"お前さんは私のロムだから、お前さんのロミを殺す権利はあるよ。だけど、カルメンはどこまでも自由なカルメンだからね"1845年発刊の本書はフランス有名オペラの原作にして、風のように駆け抜ける【刹那的なカルメンが鮮烈な印象を残す】多才で社交的な著者が『内と外』を額縁形式で描いた傑作中編小説。
さて、カルメン。と言えば、私なんがが真っ先に浮かぶイメージは自由奔放なれど、どこか【悪女的なファム・ファタール】といったオペラに影響された視覚的イメージなのですが。そういった大幅に改変される以前の原作は未読だったので、今回ようやく手にとりました。
そんな本書は、オペラには未登場の著者自身(の願望を)を彷彿とさせるフランスの考古学者がスペインを旅行中に出会った山賊、ホセから懺悔話を聞く形式でカルメンとの悲恋が語られていくわけですが。読みすすめていて意外だったのは、カルメン自身は実は悪女というより【自立し逞しく生きる誠実な女性】といった在り方で、むしろ凡庸さと乱暴さが目立つホセの【一方的な犠牲になってしまった】と、思い描いていた先入観と真逆の印象を受けたことです。(うん。カルメンは何も悪くない)
また本書は100ページに満たない中編なのですが。この分量で描かれたからこそ、カルメンの鮮やかな魅力が文学史上でも普遍的な存在感をもって、今なおオペラや映画と様々に表現者が解釈の余地を残し、創り手を刺激しているのでは?とも思ったり。(作中では、中でも2人が一緒にいる時に、カルメンが大事なお皿を割って、カスタネットにして踊るシーンが好きですね。私は。そりゃ惚れますわ!)
オペラともまた違うカルメンの魅力を知りたい誰かへ。また文学史上でも屈指の輝きをみせるヒロインとしての描かれ方に関心のある誰かへもオススメ。
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カルメン ペーパーバック – 2017/7/12
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~新訳で鮮やかに蘇る 自由を愛したカルメン~「カルメン」は作者(メリメ)の語りですすめられる。作者が考古学の研究のためスペインのある地域を旅行中、山の中である男に出会う。その男はやつれていた。作者は男に葉巻をやり、そして食事を与えた。作者とホセと作者の旅の案内人がその日は一緒に宿に泊まった。 男は名うての山賊のドン・ホセであった。ホセは指名手配中の犯罪者で、彼の居所をお上に知らせると多額の報奨金がもらえた。案内人はお金に目がくらんでこっそりとホセのことを近くの槍騎兵の屯営所に知らせに行った。作者はそれに気がつき、ホセにまもなく槍騎兵が押しかけてくることを伝えた。ホセはうまく逃げ、同時に作者に対して強い恩義を感じた。 それから数日してドン・ホセは死刑囚として投獄された。作者は死刑執行の前にホセに会い、そして彼から身の上話を聞いた。 ドン・ホセは名前が示すように一応貴族の出身であるが、若いとき、喧嘩をして故郷を出なければならなかった。ホセは騎兵として連隊に入隊した。そこで出会ったのがジプシー女のカルメンであった。カルメンは傷害の罪で連隊につかまった。カルメンを監獄に送るのがホセの役目であった。ホセはうまく丸め込まれ、カルメンを逃がしてしまったため、ホセは連隊から懲罰を与えられた。 カルメンはホセに惚れた。ホセもカルメンのことが忘れられなくなった。カルメンは情熱的な美人で、カスタネットの伴奏でフラメンコを踊り、男たちを魅了した。 ホセは連隊から逃げ出し、カルメンと行動を伴にするようになった。2人は夫婦になった。ジプシーのある者たちは密輸で暮らしていた。カルメンもその1人で、ホセも密輸をするようになり、それをきっかけにホセは奈落の底へ落ちていった。カルメンはホセにとって悪魔のような女であった。ホセは魂まで吸い取られてしまった。気がついてみるとホセは平気で人を殺す極悪人になっていた。しかし、ホセはますますカルメンのことを愛した。
- 本の長さ136ページ
- 言語日本語
- 出版社バベルプレス
- 発売日2017/7/12
- 寸法12.8 x 0.86 x 18.8 cm
- ISBN-104894495406
- ISBN-13978-4894495401
登録情報
- 出版社 : バベルプレス (2017/7/12)
- 発売日 : 2017/7/12
- 言語 : 日本語
- ペーパーバック : 136ページ
- ISBN-10 : 4894495406
- ISBN-13 : 978-4894495401
- 寸法 : 12.8 x 0.86 x 18.8 cm
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