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ジェイコブズ対モーゼス: ニューヨーク都市計画をめぐる闘い 単行本 – 2011/4/6
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購入オプションとあわせ買い
現在のニューヨークの骨格となるインフラを整備したロバート・モーゼス。彼とジェイン・ジェイコブズのワシントンスクエアパークや周辺環境の保全を巡る壮絶な闘いを描く。
- 本の長さ318ページ
- 言語日本語
- 出版社鹿島出版会
- 発売日2011/4/6
- 寸法13 x 2.2 x 18.9 cm
- ISBN-104306072894
- ISBN-13978-4306072893
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対象商品: ジェイコブズ対モーゼス: ニューヨーク都市計画をめぐる闘い
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登録情報
- 出版社 : 鹿島出版会 (2011/4/6)
- 発売日 : 2011/4/6
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 318ページ
- ISBN-10 : 4306072894
- ISBN-13 : 978-4306072893
- 寸法 : 13 x 2.2 x 18.9 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 444,617位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2018年5月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大都市NYの街がどのように形成されたか、その過程が面白い。建築専門家でなくても引き込まれる内容、スリリングだ
2012年12月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
たぶんあまりに当然で、わざわざ言挙げするのも野暮だし、PC的にも問題がありそうだから誰も言わないんだろうけど、しかし書名を見る限り原著者も訳者も強く意識してると思うんで、野暮な私はその話をしてみます。
本書の原題はWRESTLING WITH MOSESで、邦題では原音に従ってモーゼスとなりますが、これはモーセですから「モーセとの格闘」です。いかにも壮絶な闘いになりそうではありませんか。
で、対するジェイン・ジェイコブスのジェイコブスはヤコブですから、邦題は「ヤコブvsモーセ」になる仕掛けで、これもまたいろいろ旧約に因んだ深読みを誘いそうです。
American Jewish ArchivesのHPで一応確認しましたが、両者ともちゃんと登録されています。ジェイコブスの結婚前の姓はButznerですが、これもユダヤ系の姓です。NYの知識階層の話ですからね。
以上は本書の内容というより、それを差し出すレトリックの問題ですが、確かにそういうスケールの大きさが不自然ではない物語です。
ただ、読み物としては大変面白いのですが、モーゼスやジェイコブスの思想に立ち入った考察が十分になされているかと言えば、そういう部分では勝負していないと言わざるを得ないでしょう。その辺りに興味のある人は、別の本を当たってください、ということでしょうか。
本書の原題はWRESTLING WITH MOSESで、邦題では原音に従ってモーゼスとなりますが、これはモーセですから「モーセとの格闘」です。いかにも壮絶な闘いになりそうではありませんか。
で、対するジェイン・ジェイコブスのジェイコブスはヤコブですから、邦題は「ヤコブvsモーセ」になる仕掛けで、これもまたいろいろ旧約に因んだ深読みを誘いそうです。
American Jewish ArchivesのHPで一応確認しましたが、両者ともちゃんと登録されています。ジェイコブスの結婚前の姓はButznerですが、これもユダヤ系の姓です。NYの知識階層の話ですからね。
以上は本書の内容というより、それを差し出すレトリックの問題ですが、確かにそういうスケールの大きさが不自然ではない物語です。
ただ、読み物としては大変面白いのですが、モーゼスやジェイコブスの思想に立ち入った考察が十分になされているかと言えば、そういう部分では勝負していないと言わざるを得ないでしょう。その辺りに興味のある人は、別の本を当たってください、ということでしょうか。
2011年6月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まず最初に記しておきます。
私は「アメリカ大都市の死と生」は読んだことがありません。
都市開発と再開発論も全く知らない門外漢です。
ですがとても興味深い内容で、一気に読めました。
著者は、まずは両者の経歴に触れ、その後の両者の対決を描写していきます。
その中に垣間見えるのは、単なる都市開発、再開発の問題ではありません。
ここで描写されているのは、縮めて言えば公の論理と市民の論理のように思います。
既に指摘されているように、現代日本の類例では沖縄基地問題や原発問題などを思い起こさせる内容です。
他にはアカデミックな研究者対民間研究者といった側面も持っています。
女性であり、専門の教育を受けていないジェイコブズは様々に批判されています。
なかなか興味深い問題枠組みだと思います。
全般にジェイコブズ=善、モーゼス=悪という図式になってますが、丁寧な描写でそこからずれる部分もあります。
モーゼスの功績についても触れており、マスタービルダーである彼の偉大さも充分伝わります。
個人的な資産もあまり残さなかったというのも意外で、彼の志の高さをうかがわせます。
いずれにしても非常に魅力的な両者による物語を堪能しました。
私は「アメリカ大都市の死と生」は読んだことがありません。
都市開発と再開発論も全く知らない門外漢です。
ですがとても興味深い内容で、一気に読めました。
著者は、まずは両者の経歴に触れ、その後の両者の対決を描写していきます。
その中に垣間見えるのは、単なる都市開発、再開発の問題ではありません。
ここで描写されているのは、縮めて言えば公の論理と市民の論理のように思います。
既に指摘されているように、現代日本の類例では沖縄基地問題や原発問題などを思い起こさせる内容です。
他にはアカデミックな研究者対民間研究者といった側面も持っています。
女性であり、専門の教育を受けていないジェイコブズは様々に批判されています。
なかなか興味深い問題枠組みだと思います。
全般にジェイコブズ=善、モーゼス=悪という図式になってますが、丁寧な描写でそこからずれる部分もあります。
モーゼスの功績についても触れており、マスタービルダーである彼の偉大さも充分伝わります。
個人的な資産もあまり残さなかったというのも意外で、彼の志の高さをうかがわせます。
いずれにしても非常に魅力的な両者による物語を堪能しました。
2011年6月6日に日本でレビュー済み
1950年代半ばのニューヨーク、一人の男が大胆な都市計画を実行しようとしていた。男の名前は、ロバート・モーゼス。ニューヨークにおける都市再生の推進者で、マスタービルダーの異名を取る人物。狡猾さと専門的知識を武器に官僚的な駆け引きを繰り返し、五代のニューヨーク市長、六代の州知事に使え上げたという。
モーゼスの構想は、ワシントンスクウェアの公園を半分に割って、中央に車道を通すというものであった。五番街を延伸することによって、近代的な道路網と巨大住宅再開発事業が組み合わせることが可能になるのであった。ここに立ちはだかったのが、地元に住む住民代表でフリージャーナリストでもあったジェイン・ジェイコブズ。本書は、その開発と保全を巡る壮絶な闘いの記録である。
◆本書の目次
序章 混乱と秩序
第1章 スクラントン出身の田舎娘
第2章 マスター・ビルダー
第3章 ワシントンスクウェアパークの闘い
第4章 グリニッジビレッジの都市再生
第5章 ローワーマンハッタン・エクスプレスウェイ
終章 それぞれの道
主婦でもあるジェイコブズは、「ダウンタウンは人びとのものである」という言葉を核に運動を拡大し、結果的にワシントンスクウェアパークの計画は頓挫する。しかしこの事実に内包されているのは、地元を思う熱い気持ちが、巨大なものを退けたという単純な勧善懲悪のストーリーだけではない。彼女を勝利たらしめたものは一体何であったのか?それが、本書の大きなテーマの一つである。
ジェイコブズは、都市を呼吸する生命体として捉えており、一見無秩序に見える多様性にこそ価値があると考えている。この目線は、地元住民でありながら客観性を帯びており、その観察眼は鋭い。彼女はその当事者性を、報道関係への注目惹起のために狡猾に利用しているようにも思える。そして、トップダウンの大きな決定に順応することを潔しとしないその胆力には、敬服するよりほかはない。
本書の論調は、全編を通してジェイコブズ寄りに書かれており、モーゼスは完全なヒールとして描かれているが、近年では再評価の声もあがっているという。しかし、開発か保全かというその是非はともかく、トップダウンの計画を市民が退けたという事実は、後世に大きな影響を与えたことだろう。また、彼女がその後に執筆した『アメリカ大都市の死と生』という書物は、今でも都市計画におけるバイブル的な存在になっているという。
今後の震災復興にあたり、日本をどのように再生していくべきなのか、ヒントになるところの多い一冊ではないだろうか。
モーゼスの構想は、ワシントンスクウェアの公園を半分に割って、中央に車道を通すというものであった。五番街を延伸することによって、近代的な道路網と巨大住宅再開発事業が組み合わせることが可能になるのであった。ここに立ちはだかったのが、地元に住む住民代表でフリージャーナリストでもあったジェイン・ジェイコブズ。本書は、その開発と保全を巡る壮絶な闘いの記録である。
◆本書の目次
序章 混乱と秩序
第1章 スクラントン出身の田舎娘
第2章 マスター・ビルダー
第3章 ワシントンスクウェアパークの闘い
第4章 グリニッジビレッジの都市再生
第5章 ローワーマンハッタン・エクスプレスウェイ
終章 それぞれの道
主婦でもあるジェイコブズは、「ダウンタウンは人びとのものである」という言葉を核に運動を拡大し、結果的にワシントンスクウェアパークの計画は頓挫する。しかしこの事実に内包されているのは、地元を思う熱い気持ちが、巨大なものを退けたという単純な勧善懲悪のストーリーだけではない。彼女を勝利たらしめたものは一体何であったのか?それが、本書の大きなテーマの一つである。
ジェイコブズは、都市を呼吸する生命体として捉えており、一見無秩序に見える多様性にこそ価値があると考えている。この目線は、地元住民でありながら客観性を帯びており、その観察眼は鋭い。彼女はその当事者性を、報道関係への注目惹起のために狡猾に利用しているようにも思える。そして、トップダウンの大きな決定に順応することを潔しとしないその胆力には、敬服するよりほかはない。
本書の論調は、全編を通してジェイコブズ寄りに書かれており、モーゼスは完全なヒールとして描かれているが、近年では再評価の声もあがっているという。しかし、開発か保全かというその是非はともかく、トップダウンの計画を市民が退けたという事実は、後世に大きな影響を与えたことだろう。また、彼女がその後に執筆した『アメリカ大都市の死と生』という書物は、今でも都市計画におけるバイブル的な存在になっているという。
今後の震災復興にあたり、日本をどのように再生していくべきなのか、ヒントになるところの多い一冊ではないだろうか。
2012年6月19日に日本でレビュー済み
ジェイン・ジェイコブズは一介の主婦である、と言われているらしいが、そんな訳がない。権力を持たない側の人間であることは間違いないが、彼女ほど行動力があって、問題の根本を追求し、その解決ための立案や調査を惜しまず、時には狡猾ともいえる方法で目的に向けて突き進む人物はそういないだろう。
タイトル自体にに対立構造が盛り込まれているように、本書は一般人ジェイコブズが権力者モーゼスの政策に異を唱え立ち向かっていく物語でもある。
一般人であるところの彼女が時の権力者に勝利した要因は果たしてどのようなものだったのだろうか。
このストーリーの敵役であるところのモーゼスは1950年代にニューヨークで市の都市計画をほぼ一手に担っていた人物である。橋や高速道路、インフラなどいわゆる大規模開発を巧みな政治手腕で次々と実現していく姿が描かれている。荒廃した都市を整然とした姿に変えていく手法はニューヨークを再生させる最善の方法であると考えられていた。そして主人公ジェイコブズは建築や都市を専門とする一介ののジャーナリストであった。彼女はモーゼスが近代化を推し進めるニューヨークにあって、既にその鋭い観察眼から良い都市には混合用途や雑多な界隈などの、一見無秩序に見える多様性が必要であることを感じ取っていた。共にニューヨークを良くしようとする二人の登場人物は、既に最初の段階で全く異なるベクトルを持っていたという。
両者はワシントンスクエアパーク、グリニッジヴィレッジ、マンハッタンエクスプレスなどのプロジェクトにおいて数度対立することになるが、ジェイコブズは「一般市民の団結がトップダウン式の決定に屈しない」という政治決定を実現することで勝利を収めている。ジェイコブズの名著「アメリカ大都市の死と生」がそのような経験のもとに誕生したという経緯が描かれている点も興味深い。
本書はタイトルのような勧善懲悪の物語に仕上がっている感はあるが、現在では訳者あとがきにもあるように長期的視点に立った社会インフラの必要性からモーゼスの働きを再評価する動きもあるという。モーゼスが現在のニューヨークの骨格を築き生活の基盤を引き上げたことは事実であり、ジェイコブズ的な手法だけでは都市インフラそのものの寿命に対応できないことも予想されるのである。この新たな整備や開発を求めざるを得ないことがアメリカという国家の限界を示しているようにも思える。しかし、もしも第2のモーゼスとジェイコブズが奇しくも同時に出現することがあるとすれば、今度は手を取り合って開発だけでも保全だけでもない新たなパラダイムで世界を率いる日が来るのかもしれない。
「開発か保全」という2つしか選択肢がないと思い込みがちな日本の都市計画の閉塞感に亀裂を入れる一冊としてぜひ一読をお勧めしたい。
タイトル自体にに対立構造が盛り込まれているように、本書は一般人ジェイコブズが権力者モーゼスの政策に異を唱え立ち向かっていく物語でもある。
一般人であるところの彼女が時の権力者に勝利した要因は果たしてどのようなものだったのだろうか。
このストーリーの敵役であるところのモーゼスは1950年代にニューヨークで市の都市計画をほぼ一手に担っていた人物である。橋や高速道路、インフラなどいわゆる大規模開発を巧みな政治手腕で次々と実現していく姿が描かれている。荒廃した都市を整然とした姿に変えていく手法はニューヨークを再生させる最善の方法であると考えられていた。そして主人公ジェイコブズは建築や都市を専門とする一介ののジャーナリストであった。彼女はモーゼスが近代化を推し進めるニューヨークにあって、既にその鋭い観察眼から良い都市には混合用途や雑多な界隈などの、一見無秩序に見える多様性が必要であることを感じ取っていた。共にニューヨークを良くしようとする二人の登場人物は、既に最初の段階で全く異なるベクトルを持っていたという。
両者はワシントンスクエアパーク、グリニッジヴィレッジ、マンハッタンエクスプレスなどのプロジェクトにおいて数度対立することになるが、ジェイコブズは「一般市民の団結がトップダウン式の決定に屈しない」という政治決定を実現することで勝利を収めている。ジェイコブズの名著「アメリカ大都市の死と生」がそのような経験のもとに誕生したという経緯が描かれている点も興味深い。
本書はタイトルのような勧善懲悪の物語に仕上がっている感はあるが、現在では訳者あとがきにもあるように長期的視点に立った社会インフラの必要性からモーゼスの働きを再評価する動きもあるという。モーゼスが現在のニューヨークの骨格を築き生活の基盤を引き上げたことは事実であり、ジェイコブズ的な手法だけでは都市インフラそのものの寿命に対応できないことも予想されるのである。この新たな整備や開発を求めざるを得ないことがアメリカという国家の限界を示しているようにも思える。しかし、もしも第2のモーゼスとジェイコブズが奇しくも同時に出現することがあるとすれば、今度は手を取り合って開発だけでも保全だけでもない新たなパラダイムで世界を率いる日が来るのかもしれない。
「開発か保全」という2つしか選択肢がないと思い込みがちな日本の都市計画の閉塞感に亀裂を入れる一冊としてぜひ一読をお勧めしたい。
2011年7月11日に日本でレビュー済み
あの「アメリカ大都市の死と生」を著し、ニューヨークへの高速道路計画を中止させたジェイン・ジェイコブズの伝記である。
一方の当事者である都市計画の推進者であったモーゼスと対比させることで、彼女の存在感が浮き立っている。
あれだけの名著を書き上げたジェイコブズは、高卒でジャーナリストを目指していたというから意外である。転機が訪れたのは、建築家である夫ボブとの出会いと建築雑誌のライターとなったことである。
ただ、もともとあった反骨精神とフィラデルフィアの都市再生計画の取材などの体験から、ル・コルビジェに代表される近代建築への反感を募らせるようになったというのが原点のようだ。
それにしても、彼女の独自の理念に支えられた実行力は際立っている。
ワシントンスクエアパークを貫く道路計画への反対運動。
グリニッジビレッジ保存運動。
そして、10年にわたるニューヨーク高速道路計画との戦い。
いずれも当初から彼女が関わっていなかったのだが、参加を打診されると本気で取り組んでしまう熱い心の持ち主であることがわかる。
また、対立軸としてモーゼスの人となりを交錯させることでまるで物語を読んでいくように描かれて、引き込まれてしまう構成も見事である。
ふりかえって、日本を見るといまだに高速道路計画や都市を貫く道路計画は衰えを知らない。
最近ようやく中国地方の鞆の浦(ポニョの舞台)での道路計画の中止などの動きが見られるものの、車中心社会による地方都市の中心部の破壊はすさまじいものがある。
この国には、彼女のような人は出てこないのだろうか。
改めて考えさせられた。
一方の当事者である都市計画の推進者であったモーゼスと対比させることで、彼女の存在感が浮き立っている。
あれだけの名著を書き上げたジェイコブズは、高卒でジャーナリストを目指していたというから意外である。転機が訪れたのは、建築家である夫ボブとの出会いと建築雑誌のライターとなったことである。
ただ、もともとあった反骨精神とフィラデルフィアの都市再生計画の取材などの体験から、ル・コルビジェに代表される近代建築への反感を募らせるようになったというのが原点のようだ。
それにしても、彼女の独自の理念に支えられた実行力は際立っている。
ワシントンスクエアパークを貫く道路計画への反対運動。
グリニッジビレッジ保存運動。
そして、10年にわたるニューヨーク高速道路計画との戦い。
いずれも当初から彼女が関わっていなかったのだが、参加を打診されると本気で取り組んでしまう熱い心の持ち主であることがわかる。
また、対立軸としてモーゼスの人となりを交錯させることでまるで物語を読んでいくように描かれて、引き込まれてしまう構成も見事である。
ふりかえって、日本を見るといまだに高速道路計画や都市を貫く道路計画は衰えを知らない。
最近ようやく中国地方の鞆の浦(ポニョの舞台)での道路計画の中止などの動きが見られるものの、車中心社会による地方都市の中心部の破壊はすさまじいものがある。
この国には、彼女のような人は出てこないのだろうか。
改めて考えさせられた。