(私は読者の立場であり, 北田先生とも面識はなく, 北田先生や現代数学社の関係者ではないので, また本書はいい本であり私のレビューを見て買った人が何人もいるようなので, レビューを再掲載した. )
まず旧版と新訂版に共通することを述べる.
第17章までは計算が多くない. 定義と定理が多く長くなる第18章以降は, 読みやすさのために同じ定義または定理を繰り返し述べている. 論理展開と記号は現代的である. 飛ばすことはできるが, 第6章で自然数論の不完全性を述べているのは珍しい. また擬微分作用素の具体的な応用について書かれた唯一の和書と言ってよいであろう.
はじめに「自然現象と線型現象」と題して自己相似性と線型代数の考え方を提示する. 本書は, 旧版刊行時の高校数学Cにあった, 2×2型行列を主体とする線型代数の初歩を既知として, なぜ線型代数を学ぶ必要があるのか, 線型代数の考え方は何か, から始める.
線型代数については数ベクトル空間(ユークリッド空間)のベクトルと行列および連立1次方程式から話を始める. 対角化の意義がわかりやすい. ケイリー-ハミルトンの定理の証明も簡潔で明快である.
また, 私は本書で類の公理とZFC公理系を合わせた公理系で集合とは何か考えることができた.
そして解析学の本論が実数論から始まり, 位相空間論, 普通の微分法を含むバナッハ空間における微分法, 積分法, ルベーグ積分, 線型位相空間, ボホナー積分, 振動積分, 擬微分作用素など, 解析学の最前線に至るまで接続している. 級数の章では, 冪級数の微分積分が先取りして扱われている. 複素解析を述べた本ではないが, 指数関数と三角関数と円周率の定義は複素解析的なもので鮮やかである. 物理学で重要な熱伝導方程式とシュレディンガー方程式が現れるのも良いと思う. また実数の連続性の章と位相空間の章を合わせると, 挙げられている実数の連続性公理の数は杉浦「
解析入門Ⅰ
」より多い8+1=9個である. (杉浦氏の本は7個. )
線型代数の部では, 齋藤「
線型代数入門
」に倣った箇所も多い印象がある. しかし, 有限次元線型空間の次元が一意的に定まることの証明は簡潔に言い換えられている.
順序数と濃度の章でも, 公理的集合論と, 数少ない文献に沿った順序数の理論など, 和書としては珍しい内容がある. 自然数も順序数として再定義している. 任意の集合には整列順序が定まり, 任意の整列集合に対して, それから或る1つの順序数への順序同型写像が一意に存在し, 集合αが順序数でありx∈αならx={y∈α|y<x}かつxも順序数であり切片⊆αも順序数であることが, Qの切断によるRの構成の基になっているように見える(予備知識としては必要ない). さらに実数の連続性を示したときRの完備な全順序体としての公理的定義にも言及している. また, ここをヒントに数とは何か考えが出た. ブログを参照されたい.
位相空間の章におけるバナッハの不動点定理(縮小写像の原理)の提示と証明は偏微分方程式の適切性(初期値に連続して対応する十分滑らかで一意な解の存在問題)を意識していて感動した. また距離空間の完備化の構成が独特でおもしろい.
線型位相空間の章にある関数空間と超関数の理論は単体では読めない「
非線型発展方程式の実解析的方法
」を読む時にも参考になる. 超関数の空間の位相を, 線型位相空間の理論で厳密に定式化している. 超関数の使用者には不必要だろうけれど, 実数の構成と同じく数学の概念の存在を保証しているのだ. ここには最も感動した. 超関数の定義域(Ωにおける試験関数の成す空間)D(Ω)を線型位相空間の理論に従って構成している. これは珍しい. (ΩはR^nの開集合. 向きの付いた
多様体
とすることもある. ΩがR^nのときD(R^n)はDと書く. )
コンパクト集合上の連続関数が一様連続であること(定義域の任意の2点間で激しく変動しない連続性)の証明は, 背理法と点列の構成を用いた議論ではなく, 連続性とコンパクト性の定義に従うきれいな物である.
測度空間の構成では途中に「よく現れる天下り的で証明に帰納法を使わせる不等式」が論理の流れから自然に現れている結論であり, かなりきれいな証明である. 測度空間とルベーグ非可測集合とルベーグ積分の構成はあらゆる本の中で最も短く簡単に書いてあり, 直積測度空間の解説もあるが面倒な直積測度の構成はせず, 最小限の説明すべきことだけを書いてあるので読みやすい. なお「a.e.」は「almost everywhere」(殆んど至る所)を意味する. (補足:可測集合A⊆Bと測度mに対し m(B)=m((B−A)∪A)=m(B−A)+m(A)≧m(A) ∴ m(A)≦m(B). その系として, 集合または可測集合A⊆Bと測度m, 外測度m*に対し m*(A)≦m(B), m(A)<∞ならば m(B−A)=m(B)−m(A); m(A)<∞ならば m*(B−A)=m*(B)−m(A); m(∅)=0, m*(∅)=0. これらは他書でも暗黙の了解で使われることがある. )
また ∫f(x)dx という記号を連続関数fの「任意の原始関数のうちの1つを表す記号」と定義している. 高校数学のように「不定積分または原始関数」あるいは「任意の原始関数をまとめて表したもの」ではない. 原始関数の公式は「或る実定数Cが存在してF(x)+C=∫f(x)dx」という形に述べている. あいまいな所が無く良い定義だと感じた. ( ∫f(x)dx はユークリッド空間におけるルベーグ測度によるルベーグ積分を表すときもある. )
線型代数・集合・位相・微分積分の初学者向けではないが, 公理的集合論やルベーグ積分や擬微分作用素の入門事項の速習には最適である. 超関数の厳密な理論やシュレディンガー方程式に関する最終章も貴重である.
新訂版に固有なことまたは関連することを書く. 以下の数学的議論は, 引用ではなく, 独自の文章である.
少しの記号が統一のため或いは普及している物に合わせるべく変更されている. ルベーグ積分の章における致命的な誤植が訂正され, 線型位相空間の章では試験関数の空間D(Ω)の構成における不備が正され新たな説明も加わり, また脚注と定理が増えた. 内容が最も大きく変わったのは, 私のAmazon.co.jpにおける旧版のレビューへの自分自身コメントにより, 著者が新訂版序文で重要な話題とし和書では貴重である台がコンパクトな超関数が新たに加筆されたことである. 応用については書かれていないので, 応用についても述べる.
本書に必要な集合の(開)近傍の定義がない. 位相空間XにおいてK⊂Xの(開)近傍とはKを含むXの開集合を言う.
R^nにおける(ラプラス作用素△などの)定数係数線型偏微分作用素Pについて, Pu=δの解(Pの基本解)Eにより, 台がコンパクトな任意の超関数 f に対する方程式Pu=fはEとfの合成積(畳み込み)u=E*fをひとつの解とする. 任意のPに対してEは超関数の成す空間(常用されている関数空間としては最も広い局所可積分関数の成す空間を含む)D'の中に必ず存在することが知られている. ゆえにu∈D'も必ず存在する. fがC^∞級関数であり台がコンパクトならば, uもC^∞級関数である. 系として, 任意のf∈D'に対するPu=fの, 閉包がコンパクトな開集合Ωにおける解u∈D'(Ω), 任意のf∈C^∞(Ω)に対するPu=fの, 閉包がΩでコンパクトな開集合ω⊂Ωにおける解u∈C^∞(ω)の存在も言える.
ここで, 超関数Eと台がコンパクトな超関数fの合成積 E*f∈D' は任意のφ∈Dに対して
〈E*f, φ〉=〈E(x),〈f(y), φ(x+y)〉〉
により定義されている.〈f(y), φ(x+y)〉がxの関数として∈Dだからである(※1). なおφ∈Dの変数をxとするときφ(x)に超関数f∈D'を作用させる( φ→f(φ) =〈f, φ〉を求める)ときはfをf(x)と書き〈f, φ〉を〈f(x), φ(x)〉または∫f(x)φ(x)dxと書く. 局所可積分関数とその関数が一意に定める超関数の同一視により, E∈L^p(1≦p≦∞)かつf∈C^∞の台がコンパクトなときxをx−yに置き換え, ヘルダーの不等式とフビニの定理とルベーグ測度の平行移動不変性を用いると, 任意のφ∈Dに対して
∫(E*f)(x)φ(x)dx=∫(∫E(x−y)f(y)dy)φ(x)dx
が得られE*fは通常の合成積と超関数の意味で一致し, 超関数として
(E*f)(x)=∫E(x−y)f(y)dyとなる.
E∈D' かつ f∈Dの場合はC^∞級関数として
(E*f)(x) =〈E(y), f(x−y)〉
により定義されている. やはりE∈L^pであれば
(E*f)(x)=∫E(y)f(x−y)dy=∫E(x−y)f(y)dyとなる. (Eが局所可積分でもE*fは通常の合成積になる. 応用についてはMathlogの私の記事「ナビエ-ストークス方程式の解の存在と一意性の直観的議論および滑らかさ」も参照されたい. )
これらは偏微分方程式論(※2)において重要である. (超関数と偏微分方程式については, 谷島氏の「
物理数学入門
」も参考にした. ヘルマンダーの「
多変数複素解析学入門
」にも応用が述べられている. また本書でも述べられている, 非線型偏微分方程式の理論で重要な緩増加超関数の概念は, 擬微分作用素の定義に用いられる振動積分の定義を理解する補助にもなる. )
台がコンパクトな超関数についての定理17.17では「supp(f)がコンパクトな任意のf∈D'はsupp(f)の近傍でゼロに等しいφ∈E(=C^∞)に対して『〈g, φ〉= 0』を満たすg∈E'に一意的に拡張される」とあるがsupp(g)=supp(f)でありsupp(f)の近傍でゼロでないφ∈Eに対しては「〈g, φ〉≠ 0」でありうる.
以下, 旧版と新訂版の, 行間など自明ではない箇所に関して考え, 得た結論について. 以下も本書からの引用ではなく, 自分で考えた文章である.
線型代数の章で, 線型空間V上の線型変換Tの固有値をα_1, …, α_kとするとき, Vはα_1, …, α_kに対応する固有空間V_α_1, …, V_α_kの直和になることを述べて証明している. そこでP_jはV_α_jへの射影子であり, x∈Vに対して
Tx
=ITx
=(P_1+…+P_k)Tx
=(P_1(Tx))+…+(P_k(Tx))
=(α_1P_1+…+α_kP_k)x
ゆえにTのスペクトル分解
T=α_1P_1+…+α_kP_k
が成り立つ. 後の定理についても同様にP_jはP_j(V)への射影子でありスペクトル分解が成り立つ. これはヒルベルト空間の間の自己共役作用素のスペクトル分解のひとつの例である.
自然数論の不完全性の章では A⇒B が (¬A)∨B と表されることを既知としている. これは直観的に言うと ¬(A⇒B) が A∧(¬B) であるから二重否定の法則とド・モルガンの法則による.
同章と公理的集合論の章にある命題計算の公理では「P⇒Q」を「PであればQ」「PのときQ」「Pを仮定するとQ」「PとすればQ」などにも読み替えると意味がわかる. 和集合の公理, 共通部分の存在性, 冪集合の公理では類 x, y 或いは u, v を集合族と解釈する. また和集合の公理の「∃t(z∈t ∧ t∈x)」は「∃t∈x: z∈t」つまり「要素zは集合族xに属している或る集合tに属する」と読み, 共通部分の存在性の「∀t(t∈u ⇒ z∈t)」は「∀t∈u, z∈t」つまり「要素zは集合族uに属している全ての集合tに属する」と読めば意味がわかると思う. 命題計算の公理10と11は背理法の原理である.
公理的集合論の章の前置きにあるラッセルのパラドックスにおける「自分自身に属さない集合の集まり(x∉xを満たす集合xの集まり)」Aは, 全ての集合の集まりをSとすると, SはSに属するか属さないか, という経緯があり考えられているSの「部分集合」である. Aが集合にならないからSも集合ではない.
実数の連続性の章とバナッハ空間における微分法の章では, 実数またはバナッハ空間の元に対する絶対値またはノルムについての三角不等式
||a||-||b||≦||a-b||≦||a||+||b||
を既知としている. 左側は ||a||=||(a−b)+b||≦||a-b||+||b|| により, 右側は||a-b||=||a+(-b)||≦||a||+||-b|| による.
写像の連続性の定義が天下り的に述べられているが, これはε-論法の意味で関数f:X→Yが点a∈Xで連続とは, f(a)のYにおける任意のε-近傍Uに対して, aのXにおけるδ-近傍Vが存在して, f(V)⊆Uとなることに同値だからである.
バナッハ空間の間の写像f:V→Wについて, Vの開集合Gの点aにおける微分の定義式
lim_(x→a)||f(x)−f(a)−Df(a)(x−a)||/||x−a||=0 (∃Df(a)∈B(V, W))
はfが(多変数)関数なら点aにおける通常の(全)微分可能性を意味する. ((全)微分ならA_iを定数として
Df(a)(x−a)=A_1(x_1-a_1)+…+A_n(x_n-a_n)
となる. )
バナッハ空間Vからバナッハ空間Wへのx∈Gにおいて2回微分可能な写像fの2階微分(D^2)f(x)∈B(V, B(V, W))が
双線型写像(D^2)f(x):V×V→W
とみなせることは, 微分の定義式より任意のu∈Vに対して(D^2)f(x)(u)∈B(V, W)だから,
任意のv∈Vを固定すると
((D^2)f(x)(u))(v):V∋u→((D^2)f(x)(u))(v)∈Wはuについて線型写像
かつ任意のu∈Vを固定すると
((D^2)f(x)(u))(v):V∋v→((D^2)f(x)(u))(v)∈Wはvについて線型写像,
ゆえに(D^2)f(x)を変数がuとvのWへの関数
(D^2)f(x)(u, v):V×V∋(u, v)→(D^2)f(x)(u, v)∈W
として定義できることによる.
「2回微分可能な関数の2階偏導関数の値は偏微分の順序によらない」ことの証明では(u, v)がuvと書かれている. 証明は
∀ε>0, ∃δ>0, ∀u, v∈V, (||u||+||v||)^2<δ ⇒ ||(D^2)f(x_0)uv-(D^2)f(x_0)vu||
<4((||u||+||v||)^2)ε
でありεは任意に小さくできること, (D^2)f(x_0)の双線型により, 一般の大きさのu, vについて小さなu', v'のスカラー倍で拡張することにより終わる. (点x_0における関数fの, ベクトルu方向の変化率のベクトルv方向の変化率
((D^2)f(x_0)(u))(v)=((D^2)f(x_0)(v))(u)であるから. )
例えば, fがR^2の領域Aにおける実数値C^2級関数なら点(a, b)∈Aにおけるfの2階偏導関数の値は, 滑らかな曲面S={(x, y, z)∈R^3| z=f(x, y), (x, y)∈A}の点(a, y, f(a, y))における接平面の(x, 0)方向の傾き
(∂f/∂x)(a, y)
の(0, y)方向の傾き
((∂/∂y)(∂f/∂x))(a, b)=((∂^2)f/(∂y∂x))(a, b)
と, xとyおよびaとbを適材適所で入れ替えたもの
((∂/∂x)(∂f/∂y))(a, b)=((∂^2)f/(∂x∂y))(a, b)
がある. S上で(∂f/∂x)(a, y)および(∂f/∂y)(x, b)が(0, y)方向および(x, 0)方向に連続的に変化していくから,
図形的には点(a, b)において((∂^2)f/(∂y∂x))(a, y)と((∂^2)f/(∂x∂y))(x, b)は等しいことがわかる.
陰関数定理の本質は, ((x, y), z)-空間における2変数関数z=f(x, y)の零点の集合(これは(x, y)-空間の曲線や曲面など, 超曲面)が局所的に関数のグラフとなる, すなわち或る点の或る近傍でy(またはx)について解けるためにはその点でのfのy(またはx)についての或る種の微分が0でないことが必要, ということである.
ルベーグ測度の構成は二段構えであり,
区間に対するルベーグ測度
↓完備化する
ルベーグ測度
↓測度空間を構成
完備な測度空間
からの,
区間に対するルベーグ測度
↓ルベーグ外測度を定義
カラテオドリによるルベーグ測度
↓測度空間を構成
完備な測度空間
の流れであるが, これらが一致することを抽象的な枠組みで証明しているので, 区間に対するルベーグ外測度は区間に対するルベーグ測度に等しい.
測度空間の完備化について. Sの可測集合族Bに対する
__
B={ D | D⊆S, ∃E∈B, ∃N∈B,
(D∪E)−(D∩E)=(D−E)∪(E−D)⊆N, m(N)=0}
において, 大雑把に言うとDは, Dを近似する可測集合Eとは零集合Nの分だけ異なるSの部分集合でありNはDのいわば「いくらでも潰せる複雑な部分」である.
線型位相空間の章に, 自明ではなく証明がない命題があるので, 多少不正確ながら自力で考えた証明をブログで紹介しておく.
集合の間の全単射があるという意味で, また直観的には
D(Ω)
=lim_(K→Ω)(D_K)(Ω)
=(∪_(K⊂Ω))(D_K)(Ω)
=((C^∞)_0)(Ω)
が成り立つ.
余談だが, 帰納的極限の定義の連続写像Fは普遍射である.
(※1)-(※2) ブログに詳しいことを書いておきました. 必要に応じて, 私のTwitterの固定ツイートの下のツイートのリプにあるモーメントもご利用ください.
(2017年1月に投稿した物を再掲, 2023年1月20日最終推敲)
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数理解析学概論 新訂版 単行本 – 2016/12/1
北田 均
(著)
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2022年2月26日に日本でレビュー済み
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2017年1月26日に日本でレビュー済み
北田先生の最初の有名な研究業績は、シュレディンガー方程式の長距離型散乱理論の完全性の証明だろうと思います。シュレディンガー方程 式の散乱理論というのは、電子を記述するシュレディンガー方程式の解は、十分長い時間待つと、原子核に束縛される部分と、遠くに散乱して自由な運動に近づ く部分とに分かれる、という現象を解析する理論です。
熊ノ郷準先生、谷島賢二先生、磯崎洋先生との一連の共同研究で、散乱理論における超局所解析の手法の導入に大きな成果を挙げている。大 きな理論的貢献というのは、しばしば、時間が経つと「昔からあった伝承」という風に思われる事があります。散乱理論における超局所解析の手法は、北田先生 を中心に導入された理論である
内容は596ページで分厚いが現代では古典的
第Ⅰ部 線型代数学入門
第1章 自然現象と線型現象/第2章 行列と線型写像/第3章 行列式と内積/第4章 線型空間上の計量/第5章 ジョルダン標準形
第Ⅱ部 数理解析学概論
第6章 数学の論理/第7章 公理論的集合論/第8章 順序数と濃度/第9章 実数/第10章 実数の連続性/第11章 位相と距離/第12章 連続写像/第13章 級数/第14章 バナッハ空間における微分/第15章 リーマン積分/第16章 ルベーグ積分/第17章 線型位相空間/第18章 ボホナー積分/第19章 擬微分作用素/第20章 擬微分作用素の多重積/第21章 フーリエ積分作用素/第22章 広義積分の収束-散乱理論の場合
今の学生さんなら関数解析・ベクトル解析・微分形式・微分幾何・多様体・群論・圏論・数論・トポロジー・結び目理論など学ぶことがまだまだあるようで大変ですね。
雑記:you tube 動画で「微分と行列 ∞行列と∞空間の意味とは!?」から学ぼう。
関数解析とは、「無限次元の線形代数」で、バナッハ空間の閉グラフ定理(開写像定理)が連立一次方程式の解法に相当し、ヒルベルト空間のスペクトル分解定理が二次曲面の分類に相当する。
フーリエ級数こそヒルベルト空間の出発点だった。つまり「フーリエ変換はスペクトル分解の特別なもの」Banach空間とは,完備なノルム空間のことだが,なぜ「完備性」を仮定するのか.これは,完備性は非線形偏微分方程式の解の存在を保証するからだ。
近代解析の基礎としては、偏微分方程式のソボレフ空間と確率論の無限次元空間の測度が必要である。測度は連続関数の空間上の正の線形汎関数と定義すればすっきりする。
近代解析のモデルは波動方程式・熱方程式・シュレディンガー方程式の三つである。言い換えれば偏微分方程式・確率論・数理物理で、この三つはそれぞれセンスがかなり違う。
多変数関数論を記述する「層」は抽象数学的であるが、偏微分方程式論の基本的道具の「ソボレフ空間」は実関数論的で、特に抽象数学ではない。
熊ノ郷準先生、谷島賢二先生、磯崎洋先生との一連の共同研究で、散乱理論における超局所解析の手法の導入に大きな成果を挙げている。大 きな理論的貢献というのは、しばしば、時間が経つと「昔からあった伝承」という風に思われる事があります。散乱理論における超局所解析の手法は、北田先生 を中心に導入された理論である
内容は596ページで分厚いが現代では古典的
第Ⅰ部 線型代数学入門
第1章 自然現象と線型現象/第2章 行列と線型写像/第3章 行列式と内積/第4章 線型空間上の計量/第5章 ジョルダン標準形
第Ⅱ部 数理解析学概論
第6章 数学の論理/第7章 公理論的集合論/第8章 順序数と濃度/第9章 実数/第10章 実数の連続性/第11章 位相と距離/第12章 連続写像/第13章 級数/第14章 バナッハ空間における微分/第15章 リーマン積分/第16章 ルベーグ積分/第17章 線型位相空間/第18章 ボホナー積分/第19章 擬微分作用素/第20章 擬微分作用素の多重積/第21章 フーリエ積分作用素/第22章 広義積分の収束-散乱理論の場合
今の学生さんなら関数解析・ベクトル解析・微分形式・微分幾何・多様体・群論・圏論・数論・トポロジー・結び目理論など学ぶことがまだまだあるようで大変ですね。
雑記:you tube 動画で「微分と行列 ∞行列と∞空間の意味とは!?」から学ぼう。
関数解析とは、「無限次元の線形代数」で、バナッハ空間の閉グラフ定理(開写像定理)が連立一次方程式の解法に相当し、ヒルベルト空間のスペクトル分解定理が二次曲面の分類に相当する。
フーリエ級数こそヒルベルト空間の出発点だった。つまり「フーリエ変換はスペクトル分解の特別なもの」Banach空間とは,完備なノルム空間のことだが,なぜ「完備性」を仮定するのか.これは,完備性は非線形偏微分方程式の解の存在を保証するからだ。
近代解析の基礎としては、偏微分方程式のソボレフ空間と確率論の無限次元空間の測度が必要である。測度は連続関数の空間上の正の線形汎関数と定義すればすっきりする。
近代解析のモデルは波動方程式・熱方程式・シュレディンガー方程式の三つである。言い換えれば偏微分方程式・確率論・数理物理で、この三つはそれぞれセンスがかなり違う。
多変数関数論を記述する「層」は抽象数学的であるが、偏微分方程式論の基本的道具の「ソボレフ空間」は実関数論的で、特に抽象数学ではない。