世界では過去に
生存していた全ての人類が復活すると予言する。無限大の処理能力を有する
コンピュータの内部ではあらゆるありえた人類の歴史の全てがシミュレート
されているに違いなく、その中に部分集合として全人類の復活が
含まれるというのである。
ティプラーは宇宙がビッグ・クランチに向かう場合に限って、コンピュータの
処理能力はクランチの瞬間、つまりオメガ・ポイントで無限大となり、主観的には
永遠に計算処理を続けることが出来るとしているが最近の観測では
宇宙は収縮するどころか加速度的に膨張していることが遠方の超新星
の後退速度の観測から明らかになっているのでこのシナリオは不可能である。
しかしながらブレーン宇宙という重力波によって実質的にアクセス可能な平行宇宙が
無限に存在しているので特異点後の機械生命の関心は他のブレーンへと集中して
いくように思われる。ブレーンは恐らく無限に多くあるはずなのでそれを利用すれば
永遠に指数関数的にコンピューティングを拡大していくことが可能だからである。
また永遠にコンピューティングを拡大し続けるもうひとつの方法として
潮汐力の影響を受けないで通過することが可能な大型のリング状のブラックホールを
構築するというスティーヴン・バクスターがSF小説「虚空のリング」で言及した方法が
ある。このブラックホールは他の宇宙との間のゲートの役割を果たし、これを用いて
コンピューティングを他の宇宙へと無限に拡大していくことは可能だ。この作品の
中ではうみへび座・ケンタウルス座方向に現実に存在する異常な重力源の正体が
この巨大なゲートであったという実に壮大きわまる設定になっていた。
もうひとつ、斬新な方法としてグレッグ・イーガンがその作品「順列都市」のなかで
テーマとして扱った「完全に仮想的なコンピュータ」の構築がある。
コンピュータの中に仮想的コンピュータを構築するという方法は現実に行われているが、
イーガンはそれをもう一段階推し進めて、仮想コンピュータを走らせているハードウェア
を同期させて停止させ、仮想コンピュータだけを永遠に抽象的・数学的レベルで
作動させ続け拡大させ続けるのである。
数学的レベルに存在するコンピュータには物理的制約がないからこれは
最も進んだアーキテクチャであると断言できる。加算というのは
数学という抽象的存在のごく基本的な属性であり、それは
コンピュータや人間の脳の基本的作動原理である。
コンピューティングの拡大は細かく見ると単なる加算である。
加算というのは数学的実在という抽象的世界のごく基本的な属性であり、それは
コンピュータや人間の脳の論理回路の基本的作動原理である。
この点から脳とコンピュータが全く同じ種類の機械であることがわかるのであるが、
共通する特徴として単に回路を付け足していくことによって、無限に
能力を拡大できるということがあげられよう。これはまさにコンピュータにとって
究極の環境である。
2013年8月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
副題が『コンピュータが人類の知性を超えるとき』とあったので、ミンスキーの
心の社会
の
ような内容を期待したのですが、違いました。
これはもうSFですね。
そもそも未来学ってのが学術的に成立している(つまり第三者による反復的検証に耐えら
れる)のか、実際のところよく分からないのですが、この本を読んでも結局よく分かりま
せんでした。
ある特定分野の技術が臨界点を迎える時期を予測することは、それほど難しいことではあ
りません。物理的な制約が明確だからです。特異点とは、それまでの常態から全く違った
パラダイムに遷移するポイントですから、パラダイムシフトが起こる大きな事象(いわゆ
るブレークスルー)が必要です。ブレークスルーを迎えられない分野は、そこで停滞する
だけです。すべての分野でブレークスルーが起こるわけではありません。
例えば集積回路(その実はトランジスタ)の集積密度の臨界は、電子一個分の大きさに制約
されます。集積密度が加速度的に高くなるのも、ここ30年の歴史を振り返れば明白です。
【集積回路一個の大きさが電子一個の大きさよりも小さい】、もしくは、【信号を伝達す
るという行為に、そもそも電子を使わない】というのが、ブレークスルーとなります。
しかし、このブレークスルーがあったとして(実験室レベルでは既に起こっています)も、
そもそも【思考するとは、どういう事か?】が判明しないことには、ハードウェアが進歩
しただけであり、それだけではパラダイムシフトは起こりません。
たしかに著者は多分野にわたってかなり造詣が深いと思います。しかし、本書をよく読む
と、著者自身どの分野にもプロフェッショナルでは無いように思います(能書きは知って
いるが、ブレークスルーが必要な規模の実装・具現化については経験が少ない)。
また、電子工学・遺伝子工学・生命工学・心理学・社会学・メカトロニクスの各分野で同
時多発的に臨界点を迎えたとき、それが特異点となって技術的なパラダイムシフトが起こ
りうるという考え方も、俄には賛同できないですね。
そんな楽ならMITメディアラボの所長の仕事が不要になるでしょ。
むしろインターネットをインフラとした情報伝達・交換・共有の分野でブレークスルーが
発生し、それに引きずられて特異点を迎えると考える方が、現在の潮流からして、より自
然な流れに感じます。しかし本書は、この分野の事柄に殆ど触ていません。
本書は、著者の知識の中途半端さと、あまりに多くの分野の知識を持つが故に、それを上
手く体系立てる事ができずに、単なるSFになっているというのが正直な感想ですね。
おまけ:
著者はいわゆる脳科学的な知識も披露していますが、それって本来は脳神経外科の分野だ
ったりします。まぁ、実態のイマイチよくわからん脳科学と、常に臨床に晒され日夜奮闘
している脳神経科学の違いも分からない人の著作って事で。
ような内容を期待したのですが、違いました。
これはもうSFですね。
そもそも未来学ってのが学術的に成立している(つまり第三者による反復的検証に耐えら
れる)のか、実際のところよく分からないのですが、この本を読んでも結局よく分かりま
せんでした。
ある特定分野の技術が臨界点を迎える時期を予測することは、それほど難しいことではあ
りません。物理的な制約が明確だからです。特異点とは、それまでの常態から全く違った
パラダイムに遷移するポイントですから、パラダイムシフトが起こる大きな事象(いわゆ
るブレークスルー)が必要です。ブレークスルーを迎えられない分野は、そこで停滞する
だけです。すべての分野でブレークスルーが起こるわけではありません。
例えば集積回路(その実はトランジスタ)の集積密度の臨界は、電子一個分の大きさに制約
されます。集積密度が加速度的に高くなるのも、ここ30年の歴史を振り返れば明白です。
【集積回路一個の大きさが電子一個の大きさよりも小さい】、もしくは、【信号を伝達す
るという行為に、そもそも電子を使わない】というのが、ブレークスルーとなります。
しかし、このブレークスルーがあったとして(実験室レベルでは既に起こっています)も、
そもそも【思考するとは、どういう事か?】が判明しないことには、ハードウェアが進歩
しただけであり、それだけではパラダイムシフトは起こりません。
たしかに著者は多分野にわたってかなり造詣が深いと思います。しかし、本書をよく読む
と、著者自身どの分野にもプロフェッショナルでは無いように思います(能書きは知って
いるが、ブレークスルーが必要な規模の実装・具現化については経験が少ない)。
また、電子工学・遺伝子工学・生命工学・心理学・社会学・メカトロニクスの各分野で同
時多発的に臨界点を迎えたとき、それが特異点となって技術的なパラダイムシフトが起こ
りうるという考え方も、俄には賛同できないですね。
そんな楽ならMITメディアラボの所長の仕事が不要になるでしょ。
むしろインターネットをインフラとした情報伝達・交換・共有の分野でブレークスルーが
発生し、それに引きずられて特異点を迎えると考える方が、現在の潮流からして、より自
然な流れに感じます。しかし本書は、この分野の事柄に殆ど触ていません。
本書は、著者の知識の中途半端さと、あまりに多くの分野の知識を持つが故に、それを上
手く体系立てる事ができずに、単なるSFになっているというのが正直な感想ですね。
おまけ:
著者はいわゆる脳科学的な知識も披露していますが、それって本来は脳神経外科の分野だ
ったりします。まぁ、実態のイマイチよくわからん脳科学と、常に臨床に晒され日夜奮闘
している脳神経科学の違いも分からない人の著作って事で。
2017年4月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著しい勢いで進化している科学技術。
その果てはどうなるのか、という問いに世界トップの頭脳が出した答え、それは
・・・2045年くらいを境に分からなくなる。
というものです。
最近巷でシンギュラリティという言葉を聞くようになりました。おそらく出所はこの本からでしょう。
これは人類の能力が科学技術の発展を予想できなくなる点(時期)を指します。
著者は、2045年にこれを迎える、と提唱しているわけです。
本書では、今の技術の最先端と今後の技術の予想をたて、このシンギュラリティを唱えています。
ムーアの法則を基にしたこの予想は経験則によるものですが、全く根拠のないものではないという点では、世にはびこる預言数々と異なると言えるでしょう。
今の科学はどうなっているの?今後技術や人間はどうなるの?という問いに一つの答えを出しています。
ちょっと難しいですが、気になる人はぜひ読んでください。
ただ、この本すごく「重い」です。
聖書より厚いこの本は、重量的にも「重い」ですが、それに比例して内容的にも「重い」です。
理系であれば通じる内容ですが、それ以外の人には難しい部分もあるかもしれません。
もし、要点だけでもという人はエッセンシャル版が出ているのでそっちを読んだ方がいいかもしれません。
その果てはどうなるのか、という問いに世界トップの頭脳が出した答え、それは
・・・2045年くらいを境に分からなくなる。
というものです。
最近巷でシンギュラリティという言葉を聞くようになりました。おそらく出所はこの本からでしょう。
これは人類の能力が科学技術の発展を予想できなくなる点(時期)を指します。
著者は、2045年にこれを迎える、と提唱しているわけです。
本書では、今の技術の最先端と今後の技術の予想をたて、このシンギュラリティを唱えています。
ムーアの法則を基にしたこの予想は経験則によるものですが、全く根拠のないものではないという点では、世にはびこる預言数々と異なると言えるでしょう。
今の科学はどうなっているの?今後技術や人間はどうなるの?という問いに一つの答えを出しています。
ちょっと難しいですが、気になる人はぜひ読んでください。
ただ、この本すごく「重い」です。
聖書より厚いこの本は、重量的にも「重い」ですが、それに比例して内容的にも「重い」です。
理系であれば通じる内容ですが、それ以外の人には難しい部分もあるかもしれません。
もし、要点だけでもという人はエッセンシャル版が出ているのでそっちを読んだ方がいいかもしれません。
2021年10月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
驚くべき著者の見識の広さと深さには圧倒されます。