私は非正規雇用の人間です。なんともいえない複雑な気持ちで本書を読み進めました。
丹念に取材した結果の良作です。
自己責任、自己管理、能力主義の3点をもとに今後日本は突き進むでしょう。
そこからあぶれた者(弱者?)はどうにかして生き延びる知恵を身につけていくしかないと思います。嘆こうが、自分で蒔いた種は自分で刈り取るしかないのですから。
社会のグローバル化が加速し、日本の労働環境が大きく変化している、この著書で描かれているのはその大きなうねりの発端にすぎないと感じました。
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雇用融解―これが新しい「日本型雇用」なのか ペーパーバック – 2017/3/21
風間 直樹
(著)
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現代の労働者がいかに過酷な立場に立たされているかを徹底取材。待遇は改善されず、または悪化する一方で、負うべき責任だけは膨らんでいく。雇用のあり方を問い直す警世の書。
- 本の長さ318ページ
- 言語日本語
- 出版社東洋経済新報社
- 発売日2017/3/21
- 寸法12.7 x 2.03 x 18.8 cm
登録情報
- ASIN : B06XR1VQ7K
- 出版社 : 東洋経済新報社 (2017/3/21)
- 発売日 : 2017/3/21
- 言語 : 日本語
- ペーパーバック : 318ページ
- 寸法 : 12.7 x 2.03 x 18.8 cm
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2008年1月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
経済誌のライターである著者が、工場現場の取材でふといだいた疑問を出発点に、事実の断片をたんねんに拾い集めまとめあげた労作です。「女工」「たこ部屋」「出稼ぎ」といった、この国の底辺の労働を象徴してきた呼称につらなる言葉として「人材派遣」をとらえ、実態を浮き彫りにしてみせています。
読んで、鎌田慧の『自動車絶望工場』を思い出しました。実体験からその労働の苛酷さを描いてみせた『絶望工場』にくらべ、インタビューや調査から全体像をとらえようとした本作は、労働の有り様への迫り方としては不足しているものがあります。しかし「一人勝ち」をつづけるTOYOTAやSHARPの生産現場の労働の実態に近づこうとした仕事としては、いまのマスコミの状況において希有な仕事になっていると思います。
とくに「世界の亀山モデル」として語られるSHARP亀山工場の、液晶テレビの製造現場の労働実態は興味深く読みました。この報道は、貴重で、スクープといってもよいかもしれません。
読んで、鎌田慧の『自動車絶望工場』を思い出しました。実体験からその労働の苛酷さを描いてみせた『絶望工場』にくらべ、インタビューや調査から全体像をとらえようとした本作は、労働の有り様への迫り方としては不足しているものがあります。しかし「一人勝ち」をつづけるTOYOTAやSHARPの生産現場の労働の実態に近づこうとした仕事としては、いまのマスコミの状況において希有な仕事になっていると思います。
とくに「世界の亀山モデル」として語られるSHARP亀山工場の、液晶テレビの製造現場の労働実態は興味深く読みました。この報道は、貴重で、スクープといってもよいかもしれません。
2008年11月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者の怒りも理解できますし、若者の置かれた悲惨な状況はほっておけないと思います。
また、問題を取り上げたという点では評価をしたいと思います。
しかし、企業がそこまでして労働コストを下げざるをえない理由は何なのか?
それは、資本主義社会では、企業という存在そのものが、国際的な競争、あるいは国内であってもライバル企業と激しい競争をせまられているからだと思います。
この著者も含め、この雇用形態に批判的な人々が、自動車なり、液晶テレビなどの電化製品なり、ファーストフードの食べ物なり、その企業のサービスを受ける際に、実際にそこで働いている人たちの労働条件を考えるのか、聞いてみたいと思います。
多くの人たちが、消費者の立場になった際には、ある物・サービスを購入する際に、物・サービスの量質と価格のみで購入するかしないかを判断するのではないでしょうか?その企業が正社員を使っているか、非正規社員を多く使っているかということは、購入判断の材料には入らないと思います。
企業というものは、世の中を向いた社会的な存在であり、もし「労働者使い捨て」の企業が批判され、その商品が買われなくなれば、自然に「正社員雇用」の流れに向くと思います。
この本を読み、企業を批判する方たちは、商品を買う際に安さだけに目をとらわれず、その企業の雇用の体制などを考慮した上で購買行動を起こすべきだと思います。
安い商品を買いながらも、単に企業を批判する人は、企業を批判する資格がないと言えば言いすぎでしょうか?
また、問題を取り上げたという点では評価をしたいと思います。
しかし、企業がそこまでして労働コストを下げざるをえない理由は何なのか?
それは、資本主義社会では、企業という存在そのものが、国際的な競争、あるいは国内であってもライバル企業と激しい競争をせまられているからだと思います。
この著者も含め、この雇用形態に批判的な人々が、自動車なり、液晶テレビなどの電化製品なり、ファーストフードの食べ物なり、その企業のサービスを受ける際に、実際にそこで働いている人たちの労働条件を考えるのか、聞いてみたいと思います。
多くの人たちが、消費者の立場になった際には、ある物・サービスを購入する際に、物・サービスの量質と価格のみで購入するかしないかを判断するのではないでしょうか?その企業が正社員を使っているか、非正規社員を多く使っているかということは、購入判断の材料には入らないと思います。
企業というものは、世の中を向いた社会的な存在であり、もし「労働者使い捨て」の企業が批判され、その商品が買われなくなれば、自然に「正社員雇用」の流れに向くと思います。
この本を読み、企業を批判する方たちは、商品を買う際に安さだけに目をとらわれず、その企業の雇用の体制などを考慮した上で購買行動を起こすべきだと思います。
安い商品を買いながらも、単に企業を批判する人は、企業を批判する資格がないと言えば言いすぎでしょうか?
2008年10月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私自身、40半ばで非正規雇用だから、身につまされるものがある。今、公務員叩きがはやりだが、公を民に開いても、格差が助長されたり、非正規雇用が増え、イチロー並みの才能やら努力をしないと、まともな職にも就けず、就労人口の半分以上が、何の社会保障もなく、いつクビを切られるかわからないというのでは、そんな社会は果たしてまともな社会と言えるのか。資本主義は、そもそも競争なのだが、このような書物を読むと、資本主義は、もう恐らく限界に来ているのではないのかという来さえしてくる。問題提起の書である。
2007年5月28日に日本でレビュー済み
本書は『週刊東洋経済』の記者である著者が、2002年から
約5年間にわたり積み重ねてきた雇用問題に関する取材の数々を
一冊にまとめたものである。
あとがきにあるように、氏の問題意識は2002年、新米記者
としてキヤノンの複写機工場を訪れたところから始まっている。
たまたま訪れたその工場で、氏はキヤノンの正社員とは異なるカ
ラフルなユニフォームを着た作業員たちの姿を目撃する。正社員
たちとまったく同じ仕事をしながら「他社の人」と呼ばれ、取材
の写真撮影も禁じられたこの不思議な存在たちに疑問を抱いた氏
は取材を進めてゆき、やがて日本製造業の巨大な闇ともいえる
偽装請負の実態に気づき始めるのである。そして日本の雇用をめぐ
る問題がもはやごく一部の特殊な事例ではなく、外国人労働者、
教師、医者、弁護士とあらゆる層に広がっていることを明らかにし
ていく。
今では誰もが知るところとなった偽装請負の問題。しかしこの
問題を2002年の時点から追い続け、社会に訴えてきたマスメ
ディアがはたしてどれだけあっただろうかと思う。その意味で、
本書は日本経済が構造改革とひきかえに犠牲にした負の遺産の数
々をひとつずつ真摯に、真面目に拾い上げた力作である。
「過労死は自己責任」の爆弾発言で波紋を呼び、国会でも取り
上げられた、人材派遣会社ザ・アール奥谷禮子社長のインタビュー
も完全収録。
約5年間にわたり積み重ねてきた雇用問題に関する取材の数々を
一冊にまとめたものである。
あとがきにあるように、氏の問題意識は2002年、新米記者
としてキヤノンの複写機工場を訪れたところから始まっている。
たまたま訪れたその工場で、氏はキヤノンの正社員とは異なるカ
ラフルなユニフォームを着た作業員たちの姿を目撃する。正社員
たちとまったく同じ仕事をしながら「他社の人」と呼ばれ、取材
の写真撮影も禁じられたこの不思議な存在たちに疑問を抱いた氏
は取材を進めてゆき、やがて日本製造業の巨大な闇ともいえる
偽装請負の実態に気づき始めるのである。そして日本の雇用をめぐ
る問題がもはやごく一部の特殊な事例ではなく、外国人労働者、
教師、医者、弁護士とあらゆる層に広がっていることを明らかにし
ていく。
今では誰もが知るところとなった偽装請負の問題。しかしこの
問題を2002年の時点から追い続け、社会に訴えてきたマスメ
ディアがはたしてどれだけあっただろうかと思う。その意味で、
本書は日本経済が構造改革とひきかえに犠牲にした負の遺産の数
々をひとつずつ真摯に、真面目に拾い上げた力作である。
「過労死は自己責任」の爆弾発言で波紋を呼び、国会でも取り
上げられた、人材派遣会社ザ・アール奥谷禮子社長のインタビュー
も完全収録。
2007年12月19日に日本でレビュー済み
について考えさせてくれる良書。
それは既得権を守るために生み出された階層だ。
その解決に向けて、日本はどう向き合っていくのか。
については触れられていないが、世界中で書きあぐねている問題だからしょうがないか。
ちょっと甘めに★4つ。
それは既得権を守るために生み出された階層だ。
その解決に向けて、日本はどう向き合っていくのか。
については触れられていないが、世界中で書きあぐねている問題だからしょうがないか。
ちょっと甘めに★4つ。
2007年5月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
確かに全労働人口の中で非正社員割合が増加している。
「外国人研修生」制度も形骸化しており、単純労働と何ら変わらない就業形態であることも事実である。
そして、大企業が個別労働紛争で訴えられているのも事実。
ホワイトカラーエグゼンプションを論じているザ・アール社長には、女工哀史を読んでいただきたくなる。
では、労働基準法、労働者派遣法は甘い(ザル法)のか?
そうではなく運用の仕方に問題があるのだろう。
日本で一番守られていない法律は、道路交通法。そして次に労働基準法。
という笑えない話が脳裏をよぎる。
偏ってはいるが、こういう見方、捉え方もある。
「外国人研修生」制度も形骸化しており、単純労働と何ら変わらない就業形態であることも事実である。
そして、大企業が個別労働紛争で訴えられているのも事実。
ホワイトカラーエグゼンプションを論じているザ・アール社長には、女工哀史を読んでいただきたくなる。
では、労働基準法、労働者派遣法は甘い(ザル法)のか?
そうではなく運用の仕方に問題があるのだろう。
日本で一番守られていない法律は、道路交通法。そして次に労働基準法。
という笑えない話が脳裏をよぎる。
偏ってはいるが、こういう見方、捉え方もある。
2007年5月17日に日本でレビュー済み
30歳の著者が、自分と同世代の若者がいかに理不尽な働き方を強いられているかを世に問うている。力作だ。
待遇が悪いとか、責任が重い、ということ自体も切ないけど、これからもずっと改善の見込みがない、ということがどれほど働く者を苦しめ、若者の意欲と希望、そして未来を奪っているかを、詳細な取材で明らかにしている。
本書のなかに登場する経営者によると、それは弱い労働者の甘えだということらしいが。
本書を読むと、かつて流行った「多様な働き方」というキャッチフレーズは、正社員を採用しないために企業が作り出したキャッチフレーズだったとしか思えなくなってくる。
それから年功賃金という仕組みは、若年のときは生産性に見合わない低い賃金だけれども、年をとると生産性以上の賃金を得られる仕組みだったと思うけど、それが今は、若い人には賃金以上の働きをしてもらうけど、その人が年をとった後は知らない(社員じゃないから)というようなひどい仕組みに変わっているようにも見える。
そういう時代環境に対する著者の怒りが、行間からあふれだしている。著者が、同世代の若者と自分をだぶらせて書いているからだろう。そもそも、こういう若い著者による経済本は稀有ではないか。それが本書を、他の労働本とは一味違う本に仕上げている。
待遇が悪いとか、責任が重い、ということ自体も切ないけど、これからもずっと改善の見込みがない、ということがどれほど働く者を苦しめ、若者の意欲と希望、そして未来を奪っているかを、詳細な取材で明らかにしている。
本書のなかに登場する経営者によると、それは弱い労働者の甘えだということらしいが。
本書を読むと、かつて流行った「多様な働き方」というキャッチフレーズは、正社員を採用しないために企業が作り出したキャッチフレーズだったとしか思えなくなってくる。
それから年功賃金という仕組みは、若年のときは生産性に見合わない低い賃金だけれども、年をとると生産性以上の賃金を得られる仕組みだったと思うけど、それが今は、若い人には賃金以上の働きをしてもらうけど、その人が年をとった後は知らない(社員じゃないから)というようなひどい仕組みに変わっているようにも見える。
そういう時代環境に対する著者の怒りが、行間からあふれだしている。著者が、同世代の若者と自分をだぶらせて書いているからだろう。そもそも、こういう若い著者による経済本は稀有ではないか。それが本書を、他の労働本とは一味違う本に仕上げている。