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同化と他者化 ―戦後沖縄の本土就職者たち― 単行本(ソフトカバー) – 2013/2/15
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- 本の長さ450ページ
- 言語日本語
- 出版社ナカニシヤ出版
- 発売日2013/2/15
- ISBN-104779507235
- ISBN-13978-4779507236
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出版社より
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生活史論集 | 地元を生きる―沖縄的共同性の社会学 | 同化と他者化 ―戦後沖縄の本土就職者たち | |
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価格 | ¥3,960¥3,960 | ¥3,520¥3,520 | ¥3,960¥3,960 |
岸 政彦 編 | 岸 政彦・打越正行・上原健太郎・上間陽子 著 | 岸 政彦 著 | |
出版年月 | 2022/12 | 2020/10 | 2013/2 |
「人生の語りを聞く」とはどういうことか。10人の社会学者による、生活史の語りに基づく論文を収録。社会学的質的調査の最前線。 | 階層格差という現実のなかで生きられる沖縄的共同性──。 膨大なフィールドワークから浮かび上がる、教員、公務員、飲食業、建築労働者、風俗嬢…… さまざまな職業の人びとの「沖縄の人生」。 | 復帰前、「祖国」へのあこがれと希望を胸に、本土へ渡った膨大な数の沖縄の若者たち。しかしそれは壮大な「沖縄への帰還」の旅でもあった──。 著者の初の単著にして主著。 |
登録情報
- 出版社 : ナカニシヤ出版 (2013/2/15)
- 発売日 : 2013/2/15
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 450ページ
- ISBN-10 : 4779507235
- ISBN-13 : 978-4779507236
- Amazon 売れ筋ランキング: - 102,644位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 4,691位社会学 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について

1967年生まれ。京都大学大学院文学研究科教授。社会学者。研究テーマは沖縄、生活史、社会調査方法論。主な著作に『同化と他者化──戦後沖縄の本土就職者』(ナカニシヤ出版 2013)、『街の人生』(勁草書房 2014)、『断片的なものの社会学』(朝日出版社 2015)、『愛と欲望の雑談』(雨宮まみと共著 ミシマ社 2016)、『質的社会調査の方法──他者の合理性の理解社会学』(石原丈昇・丸山里美と共著 有斐閣 2016)、『ビニール傘』(新潮社 2017)、『はじめての沖縄』(新曜社 2018)、『マンゴーと手榴弾』(勁草書房 2018)、『社会学はどこから来てどこへ行くのか』(北田暁大・筒井淳也・稲葉振一郎と共著 有斐閣 2018)、『図書室』(新潮社 2019)『地元を生きる──沖縄的共同性の社会学』(打越正行・上原健太郎・上間陽子と共著 ナカニシヤ出版 2020)、『100分de名著 ブルデュー「ディスタンクシオン」』 (NHK出版 2020)、『大阪』(柴崎友香と共著 河出書房新社 2021)、『リリアン』(新潮社 2021)、『東京の生活史』(筑摩書房 2021)、『生活史論集』(編著 ナカニシヤ出版 2022)など。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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本書が議論するのは戦後から現在に至る「沖縄」だ。まず、前提知識として著者が投げかけるのは、マクロな視点から見た戦後沖縄の経済発展の眺望。現在の私たちの感覚からすると意外に思えるが、じつは戦後の沖縄には景気のいい場所として過ごされた時代があるらしい。にもかかわらず、そこから本土に渡って就職し、そして戻ってくるという人が多く存在してきた。だとすれば彼ら彼女らは、景気が悪くて、仕事を求めて本土へ(そして本土から)移動したわけでは必ずしもなかった。
では、いったいなぜ移動したのか? そこでなにが起こっていたのか?
著者はその問いに答えるために本土就職を経験した人びとやその周辺に入りこみ、その生活史・語りを読みとく。そこから徐々に明らかになっていくのは、沖縄の人々をめぐってなされてきた「同化と他者化」という、私たちが生きている日本社会のもつ、ある種の振る舞いの断面だ。
率直に言って、浅学の印象では、本書以前の社会学者による沖縄研究には、商業化された「沖縄」イメージを論じる類の構築主義的アプローチが多かった。それはそれで、それなりに面白いと思うのだが、あまりハッとさせられる議論ではなかった(私にとっては)。
しかし多くの取材に基づくこの本が知として与えてくれるのはそのような性質の体験ではなかったし、「同化と他者化」という書名にも表されている問題意識は、この日本社会が近代化のなかで醸成してきた、ある種の「日本らしさ」ではないかと思う。その意味で、これは沖縄についての経験研究であると同時に、日本社会についての理論的な社会学にもなっている。
おそらく、私がこのような感想を持ったのは、著者が持つ社会観であったり、社会学観によるのだと思う。沖縄に興味がある人が読んで楽しめるのは間違いないが、それに限らず日本社会に学術的興味がある読者は、必ず楽しめる著作になっている。
「目次」より
序 章 オキナワから来た少年
第一章 戦後沖縄の経済成長と労働力流出
第二章 本土就職者たちの生活史
第三章 ノスタルジックな語り
第四章 本土就職とはなにか
結 論 同化と他者化
なぜなら、思考を積み重ねているパレスチナ問題に対するヒントを得られるからだ。岸さんのことは、100 de 名著の「ディスタンクシオン」や「ネコメンタリー」でネコ好きなことなどを知っているが、社会学者としての仕事は知らなかった。この本では、沖縄から本土に就職する人が、4、5年で必ず帰ってくるという事実をフィールド調査から社会学的に分析したものだ。
特に面白いのは、以下の部分だ。
「ある小さなシンポジウムで次のような光景があった。ひとりの教育社会学者が、在日コリアンの若者たちのアイデンティティについて報告したあと、質疑応答の時間になり、会場にいた別の社会学者が質問した。『マイノリティのアイデンティティーについてはおっしゃるとおりだと思いますが、それではわれわれマジョリティは、どのようにして自分たちのアイデンティティをつくっていけばよいのでしょうか』と。報告者はしばらく無言で考えたあと、ぽつりと『マジョリティーにはアイデンティティは必要ないと思います』と答えたのだった。」
「沖縄人と本土人」、「在日コリアンと日本人」、「外国人労働者と日本人社員」、「パレスチナ人とイスラエル人」、マイノリティのアイデンティティに対応するものはマジョリティにはない。否、アイデンティティをもたなくて済むのである。
この「亀裂」がくっきりすればするほど、マイノリティのアイデンティティを理解しよう、と考える人も出てくるだろう。そして、それが社会学としての社会貢献だとも言える。研究の切り口が面白いのだ!
あれ聞いたらもう、涙流れるぐらい(に懐かしくなった)。(「本土生活者たちの生活史」より)
本書は、復帰前の沖縄の「本土就職」を取り上げている。新しい生活を求めて多くの若者が沖縄から旅立った「本土就職」。期待に胸を膨らませ「祖国」に向かうが、多くの若者が短期間のうちに沖縄にUターンしてしまう。しかも、多くの人が「本土就職は楽しかった」と言っているにも関わらず。なぜ、彼らは故郷に帰ってしまったのか?
多くのページが割かれている「本土就職者たちの生活史」は、7名の聞き取りで構成されており、特にカーラジオから流れてくる沖縄民謡に聞き入る語りが印象深い。
あなたも、ふとした瞬間聞こえてきた故郷の音楽に、心奪われたことはないだろうか。沖縄の本土就職というニッチなテーマではあるが、故郷を離れた人、居場所がないと感じている人に、ぜひ手にとってほしい一冊。
【Reviewed By Synodos/シノドス】
まず沖縄という特殊性を把握してからレビューに進もう。そもそも沖縄は那覇という確固たる文化的中心地をもつ独立した琉球王国だった。沖縄は近代国家日本の最初の植民地となるが、朝鮮と台湾が外地として編入されると、内地としてのプレゼンスが高まるようになった。戦後アメリカ軍統治下時代を経てようやく復帰したのが1972年である。現在日本の法制度には内地と外地という区分が公的にはないが、20世紀の沖縄の立場ははげしく揺れ動いたと言えるだろう。
そのように考えたとき、本書の射程、1950年代から1990年代までというのは絶妙だ。内地から切り離され、内地に復帰しようとし(復帰運動)、そして沖縄としての独自性の再発見というのが、実質一世代で起きた時代を対象にすることを成功している。
第一章では、経済成長と本土移動についての基礎データを概観し、その移動が単純な経済合理性からは導き出せない「過剰移動」であることを指摘し、第二章で生活史という形で人々の前に何が示されていたのかを見ていく。そして第四章それが政治的な働きによるものであったということが政府などの文献資料から明かにされる。すなわち、経済成長にわく1950-60年の沖縄においてなぜ人々は大阪などに就職を使用としたのかは国策だったのだ。国策は制度を整え、人々を内地に送り出すために様々な手を尽くした。
しかし問題は残る。なぜ沖縄に人々は戻ってくるのか。なぜ人々はかつてほど内地に向かわないのか。著者が三章から終章で試みるのはまさにそれである。二章で提示されたインタビューにおいて得られた生活史の語りからはまさに過去に対するノスタルジックが伺える。輝かしい都会、憧れの内地、第二の故郷といった表象がみてとれる。もちろん内地はユートピアではない。差別もあったことは語られるが、出稼ぎにきた若者が逃げ帰るような激しさをともなったものとしてではない。一方で、沖縄民謡のよさを再確認した、戻るべき場所としての沖縄といったものが語られる。
それに対して著者は慎重である。まさにノスタルジーこそが帰還の要因であるとは言わない。インタビューという場面は複雑である。誰が・どこで・何について語るかによって参照されている過去の事実は変わらなくてもレトリックは変貌する。社会学内部の構築主義と実証主義の議論に留意しながら、丁寧に語りについて考察を進めていく。
上述したように、国策として内地就業が奨励され、様々な制度が作られたことが述べられたのが4章である。しかしそこにおいて、就業のため同化(日本人化)が奨励されると同時に強固な沖縄人化への埋め込みがなされていたことが示される。民謡の習得、名産品についての語りetcをすることが日本人への術であると。そしてそのことが、沖縄の沖縄化の核になっていたことが明かされる。つまり1950年代以前から連綿と続く沖縄的なものではなく、近年創造されている沖縄らしさに絡み取られる形で、本土就労者のノスタルジーが形成されているのだ。
p362を引用しよう。「沖縄人を日本人化しようとすることそのものが、沖縄は日本ではないという端的な時事を明るみに出してしまうのである。少なくともそこでは、沖縄と日本との、文化的、歴史的、経済的、社会的、政治的なあらゆる差異が、むしろ拡大されてしまうのである。」
沖縄から内地に向かう動きは弱まっている一方、沖縄においても都市の人口増加は止まっていない。文化圏としての沖縄は着実に歴史を重ねていっているようである。
以上、レビューが読者層を広げるためのものとはいえ、沖縄固有の問題から移民問題における沖縄として横から読むようなレビューになったが、本書の最大の魅力は著者と調査対象(インフォーマント)の関係だろう。著者がインフォーマントと沖縄を敬愛していること、一方でインフォーマントに信頼されていることがありありと伺える。
他者化はコミュニケーションの断絶を意味しない。むしろ他者として適切に向かい合うことからこそコミュニケーションは始まるのだ。沖縄において基地問題が(内地のマスコミによって)再燃している今、戯画化された沖縄人ではない生きた沖縄人が描き出された本書が出版されたことを喜びたい。