経営コンサルタントを本職としている【Daryl Weber】の著書
【Brand Seduction】
の邦訳版です。
本書帯には『選ばれるブランドと脳の化学』と言うキャッチコピーや、東大薬学部教授の推奨文が踊っており、「アメコミとかでお馴染みなサブミナル広告を、科学分析とかしているのかな?」等と想像しつつ読み始めたのですが、実際の内容もそれに近く『サブミナル広告』に関する記述もあったりしました。
端的に記せば、脳科学の視点からブランド・プロモーションが、どの様な脳の仕組みで認識され、如何程の効果を発揮しているのかを論じ、その利用法の提案まで軽く行っています。
ただ、著者は科学者では無い生粋の企業人である点からは、脳科学としては中途半端な「なんちゃって」講義が行われているのではないかと、懸念を抱く方も多いかと多いと思いますが、本書においては現役の神経科学者2名の監修が入っており、極めて客観的科学視点で綴られています。
一例を挙げると、上述『サブミナル広告』に関しては、本書記述早々で捏造だったと断じられた上で、その嘘が定義した『無意識化への訴え』と言うテーマを拾い、最新の脳科学とプロモーション手法に照らし合わせて、その可能性を探ったりされています。
勿論、脳科学に関しては『錯覚』に代表される様な『脳内補完機能』と言う初歩的な部分から始まっており、決して科学者向け専門書では無く、一般向け書籍としての体裁も堅持されています。
企業プロモーションとしての話題も、ファストフードやドラッグストアと言う身近な店舗から、流通やメディアも経て、長者番付に名前が連なる大企業まで、著者自身が関わった仕事を中心に例題として実名を挙げて示されており、グローバルな視点を御持ちの読者なら直感的に参考になるかと思います。
書面構成は、かなりビッチリと細かく文字が詰っており、定価2000円と言う価格が安価と感じる程に客観的情報が詰っていますが、各章末尾に箇条書きの『まとめ』が用意されており、著者が強く伝えたいメッセージが強調されている点は非常に良かったです。
また、原著では斜体表記されていた強調文章も、本書には太字表記され、写真家がキチンと監修した写真や図表も、一部は邦訳された上で原著に近い形でモノクロ収録されています。
強いて難点を挙げるなら、著者が米国人と言う事で、地元では有名でも日本では全く無名とも言えるブランドが実名で挙げられており、一応邦訳の段階で簡単な注釈が付けられていますが、そのブランドの影響力とかはなかなか掴み辛いものがあります。
総じて、広告やデザインに関わる方々において、「無意識下の脳にも訴えたい」と言う想いが芽生えた時に、打って付けと言える情報が満載の参考書と言えます。
古来より伝わる手法も網羅しつつ、現代の市場環境に当て嵌めて、本業の企業人としての観点からも解説されているので、中には応用と言わずにそのままプロジェクトに用いれる記述もあり、実用性も良好と感じましたので、個人的安価印象も加味して☆×5とします。
新品:
¥3,593¥3,593 税込
無料お届け日:
4月8日 - 12日
発送元: ※お届け予定日をご確認ください※有明Village 販売者: ※お届け予定日をご確認ください※有明Village
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中古品: ¥542
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「誘う」ブランド - 脳が無意識に選択する。心に入り込むブランド構築法 単行本 – 2017/3/17
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購入オプションとあわせ買い
「ブランドとは何かを定義して欲しい――。
そう訊かれてふと意識にあがるブランドのイメージは
間違っている。なぜならブランドとは、脳が無意識に
魅了された「幻覚」だからだ。ブランドの実体が
脳科学のメスで解剖され、さらにブランド戦略の
専門家の視点が加わる本書自体の求心力も抜群だ。」
東京大学薬学部教授 池谷裕二氏推薦
本書では、ブランドとは何か? どうやってブランドを構築すべきなのか?
という点について、だいたいにおいて無意識、かなりの怠け者、感情に動かされる
不合理なもの、とさまざまに評される私たちの脳について、科学的側面から考察し、
新しいブランドの考え方を提案します。
本書の第1部では「無意識」にフォーカスし、私たちの脳が持つ
驚くべき働きについて説明していきます。
第2部では、第1部の脳の実際の働きをふまえて、著者の提案する考え方である、
「ブランド・ファンタジー」を用いて、ブランドとは一体何なのか、
人の心の中でどのように存在しているのか、どのように育て形作ればいいのか、
という点を紐解きます。
第3部では、第2部で得た考え方をブランド構築や広告、市場調査、商品イノベーションに
応用して解説し、脳の実際の働きにマッチしたブランド構築法を提案する内容となります。
決して専門的すぎず、マーケターをはじめブランドに関わる仕事をする方や、
脳とブランドの科学に興味のある方々に向けて、わかりやすく多くの実例を
織り交ぜながら書かれた1冊です。
【推薦のことば】
「深遠で説得力があり、わかりやすく書かれた本書は、あらゆるマーケティング担当者が真に重要な仕事で目指す レベルを上げる。マーケティングの持つきわめて強大な力は、小手先のごまかしでは発揮することができない」
――セス・ゴーディン、『マーケティングは「嘘」を語れ! 顧客の心をつかむストーリーテリングの極意』(ダイヤモンド社)の著者
「確かな研究と実例によって、ダリル・ウェーバーはマーケティングの科学を刺激的ですぐに実践可能なものにした。ブランドの力を活用したいと考える人にとって、本書は貴重なツールになる」
――ニール・イヤール、『Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の
新ルール』(翔泳社)の著者
「魅力的な本だ。脳のネットワークがどのように構築され、私たちがどのように無意識的にブランドと共感するのか、ウェーバーは深く掘り下げている。その理論は信じられないほど刺激的で実践しやすい。ブランディングに関わる機会に恵まれた人にとって必読の書だ」
――ジョナサン・ミルデンホール、エアビーアンドビーのCMO
そう訊かれてふと意識にあがるブランドのイメージは
間違っている。なぜならブランドとは、脳が無意識に
魅了された「幻覚」だからだ。ブランドの実体が
脳科学のメスで解剖され、さらにブランド戦略の
専門家の視点が加わる本書自体の求心力も抜群だ。」
東京大学薬学部教授 池谷裕二氏推薦
本書では、ブランドとは何か? どうやってブランドを構築すべきなのか?
という点について、だいたいにおいて無意識、かなりの怠け者、感情に動かされる
不合理なもの、とさまざまに評される私たちの脳について、科学的側面から考察し、
新しいブランドの考え方を提案します。
本書の第1部では「無意識」にフォーカスし、私たちの脳が持つ
驚くべき働きについて説明していきます。
第2部では、第1部の脳の実際の働きをふまえて、著者の提案する考え方である、
「ブランド・ファンタジー」を用いて、ブランドとは一体何なのか、
人の心の中でどのように存在しているのか、どのように育て形作ればいいのか、
という点を紐解きます。
第3部では、第2部で得た考え方をブランド構築や広告、市場調査、商品イノベーションに
応用して解説し、脳の実際の働きにマッチしたブランド構築法を提案する内容となります。
決して専門的すぎず、マーケターをはじめブランドに関わる仕事をする方や、
脳とブランドの科学に興味のある方々に向けて、わかりやすく多くの実例を
織り交ぜながら書かれた1冊です。
【推薦のことば】
「深遠で説得力があり、わかりやすく書かれた本書は、あらゆるマーケティング担当者が真に重要な仕事で目指す レベルを上げる。マーケティングの持つきわめて強大な力は、小手先のごまかしでは発揮することができない」
――セス・ゴーディン、『マーケティングは「嘘」を語れ! 顧客の心をつかむストーリーテリングの極意』(ダイヤモンド社)の著者
「確かな研究と実例によって、ダリル・ウェーバーはマーケティングの科学を刺激的ですぐに実践可能なものにした。ブランドの力を活用したいと考える人にとって、本書は貴重なツールになる」
――ニール・イヤール、『Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の
新ルール』(翔泳社)の著者
「魅力的な本だ。脳のネットワークがどのように構築され、私たちがどのように無意識的にブランドと共感するのか、ウェーバーは深く掘り下げている。その理論は信じられないほど刺激的で実践しやすい。ブランディングに関わる機会に恵まれた人にとって必読の書だ」
――ジョナサン・ミルデンホール、エアビーアンドビーのCMO
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日2017/3/17
- 寸法21 x 14.8 x 2.5 cm
- ISBN-104802510454
- ISBN-13978-4802510455
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商品の説明
著者について
Daryl Weber/ダリル・ウェーバー
経験豊かなブランド戦略コンサルタントであるダリル・ウェーバーは、コカ・コーラ、ナイキ、ジョニー・ウォーカー、ゲータレード、パンパースなど、世界で最高かつ最大のブランドの多くに影響を与えてきた。
かつてはコカ・コーラ社でクリエイティブ戦略を担当するグローバル・ディレクターを務め、10億ドル級のブランドのブランディングやコミュニケーション戦略を統括した。
それ以前には、小規模専門会社向けのブランディングとイノベーションのコンサルティング会社、レッドスカウトの戦略部長として、フォーチュン100(グローバル企業の総収入ランキングトップ100)入りした企業に、新商品イノベーションやブランド・ポジショニングに関するアドバイスをした経験もある。
ウェーバーはコロンビア大学で心理学を専攻し、学士号を取得。
現在はアトランタで、妻ジェニファーと息子アヴィと一緒に暮らしている。
経験豊かなブランド戦略コンサルタントであるダリル・ウェーバーは、コカ・コーラ、ナイキ、ジョニー・ウォーカー、ゲータレード、パンパースなど、世界で最高かつ最大のブランドの多くに影響を与えてきた。
かつてはコカ・コーラ社でクリエイティブ戦略を担当するグローバル・ディレクターを務め、10億ドル級のブランドのブランディングやコミュニケーション戦略を統括した。
それ以前には、小規模専門会社向けのブランディングとイノベーションのコンサルティング会社、レッドスカウトの戦略部長として、フォーチュン100(グローバル企業の総収入ランキングトップ100)入りした企業に、新商品イノベーションやブランド・ポジショニングに関するアドバイスをした経験もある。
ウェーバーはコロンビア大学で心理学を専攻し、学士号を取得。
現在はアトランタで、妻ジェニファーと息子アヴィと一緒に暮らしている。
登録情報
- 出版社 : ビー・エヌ・エヌ新社 (2017/3/17)
- 発売日 : 2017/3/17
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 288ページ
- ISBN-10 : 4802510454
- ISBN-13 : 978-4802510455
- 寸法 : 21 x 14.8 x 2.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 59,938位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 3,209位アート・建築・デザイン (本)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2017年3月30日に日本でレビュー済み
2017年5月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
雑学書としては(まあまあ)ありですが、マーケティングの書籍としては参考にならない。知識の断片を集めた後に持論を展開しているにとどまり、具体性や汎用性がない印象。
2017年6月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
参考事例はアメリカの大企業、これはまぁ仕方ないとして
その分析も結果論ありきで
じゃあ自分で新しいブランドを作る時に
どうすればいいか、という観点に立つと
あまり参考になることはありませんでした。
ブランディングの本は相当読んでいますが
同じような悩みをお持ちの方は
ブランディングの本を読むより
マーケティングの本を読んで
自分なりに試行錯誤したほうが役に立つと思います。
ブランディングの本はどれも
Appleはこうして成功した、
Sonyはこうして成功した、というそういった話ばかりです。
ただ読み物としては面白かったです。
その分析も結果論ありきで
じゃあ自分で新しいブランドを作る時に
どうすればいいか、という観点に立つと
あまり参考になることはありませんでした。
ブランディングの本は相当読んでいますが
同じような悩みをお持ちの方は
ブランディングの本を読むより
マーケティングの本を読んで
自分なりに試行錯誤したほうが役に立つと思います。
ブランディングの本はどれも
Appleはこうして成功した、
Sonyはこうして成功した、というそういった話ばかりです。
ただ読み物としては面白かったです。
2017年4月4日に日本でレビュー済み
原題は『
Brand Seduction: How Neuroscience Can Help Marketers Build Memorable Brands
』です。
読みやすい三部構成になっています。
Neuroscience(神経科学)と呼べるほどの記述はほとんどなく、立脚点は初学者向けの認識論あるいは心理学といった印象ではありますが、現代的でわかりやすい例とともに具体的に語られるため、論旨に素直に従って読み進めることができるかと思います。
第一部:脳とブランドの結びつき
「ブランド」という観念が、どのようにして人の中に存在するか、の実態(実体ではない)と仕組み
第二部:ブランドの新しいモデル
ケーススタディ
第三部:魅惑的なブランドを構築する
応用/実践に向けたヒント
読みやすい三部構成になっています。
Neuroscience(神経科学)と呼べるほどの記述はほとんどなく、立脚点は初学者向けの認識論あるいは心理学といった印象ではありますが、現代的でわかりやすい例とともに具体的に語られるため、論旨に素直に従って読み進めることができるかと思います。
第一部:脳とブランドの結びつき
「ブランド」という観念が、どのようにして人の中に存在するか、の実態(実体ではない)と仕組み
第二部:ブランドの新しいモデル
ケーススタディ
第三部:魅惑的なブランドを構築する
応用/実践に向けたヒント
2017年5月16日に日本でレビュー済み
タイトルかわかるようにブランディングの技術について解説された本。
無意識や感情がブランドに強く影響していることを説明し、またそれをどうやってブランドに生かしていくかについて書かれている。
後半(7章以降)は、実践的な内容を多く含むが、そもそもブランドというもの自体がふわっとしたものなので、本の手順通りにやれば誰でも簡単にブランド構築ができるといった類いのものではないと感じた。
実際、章のサブタイトルにも「形のないものを(ある程度)形にする」というような表現が使われていたりする。
とはいえ、手探りの状態から、ひとつの方向性を打ち出すための役には立つし、この方向性があるかないかで、ブランディングの質も大きく変わってくるのだと思う。
ブランディングというものは必ずしも大企業に限られた話ではないので、中小の企業にとっても役立つ内容だと思うし、少なくともこの本が一つの手がかりになることは間違いない。
なかなかの良書と感じた。
無意識や感情がブランドに強く影響していることを説明し、またそれをどうやってブランドに生かしていくかについて書かれている。
後半(7章以降)は、実践的な内容を多く含むが、そもそもブランドというもの自体がふわっとしたものなので、本の手順通りにやれば誰でも簡単にブランド構築ができるといった類いのものではないと感じた。
実際、章のサブタイトルにも「形のないものを(ある程度)形にする」というような表現が使われていたりする。
とはいえ、手探りの状態から、ひとつの方向性を打ち出すための役には立つし、この方向性があるかないかで、ブランディングの質も大きく変わってくるのだと思う。
ブランディングというものは必ずしも大企業に限られた話ではないので、中小の企業にとっても役立つ内容だと思うし、少なくともこの本が一つの手がかりになることは間違いない。
なかなかの良書と感じた。
2017年5月6日に日本でレビュー済み
本書では、人間の脳、意識を超えて無意識の領域まで踏み込む。
人間の考え、行動も意識の支配する領域はほんの少しで、大半は無意識によっている。
ブランドに対する感情、思いも相当意識の淵の深いところから発せられている。
人は買い物に快感を求めている。それを求めて使う自分をイメージする。
どんな人でも自尊心があり、そこを突かれると弱いのだ。あからさまでなくていい、ひっそりと誘うのだ。
ブランドと一口に言っても、その世界は多岐に渡る事を認識した。
本書を読む直前にクリス・アンダーソンの「ロングテール」を読んでいたが、この2冊はマーケティングの視野を一気に広げてくれた。
人間の考え、行動も意識の支配する領域はほんの少しで、大半は無意識によっている。
ブランドに対する感情、思いも相当意識の淵の深いところから発せられている。
人は買い物に快感を求めている。それを求めて使う自分をイメージする。
どんな人でも自尊心があり、そこを突かれると弱いのだ。あからさまでなくていい、ひっそりと誘うのだ。
ブランドと一口に言っても、その世界は多岐に渡る事を認識した。
本書を読む直前にクリス・アンダーソンの「ロングテール」を読んでいたが、この2冊はマーケティングの視野を一気に広げてくれた。
2017年4月15日に日本でレビュー済み
従来のブランド構築は、顧客が合理的で意識的にブランドのメッセージを受け取ってくれることを前提として、論理的に整理された形でのブランド戦略を作り、その戦略にのっとって顧客との接点・個別のマーケティング施策を整理し、組み合わせていくものである。
それですら、実行段階で統制を取ることは難しく、個別の施策が顧客に与える印象を帰納的に足しあげても、本来意図されたブランド戦略やブランド価値とは重ならない、という事は非常に多い。特に日本のブランドは、テレビ広告重視、かつテレビ広告でのメッセージ戦略より認知獲得のための面白さや有名人による注意喚起重視、と言うケースが多く、そうなるとますます、一貫したブランドの価値やポジショニングを作れない。
本書は、こうした現実の中で方向性を見定める事に苦労しているマーケティング担当者に対して、Neuromarketing(脳科学的マーケティング?)の研究に基いて、顧客が無意識のうちに吸収する情報の影響の強さを次々と提示し、小気味よい挑発をすることから始まっている。
意識的なメッセージよりも、感覚的で断片的な情報・信号・印象などが相互に影響しあい、顧客の頭の中に集積する事で形成されるブランドの姿を「ブランド・ファンタジー」と名付け、ブランディング・マーケティングの方法論を変えるべき、と訴える。そのコンセプトに似た形で実際に成功裡に立ち上げられたブランド(すべてアメリカ、日本にはほぼ無名だが)の事例もいくつか紹介されている。ここまでは、とても面白い。
ただし、著者はコカコーラでのマーケティング経験や、アメリカの数々の大手ブランドにマーケティング面から影響を与えた、という経歴の割に、自分の手かげた事例が一切出てこない。また、実際に「ブランド・ファンタジー」のコンセプトをどのようにマーケティングの戦略と施策に生かすか、と言う点については最後まで体系的にまとめられていない。個別に「こういう手法は使える」と言う紹介はあるのだが、それ自体はリサーチ会社がもう10年以上も前から手法としては持っているリサーチ手法だったりする。マーケティング担当者がもっとちゃん知りたいのは、そうしたリサーチ手法だけでなく、「ブランド・ファンタジー」を意のままに(それが無理なら出来るだけ意図に添うように)構築するための全体戦略のはず。
そうした点で、3章立ての最後の章が不完全燃焼だったのが残念。
なお、著者のブログを見に行くと、本書の元ネタになった資料(TEDのプレゼンテーションや、Neuromarketingに関するウェブサイトなど)がいろいろ紹介されており、それぞれをちゃんと見ていけば、更に知識は深まると思う。ただし、当然ながら全て英語である・・・
それですら、実行段階で統制を取ることは難しく、個別の施策が顧客に与える印象を帰納的に足しあげても、本来意図されたブランド戦略やブランド価値とは重ならない、という事は非常に多い。特に日本のブランドは、テレビ広告重視、かつテレビ広告でのメッセージ戦略より認知獲得のための面白さや有名人による注意喚起重視、と言うケースが多く、そうなるとますます、一貫したブランドの価値やポジショニングを作れない。
本書は、こうした現実の中で方向性を見定める事に苦労しているマーケティング担当者に対して、Neuromarketing(脳科学的マーケティング?)の研究に基いて、顧客が無意識のうちに吸収する情報の影響の強さを次々と提示し、小気味よい挑発をすることから始まっている。
意識的なメッセージよりも、感覚的で断片的な情報・信号・印象などが相互に影響しあい、顧客の頭の中に集積する事で形成されるブランドの姿を「ブランド・ファンタジー」と名付け、ブランディング・マーケティングの方法論を変えるべき、と訴える。そのコンセプトに似た形で実際に成功裡に立ち上げられたブランド(すべてアメリカ、日本にはほぼ無名だが)の事例もいくつか紹介されている。ここまでは、とても面白い。
ただし、著者はコカコーラでのマーケティング経験や、アメリカの数々の大手ブランドにマーケティング面から影響を与えた、という経歴の割に、自分の手かげた事例が一切出てこない。また、実際に「ブランド・ファンタジー」のコンセプトをどのようにマーケティングの戦略と施策に生かすか、と言う点については最後まで体系的にまとめられていない。個別に「こういう手法は使える」と言う紹介はあるのだが、それ自体はリサーチ会社がもう10年以上も前から手法としては持っているリサーチ手法だったりする。マーケティング担当者がもっとちゃん知りたいのは、そうしたリサーチ手法だけでなく、「ブランド・ファンタジー」を意のままに(それが無理なら出来るだけ意図に添うように)構築するための全体戦略のはず。
そうした点で、3章立ての最後の章が不完全燃焼だったのが残念。
なお、著者のブログを見に行くと、本書の元ネタになった資料(TEDのプレゼンテーションや、Neuromarketingに関するウェブサイトなど)がいろいろ紹介されており、それぞれをちゃんと見ていけば、更に知識は深まると思う。ただし、当然ながら全て英語である・・・